みんなのGOTY

Game of the Year 2024
さや さん
ゼルダの伝説 知恵のかりもの
※この作品を語るにあたり、ネタバレを避けては通れませんでした。これからプレイ予定の方は慎重にお読みいただければ幸いです。 スイッチ後継機の情報公開が今や間近と噂される今日この頃。 yourGOTYならぬyourGame Of The Switchは決まりましたか? マリオ? どうぶつの森? ポケモン? やはりyourGOTYや本家GOTYで挙げられたゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムを推す声も多いのではないでしょうか。 超大作ですからね。当然のことでしょう。 ですが、ごめんなさい。 この2作品を好きな方には大変申し訳ないのですが、私にはまったく合いませんでした。 ブレワイはパラセールを入手したあたりでやめ、友人がはじめるからと再開した2度目の挑戦も神獣一体を攻略して挫折してしまいました。ティアキンにいたっては未開封のまま部屋のどこかに眠っているはずです。 勘違いしていただきたくはないのですが、貶すつもりや逆張りの意図はまったくありません。ただ単純に私とゼルダシリーズの相性が悪かっただけなのです。 思い返せばこれまでチャレンジしたいくつかのシリーズ作品も同様の惨状でした。爆弾を手に入れたところで別のゲームに心移り、草を刈った瞬間に飽き、雰囲気が怖くてそもそもプレイできず、馬に跨がったところで何か違うと感じてしまう……。 リンクを操作していてしっくりきたことなどスマブラくらいのものです(それさえも新規参戦したソラやホムラたちにとって代わられてしまいました)。 しかし、ゼルダほどの強大なIP、どうしてもプレイしたい! そんなゼルダ弱者は任天堂公式チャンネルを見て、その自由度の高さに惹かれ当作品の購入を決意。 プレイしてみると、これがとてつもなく面白い!! ストーリーとシステムの両面から楽しめました。 リンクは人の出来た格好いい少年。ゼルダは健気で時々お転婆なお姫様。 これまでゼルダの伝説シリーズで躓いていたことが嘘のように、嵌まってしまいました。 さて、前置きが長くなりましたが、ここからがGOTYの本筋。 この作品の私なりの高評価ポイントを、ネタバレ込みで語らせていただきましょう。 まずはストーリー。 ゲーム冒頭で操作するのはリンク。 しかし、このリンク、ただのリンクではありません。彼はすでに数多の冒険を乗り越え、ハートの器を集めきり、剣や弓、爆弾で武装した完全体リンクなのです。 いかにもラストダンジョンを駆けるリンク。立ち塞がる敵をバッサバッサと薙ぎ払い、辿り着いた先に待ち構えているのはガノン。 このガノンさえも容易く斬り捨てると、部屋の奥には囚われのゼルダ姫がいました。 しかし、いざ助けようとしたところ、ガノンが遺した槍から生じた裂け目に呑み込まれてしまいます。 ですが、そこは勇者リンク。闇の中に沈み込みながらも最後の一矢を放ちます。 その一撃はゼルダを捕らえた水晶を破壊。無事、ゼルダは自由の身となりました。 その後、ハイラル王国に戻るゼルダですが、父である国王をはじめとした味方たちも裂け目に吞まれてしまいます。 そのうえ、裂け目から現れた偽物の国王に、裂け目を生み出した元凶の濡れ衣を着せられてしまう始末。 こうしてゼルダは自らの身の危険も顧みずに助けてくれたリンクやハイラルを救うため、冒険に挑むことになるのです! とても、いいですねぇ。 普段は助けられる側がピンチに瀕して助ける側になる。個人的に大好きな展開です。 ……ところで、今作のゼルダとリンクはまったくの初対面。一国のお姫様と小さな村の少年という関係性です。 ゼルダからしてみれば、お城の兵士の助けも望めない絶望の中、見も知らぬ少年が突然やってきて、悪者を退治してくれただけではなく、命がけで助けてくれる。 初対面でこの神対応。 こんなの少女漫画のヒーロー登場シーンよろしく、キラッキラなフィルターが画面いっぱいにかかってしまうに違いないじゃありませんか。 国から逃亡する際にも、ゼルダは身分を隠すためにリンクの遺したフードを身に纏います。 信じられますか? 