みんなのGOTY(Game of the Year 2024)

Game of the Year 2024
民草 さん
ユニコーンオーバーロード
ユニコーンオーバーロード(以下、本作)は、ファンタジー世界を舞台にしたシミュレーションRPGゲームです。 [ストーリー] 本作はファンタジー世界を舞台として、亡国の王子アレイン殿下が祖国解放を望む人々と共に戦う物語です。 ストーリー自体は王道ですが、少し薄味といった感じで嫌いと言う人は少ないと思いますが、ちょっと物足りない部分はあります。 ただ世界観はしっかりしており、自身がステージ攻略するのに中継した一つ一つの街に関する説明や読むことができるほどの作り込みがされています。 [部隊編成の面白さ] 本作の面白いところはなんといっても、部隊編成です。 部隊編成では、1部隊に最大5人まで編成できます。 ユニットにはクラスがあり、歩兵、騎兵、重装兵、飛行兵など組み合わせる事ができ、正面は重装と歩兵を組み合わせた手堅い部隊で戦線を上げ、騎兵隊が孤立した敵を強襲するなど戦略を考える事ができます。 ここまででも十分満足感がありますが、本作の見どころはここからです。 本作の戦闘は、仲間を編成した部隊単位で戦闘を行います。戦闘中はオートチェスのように自動で進むためプレイヤーは見ていることしかできませんが、事前に戦術を組み立てる事ができます。 ユニット毎に行動優先条件を設定できます。 例えば下記のような形ですね。 ①体力の低い味方を回復する ②2体以上の敵に範囲攻撃する ③体力の低い敵に攻撃する このような戦術を味方分に設定し、敵味方が入り混じって自動で戦闘が行われます。 一見難しそうですが、実際はゲーム内で自動設定される内容で十分に戦えるのでカジュアルに遊べます。慣れてきた頃に、自分で組み立てた戦術がハマる瞬間がと最高に楽しいシステムです。 [体験版について] 私も本作発売前に体験版をプレイして、完全に本作に惚れ込みました。 体験版の内容はゲームの面白い部分を切り取ったものではなく、序盤から5時間分もしくは一定までシナリオが進行するまでプレイできるのですが、これがなんと面白い。 シミュレーション戦闘を1戦する度に、ほぼ毎回新しい仲間が追加されていき新しい戦術を考える余地が生まれ、次々に出来ることが広がっていく途方もなさに圧倒されました。 [まとめ] シミュレーションRPGは人によって好き嫌いがある分野だと思いますので、興味ある方は体験版からどうぞ! そして、このゲームの虜になってください。 一緒に解放軍として、アレイン殿下をお助けしましょう!
Game of the Year 2024
ひゅうま(ゲームの滝壺) さん
ゼンレスゾーンゼロ
ゼンレスゾーンゼロとは【性癖のスマブラ】である。 ・大ハサミ使いギザ歯ダウナーサメメイド ・機械義足やんちゃな過去持ちオオカミ執事 ・財務担当隻眼クマ男 ・ハンマー使い眼帯ヤンキー子供社長 ・合体武器使い新米猫耳熱血治安官 ・特撮好き3枚目2丁拳銃使い機械人 ・ツーサイドアップほくろ守銭奴ギャル ・クールニーハイヘッドホンスニーカーガール ・ハーフアップ姫カット狐耳妖刀侍 ・天真爛漫ピュア青鬼娘 ・大型トレーラー運転手ロリおじさん ・ツンデレサイドテールアウトローお嬢様 ・火炎放射器女 要素を大幅に端折って書いてもこの在り様。 なんだこれ。 これでもかと尖ったキャラクターたちが織り成す物語に、少し食傷気味になってしまうかもしれない。 でも、私は大好き。 きっとあなたも大好き。 プレイヤーの興味を惹きつける要素モリモリのキャラクターばかりではあるが、本作はSF恋愛シミュレーションではない。 れっきとしたアクションRPGなのである。 (信頼度なる、恋愛シミュレーションのような仕様があることは内緒です) 気弱な小柄チェーンソーメイド「カリン」を操作した時、私は戦闘モーションの完成形のひとつを見た。 チェーンソーの刃が敵に触れたときの火花のエフェクトやヒットストップ、遠心力やカメラアングルがほどよく誇張された必殺技など、限られたモーションの中にアクションゲームとしての爽快感の多くが詰め込まれている。 「カリン」は少しストーリーを進めることで入手できることもここに補足しておく。 