みんなのGOTY

Game of the Year 2024
ニス さん
アストロボット
私とアストロ君との出会いはそう、2016年まで遡る… まだアストロという名前さえ付いていなかったその頃、PSVRの無料ゲーム『プレイルームVR』で遊べるゲームの中の一つに『ロボットレスキュー』というものがあった。恐らくそれがアストロ君のデビュー作だ。 その時もVRの可能性に心躍ったものだが、私の心を完全に撃ち抜いたのは2018年にPSVR専用で発売された『アストロボット:レスキューミッション』だった。 生まれて初めてゲームを遊んだ時や、マリオ64を初めて触った時のあの驚きとワクワク。 そんな子供の頃の原体験を再び味わう事の出来る本当に素晴らしいゲームだった。 すまない。前置きが長くなってしまった。 アストロ君との再会は2020年、PS5を発売日に入手したその時だった。 そう、これまた無料のプリインストールゲーム『アストロズプレイルーム』だ。 「VR空間ではないけどまさかまた会えるなんて」と、思わず泣きそうになった。 これも無料のゲームとは思えないほどのクオリティで、もちろんトロコンするまで遊んだ。 しまった。まだ前置きだった。 今作は、アストロシリーズとして1作目ではないのにも関わらずタイトル名が『アストロボット』だけというサブタイトル無しの珍しいパターンだ。 逆に、満を持して感すらある。 初めてアストロ君を触る人にも持ってこいのタイトルだ。 さて、ここまで語ってきたわけだが私は今回このゲームの内容や面白さのレビューはもはや省略させていただく。 私が『アストロボット』を改めてすごいと思ったのはたった一つの理由からである。 それは、ゲームにまっっっっっったくと言っていいほど興味の無い私の妻が、 「このゲームは素晴らしい。なにこれ可愛い。ずっと見てても飽きない。よくこんなの思いつくな。アイデアがすごい。これは素晴らしい。過去イチだ。可愛すぎる。早く続きを見せろ」などと言ってきたのである。 私は心底驚いた。今まで私がどんなゲームを遊んでいても一切見向きもせず、「どれもみんな同じに見える」と言っていたあの妻が、しきりに素晴らしい素晴らしいと言っている。 私が愛してやまないアストロボットが8年の時を経てやっと『ゲームに興味のない妻』に認められたのだ。 もちろん自分が作ったわけじゃないけど、こんなに嬉しくて誇らしいことってあるだろうか? だってTeam ASOBIが『アソビ』を追求した結果、思わぬところからファンを生み出してしまったのだから。 更にすごいのは、アストロボットが【PlayStation30周年をお祝いするゲーム】だという側面は『ゲームに興味のない妻』に対して何のフックにもなっていないという事だ。その上での絶賛である。(ちなみに私にはフックが引っかかりすぎた。刺さりすぎた) Team ASOBIには本当にありがとうと伝えたい。 そして今、これを書いていて分かった事がある。 『ゲームに興味のない妻』が絶賛した時点で、『アストロボット』がTGA 2024でGOTYを受賞する事はきっと必然だったのだ。 アストロ君、我が家のGOTYも君に決めた!(とっくに決まってた!) PSVR2への凱旋いつまでも待ってるよ!
