みんなのGOTY

Game of the Year 2025
コマツナ さん
Ultima VI: The False Prophet
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 究極の「不便」がもたらすリアリティ。30年前の『ウルティマVI』から受け取る、語りきれないほどの哲学。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ​【今回の冒険は、単なる再プレイではない】 ​私にとって『ウルティマVI』は長年愛してやまない作品だ。これまではスーパーファミコン版を遊んできたが、今回の冒険は少し違った。どうしても「PC版」で、この世界の真の姿を味わいたいという、抑えきれない欲求が湧き上がってきたのだ。 ​SFC版も良作ではあるが、ハードの制約ゆえに削ぎ落とされた要素も少なくない。より緻密に、より深くブリタニアの世界に没入したい。そんな「大人のこだわり」が、私をPC版の購入へと突き動かした。 ​立ちはだかるのは言語の壁だ。現在主流のダウンロード版は日本語非対応だが、このゲームの魂は「NPCとの会話」にある。翻訳ツール越しの対話では、その魅力は半減してしまう。私は迷わず、日本語版が収録された『ウルティマコレクション』を手に入れた。たとえプレミア価格であろうと、本物の体験を得るためなら安いものだ。 ​【「不便さ」という名の、丁寧なひと手間】 ​本作を象徴する言葉、それは「生きた世界」に他ならない。 現代のゲームが効率化の名のもとに削ぎ落とした「不便さ」の中にこそ、この世界のリアリティは息づいている。 ​例えば、住人(NPC)一人ひとりの生活サイクルだ。朝になれば起きて仕事場へ向かい、夕暮れには酒場で一杯やり、夜が更ければ家に戻って眠りにつく。プレイヤーの都合などお構いなしだ。彼らと接触したければ、こちらも宿を取るか野営をして、相手の生活時間に歩み寄る必要がある。この世界の時間は、決して自分中心には回っていないのだ。 ​会話ひとつとっても、それは単なる「手続き」ではなく血の通った「対話」だ。まずはブリタニアの礼儀に則り、互いの名前と仕事を名乗り合う。そこから自らキーワードを入力し、相手の言葉を深掘りしていくことで、ようやく核心に迫れる。 ​さらに驚くべきは、世界を構成する「物」へのこだわりだ。 マップ上のほとんどのオブジェクトは動かしたり手に取ったりできるが、それらは単なるデータとして置かれているのではない。職人の家ならその道具が、だらしない者の部屋なら散乱した私物が、住む人の暮らしぶりを手に取るように伝えてくれる。引き出しを覗けばそこにはその人の秘密が隠されている。ただそこにある「物」にすら、人間の気配が宿っているのだ。 魔法ひとつ使うのにも、一筋縄ではいかない。店で呪文を買うだけでは不十分でMPとは別に、その術に見合った「秘薬」を揃えておく手間が必要になる。 操作の端々に至るまで、本作は常に「ひと手間」を要求してくるのだ。 ​これらの表現は、現代のゲーム基準で言えば「省くべき無駄」なのかもしれない。しかし、そのプロセスがあるからこそ、自らの分身であるキャラクターと一体化し、その地に生き、世界に深く入り込める。それは不自由さではなく、没入のための「丁寧なひと手間」なのである。 ​【ドット絵の向こう側にある「真の冒険」】 では、翻って現代のゲームは本当に「リアル」だろうか。 ハード性能が飛躍し、現実と見紛うほどのグラフィックを享受できる現代。だが、そこに見映え以上のリアリティは宿っているだろうか。 ​本作のグラフィックは2Dのドット絵であり、一見するとリアルとはかけ離れている。しかし、プレイを通じて感じるロールプレイの密度は、最新作に決して引けを取らない。その象徴が、マニュアルとして付属する「世界地図」や「ブリタニア概論」といった資料を読み解くアナログな行為だ。 ​考えてみてほしい。 リアルな冒険に、便利なオートマッピングやデジタルな百科事典など存在するはずがない。