ほかのキャラクターも同様に、その設定や性質に合わせた専用モーションで異なる爽快感を演出する。 新キャラクターの性癖を突いたビジュアルと爽快感の合わせ技は、ときに中毒のような症状を引き起こす。 あのお試しプレイさえなければこんなことには…… そして我々はガチャの魅惑に耐えながら(時に屈しながら)今を生きている。 スマホ対応ゲームならではのシンプル操作はメリットであり、デメリットでもある。 戦闘システムの特徴である敵の攻撃をパリィしたり回避したりする行動は、タイミングが肝要で複雑な操作は必要がない。 この要素はアクションゲームの敷居を著しく下げ、多くのプレイヤーが入り込めるように設計されている。 プレイヤースキルが全ての、手に汗握る骨太アクションを求めているユーザーには物足りないかもしれない。 でもいいんだこれくらいで。 骨太アクションはそもそも畑が違う。 ポップな印象のあるキャラデザ、UIにはこれくらいのカジュアルさが丁度良い。 カジュアルさに起因する戦闘のマンネリ化は宿命である。 これには、キャラクター毎の性能や戦闘モーションの違い、新しい敵の追加によって対策がされている。 永く遊べるよう、引き続きのアップデートがただただ期待される。 プレイヤーの声がすぐに反映される開発陣のフットワークの軽さも本作のスゴさのひとつだ。 ゲームを面白くするための取捨選択の速度がすさまじく、アップデートの度に期待以上のものが提供される。 開発陣が捨てることを選択したことで、人によっては残念に思う決定がなされることもあるかもしれない。 大丈夫大丈夫! 全部とんでもないリソースを使って作成されてるから、いつかどこかで違う形でよみがえる。 このアップデートへの期待が絶えぬ限り、本作の魅力は色褪せないのだ。 ただのアクションRPGかと思いきや、ゲームセンターなる施設で、なぜか他のゲームも遊ぶことができる。 ミニゲームとはいえ、それぞれがなかなかの完成度だ。 どこかで見たことがある気がする? 「スリザリオ」?、「ミスタードリラー」?、「ヴァンパイアサバイバー」? ……なんですかそれ? 本編や期間限定イベントにも他ジャンルのゲームが登場する。 パズル、リズム、ローグライク、レーシング、ベルトスクロール(風)アクション。 次はどんなジャンルで楽しませてくれるのだろうか。 今からワクワクがとまらない。 ここまで拙いなりに色々と本作の魅力を語ってきたつもりだが、正直語り切れていないというのが本心だ。 それは、ストーリーについて一切触れられていないところからも明らかである。 また、アクションゲームの感触は実際にプレイするまでわからない。 私も仕組みを多少理解するまでは、ただの凡庸で退屈なゲームであると感じてしまったところもある。 ぜひ少しまとまった時間を確保してゲームを進めてみてほしい。 最初こそある程度のまとまったプレイ時間が必要だが、その後の継続は毎日の少しの時間で大丈夫。 他のゲームのプレイ状況にも影響を与えにくいため、忙しい現代人にはうってつけ。 これ、地味にポイント高いです。 Q、魅力満載の本作、遊ぶには一体いくらかかるんでしょうか? A、(基本)無料です。 無料でも十分遊べるが、もし少額でも課金ができるのであれば、610円のインターノット会員という月間パスには加入すると良い。 ガチャを引ける回数が増え、単純に心が豊かになる。 この610円は、健康で文化的な最低限度の生活の範疇に入りませんかね? ちなみに、さんざんキャラクターの魅力を語っておきながら、私はリリース当初より今まで、ガチャを制限している。 ここまで制限することができたのは、ひとえに日頃の訓練の賜物であるからして、皆さんは自分の欲求に素直に従ってくださいね。 一度も限定ガチャを引かずに貯めたガチャ石は、全部で600回相当。 このガチャ石をぶち込むのに相応しいアップデートが間近に控えている。 人気キャラクター(推定)の「星見雅」さん! 私はあなたにひとめぼれしてこのゲームを開始しました!! 良縁となることを期待しております!!! このレビューが投稿される頃には、ひとつの区切りがついていることでしょう。 ゼンレスゾーンゼロと私の関係が今後も良好に続いていくことを願っています。 これは私のゲーム体験であり物語。 この続きは君だけの物語を紡いでいってほしい。