Game of the Year 2024
おやすみ さん
潮汐少女:現象
今年遊んだゲームの中で最も「推したい」ゲーム、それは「潮汐少女:現象」です。 個人的に、2024年は海外のインディーゲームが日本語訳されることに関心を寄せた一年でした。 「潮汐少女:現象」はそんな中で出会った、ビジュアルノベル作品です。 この作品はもともと英語、中国語(簡体字)のみで配信された作品でした。 リリースされてからわずか1ヶ月後、nicolith氏による翻訳がなされ、日本語版が遊べるようになりました。 物語の舞台は1,000年後の世界。 遠い未来の、少女達の学園生活が描かれています。 約1時間のプレイの中に、少女達の抱える不安定さ、巨大企業によって歪められた未来、現在と地続きのありふれた学園生活、物語の展開とともに疾走するオルタナティブ・ロック、日本のアニメへのリスペクトたっぷりなアートスタイル…と、これでもかと惹かれる要素が詰まっています。 特に印象的なのは、主人公の心理描写です。 「肉体は宙に浮いてる」「意識は声に沈んでる」…。 心に闇を抱えた彼女が、他人との交わりの中で何を感じ、考えて、どんな結末を迎えるのか、目が離せません。 日本語訳も物語のスピードに寄り添うような、直感的で、切れ味の鋭い素晴らしいものでした。 遊ぶにあたってのハードルが低いのも魅力です。 steamにて350円で販売、PCの要求スペックも高くありません。 ビジュアルノベルなので難しい操作も必要ありません。 このレビューをきっかけとして、沢山のプレイヤーに遊んでもらえたらいいなと思います。
Game of the Year 2024
まるちこ | 2人プレイゲームの伝道師 さん
Dungeons4
地下ダンジョンを発展させて地上に侵攻する RTS 全ステージ協力プレイで遊んでます! 地下を発展させる側と、地上を侵攻する側で担当を分けてプレイしています。 むしろそうしないと高難易度ステージはクリアできないような、、 一人でやっている人はどうプレイしてるんだろう。 - 発売直後からとにかくずっと遊んでいる作品 - 日本語訳がパロディもりもり、逆に英語がどんな感じなのか気になる - 良く見るとそうでもないんだけど遠目に見ると可愛いキャラクターたちの働きを眺められる - 同じステージをいろんなプレイ方法でとにかく擦り続けている - 他にやるゲームがない時、とりあえず起動して遊んでしまう - ひとつ前の作品、Dungeons3 も楽しかった
Game of the Year 2024
ねんじ さん
ファイナルファンタジーVII リバース
FF7リメイクシリーズの第二弾。 本作ではミッドガル脱出後のクラウドたちの活躍を描く物語であり、宿敵セフィロスを追いかけながら世界を股にかけて冒険していきます。 ストーリーとしては原作ファンであればオリジナルと比較して、より詳細に描かれるエピソードや、オリジナルとは異なる展開を見せるストーリーに一喜一憂できるでしょう。 また、オリジナルを知らずとも十分楽しめる内容となっていると思います。 1作目のリメイクをプレイしていなくても、総集編として映像で補完できるので前作未プレイでも大丈夫です。 ゲームシステムとしては、広大なフィールドマップにおける探索、様々なミニゲーム、コマンドとアクションを合わせた独特な戦闘システム、サブクエスト、どれをとっても前作リメイクから大幅に進化、スケールアップしています。 中でも今作のサブクエストと戦闘はよかったです。 オープンワールドのサブクエストはとかくおつかいになりがちであり、数をこなしていくうちに作業感が出てしまう。 その点、本作ではサブクエストにおいて、必ずメインキャラクターの誰かがバディとして関わり、そのバディに関連付けてサブクエストが進んできます。 サブクエスト自体がメインキャラの掘り下げにつながり、これまでは知りえなかったエピソードに触れることができます。知らず知らずのうちに各キャラクターへの愛着が湧いていくような気がします。 キャラクターが本当に生き生きとしています。キャラの言動が古い、やり過ぎとの評判もありますが、むしろそこがいいと思います。だってゲームですから。 グラフィックがリアルになるにつれ、キャラクターの動きも人間ぽくあっさりとしていく中、ゲーム的なあざとい仕草、オーバーリアクションをやってのけるのは最近では珍しいのではないかと思います。 個人的にはその部分にはゲームっぽさと、懐かしさがあり好きだなと感じました。 そしてコマンドとアクションを組み合わせた独自の戦闘システム。 戦闘においては有効的な攻撃をしないとその辺の雑魚に簡単に全滅させられます。ボスなら尚更です。 そこで重要になるのがFF7の根幹となるマテリアシステムと、仲間をどう動かすかという戦略性でした。かなりの強敵も一度戦い方を理解し、装備や戦略を組み立てていけば意外とあっさり勝てたりします。 うまく勝てたときの爽快さはかなりのものでした。 …と、まだまだ紹介したりないですが、長くなるのでやめます。 ミニゲームもメインやそれ以外のキャラのこともストーリーについても紹介したい!けどやめます。 2025年1月23日にPC版も発売されます。 これを期にもっと多くの人にFF7リバースの世界を体験していただきたい。 広大な世界で宿敵を追いかけ、仲間との信頼を深め、時にはなにしてんだこいつらと脱線したりしながらクラウド達の冒険を体験していただきたい!