冒険者が手に取るのは、不確かな地図であり、古めかしい書物なのだ。付属資料を読み込み、住人の言葉をノートに書き留め、自らの手と頭を動かす。このアナログな体験こそが、ドット絵の向こう側に広がるブリタニアを、何よりも確かな現実へと変えてくれる。 ​【単純な「善悪」を超えた、思考の旅】 ​このゲームが私の心に最も深く刻んだのは、善悪や徳、そして哲学とは何かという、語りきれないほどの思考の種だ。 ​物語の冒頭、異世界から召喚された主人公は、突如として異形の「ガーゴイル族」に生け贄として捕らえられる。旧友たちに窮地を救われ、ロード・ブリティッシュ王から「神殿を占拠したガーゴイルを退け、ブリタニアを奪還せよ」と使命を託される。 ​怪物から平和を取り戻す。一見すれば王道的なファンタジーの始まりだ。しかし、この物語の真髄は、その「正義」が揺らぎ始める瞬間にこそある。 ​人々は主人公に対し、それぞれの立場から物事を語る。ゲーム側が「これが正解だ」と道を示すことはない。プレイヤーは相反する主張や異なる立場の言葉を突きつけられ、自分自身で善悪を、そして進むべき道を判断しなければならない。 単純な善悪で割り切れるゲームではない。 「自らが考え、行動すること」 それこそが、『ウルティマVI』が30年の時を経た今もなお、唯一無二の輝きを放ち続けている最大の魅力なのだ。
Game of the Year 2025
ままちよ/ひとまさお さん
ダレカレ
目まぐるしく生活が変わった2025 昨年末、突然の父の他界、それによる仕事の変化で少し疲れていた私は小学生の息子とゲームをする時間が唯一の楽しみでした あまり多くの時間が取れない中で ゲームなんとかで話題にしていた「ダレカレ」 が「1時間程度でエンディング」  「ぜひネタバレ無しで‼︎」 とのこと 丁度良いやと思いダウンロードして息子とプレイしました 第一章 息子はヒゲのおじさんが少し怖いようで ビクビクしながらも歯磨きを失敗した時は大笑いで何回もワザと失敗させて楽しんでいました 私は息子のプレイの後ろで 「なんかサスペンス謎解き系かな? おじさんちょっと私に似てるなw」 と思いながら少女とおじさんの関係性を推理していました。 第2章 一章で逃げたパン屋からスタート 「あぁタイムリープ系か雰囲気変わって良かった」と安堵 あたたかい雰囲気に変わり息子はミニゲームとしてストーリーをサクサク進めていきます。 私は引っかかるシーンが何個かありながら 2章と1章のつながりを考えながら息子を見守ります 第3章 再び1章の世界 息子は再び怖がりながらプレイしました その後ろで私はロジャーのセリフをまともに読めません 「これ、まるっきり去年の俺じゃん!」 ソフィアとロジャーは去年の父と私の関係と解った時点から私は、息子の後ろで必死に涙を堪えていました。 エンディング 息子は「なんか変なゲームだったね。」 と私に感想を述べました。 私は「ちょっとお話難しかったね。」 とネタを濁しました。 父はソフィア状態の中、仕事中の事故で突然亡くなりました。 私は仕事を受け継ぎ、急遽2代目として仕事に奔走しています。 このゲームは段々、私との関係が変化していく 父の世界を再現していたゲームでした 私はプレイ後 辛かった過去の出来事を突然、振り返らさせて正直腹が立っていました。 しかし、父の頭の中を見せてくれたこの世界は 貴重な体験となりました。 いつか息子に ゲームのネタバレと父の晩年を上手く説明できるようになりたいです。 「ダレカレ」を2025私のGOTYとさせていただきます
Game of the Year 2025
こわび さん
ドラゴンクエストI&II