Game of the Year 2024
さん
スプラトゥーン3:グランドフェスティバル
【奇跡:常識で考えては起こりえない不思議な出来事・現象の意】 奇跡がそこには、あった。 グランドフェスティバルは 関わった人間全員が作り上げた奇跡だ。 始まる前の胸の高鳴り。 開催中の感動と世界とつながる一体感。 終わりが見えた頃の寂しさ。 終わってしまった後の喪失感。 スプラトゥーン三部作の集大成とも言える 全てにおいて本当に素晴らしいフェスだった。 リアルかオンラインか、だとか ゲームかそうじゃないか、なんて もはやまったくどうでもいいことなんだと あらためて感じさせてくれた稀有な体験だった。 後にも先にもこんな感動は 味わえないのではないだろうか。 これはただのゲームの いちコンテンツなんかではなく 参加した世界中の全員が 同じ期間に同じ感動を共にしたという“奇跡”だ。 こんな奇跡を作り上げることができる チーム・人間たちがこの世に存在しているという奇跡にも 私は深く感謝したい。 私はあの景色を、感じた思いを、一生忘れません。 ありがとうございました。
Game of the Year 2024
ヒヨスケ さん
プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠
プリンス・オブ・ペルシャシリーズ14年ぶりの新作として今年リリースされた「プリンスオブペルシャ 失われた王冠」は、シリーズ初のサイドビュー探索型アクション、俗にいうメトロイドヴァニアとなった。 このジャンルが好きで数多く遊んできたが、本作は戦闘、探索、謎解きといったすべての要素がハイレベルに融合していて屈指の面白さだった。 長年続くシリーズに対してだけでなく、メトロイドヴァニアというジャンルに対しても新たな息吹を吹き込んだと言える本作を私のGOTYとしたい。 —- まず本作はシリーズ作品だが過去作との繋がりはないので初めての人でも問題ない。 とは言え探索アクションが苦手だからいいや、というそこのあなた。ちょっと待ってほしい。このゲームは設定項目が充実していて、かなり間口が広くなっている。 難易度は一般的なイージーやノーマルといったものに該当するプリセットの他にカスタム設定が可能で、敵のダメージやHP、環境ダメージ、パリィの難易度等々、スタバの注文より細かく設定が決められる。 例えば敵のダメージはプリセットだと最低0.5、最高2.0だが、カスタム設定すると0.1から6.0まで0.1ポイント刻みの調整ができる。最高でも物足りないというへんた……猛者は、一度死んだら終わりのパーマデスモードで絶望を味わってほしい。 他にも目的地が表示されるガイドモードに、高度なアクションが必要とされる場所をワープでショートカットするというアクションアシストなんてものもあるし、色覚異常に対応したハイコントラストモードもある。これにより様々なニーズに答えやすくなっている。 しかもこれらの設定はゲームの途中でも変更できるので、初心者でもスタバの注文のようにビビる必要はない。やりながら調整してしまえばOKだ。 ちょっと甘やかしすぎではないか?というくらいのホスピタリティだが、良くも悪くも多様性の時代。ゲーマーの多様性ってやつにうまく対応してると言えるだろう。これを作ってる ubisoft がセクハラやらアサクリやらで度々炎上して全然対応できてる感がないのは、また別の話だ。 —- ここからはやっと本編の紹介。 ストーリーを簡単に言うと、さらわれた王子を救出しよう、というものだ。謎めいた内容で悪くはなかったが惜しいという印象。最後のピースが欠けているとでも言おうか、もう一声と言いたくなる。なのであえて詳細は省くが、ケレン味のある演出はかっこよくて見ごたえがあり楽しめた。 この作品は映画で言うなら「ジョン・ウィック」だ。ストーリーもいいが、何よりも極上のアクションを堪能してほしい。これは「かっこよくて気持ちいい」ゲームだ。 —- メトロイドヴァニアは“探索アクション”であり、戦闘アクションに関しては割とシンプルなことが多い。