Game of the Year 2024
こっけん(こっけんまる不在🐶) さん
ステラ―ブレイド
ハードSFの世界観をベースにネイティブという脅威に立ち向かう主人公イヴ。 物語は正直既視感は多少あれど、わかりやすい物語と魅力的なキャラクター達は好感触。 死にゲーとまではいかずともそれでも難しいアクションは、苦手な人でもリングによるウィークポイント表示でかっこいい技も繰り出せる爽快感。 NIKKE制作のシフトアップだけに露骨な描写も多々あるが、ニーアやベヨネッタのようなエロカッコよさを求める人にはとにかく推しです。 又、フォトモードやボスバトルの追加など、アプデも怠らずとにかく飽きさせない作りで、次世代機でプレイしたくなるゲームの一本だと思います。
Game of the Year 2024
寝落ち=Mt-Big=ビックリまうんてん さん
ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
全世界のドラクエファンの皆さんスミマセンでした、、、 子どもの頃はファイファン派で、大きくなってもFF派の私、実はしっかりプレイしたのは「テリーのワンダーランド」だけなんです。 今回プレイしてみたらメッチャおもろい! 最近はコマンド式のRPGから離れていたせいもあるかもですが、RPGってコレだよネ感がビンビン! ルイーダの酒場での仲間のキャラクリですが、ルックス、職業、ボイスを選んで性格はランダム。凄くちょうどいい!最近はめちゃくちゃキャラクリでいじれるところがあって、時間は掛けるけど結局妥協してしまう、、、なので何人も作ってしまいましたw HD2Dになってリメイクされたので、背景が美しい、アリアハンの王様に遭いに行く道中の鳥が飛んでいく描写とか、フィールドの時間経過で夕日が海に反射している感じ、かなり好き。 ボリューム的にもちょうどよかった気がする、でも小さなメダルはエンドコンテンツ感、、、 ちょっと残念だったのが、勇者が終盤にはあまり役に立たないこと、、、俺TUEEEEしたかった 1&2がリメイクされるようなので、続けてやりたいと思います。 食べず嫌いだったんだと思うが、ファイナルファンタジー派も楽しめたドラゴンクエストでした。
Game of the Year 2024
ふみ@スーパーゲームバカ さん
Mouthwashing
君が怖いのは見えざるものか、それとも隣人か。 予定航行日数382日。船員5名。 宇宙貨物船で過ごし続ける乗組員たちは小惑星との衝突を経て、恐怖と苦しみと後悔を味わうことになる。 ーーーーーーーーー Mouthwashingは2024年にSteamで発売されたホラーゲームだ。 昨今では作りこまれた美麗グラフィックよりも人を惹きつけるのが「ローポリゴンで作られたゲーム」である。 ローポリゴンホラーゲームでしか嗅ぎ取れない血の匂いと、錆び臭さと湿り気を堪能したいのであれば今からでもMouthwashingをプレイすべきだと背中を押そう。 そんな鼻の奥がネトネトするようなグラフィックに加えて、このゲームはキャラクターの個性と対比を十分に尊重した演出がとても魅力的だ。 登場キャラクターはたった5人だけ。彼らの心の奥に仕舞っていた気持ちと、態度と秘密はプレイヤーがこのゲームにのめり込む要因の一つになる。 そんな彼らの個性を引き立てるのは、ゲームの演出方法だ。 本作はゲームのプレイ時間が進むほど複雑になっていく。 というのも、ストーリーの時間が前後しながらこの宇宙船の行く末を見届ける事になる。 衝突まで3日、衝突から2ヶ月、衝突まで7日、衝突から2ヶ月、衝突まで6日……。 シーンが切り替わるごとにローポリゴンであるはずの船員たちはあなたの目から見ても、徐々に解像度が上がって見えてくる事だろう。 ヴィジュアル面での魅せ方も非常に上手く、ホラーゲームならではの明暗の差を利用した絵作りは息の詰まるような船内を緻密に描写し、知りたくもなかったようなことを照らしてくれる。 小説や映画ではなく、ゲームでしか得られない体験を逆手に取った非常に作りこまれた作品となっている。 ジャンプスケアはほとんど無いものの、多少意図しない驚き方をするシーンは出てくる。 それを加味しても今年のGOTYに選ぶには十分すぎるクオリティのゲームだ。 ゴア表現が不得手でなければ是非ウィッシュリストに忍ばせておいてほしい。