私は、ドラゴンクエストに関してどうにもできない悔しさを一つだけ持っていた。それは、ドラゴンクエスト1、2、3の順番でプレイできなかったということだ。  人生の諸先輩方は皆、口を揃えて言う。「DQ3で〇〇〇〇〇〇(名称は一応伏せます)に行った時の感動はすごかった」と。私が初めてプレイしたドラクエはSFCの3。生まれた年にFC版の3がでており、どうやってもネタバレせず1、2、3の順でプレイすることは困難だった。年を重ねるごとに、1、2、3とプレイした人の初めての感動は凄かったんだろうなと羨ましさが募っていった。  そんな中、昨年DQ3のリメイクが発売。ロトシリーズリメイクにあたり、開発者の堀井雄二さんから、「3、1、2とプレイすることに意味がある」「クリア後に驚きがある」といった発言。こ、これは、自分がロトと改めて向き合う機会を用意してくれた!  そこからはワクワクが止まらない。昨年3をプレイし、My GOTYとなる感動を味わった。今年は満を持して1&2を購入。  3では妻と息子二人共に冒険したが、1は一人旅。初めてまず感じたことは、ストーリーがしっかり作られている!FC版等では語られなかった細かな点や、追加されたイベントシーンなどが数多く追加されている。しかしそこに無理やり感を感じることはあまりなく、加筆、肉付けをしっかり行っている印象。それでいて、橋を超えると急に強くなる敵や、「ゆうべは・・・」といった以前からの要素はしっかりと用意されており、全滅したのにニヤリとしてしまう。追加要素の多くに、昨年3をプレイしたからこそ楽しめる要素が多々あり、1をプレイしている時点で2が楽しみでたまらない状態!  りゅうおう戦を前に、兜を取り逃すアクシデントがあったが、無事装備を整えりゅうおうを討伐。エンディング迎え、2を開始。はじめは幼い勇者の末裔たちが、冒険を通じて勇者へと成長する物語がしっかりと作りこまれており、どんどんストーリーに引き込まれていく。そして今回は色々なところで「はい」「いいえ」を迫られる。しかも、どーせ「はい」を選ぶまでエンドレスで質問されるんでしょ?とは思えない内容が多く、選択の時に迷うことが多々あった。もしかしたらどちらを選んでも同じなのかもしれないが、「自分がストーリーを決めている」感をとても感じることができた。  ちなみに、リメイクの2は4人パーティで、サマルトリア王家は兄妹で参戦。名前を自分でつけることができたため、ローレシアは自分、ムーンブルクは妻、サマルトリアは長男と次男の名前でプレイ。一人性別が違うが、お調子者という点で一致している為気にしない。  3プレイ時は子供を親がサポートするスタイルでプレイしたが、今回は攻撃するしか能がない父を家族がサポートするスタイル。妻からバイキルト、次男から応援された父はもはや無敵。傷ついても長男がすぐにベホマしてくれる。家族一致団結し、妻の祖国を滅ぼしたハーゴンを倒すべく旅を進める。  そして冒険の末、無事エンディングを迎える。「クリア後の驚き」に関して詳細は伏せるが、私は泣いた。昨年プレイした3で感じた感動があったからこそ、この「クリア後の驚き」への感動は数倍に膨れ上がったといっても過言ではない。1つの壮大なドラマを見終えたような満足感だった。  このレビューをみて少しでも興味がわいた方がいれば、是非3、1、2の順でプレイし、感動を味わってほしい。そうでないと、きっと過去の自分と同じ悔しさを味わってしまうと思う。  ドラゴンクエストと出会ってから29年。私のロト3部作はようやく完結を迎えることができた。ドラゴンクエスト、本当にありがとう。来年はドラゴンクエストと出会った30周年。ドラゴンクエストは40周年を迎える。これからも、どうぞよろしくお願いします。
Game of the Year 2025
ぽじかわ さん
Fallout 4: Anniversary Edition