しかし本作は多彩な攻撃パターンが用意されていて、爽快でスピード感ある戦闘が楽しめる。 攻撃パターンは多いがシンプルなキーの組み合わせだけで簡単にいろんな技が出せる。ポイントはそれをどう繋げるか。そこに加わるエフェクトがまた絶妙でかっこいい。ここまで戦闘が気持ちいいメトロイドヴァニアは初めてだ。 敵の攻撃パターンも様々で、通常の攻撃以外に特殊なものが主に2種類ある。 敵の目が赤く光ったときの攻撃は防御不可。そして黄色く光ったときの攻撃は受け流し(パリィ)をすることで強力な反撃を喰らわすことができる。その際には敵の種類ごとに個別の演出が用意されていて、これがまたかっこいい。 ボス等の強敵ではカメラアングルが切り替わり、ザコシショウばりに誇張したダイナミックな演出はケレン味の極み。私が小学生だったら「くらえー!」と叫んでるに違いない。 演出は小気味よく差し込まれるので、全体のテンポが乱されること無く邪魔に感じることもなかった。 —- 2段ジャンプや空中ダッシュなどといった探索系の能力も当然いろいろと用意されているが、本作が素晴らしいのはこれらの能力が戦闘や謎解きにもしっかり活用されているところ。 1番面白かったのが途中から使えるようになるワープのような能力。これが秀逸で見事だった。最初はパッとしない能力だなと思ったが、ゲームを進めていくうちに、なるほどそういう活用法があるか、という場面が何度もあって思わず唸った。 これらの多彩なアクションを活用すれば、「こんなの避けるの無理だろ」という強力なボスの攻撃も必ず凌げる。その抜け道を見つけ出しすべてを避け切った時は、気持ちよくておもわず奇声が漏れる。 探索や謎解きもやりごたえ抜群で、特にアップデートで追加された「神の試練」というチャレンジコンテンツは、その名に恥じない高難度。何度トゲに刺さって死んだことか。 それでも何度も挑戦してしまうのは、やはり抜群の操作感とアクションの気持ちよさが大きいと思う。 —- とにかくプレイヤーの操作に対しての反応の良さが感度最高で素晴らしい。しかも動きがいちいちアクロバティックでかっこいいので、キャラクターを動かしてるだけでワクワクしてしまう。プールでやたら回転したり飛び跳ねてる子供がいたら、プリンスオブペルシャをやってるか、スパイダーマンを見た後か、どちらかだろう。 そもそも主人公のサルゴンがかっこいいので見ていて爽快だ。 全盛期の藤岡弘を思わせる濃い男前。上半身ほぼ裸みたいな軽装で、立ち姿は顔が右を向いてるのに体は左に捻っていて「この胸筋を見よ!」とでも言いたげだ。現代人だったらピチピチのタンクトップを好んで着るタイプに違いない。 衣装を変更することもできるが、中にはふんどし一丁みたいな格好もあり特定の需要を満たしてくれるであろう。 登場人物の名前もかっこいい。 サルゴン、ガッサン、アルタバン、アナヒータ、メラノイアス。 ペルシャではポピュラーな名前だったんだろうか。わからないがとりあえず独特の響きが私のツボに刺さりまくって、声に出して言いたくなる。 メラノイアス!  週1くらいなら「おはようございます」の代わりに言ってもバレないんじゃないだろうか。ぜひ皆さんも試してみてほしい。 —- 最後に、本作には探索に関して面白い機能が搭載されている。 メトロイドヴァニアといえば、様々な能力を手に入れ行ける場所が増えていくという基本の流れがある。慣れたプレーヤーは、今はあそこのアイテム取れないけど2段ジャンプがあれば取れるようになるな、なんてことを考えながらプレイするわけだ。 そんなときのためにマップにマーカーをつけるという機能が定番としてあるのだが、マーカーをつけたものの、なんのマーカーだったか覚えてない、なんてことが割と発生しがちだ。 じゃぁ忘れないようにスクショ撮っとこうなんてこともするのだが、確認作業がめちゃくちゃめんどくさいし、どれがどこのスクショだったか忘れたりする。 策士策に溺れるというより、猿が猿知恵に翻弄されてるだけで、なんともやりきれない。 しかし本作はゲーム内の機能としてスクショが撮れて、それをマップに記録しておける。これだ!これがやりたかったのだ!こんなの初めて!こんな快感があったなんて! ということでこの機能を、これがやりたかったオブザイヤーに認定したい。 —- ここまで絶賛したが、不満点がないわけではない。 ファストトラベルの拠点が少なく、一発で拠点に戻ることもできないのがちょっと不便だった。先述のようにキャラクターが軽快に動いてくれるので、クリアするだけならそれほど苦ではないが、探索をやり込もうとすると流石に面倒くさく感じることもあった。 でもまぁそれくらいだ。 1番不満に感じてたバグもアップデートで直ってたし、何よりも時間が経って心に残ってるのは圧倒的なゲームプレイの面白さだ。その他の微細な気になった点も多少あるが、この際「済んだことだ、気にするな」とだけ言っておこう。 本作は私のゲームオブザイヤーと、これがやりたかったオブザイヤーの2冠にふさわしい名作である。
Game of the Year 2024
ゲームすっきゃねん🎮 さん
SANABI
【この1年、この感動と共に生きてこれたことを誇りに思う。2Dドットアクションの最高地点】 トレーラーを見て、侮るなかれ。後悔はいつだってお前の前を歩かない。 2Dピクセルアートで描かれる サイバーパンクな世界で、ワイヤーアクションをキメまくる男の物語。 キレイ事抜きで言います。めちゃくちゃカッコ良い。 そのカッコ良さは、みんな大好き「ジョン・ウィック」そのもの。 主人公は「将軍」と呼ばれ、仲間からも畏怖の念を持たれる最強元軍人。 何があったか?そう、娘と平和に暮らしていたのに家に爆弾。 娘が死ぬ間際に語った「SANABI」。 将軍は「SANABI」という言葉に強く反応した途端、家が爆発、娘死亡。ブチ切れMAX。 「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたる!ブッ殺すSANABI!!!!」状態。 「マゴ」って超巨大財閥都市に潜む「SANABI」を追いかける最中、 そこ住まう住人300万人が一晩で蒸発するというニュースが。もはや何事!?状態も勃発。 「関係あるかい! わしゃ、SANABIを殺すだけ!それだけや!」と突き進む。 道中、天才ハッカー少女マリちゃんと出会い、一緒に「マゴ」最上階を目指すことになるんです。 マリちゃん可愛いよ。 これ、一見して思わず呟くことになる。「AKIRAやん」と。 街並み、アクション、音楽。サイバーパンクの空気が最高にベベンッと決まってる。 しかもドットなのに動きがすげぇ。 ヴァンパイアハンター的なド派手な感じじゃなく、サイズ感がちゃんとマリオみたいに小さいのに、ちゃんとハマってる。 どうやって作ったのの?これ。 豆粒みたいな主人公が広い画角で、「ガッガッガ…」ってゆっくり歩く演出に、私は鳥肌が立ちました。 この感覚は、他に類を見ない。 ゲーム体験の中核を担うのが、チェーンフックアクション。 「ワイヤー出して飛んで刺して、敵ぶっ潰す!」 言葉では表現しづらい、バチクソエイム効きまくりアクションが気持ち良すぎる。 けれど、基本地面はない。ゆえ、操作ミスると「即死亡」。 ステージ設計は超サディスティック。「初見殺しの連打」待ったなし! でもなぜか楽しいんです。一発クリアできた時の「よしっ!俺天才か!」感がクセになる。 やめられない、とまらない。カッパの川流れ。 んで、キャラクターのパワーアップのタイミング、内容が絶妙。 ちゃんと適正レベルで成長するのが最高にシビれるポイント。 逆に詰め込まれすぎって感じることありません?いや、そんな多く急に言われてもおじさん困るわ、覚えられへんモード。 そんな置いてけぼりにならない優しさ取り揃えております。 ストーリーに関しては、ちょっと語れないことが多過ぎる。 ここまで世界観やら、アクションやら語ってきましたけど、本筋はこのストーリー。そして、語り回し。最高。 丁寧に伏線張って回収して、裏切って、「ホロリ」とくるところまで用意されてる。 そんなどんな映画でもそうですやん...と言いたい気持ちはわかるが、グッと堪えて欲しい。 てめぇのその浅はかな想像を遥かに超えてくる。そう俺がそうだったように。 最後に作者のWONDER POTIONさんのメッセージで、このレビューを締めくくりたいと思う。 『ゲームはゲーマーがプレイしたとき、はじめて完成する。4年かけて作った「SANABI」を完成させてほしい。』 このレビューを読んでいる貴方のために作られた名作。SANABI。ぜひ。 ということでネタバレなしでpodcastでも語っておりますー! 興味を持っていただけたならぜひ! APPLE PODCAST: https://x.gd/SbdA4 SPOTIFY: https://x.gd/rAM5a