Game of the Year 2024
まゆもかforty さん
プロ野球スピリッツ2024-2025
※非常に偏ったレビューであることをご了承ください。 ゲーム内容は語るまでもなく「リアル系野球ゲーム」です。 わたくし、富山県人ですが、生粋の阪神タイガースのファンでありまして、2023年に38年ぶりの日本一に輝き、喜びもひとしおでありました。 そんなわたくしの積年の夢が叶ったのが、このゲームです。その夢とは、「タイガースが日本一になったデータをベースに構成された野球ゲームをプレイすること」です。実に1986年12月に発売された初代ファミリースタジアム以来のことです。 近年の野球ゲームはモードが多様化しており、高校野球からスター選手、監督や球団経営など遊び方が多岐に渡っておりますが、わたくしの遊び方は至極単純、ズバリ!「阪神タイガースを使ってシーズンモードをプレイする」ことです。 スタメンやローテーション、ブルペンのほか、一軍二軍の入れ替えと言った選手の編成は行うものの、難易度等は一切触らず、初期設定のままプレイしています。 家庭環境や仕事、趣味等の影響により、一日でTVゲームをプレイできるのが、(できたとしても)おおよそ1時間程度なので、基本的に一日1試合しかできませんが、それでも購入以来着々と試合を重ね、12月12日現在、41試合を消化し24勝16敗1分け、2位ジャイアンツと2ゲーム差のセ・リーグ首位となっています。 シーズンモードの難易度は、成績に応じて変動する仕組みになっているようですが、これまでのところ、理不尽に感じる難易度の変動は感じません。かと言って、自チームの打率がベラボーに高くなったり、本塁打が量産され過ぎることもあまりなく、また、投手の成績も現実離れすることもあまりなく、適度な緊張感を持ってペナントレースを進めています。 操作は安定のコナミ、パワプロ&プロスピ系ですので、過去にシリーズをプレイしたことがある野球ゲーム好きとしては、割とストレスなくすんなり入り込めました。もっとも暫く野球ゲームから離れていたため、ピッチングの際、 ①球種を決定(ボタンを押す)、②コースを決定(ボタンを押す)、の次に、 「③リリースのタイミングに合わせてボタンを押す(コントロールの乱れ)」と三段階でボタンを押す必要があることに、軽く衝撃を受けたました。 現実と比較すると、フォアボールやエラーが少なかったり、気になる点はない訳ではない(ケチをつければきりがない)ですが、全体的には非常にバランスが取れている良い野球ゲームと感じています。 目指すぜ!セ・リーグ制覇!日本一!!
Game of the Year 2024
泡沫 さん
SCARLET NEXUS
ストーリー、キャラクター、アクション、この世界観に没入するための要素が全て満たされている作品。 ○ストーリー 脳科学が発展した近未来が舞台。『脳力』と呼ばれる特殊な力を使って、空からやってくる『怪異』を倒す、怪異討伐軍達のお話。能力とは?怪異とは?この世界の成り立ちとは?ゲームを進めれば進めるほどこの舞台に入り込んでいくことができます。主人公が2人から選べますが、どちらも異なるストーリーが展開されるため、2周しても飽きることなく、むしろ2周することでストーリーへの理解度をより深めることができる楽しさがありました。 ○キャラクター 総勢10名もメインキャラクターがいるにも関わらず、全員のキャラが濃い。もれなくゲーム開始当初と終盤では印象が変わっていると思います。あなたの推しも必ず見つかるはず。 ○アクション ブレインパンクアクションと呼ばれる他には無い独特の戦闘が特徴です。仲間の脳力を借りて戦うのですが、それが非常にスタイリッシュで爽快で楽しい。サクサクとテンポよく繰り出される連撃、脳力を選択した時の仲間のカットイン演出、脳力のエフェクト、全てが気持ちよくて癖になりました。 その他にもとても凝った風景や敵は思わずスクショしてしまうほどでしたし、作中で流れる音楽はノれたり心に染みたりと今でもサブスクで鬼リピしています。 もうとにかくこの世界も人達も全てが好き。2周プレイし終えた時点でとんでもなく愛着が湧くゲームでした。