fallout4が発売10周年で発売されたanniversary edition。既に遊んでるタイトルだったので、へー10周年なんだーぐらいで特にプレイする気はなかったのですが、とりあえず何が追加されてるのかだけ確認しとくかとYouTubeを見ました。 え、これまでのDLCが収録のみならず150の追加コンテンツ‥だと!?しかもめちゃくちゃ使い勝手よさそうだったり、使ってみたいアイテム盛りだくさんだったりでプレイしたい熱が湧き上がり気づけばPlayStation Storeでポチってました。 アメリカに核が落ちてから200年経ち荒廃したボストンを舞台に、もともと自由度が高く、1000時間遊んでも新たな発見があるって言われるゲームなのに、これだけコンテンツが追加されちゃったら一体何時間プレイすればいいんだ!?とニヤニヤしながら夜な夜なボストンを徘徊しています。建築が楽しいので、廃品を集めてはせっせっと拠点開発に勤しんでます。 もうすぐドラマ版もシーズン2が始まりますし、まだまだfalloutの世界で楽しめそうですね。
Game of the Year 2025
音亀HARU◆サウンドクリエイター◆ゲームと音楽とポッドキャストと さん
ダレカレ
今年一番印象に残ったゲームは7月に発売された「ダレカレ」だった 正直に言えば、他の大作が並ぶ2025年のゲーミングの中で、これをGOTY選ぶかどうか悩んだ。 そんな躊躇してしまうぐらい「ダレカレ」は、エンディングを見るまで1時間程度と非常にコンパクトなゲームなのだ。 しかし僕は、数々の大作たちに敬意を払いつつも、この作品をGOTYにしたいと思った。  「そんなことよりも、他の作品より圧倒的に僕の脳裏に焼き付いた」 それだけで良いか、と思えた。 「あなた、だれ?」 内容としては断片的なシーンを主人公たちの目線で追体験をしていくという、すごく短い時間の体験ではあるのだが、その中での一つの無駄のないと思えるような「作品」としての完成度の高さが凄まじかった。 (同じ創作をする人間としては嫉妬するほどに) それは、「シンプルながらもしっかり好奇心を掻き立てられる冒頭」であり、 それは、「物語の多くは語らず、ほとんど「ボタンを押す」というものを基本にしたシンプルなゲームとしてのプレイを通して感じさせる巧みさ」であり、 それは、「そこにいる人の恐怖や幸せや様々な心境そのものを表現するかのような丁寧な音楽」であり、 そこにある言葉にならない、言葉にしてしまうと野暮になってしまうような、言葉ではない"表現"の数々が、僕の心を貫いたのだ。 しかも、それは「考察を見ないと意味がわからない」というようなものではなく、おそらくほどんどの人が”それ”を見て、心が揺さぶられるであろうと思う。 短いからこそできるんだろう、とも言えるのかもしれないが、短いからこそ無駄なものなく出来た結晶のようなものだ、とも思う。 それが故に、とても人に勧めたくなる。お勧めできる。妻にもお勧めしてプレイしてもらった。同じ体験を共有したかったのだ。 内容については短いがゆえに”体験してほしい”としか言えないのだが、体験したあと ぜひ「愛」とは何か考えてみてほしい。 この作品は、僕に向けられた作品と強く感じている。 だから僕はこの「作品」をいつまでも、 忘れないでいよう、そう思っている。 最後に一つ注意。 今のところSteam&Switchのストアで購入出来ますが、そこに「購入前のご注意」書きがあるので、それは読んでからプレイしようね。では
Game of the Year 2025
光の農家ミアノ@Anima さん
Monster Hunter Wilds
このゲームが発売されて懐かしい時間が帰ってきました。 今から遡ること2011年12月にモンスターハンター3Gが発売になりました。この頃にFacebookのモンハングループの募集で集まった狩友。そのから4→4G→X→XX→ライズ→サンブレイク(ワールドはプレステ持ってなかった人が多く自分もPCしかなくて不参加)とシリーズが発売する度にLINEのボイスチャットで連絡して一狩り行っていました 14年の月日の中で彼女ができた!結婚して旦那と住み始めた!別れて実家に帰った!仕事変わってしんどいなどモンハンやっていない時は全く連絡を取り合わないので最初の数日はお互いの報告してひと笑いしてます。 私も会社員から農家に転職して自分の作った野菜を送りつけたりして美味しいと言ってもらえてとても嬉しいです。 