見ず知らずの人が先刻まで着ていたものをですよ? プレイヤーとしては、そうですか、あの一瞬でそこまで心を許してしまいましたか、ゼルダ姫。と思うわけです。 リンクの活躍はこんなものではありません。 物語の中盤ではゼルダを護るために木の棒片手に巨大な敵に立ち向かいます。剣を失っても助けを求める人がいるならば、化け物相手でも戦うぞ。という、リンクの精神性が少し不安になる大活躍です。 もちろんゼルダの見せ場もしっかりと用意されています。 ゼルダがリンクを助ける展開は、そうそう、これこれ感たっぷり。 終盤ではついにゼルダとリンクの共闘が実現します。この戦いも熱い! リンクはゼルダの隣で敵を圧倒する剣技を披露してくれます。 ここでプレイヤーは知ることになります。 リンク強すぎ問題! ゼルダがせっせとかりものを召喚するも、敵の攻撃1、2発喰らうとやられてしまうほどの敵の強さ。しかし、その間もリンクは勇敢に回転斬りを叩き込んでいるわけです。 あまりの強さにプレイヤーはビックリ。 歴代のリンクはこんなに強かったのかと感動さえ覚えるでしょう。 最早、ゼルダがサポートに回った方が強いまであります。 こんな活躍を魅せられたら、リンクを婿入りさせるしかないとプレイヤーは思ってしまいますよ。 ゼルダ姫、こんなにいい男はなかなかいないですよ! 忘れてはならないのが、三女神に遣わされた妖精でゼルダの相棒、トリィ。 彼は裂け目の修復と、囚われた人々を救うために力を貸してくれます。 妖精であるがゆえに、トリィは人のことが良く分かりません。 出会って間もない頃はゼルダが鉄格子を通れないことも分からない有様。 そんなトリィも冒険のなかでゼルダや人々と交流を積み重ね、人や感情というものを少しずつ学んでいきます。 無機質なトリィが感情を徐々に示すようになると可愛くて仕方ありません。 作中後半に感謝の気持ちを理解する展開は、ベタですが感動して涙してしました。 そしてシステム面。 今作のゼルダは戦闘能力が皆無です。 そのため、トリィから与えられたかりものの力が重要になります。 かりられるものは光を放っており、触れることで覚えることができます。 一度覚えたものは多少制限はありますが、基本的にいつでも呼び出し可能。 机やベッドにはじまり、倒した敵までかりものとして呼び出すことができます。 これが絶妙! プレイヤーの考え方次第で、様々な使い方ができます。 例えば先のベッドは眠ることでハートを回復できますが、重ねることで階段として使うこともでき、時には盾として敵の攻撃を防ぐこともできます。 ストーリー展開としては本来ダンジョンを迂回しないと進めない道も、かりものの使い方次第では無視可能。 この自由さは戦いにも適応されます。 敵を召喚して、戦闘を眺めているだけでも大丈夫ですが、それだけではつまらない。 石を投げつけてもいいし、水の中に落としてもいい。 あなたの考え方次第で、穏やかなゼルダ姫も、アグレッシブなゼルダ姫も自由自在! また、今作はゼルダがリンクの力を時限的な強化スタイルとして扱うこともできます。 これがあることで、リンクの強さを実感でき、私のような常にリンクしか操作できないことによる不満を持つものでも、味変として楽しめます。 というか剣を振って敵を倒せるのが快適すらあります。 終始面白かった本作。 大満足ではありましたが、同時にこれまでゼルダシリーズをしっかりプレイできていれば、ゼルダがリンクを助けに行く展開に一層興奮できたかも知れないなぁというのが唯一の心残りでもあります。 いつもピーチ姫を助け出すから、マリオが助けられる展開が活きる。 クッパをいつも倒しているからこそ、共闘に熱さを感じられる。 そのあたりが知らないうちに薄くなってしまっているのかもしれない。ちょっと勿体ないことをしてしまったかなと思う反面、ゼルダの伝説シリーズはこんなに素敵なストーリーだったのかと知ることができました。 ゼルダ微妙勢を大好き勢に変えてくれた最高の作品です! とりあえず、ブレワイで助けを待っているゼルダ姫を救出しなければ、と使命感に駆られました。 もう少しだけ待っててね、ゼルダ姫!! 私の操作するリンクはそんなに格好良くないと思うけどっ!!