Game of the Year 2024
たけお さん
ペルソナ3 リロード
幾度、この物語の結末を見たことだろう。 ペルソナ3は2006年にPS2オリジナル版が発売され、以降PSPリマスター版やマンガ、舞台、映画などといったメディアミックスが多く展開されている。シリーズのファンである私はその大多数に触れてきた。そのため、ストーリーのエンディングとそれに至るまでの経緯までを、かなり明確に覚えている。 にも関わらず、オリジナル版のリメイク作品であるペルソナ3リロードをプレイした一番の感想は、ストーリーが最高であったことだ。本当に良かった。そう感じるのは、この作品の映像表現や演出がとても素晴らしかったからだ。 映像表現として特筆するのは、ムービーのクオリティの高さである。ムービーには、テレビアニメのような2Dアニメーションと、ゲーム中で操作するキャラクターモデルが躍動する3Dアニメーションがある。要所にこれらが差し込まれることで、物語はより豊かに彩られていく。 特に良かった点は、これらのムービー間でキャラクターの表情差がほとんどないことだ。オリジナル版では、ゲームハードの性能上、2Dアニメと3Dアニメのキャラクター間で表情がどうしても異なるように見えていた。レトロゲームになじみのあるプレイヤーなら、パッケージや説明書のイラストをもとにキャラクターの表情を補完することは、当然の慣れ親しんだ行為かもしれない。ただ本作では、イベント中にムービーが切り替わっても、確かに同じ面立ちのキャラクターたちが物語を織りなしているのだ。 補完に割いていた頭のリソースは解放され、私がよく知り得たストーリーにも、さらにどっぷりと浸れた要因であった。 演出面では、本作から追加された仲間とのエピソードが、物語への没入感を加速させている。ペルソナ3以降のシリーズには、コミュシステムと呼ばれるものがある。主人公は物語に登場する様々な人たちと関係を築くことができ、交流を深める対象には仲間キャラクターも含まれている。 オリジナル版では、主人公と異性の仲間キャラクターと交流することができた。一方で、主人公と同性の仲間キャラクターはこのシステムの対象ではなかった。彼らとの交流はメインストーリーで語られるのみだったのだ。 そういった背景から、ペルソナ3は仲間同士の関係性が薄いストーリー、というのが語り草になっていた、と私は感じている。そんな評価を払拭するように、本作では仲間全員、一人一人に対して、特別なエピソードが追加されている。 この追加エピソードによって、物語の結末へ至る過程には仲間たちと過ごす日常が確かにあったこと、それがより鮮明に、色濃く演出されている。非日常を駆けるのが主体だからこそ、この演出は本当に良いスパイスだったと感じている。 また、エピソードの内容によっては、展開済のペルソナ3派生作品とリンクしているものもあり、シリーズ間の整合性やつながりを感じるものとなっていた。ファンであればクスッとほくそ笑むようなものも含まれており、非常に満足できる追加要素であった。 令和の時代に再装填された本作のストーリーは、最新ハードの性能を十二分に生かした映像表現と演出を引っ提げて、18年前の平成の時代に生まれた作品をより細部まで、鮮やかに語るものとなった。往年のペルソナシリーズファンはもちろん、普段RPGを好んでプレイする方、少年少女の青春や葛藤を描くジュブナイルストーリーに目がない方には一押しのタイトルだ。 魅力的なキャラクターたちが紡ぐストーリーの結末は、ぜひあなたの目で確かめてみてほしい。 ところで、私はこのゲーム、ひいてはこのペルソナシリーズの音楽が、とても好みである。 ライブイベントがあれば欠かさずチケットを購入するぐらいには、とてもとても好みである。 その音楽の良さについても語りたい。 が、楽曲の良さを形容する語彙や文章表現を、私は持ち得ていない。 それらをしまう引き出しが壊れている。 いやむしろ、引き出しなんて最初からなかったのかもしれない。 ゆえに、是非、是非に検索して視聴してほしい。 Spotifyで「アトラスサウンドチーム」と検索すれば、とても幸せな空間があなたを待っている。 これを最後に力強く推させていただきたい。