そして、今年発売されたモンスターハンターワイルズはクロスプラットホームでPCしかない私も無事に最初からいつもの狩友5名と禁足地に降り立ちました。今回は子供産まれた!と聞いてみんなでおめでとうと祝ったらり、彼氏と同棲して引っ越し大変だったり、彼女との同棲を隠していたけどすぐにバレたりなどいつも通りのモンハンでした。いつもと同じ賑やかなボイチャですが子供が泣いてる声が聞こえるとキャンプに帰ってすぐにみてあげなとみんなに言われて母が走り出して応援してました。 今はみんなそれぞれのゲームライフだったり子育てだったり元の生活に帰りました。 次の大型タイトルアップデートが来年になるのか再来年になるのかわかりませんがモンハンが新しく発売したらいつものみんなで一狩り行きたいと思っています。 そんな訳で私のYOUR GOTYはモンスターハンターワイルズです。
Game of the Year 2025
ヂャンヂャン さん
Kingdom Come: Deliverance II
まずお伝えしておきたいのは、本作はシリーズ二作目にあたるタイトルであり、ストーリーが地続きになっている点です。よく聞かれる「2から始めても大丈夫ですか?」という質問については、2からでも理解できるよう配慮された構成になっており、セーブデータの引き継ぎもありません。そのため新規の方にも優しい作りと言えます。 ただし、物語の根幹が主人公の復讐劇である以上、2から始めるとシナリオ進行で得られるカタルシスがどうしても薄くなります。理解したうえで遊ぶのであれば問題ありませんが、ストーリーの完成度も含めて味わってほしい私としては、ぜひ1作目からプレイしていただきたいというのが本音です。とはいえ、本作(2)は非常に大ボリュームなので、腰を据えてプレイする覚悟だけはしておいてください。 ________________________________________ ■ 1作目について(簡潔に) 1作目の舞台は15世紀のボヘミア王国、現在のチェコ共和国にあたります。主人公ヘンリーは田舎町で暮らす鍛冶屋の息子。友人や恋人と穏やかに過ごしていた日々は、突如襲ってきた盗賊団とクマン人によって一変し、両親を含む多くの住民が命を落とします。 命からがら逃げ延びたヘンリーは、父から“ある貴族に渡すよう託された一本の剣”を手に、父の意志と仇討ちを胸に貴族社会・騎士社会の中で成り上がっていくことになります。 1作目は、ヘンリーが当初の目的を果たせぬまま幕を閉じるため、一見するとモヤモヤしそうですが、最初は折り合いの悪かったライバルとの関係が、共に修羅場を潜り抜ける中で友情へ変わっていく描写が見事で、人間臭いドラマがフルボイスの演技と共に深みを与えています。「旅立ち」で締めるラストは“小説の上巻を読み終えたような満足感”があり、中途半端さは感じません。 そして何より、1作目の発売から7年を待たされたプレイヤーに比べ、今から1と2を連続で楽しめる方は非常に幸運です。 ________________________________________ ■ 2作目について ゲーム内では1年も経っていませんが、2では“1の時点で盗賊3人を同時に相手にできるほど成長したヘンリー”を、データ引継ぎなしで自然かつ説得力のある形で再構築することに成功しています。これは本当に見事で、ぜひ実際にプレイして確かめていただきたいところです。 物語のテンポを切らさない構成力も相まって、没入感はさらに強化されています。 ________________________________________ ■ 圧倒的なリアリティ 歴史学者の監修のもと、NPCの生活感ある会話、建築物の造形、オブジェクトの細部に至るまで、ただ眺めているだけでも時間を奪われるほどのリアリティがあります。 特に驚かされるのはNPCがプレイヤーの行動を“記憶”する点。 盗みや殺害といった行為はもちろん、犯行現場でなくても他人の家への不法侵入や怪しい挙動を見られるだけで「怪しい人物」として記憶され、後のイベント結果に影響することもあります。