Game of the Year 2024
ジャッコ さん
メタファー:リファンタジオ
新規IPでありながら、オーソドックスなJRPGっぽさを残しつつも至る所にストレスを減らす工夫を感じられる作品。 考えさられる物語、それぞれのキャラにまつわるエピソードの重さ(存在感がマシマシに) アトラスさんという特殊な癖、合う合わないを乗り越えれるなら、紛れもなく傑作! あとBGM最高!(サントラ聴きまくり)
Game of the Year 2024
ター さん
Balatro
ノーマークで話題になっており、スマホでできたので試しにプレイしてみたら終わりどころを見失うほどでした。 レビューする時間がもったいないので詳細は省きますが言葉では説明できない面白さがあります! インスクリプションのカードゲーム部分を楽しめた方なら是非おすすめてす。
Game of the Year 2024
サプレス🌱ゲーム配信者見習い さん
ファイナルファンタジーXIV
この作品は、単なるゲームではなく、これまで歩んできた道、現在の自分、そして未来への希望をすべて内包したかのような、人生そのものといえる作品でした。 これまでシリーズを愛してきたファンに向けた懐かしさを感じさせる演出が随所に施されているだけでなく、次の10年を見据えた大掛かりなグラフィックアップデートやこれまで積み重ねてきた物語が新しい世界で新たに花開く瞬間を、プレイヤーとして体感できるのが感動的でした。 「これまでの集大成」と「これからの幕開け」が見事に融合したこの作品は、すべてのゲーマーに体験してほしい最高の一本です!
Game of the Year 2024
ハヤニー🐸色々公式プロゲーム実況者✨VIVEアンバサダーとかTGS&Bitsummit公式配信とか さん
Factorio
ゲーム実況を始めてから毎年GOTYベスト3発表企画をやっていまして、Factorioは2022年、2023年と連続でランク入りをしているハヤニーのGOTY常連組のタイトルです。 そんなFactorioに今年大型DLCが追加されました。今までも毎年MOD導入でいろんな遊び方ができたFactorioに、公式で本編の続きができるようになったのです。 元々は惑星に不時着した主人公が惑星の原住生物からの襲撃に備えながら、木を伐採し、鉱石を採掘し、様々な生産施設をつくり、巨大な自動化工場を構築し、自らが脱出するためのロケットを打ち上げるという物語でした。 ここに導入された続きがえげつない! 最初に不時着した惑星以外に複数の惑星が追加。 それぞれ攻略方法が異なり、またその惑星にいくための宇宙船づくりがまた複雑に! 広い惑星の土地ではなく狭い宇宙船に自動化を組み込む流れ、それはまさにプログラミング! いかに効率よく自動化工場をつくれるか、という部分がそれぞれの惑星と宇宙船で別ゲームのように楽しむことができるんですね。 今まで沼ってたものが、ただのプロローグだった・・・。 何倍にも膨れ上がったその世界で溶ける時間は無限大✕無限大! しかも最初からやり直す度に、前回の学びを活かすことができる楽しさもありまくりです。 そんな体験ができる3年連続GOTY入りの「Factorio」 気になる方は絶対やったほうがいい!何かに夢中になれる体験を欲する方も是非!