Game of the Year 2024
こへい|流行りモノ通信簿・ゲームなんとか さん
ファイナルファンタジーVII リバース
----------------------------------------------------------- ※FF7リバースの直接的なネタバレは無いはずなんですが、FF7原作、FF7リメイクのネタバレは混じるかもです。ご注意ください。 ----------------------------------------------------------- FF7リバース、すごいゲームでした。 ポッドキャスト配信の中でそれなりに時間をかけて話したりはしましたが、それでも語り尽くせない並々ならぬ魅力があるんだなぁと腹の底から感じております。すごいしか言ってないけど、ホントすごいんですって笑。 広すぎるオープンワールド、多すぎるサブクエ、多彩すぎるミニゲーム、もりもりの成長要素・バトルシステム… ヘンな話、前作FF7リメイクを遊んだその時は楽しいな!良いゲームだな!正直心配してたけどFF7のリメイク大成功しててうれしい!そんなことを思っていましたが、心の片隅にちょっとした違和感がありました。 ティファとエアリスとジェシー…女子3人の立ち振る舞い、キョドるクラウドくん。もう見てられないくらい気恥ずかしさ。ミッドガルめちゃくちゃ広いけど意外と自由に歩ける場所の少なさ。凶斬りカッケェけど凶斬り以外はまだすか。ローチェとかいうソルジャーさん。この人は誰なんでしょう。フィーラー?…フィーラー…????運命の…番人…??? ちょっとした違和感です。些細な話です。 FF7リメイク楽しかったなぁという気持ちの奥底に、ちょっとだけ残っていたアレなんだったんですかという気持ち。 この気持ちがゆっくりと溶かしてくれたのがFF7リバース。 【FF7リメイクという超大作ギャルゲーの正当続編FF7リバース】 ティファとエアリス、リバースをプレイスタートしたその瞬間に思い出されるあのギャルゲー再び感。でもこれが新生FF7だから。もう既に味わった体験だから。2回目の今回はだいぶ耐性がついてましたね。コレコレ感すら感じました。ティファとエアリスに両サイドから腕組まれたい。両サイドからひっぱられたい。そんな気持ちすら湧きました。(その後、ユフィと出会ったボクは脳が焼けるんじゃないかという新しく強烈な気恥ずかしさと出会うわけですが、それももう美しい思い出です) …ちなみにボクの推しはバレットとナナキね。 【ミッドガルの手狭な感覚。広大すぎるFF7の世界】 これって実はFF7リメイクの時に既に2作目を見据えて狙ってたのかなと思うほど印象深いんですが、FF7リメイクとFF7リバースはフィールドを歩く体験に大きなギャップを感じます。FF7リメイクで感じたのはミッドガルの無機質さ、スラムの薄汚さ。そして歩きにくさ。それと対称的にFF7リバースで出会ったのは広大で美しい大自然。ライフストリーム。なんかしょっちゅう出会う小っさいチョコボ。ミッドガルの狭さを感じていたからこその感動なのかもしれない。ミッドガルの外がどれだけ広大な世界なのか…それを表現したかったんでしょうね。ホント広かった。いやぁ広かった。 【もりもりに盛ってくれたバトルシステム】 凶斬りを含めて、リミット技も連携アビリティも召喚獣も…コマンドが増え、仲間が増え、バトルはできることがとても増えた。FF7リバースのバトル、めちゃ忙しい。でもこういうの触りたかった。仲間たちと連携して鮮やかに敵を倒したい。 【ローチェ…そしてジョニー】 なんでなんでしょうか。ボクはローチェと再会した時、声が出ました。 「うわ!誰だっけ!!」そんな感じの声が漏れました。別にローチェくんに悪印象はありません。喜びの気持ちが前面に出た誰だっけでした。FF7リメイクを遊んだ時、ローチェはいったいなんだったんだと思っていました。