黒ではなくグレーでもしっかり扱われるその厳格さは、この世界に生きている実感を強く与えてくれます。 また、本作は1・2ともに利便性よりリアリティを優先しているため、昨今のタイトルに比べると不便さが目立ちます。ここは事前に理解しておきたいポイントです。 ________________________________________ ■ バトルのシビアさ 騎士として成り上がるヘンリーにとって、戦闘は避けられません。そしてこのバトルが非常に緊張感のある作りになっています。 一人称視点の近接戦は、画面に表示される星型のガイドを頼りに、右スティックを上・右上・左上・右下・左下へと倒して攻撃方向を変え、敵の上、中、下段の構えから繰り出される攻撃を受け流しながら隙を突く方式。ターゲットはオートで固定されるため、複数戦は非常に厳しく、未熟なうちはほぼ勝てません。 弓矢やボウガンはさらにシビアで、多くのプレイヤーが使用を断念するほどですが、使いこなせば強力な武器になります。こうした点にも、本作の徹底したリアリティが現れています。 ________________________________________ ■ そして旅路へ シームレスなオープンワールドを愛馬と駆け抜け、自然豊かな当時の風景を眺めながら街から街へと向かう。時間が経てば夜になり、松明を頼りに進むと、闇の中から盗賊が現れる。決して弱くない複数人の盗賊——逃げるか、挑むか。判断を誤ればあっという間にゲームオーバーです。 命からがら辿り着いた先は、圧倒的な規模の大都市。そこで待つのは新たな英雄譚か、それとも珍道中か。 魔法もモンスターも存在しない世界。しかし、それは“かつて本当にあった世界”でもあります。 あまりにも忠実に再現されたその世界で、鍛冶屋の息子ヘンリーとなって復讐の旅を歩みましょう。その道は平坦ではなく、波乱と驚きの連続です。さて、予測不能なヘンリーの冒険はどのような結末を迎えるのか。王道のようでいて、王道ではない——歴史に名も残らない、一人の青年の物語。 時間はかかるかもしれません。それでも、腰を据えてプレイしてみてはいかがでしょうか。心に残る体験を保証します。
Game of the Year 2025
こへい|流行りモノ通信簿・ゲームなんとか さん
ピクミン4
ゲームなんとかの中でも何度も話には出していますが、ウチの5歳児がきっかけで遊ぶようになったピクミン4。5歳児も楽しんでいたのはもちろんですが、ボクはボクでかなり楽しかったし、ウチの妻も一人で遊んだりして、家族3人が一緒にだったり、それぞれであったりピクミンは年間通してとてもお世話になりました。 我が家のトレンドという目線では、ポケモンもかなり影響力はあるわけですが、ピクミンもまたかなり強いポジションに構えるようになりました。 ピクミンのチョコエッグが出ると言われればコンビニだったりスーパーマーケットを巡ったりしましたし、ニンテンドートーキョーに行けばピクミングッズが買えるかもしれないと言われれば家族で東京遠征を計画してみたりしましたし。スマホのピクミンブルームも楽しみ、仙台でピクミンブルームの有料イベントがあると聴けば、喜んでチケット買って参加したり。 ニンテンドーの数あるIPの中でも、我が家においてはピクミンがポケモンと争う巨大勢力にこの1年で成長しました。 --------------------------------------------- ソロプレイ目線でもピクミン4はとてもおもしろいゲーム --------------------------------------------- 一人で遊ぶうえでもピクミンはとてもおもしろかったと思います。 ゲームは新人レスキュー隊員として、遭難者たちを救助するため、どう見ても地球な見知らぬ惑星の中をピクミンたちと探索をしていく物語。ステージそれぞれの中でピクミンたちに手伝ってもらいながら、オタカラや遭難者たちを救助していく。