Game of the Year 2024
かむる さん
九日ナインソール
「ラスボスはゲーム史に残る」 「今まで遊んできたゲームのラスボスでぶっちぎりの強さ」 steam版が発売された直後、ネット界隈でそんな評価・感想を結構な回数観て これは手を出してみなくては。と思い、手を出したところ 「無事に丸々1ヶ月が溶けました」 やー面白かった。 他のゲームがまったく手を付けられないほどに、また普段はゲームをやらない昼休みなどの ちょっとした時間までも手を出してしまうほど没頭。1日1時間ゲームできれば 良い方だったのに、この時は2時間3時間通しでやることも珍しくありませんでした。 噂のラスボスは何回挑んだか数えきれないほど。 このゲームの面白さは敵の攻撃を見切って弾く、パリィの気持ちよさとそこに 敵の隙をついて呪符による爆破攻撃を絡める戦闘が楽しい楽しい。 もちろん、最初から上手くできるはずもなく、初見~数回の挑戦では 「こんなん無理じゃん」と途方に暮れるをすべてのボスで経験しました。 それでも徐々に攻撃を見切りパリィできるようになって、最後は敵の大技すらも 弾いて攻撃を叩き込めるようになっていく快感。たまりません。 ・・でも、それを楽しめるのって「高難度のゲームにわざわざ手を出す特殊な人だからでしょ?」 とこの時点で興味を無くしている人も多いかと思います。 ただ、このゲームはキャラクターの魅力も半端ないので、どうしても苦手という人は難易度を下げてでも プレイしてほしいところです。 主人公、 羿を含め、登場するキャラは敵味方問わずかなり個性的で、 最初こそなんだこいつ? となることが多いのですが、物語を進めたり、交流を重ねるたびにこのキャラ達のやり取りをもっと見たい、物語の続きを見届けたいという想いが湧いてきます。 決して高難易度だけが売りではない、確かな面白さがあるので もっとたくさんの人がハマればいいと思います! ちなみに、このゲームの世界観タオパンク。まあ、中国神話風だけどサイバーパンク的なSF要素 を含んだものなのですが、ちょっとホラーっぽい描写もちらほら出てきます。特に序盤はしっかりとグロテスクな表現があるのでそういうのがどうしても苦手な人は注意が必要かもしれません。
Game of the Year 2024
ルナール さん
PALWORLD(パルワールド)
初見勢ほど騙される、ガッツリと楽しめるARKフォロワーのゲーム! デフォルメーションモンスター好きには刺さると思います。ちなみに初報PVは露悪的な方向を押していましたが、やるとそういう世界にするかどうかは自分次第なところなのもよし。 モンスターは危険な生き物として戦い、仲間にして、癒やされて共に過ごすのがとても良い。撫でて愛でよう! めちゃくちゃかわいいのだ! 自分はフェスキーという白いドラゴンが好きです。 あくまでアーリーアクセスなため、色々未完全なのはご愛嬌。逆に言えばそこはご愛嬌でやり過ごせる程度でした。
Game of the Year 2024
sa🧂kana さん
ディズニー ツイステッドワンダーランド
子供の頃ディズニーのアニメ映画を沢山観ていました。 様々な映画にはヒーローやヒロインがかっこよくそして美しく登場してそして活躍します。すっかり憧れて自分がそれになったつもりで着飾り飛び回っていました。 しかし、ヒーローやヒロインだけでは物語はドラマチックにはなりません。 “ヴィランズ”達がいなければ。 ディズニーツイステッドワンダーランド(通称ツイステ)はそんなヴィランズ達にフォーカスをあてたゲームです。 見知った世界の先にあるねじれ歪んだ不思議な世界のツイステッドワンダーランドでは、ディズニーのレジェンド的な位置づけの映画のヴィランズ達が崇拝されグレードセブンと呼ばれています。その精神に基づいた7つの寮がある全寮制ナイトレイブンカレッジ。その世界に召喚されたプレイヤー達こと監督生。2020年に配信開始されて以降、この監督生達の心を鷲掴みかき乱し時に涙させ続けている。そんなゲームです。 私が、とゆうか。私の「魂」が、 闇の鏡に導かれツイステッドワンダーランドの世界へ行ってしまったのはつい数か月前のこと。