この役回りって別にタークスでも良くね?そんなこと思ってました。でもそうじゃなかったんですね。ネタバレになるから言えませんけど、ローチェにはローチェの役割があった。こういう納得感があると嬉しいですね。 そしてジョニー。ジョニーと再会した時も同じようなことを思い出しました。でもジョニーはローチェとはちょっと違う役回りでしたね。ジョニーがジョニー軍団になった時には笑っちゃいました。ジョニーがFF7原作に登場していたのかは正直さっぱり覚えていないんですが、そうだよなFFってこういうノリを出す一面もあるよね!とジョニーがFF7の一面を体を張って表現してくれていました。次回作でもアニキィ…そりゃないぜ~って言われたい。次回作を遊ぶときには彼のことを忘れていないようにしたいなと思ったのです。 【フィーラー。運命の番人。ウェポン。ザックス。】 フィーラーという要素。設定。FF7リメイクを遊んだ時と、FF7リバースを遊んだ時でまたちょっと感覚が違っています。FF7リバースの物語の中で明かされた設定はちゃんと理解できているのかがめちゃくちゃ怪しいのでヘタなことは書きませんが…FF7リバースを遊んだ中で「運命に立ち向かう」という意味合いを何度か考えることになりまして。FF7原作で悲しき運命を辿ったエアリス。エアリスのことがどうしたって意識させられますが、それだけじゃないよなと。バレットのアレだって。ティファのアレも。ナナキのアレも…ザックスのアレも…みんな自分の運命と向き合ってたんすよね。エアリスが衝撃的過ぎただけで、他のキャラクターもみんなそうなんですよね。ルーファウスとか神羅側もそうなんでしょうね。 FF7リメイクでフィーラーという存在を知った時、なんか安っぽいなと思いました。正直思いました。でもFF7リバースを遊ぶ中で、意外とそうでもないのかもな。変えられないはずの運命に立ち向かう。それってFF7原作があるからこそ、より真に迫って描けるテーマなのかもねと。そんなことを思いました。まぁボクはクライシスコアで語られたザックスとエアリスの話が好きだったので。ザックスとエアリスが幸せであってほしい。そんなことを思うからこそ、多少くさい演出であっても運命と向き合う様を期待したいなと思えるようになりました。 …まだまだいろんなことありました。 FF7リバースは話尽くせない。クイーンズブラッドとかも書きたい。ナナキやバレットに焦点当たったストーリーの話とかも書きたい。もちろんエアリスのアレな話も書きたい。さすがにめんどくさくなってリバースの方では腹筋ミニゲームをサボったこととかも懺悔したい。語り尽くせないくらいにFF7リバースはすごいゲームでした。これだけの文字量を費やしましたが要約すると「FF7リバースはすごい」。そういうことなんです。
Game of the Year 2024
ふみ@スーパーゲームバカ さん
Mouthwashing
君が怖いのは見えざるものか、それとも隣人か。 予定航行日数382日。船員5名。 宇宙貨物船で過ごし続ける乗組員たちは小惑星との衝突を経て、恐怖と苦しみと後悔を味わうことになる。 ーーーーーーーーー Mouthwashingは2024年にSteamで発売されたホラーゲームだ。 昨今では作りこまれた美麗グラフィックよりも人を惹きつけるのが「ローポリゴンで作られたゲーム」である。 ローポリゴンホラーゲームでしか嗅ぎ取れない血の匂いと、錆び臭さと湿り気を堪能したいのであれば今からでもMouthwashingをプレイすべきだと背中を押そう。 そんな鼻の奥がネトネトするようなグラフィックに加えて、このゲームはキャラクターの個性と対比を十分に尊重した演出がとても魅力的だ。 登場キャラクターはたった5人だけ。彼らの心の奥に仕舞っていた気持ちと、態度と秘密はプレイヤーがこのゲームにのめり込む要因の一つになる。 そんな彼らの個性を引き立てるのは、ゲームの演出方法だ。 本作はゲームのプレイ時間が進むほど複雑になっていく。 というのも、ストーリーの時間が前後しながらこの宇宙船の行く末を見届ける事になる。 衝突まで3日、衝突から2ヶ月、衝突まで7日、衝突から2ヶ月、衝突まで6日……。 