そのステージ探索の中での原生生物(敵キャラ)とも戦うことになるわけですが、戦いの中で、ピクミンは食べられてしまったり、踏みつぶされて死んでしまったり…ピクミンたちがあまりにもあっけなく命を落とす光景がとても強烈でした。 プレイヤーや直接戦うのではなく、ピクミンたちに指示を出す役回りであり、いわば現場監督。プレイヤーがヘッポコな操作・指示を行うとピクミンたちの命を散らしてしまう。現場監督としての自分の不甲斐なさをまざまざと突き付けられてしまうので、原生生物との戦いがとてもこわい。。 ボクの判断ミスでピクミンが死に…操作ミスでもピクミンが死に…1匹2匹の死はゲームの進行上はたいした影響はないんですが、あの断末魔がとてもつらい。 ピクミンが命を落とした時のエフェクトが、SEが…とても心にくるの… --------------------------------------------- ボクと5歳児とピクミン --------------------------------------------- 5歳児の息子と一緒にピクミン4を遊ぶとき、基本はボクが操作をしていました。(息子は画面を見ながらあーだこーだ指示をする係) 一瞬の判断ミス…勝ちを焦ったが故の判断ミス…他のゲームではHPがちょっと削れるだけの話です。でもピクミンというゲームでは「命が消えた音」が聞こえてくる。 命が消えた音を…ボクと5歳児は受け止めねばならない… ピクミンをプレイする中で、父親として5歳児に対して「ピクミンという命を軽んじてはいけない」と伝えたいとも思うようになったので、ザコバトルにおいても一切の油断は認められません。現場監督として常に安全を心がけて挑み、探検が時間切れになりそうな時も一匹たりとも見捨てないことを誓い…どんなに絶望的であろうともオッチンと共に取り残されたピクミン一匹を救助に向かう。 貫いたつもりです。 その成果はあったのかよくわかりません。5歳児は最初こそピクミンの死に戦慄していましたが、いつからか数匹死んだくらいであればケタケタ笑ってました。 いつの日か5歳児にも、『あの日あの時のピクミンたちがどんな気持ちで原生生物に立ち向かっていたのか』…それを思い返してくれる日が来ることを父親として願っております。 --------------------------------------------- コウテイデメマダラを一生許さん --------------------------------------------- 原生生物が多種多様でして、こちらが思ってもいないような攻撃をしかけてくるヤツらがいます。だからこそ初見では犠牲ゼロの完封勝利はむずかしいわけですが…いくつか印象深いボス級の原生生物がいます。特に印象深いのがコウテイデメマダラ。 見た目がキモい…というのももちろんありますが、デメマダラシリーズの中でも最大サイズ。コイツはバトル中に、雄叫びをあげて、ピクミンたちをパニック状態にしてくる時があります。(リオレウスとかティガレックスみたいな雄叫び) パニック状態になったピクミンは隊列を離れ周囲を逃げ惑ってしまいます。プレイヤーとしてはすぐさま笛を吹いてピクミンをなだめ再度隊列に引き戻せばいい。それだけのことです。対処方法としてはさほどむずかしくありません。 ただ、あの雄叫びを初見で体験した時… コウテイデメマダラのおそろしい顔、何十匹のピクミンたちが一斉にパニックを起こしてしまい、いったい何が起きたのかというこちらの動揺…あの「ヤバイ…!」という感覚は強烈でした。 落ち着け…冷静さを失ったら死ぬのは君たち(ピクミンたち)だ…!落ち着け…みんな落ち着け… 現場監督として、ピクミンたちをただちに落ち着かせねばならない… あのヒリつき…強烈でした。 (その雄叫びとは別の攻撃で20~30匹が一気にペシャンコになって死にました) ボクはコウテイデメマダラを一生許さん。一生許さんぞ。
Game of the Year 2025
16uk さん
BIOHAZARD 7 resident evil Gold Edition グロテスクVer.
