みんなのGOTY(Game of the Year 2024)

Game of the Year 2024
ライチ さん
サイレントヒル2
面影と異質の混在する町。いつかあの場所につけた『傷跡』を見つけて…帰郷 サイレントヒル2はリメイクまで23年が経っていた。思い出にあるサイレントヒルは臆病な自分を父に力強く頼もしい手で引っ張ってもらいながら巡った町であった。 やだやだと後ろに隠れようとする自分を笑いながら色んな所に連れ回す父であったが、周りの安全が確認できると自分でも歩いてみるよう促してくることがあった。そのような時は自分から一歩踏み出すことすら非常に心細く、治ることのない耳鳴りのような残響すら感じる圧迫感を幼いながらも敏感に感じ取って怯えてしまい、すぐに父に助けを求めていた。 しかし、長い時間そこにいたせいか、次第にそんな恐怖の対象であった町に対してどこか惹かれる部分も感じるようになったのであった。果たしてそれは何もかもを飲み込んでいくこの町に漂う霧の妖しさに魅入られてしまったのか、よくわからないながらもその思いは確実に幼き日の記憶の一画に居座るようになっていた。 そして時が経ち、大人になったがふとあの町が脳裏をよぎる度に当時とは全く違う感情が湧き上がるようになっていた。 あの町が恋しいのだ。 恐怖でしかなかったあの町が、恋しいのだ。 おそらくあの幻想的な雰囲気が好みに合っていたのだと考え、町のことを調べたり映像を探してはその思い出に何度も浸かり直していた。その思いはおそらく「郷愁」と呼んで差し支えないもので、父の背中越しに眺めていた景色の映像を今度はじっくりと眺めては恋しさを鎮めていたのだった。 当然、それは思い出の中にある町のままであったはずだが、心のどこかでなんとなくその町との間に面会室のガラス窓のような透明な壁があるように感じた。 今回、このリメイクをきっかけにサイレントヒルをもう一度訪れる機会に恵まれた。「あぁ、あの町がまた呼んでいる…」などと頭のどこかが呟きつつ、ぼんやりとした期待を抱きながら町に再び降り立った自分を迎え入れてくれたのは、知らない顔でこちらを見つめてくるサイレントヒルだった。 それはまるで父と見た目は同じなのに明らかに別人が自分を迎えに来たようであり、本能がしきりに異質を訴え続けていた。 意を決して、当時のあの空気、あの街並みの懐かしさを頼りに歩みを進めようとするもそれをこの街は許さない。知らない道や建物に幾度となく導かれることで次第に自分の足取りは重くなり、一歩踏み出すことにすら強い嫌悪を覚えるようになっていった。 23年も経てばこの町も変わる…あえてそんな呑気な言葉で自分を落ち着かせようとするものの、尽きる事なく知らない顔を見せてくるサイレントヒルの中で、気がつくと自分はあの頃の臆病な自分に戻っていた… しかし、もう頼っていたあの父の手は今はもうなく、自分で歩みを進める他ないのだ。またあの耳鳴りが生々しい圧を持って鳴り響く。それは思い出のガラス窓越しではなく、振動すら感じかねない直に感じられる音。そして、隙を見せれば狩りの如く恐怖が獰猛に飛びかかってくる。それに対して、負けるものかとなけなしの虚勢を必死にぶつけた。それも、幾度となく、幾度となくぶつけ続けた。 しばらくの間はこうして半ばがむしゃらになりながら必死に彷徨い続けていたが、ある時、ふと自分の周りのノイズが晴れたことに気づいた。あたりを見渡すと「あそこは知ってる」「ここは何度も通った」ということに気がつき、すなわち、いつのまにかそこは新しい自分のテリトリーになっていたのだった。 心にゆとりが生まれ、落ち着いて周りを改めて眺め直すうちに、胸の奥から静かにとある感覚が湧き上がってきたのだった。 「なぜだろう…達成感がすごい…。これほどの大きな達成感は凄く久しぶりな気がする…」 その後も先々で同じ経験をするうちにあることに気がついた。 自分はあの時、後悔していたのだと。 