シーンが切り替わるごとにローポリゴンであるはずの船員たちはあなたの目から見ても、徐々に解像度が上がって見えてくる事だろう。 ヴィジュアル面での魅せ方も非常に上手く、ホラーゲームならではの明暗の差を利用した絵作りは息の詰まるような船内を緻密に描写し、知りたくもなかったようなことを照らしてくれる。 小説や映画ではなく、ゲームでしか得られない体験を逆手に取った非常に作りこまれた作品となっている。 ジャンプスケアはほとんど無いものの、多少意図しない驚き方をするシーンは出てくる。 それを加味しても今年のGOTYに選ぶには十分すぎるクオリティのゲームだ。 ゴア表現が不得手でなければ是非ウィッシュリストに忍ばせておいてほしい。
Game of the Year 2024
べーたろう さん
ファミコン探偵倶楽部 笑み男
リメイク2作を経て実に35年ぶりのまさかの新作。 シナリオに関しては既に周知のとおり賛否両論なのでやってみてくれとしか。ちなみに発売前PVの時点で原作者兼デザイナーの坂本賀勇(よしお)さんが「結末は賛否が分かれるだろう」と警告していた。 キャラクターはヒロインのあゆみちゃんはもちろん、モブの女性キャラたちもぶっちぎりにかわいいのでさすがギャルゲーの老舗 MAGES.(シュタゲ作ったとこ)の制作だなと感じた。 音楽は今回もあります、バッハ。 プレイして私はとても満足した。
Game of the Year 2024
ひがし銃水 さん
不香の花 - Snow Flower
2~3時間程度で終わる、1本道のビジュアルノベルゲーム。 最寄りのコンビニまでしばらく歩くし、連絡手段は回覧板。冬は雪が積もり、除雪作業が欠かせない。 そんな山奥の田舎に、親の都合で引っ越すことになった高校生のお話。 主人公は「文明レベルが違いすぎる」と田舎の不便さに悪態をつくも、そこには自分とは違う価値観で、しかし自分より生き生きと暮らす生活があることに気付いていき…。 短編ながらすばらしい物語構成、しっかり背景が伴った登場人物のおかげで、「そこに確かに所属し、日常を過ごし、お別れする」という一連の時の流れを自分事として感じさせてくれます。 解像度の高い雪国・田舎の描写、かわいらしいイラストも素晴らしい。 ひんやり濃縮された甘酸っぱい青春成分をお手軽にキメたい方にぜひオススメ。 激しい可処分時間の争奪にいる現代人にこそ、このタイトルでノベルゲームの良さ・すごさを知ってほしい。 忖度なしにクオリティで判断しても私のゲームオブザイヤーですが、こんな神ゲーにまだSteamレビューが5件しかないのが信じられない!という気持ちもあり強く応援したい。 通常価格からたったの200円程度で購入可能。冬が舞台なので買うなら今がベストタイミング!
Game of the Year 2024
ジョンソン さん
TUNIC
結婚生活4年目。あまりゲームに興味のない妻をゲーム沼に引き摺り込むべく、何か良いゲームはないか?といつもゲームを探している中podcast番組「ゲームなんとか」で知った『TUNIC』キツネゼルダと評されたこのタイトル。研究の結果、うちの妻はTPSで可愛いキャラクターが出てくるゲームを好む傾向にあることがわかり、しかも番組の『TUNIC』回放送後の5月のPSPlusのフリープレイに追加されるとわかるや否やすぐにDL!妻も巻き込んでゲーム開始。ゲームは1人プレイなので、妻は隣で考察係。ワーキャー言いながらなんとかクリアし、クリア時点でトロコンまであまり遠くないと言うことで、自分自身初めてとなるトロコンもチャレンジすることに!しかしその道は案外長く、最終的には攻略サイトを見ながら何とかして初プラチナGET!隣でサポートしてくれていた妻とハイタッチをして終える事ができました。 ゲーム内でゲームの説明書を集めるという仕様が新しく、FC,SFC時代説明書を穴を開くほど見ては妄想に耽っていたいた世代なので、ゲーム好きだったおじさんには刺さる作品だと思う。ゲーム難易度としても、ソウルゲーはまともにクリアしたことのない自分でも悪戦苦闘しながら何とかクリアできたレベル。久しぶりにゲームをしたいと思っている自分と同じおじさん世代にもってこいな作品だと思います。 さぁ次妻とするゲームは何にしようか…。