ホラーゲームが苦手だけど、バイオハザード7の満足感がやばい話。 私自身、ホラー映画は見られるけど、ホラーゲームは自分で操作するのが本当に苦手。 怖くなると分かっている道を、自分の意思で進まされるのがつらすぎる。 そんな私が同僚に勧められて買ったのがバイオハザード7。 実況で少し見たことはあったけど、一人称視点の没入感は想像以上で、視界の狭さと音だけで心を削ってくる。 ドアを開けるだけで覚悟が必要なゲームだった。 「なんか見たことある」シーンなのに、なかなか進めず、コントローラーにはじっとり汗。 でも進まないとストーリーは始まらない。 ベイカー家は最初こそ「怖すぎて関わりたくない人たち」だけど、最後まで遊ぶと少し見方が変わる。 ただの恐怖演出で終わらせないところが印象的だった。 ミアとゾイの選択は悩んだ末にミアを選択。 その後DLCを遊んでから「ゾイも良かったな」と後悔するところまで含めて、良い体験だった。 プレイ時間は短めかなと思うが、没入感と疲労感で体感はかなり長い。 怖くて何度も休憩したのに、気づけば最後まで遊んでいた。 あまりに面白かったので、そのまま8、RE2、RE3、RE4まで完走。 ホラーが苦手な人間をここまで引きずり込むバイオハザード7、相当すごい。 来年発売のRequiemも、トレーラーを見るだけで怖い。 それでももう、楽しみにしている自分がいる。 個人的には、バイオハザードな1年だったと思う。
Game of the Year 2025
ガーネット さん
Tetris Effect: Connected
テトリス、それは私が初めて体験したビデオパズルゲームでした。 テトリス、それは子供のころ毎日の様にクリア後のドット絵ダンスを見る為に没頭したゲームでした。 テトリス、それは目を閉じれば瞼の裏にブロックの幻影が浮かぶ程に私が夢中になったゲームでした。 そして2025年、私は初めてプレイしたテトリスとは違う感動を体験するテトリスと出会いました。 その名も「TETRIS EFFECT」 このテトリスは従来の一人で黙々とプレイするテトリスのスタイルを様々なテーマのステージで、織りなされる音楽と映像が次々と変容していく世界に放り込まれながらクリアしていくゲームです。 自分がボタンを一回押すごとにブロックが動き、音が弾け、その効果が画面の映像に『効果』を及ぼし混ざり合い変化していく…。まるで美麗な音ゲーをしているのでは?と錯覚させられる様な、視覚と聴覚への演出を突き詰めて進化させたテトリスと表現すればいいのでしょうか。あぁ、言葉や文字では上手に伝えられないのが大変もどかしい〜っ! そんなワンプッシュによる『効果』に視覚と聴覚が揺さぶられる新感覚でありながら、懐かしいパズルゲームスタイルのテトリスでした。 一人でプレイしながら音楽や映像を楽しむのはもちろん、人がプレイしてる横で画面を見ながら変化する素敵な音楽や映像を集中して楽しむのも良かったです。 ただ音や映像に心を引き込まれ過ぎているとテトリスの操作がうっかりしてしまう…というのも、また一興?という心理的な『効果』に悩まされたりもしました。 古き良きテトリスが好きな方、音ゲーが好きな方、テトリスで新感覚を味わってみたい方、ぜひ一度こんなテトリスを体験してみてはいかがでしょう。