私こと監督生は魔法士には自分の力ではなれず偶然コンビになった魔獣と供に様々な問題児が居るナイトレイブンカレッジに入学しました。 いままで、アプリゲームといえばパズル系しかやってこなかった私ですが、今では日々ログインボーナスのためにログイン(登校) カード育成のためにレベル上げ(授業) ステータスを充実させるために運動(授業)する日々。 きっと、ほかにある様々なアプリゲームと大きなシステムの差はないのではないでしょうか。 それでも、私はこんなにもハマり友人と語りここにこうしてレビューを書いている。 それは、私が今まで気付かないように。見ないようにしていた箱の蓋を。このゲームが開けてきたからです。 ようは沼堕ちしてしまったんです。このゲームに。 ここで私の堕ちポイントを書かせてください。 『ディズニーっていい。』 世界のエンターテイメントの最前線を行くディズニーの今までにある様々な物語から抽出されたモノが ストーリーやキャラクターデザイン。音楽など細部に宿っています。メインとなるストーリー部分にはあの映画の、このキャラクターのエッセンスが効いています。 私はもともとディズニーが好きでよく映画も観ているので分かるとゆう感じですが、単純にかっこいい男の子がたくさんいるので、ディズニー知らなくても全然楽しめます。細身チャラ系からインテリ。筋肉系まで何でも居ます。 キャラクターデザインは私と同じ世代ならぐっとくる黒執事の漫画家さんだったり、音楽もゲームやアニメ、劇伴作曲を様手掛けている方。スタッフも盤石な上に豪華な声優さんがメインストーリーをフルボイスでやってくれているので耳が幸せ。 つまりどこからでもとっかかりさえあれば入って私のようにいつの間にかツイステ沼の住人。 こっちの沼は虹色ですよ。さぁ。
Game of the Year 2024
バル さん
PowerWash Simulator
みなさんは掃除が好きだろうか? 私は嫌いだ。友人にこの「PowerWash Simulator」を誘われても「ゲームの中でまで掃除したくない」 と断ったのに、私自身もこのゲームをGame of the Year 2024に選んだのにびっくりしている。 掃除は嫌いだけど、このゲームだけは別。そんな不思議な体験をした。 このゲームをプレイしたきっかけは、別の大作ゲームが一区切りしたところだった。 ふと虚無感に襲われ(年齢のせいもあったのかもしれないが)他のゲームが手につかなかったときに、 ふと目に入った「PowerWash Simulator」。 テスト期間中に掃除がしたくなる感覚にも似た感じでゲームを起動し、 黙々とただ汚れを落としていく。 さらにしつこい汚れには高圧洗浄機の種類やノズルを変えて試してみる。 壁やサッシ、手すりなどのパーツごとに目標の清掃率が細かく設定されていて、 きれいになると「チーン」という効果音がなる。 この効果音ときれいになっていく爽快感がなんとも言えず、 あと1パーツ。いやもうちょっともうちょっと・・・。と沼に沈んでいく感覚。 そして全体がきれいになったあと定点カメラで撮られた写真で振り返り。 これもまた頑張りを評価されているような感じで達成感がある。 現在無料DLCも複数出ておりボリュームも満点ですべてプレイしきれていないが、 再度虚無感に襲われるのを楽しみ?にしている自分がいる気がする。 今やろうと思わなくても、ふと虚無感に襲われたとき この「PowerWash Simulator」をプレイしてみてほしいと思う。
Game of the Year 2024
音亀HARU◆サウンドクリエイター◆ゲームと音楽とポッドキャストと さん
ユニコーンオーバーロード
色んな作品が入り乱れ、メジャーとインディー作品の垣根がほぼなくなりつつある2024年。 自分が遊んだ作品の中でも、昨年のティアキンほど総合力で飛び抜けた作品はなく、それぞれの個性的な部分が記憶に残る2024年だった。 その中で僕がGOTYに選んだのは、「今年自分の気持ちが一番前のめりになった作品」 言い換えれば「遊ばされてる感じ」が一番少なかったゲーム 「ユニコーンオーバーロード」 正直言えば発売前は、そこまで期待していなかった。むしろ苦手かもしれないと思っていたジャンルだったので、若干不安を持つくらいだったので、そんなに期待していなかったのもあり(とはいえヴァニラの過去遊んだものがハズレ無かったので安心もしていたが)リリース日後になって体験版を遊んでみた。 そのプレイ前の気持ちとは裏腹に、結果勢いよく体験版を前のめりに遊びきり、そのまま一片の躊躇なく本編購入、クリアにまで至ったゲームで、こんなパターンは自分の中でも珍しいように思う。 見た目は美麗とは言えど2Dだし、ジャンルとしては、戦略シミュレーションっぽいし、特別な何かを見た目から感じるのは難しいかもしれない。 ストーリーもめちゃくちゃ飛び抜けたわけでもない(とはいえしっかり導いてくれるものではある)。 では何が良いかというと、「最適な戦略をプログラミングをするような戦闘のシステム」が一番なのだと僕は強く思う。 戦闘は基本的にターン制でオートで進む。 ただ戦闘時はオートなのだが、そのオート部分の内容は自分で事前に細かく指定しておけるのだ。 各キャラには戦闘中に行える個性的な幾つかの行動があるのだが、その行動に優先順位をつけて指示しておく。 例えば「ライフが25%切っている仲間がいる場合は回復をする」→「敵が4人以上いた場合は範囲攻撃をする」→「騎兵の敵がいたら騎兵特効の攻撃をする」→「どれにも当てはまらない場合は一番残り体力が少ない敵にスタンダードな攻撃をする」といったような命令を各キャラに指示しておくのだ。 1部隊大体3~5人、それぞれの兵種に、攻撃・特効・回復・バフ,デバフ…などなど色々な行動があり、その上に兵種自体にも弱点関係があったりする。 それらを加味した上で、色々な戦略を考えることが楽しい。 「素早さが速いキャラが最初に行動できた場合は、仲間の行動速度を早める効果のある術を仲間にかけて、有利に戦闘を進める」とか、 「”この攻撃によって敵にトドメを刺した場合もう一回行動できる攻撃”を活かすために他のキャラで敵のライフを削っておいて、お膳立てしておく」とか ここでは書ききれないほど、おそらく人によってほぼ無限にありとあらゆる戦略があるだろう。 「キャラ」というデッキ構築の上で「各キャラの技」というデッキ構築の上で、それを素材に「オートメーション化」を自分でするわけだ。そりゃ無限大だわ! しかもそれがプレイしてて「複雑すぎてわけがわからなくなる」ということもない。簡単なところから徐々に複雑なところへ、それでいて面白みの部分がわかるように一歩づつ上がっていくので、複雑すぎて飲み込めないということは少ないように思う。なんなら新しい戦略を思いついた時の「ひらめいちゃった」感。たまりませぬ。 ロジカルに物事を進めたい人には間違いなく刺さる、刺さりすぎる一本に思う。 ただそれは触ってみないと伝えるのが本当に困難で…だからこそ騙されたと思って体験版を触ってほしいのだ。 もちろん合わない人もいるだろうが、合う人は僕と同じようになってほしいと思う。 部隊を組む上で、能力的なシナジーを見出して部隊を組むのも良いだろう。 シナリオに沿ったキャラ同士の関係性を思って部隊を組むのも良いだろう。 完璧に思える部隊ができても、いいところで新しい要素が追加されてきたり、過信していると思いも寄らないところであっさり全滅したりもする。慎重になりすぎたら1ミッションのタイムリミットにぶつかることもあるだろう。 そこへのトライアンドエラーを繰り返しながら、一歩ずつ高みを目指して成長していく感じがとても良い。 ここまでシステムを激推ししてきたが、キャラもしっかり個性や立ち位置を持っていて、しかも作り手が全てのキャラに愛を持って作っている感じも感じられる。全てのキャラが誰かにとって長い時間を過ごした愛着のあるキャラになっている可能性をちゃんと考えられてると思う。好き。 他、全部隊の「士気」をゲームに落とし込んだであろうブレイブシステムも良いし、 カットできてほしい演出とかは基本カットできるし、システム的に「こうできてほしい」と思うようなところは最初から丁寧に作り込まれていた。 又ヴァニラウェアのゲーム音楽を毎回作っているベイシスケイプの曲も今作も良い。力強い。好き。 それにしてもこのご時世にストーリーに寄りかからないゲーム作りをここまで徹底できたもんだ… 僕はそんな「僕のためのゲーム」と思えるゲームを創ってくれたことを嬉しく思っている。