惹かれていたと思っていたのは好意ではなく、自分の殻を破れなかった心残りによる未練であったと。 幼い自分は負ってしまった心の傷を忘れるために好意的な感情にすり替えていたのだった。 しかし、この町に再訪した自分は普段ならすぐにでも逃げ出したくなる恐怖に立ち向かい、あの空間に自分の場所を確立できたのだ。あの日の心の傷跡に向き合い、乗り越えられた。それがかけがえのない達成感に変わったのだった。 それは当然、すでにわかりきっていた町であれば決して得られない体験であり、そもそもこの心の傷跡を思い出すことすらなかっただろう。 しかし、サイレントヒルはあの日感じた不気味さは同じまま、全く異なる顔を見せることで再びこの傷を眼前に突きつけたのだった。あの日をもう一度提供するために「変えることなく、変わった」のだった。 決して懐かしさに飾り立てられた上部だけの「昔のまま」ではない。昔訪れた人々を懐かしさで歓迎するのではない。 時の流れを受け止め、変容し、あの日あの場所にいた自分と同じ気持ちにさせるため大きく作り直されたサイレントヒルがあったのだ。あの達成感という勲章を今一度届けるために、そして、サイレントヒルを忘れるなと言わんばかりに… もはやこれをレビューと呼んでいい代物なのかすらわからない…だが確かにこう感じたのだ。誰に届けるでもないが、念のためこの帰郷譚はここに書き残しておく。 あの町でしばらく行動を共にしていたジェイムスも、きっと忘れていた何かを見つけたことだろう。 そして、昔サイレントヒルを訪れたことがある人もまた、きっと記憶の底に沈んでいた当時と変わらない感情に出会えるだろう、と。 サイレントヒルはリメイクされながらも  あなた  を待っている。
Game of the Year 2024
ゲーム薄暗ポッドキャスト さん
ディスコ エリジウム
よう、調子はどうだ。ああ悪かった。まあ調子が良いわけないよな。そのしみったれた顔を見りゃわかる。俺はどうだって? はっ、聞くまでもねえ。相変わらずさ。最近は二日酔いの頭で港湾労働組合のストライキに形ばかりの参加をして、あとやることと言えばワーリング・イン・ラグズでハーディたちに絡まれないように酒を飲んで寝るだけ。全くクソみたいな毎日だよ。お前もそうだろ? この街にいるやつはみんなそうじゃねえか。このマルティネーズって街は、いやレヴァショールそのものがそうだ。ウルトラリベラルどもが共産主義を踏み潰してその上にひり出したクソみたいなもんだ。そんな街に住んでるんだから俺もお前もクソなんだよ。ワーリング・イン・ラグズの裏の木にはもう一週間も死体がぶら下がったままなんだぜ。はっはっは。おい。笑えねえよ。 死体と言えばよ、お前あの刑事を名乗る飲んだくれの野郎と話したか? 俺は刑事だと叫びながら裸で大騒ぎしてたハリーとか言う野郎さ。俺はワーリング・イン・ラグズで少しだけ話したんだが、あの野郎、例の死体の捜査をしにきた刑事だって言ってたぜ。笑えるよな。信じられるわけがねえ。夜通し泥酔して暴れて自分のネクタイとぶつぶつ話してるだけで捜査なんてしやしねえ。街がクソならやってくる刑事もクソってわけだ。あの野郎今朝なんかガストンの爺さんが食ってたサンドイッチを口八丁でせしめてやがった。笑えるぜ。いやこれは本当に笑えるよ。 やれやれだ。ちくしょう。全くやれやれだ。俺はそろそろ行くぜ。このマルティネーズって街はまるっきり吹き溜まりで全てがままならねえ。だが一応俺みたいなやつにもまだ役目ってのが与えられてる。役目があるうちはなんとかやるしかねえよな。それじゃ。またな。 ディスコ エリジウムはTRPGの要素を多く引き継いだアドベンチャー・ゲームです。あなたは自暴自棄になった飲んだくれの刑事、ハリーとなって、うちなる24の人格と対話しながら事件の解決を目指します。捜査方法はキャラメイクによって千差万別。全てを暴力で解決してもよし、相手の嘘を見抜いて追い詰めてもよし。ゲーム開始当初はそのテキストの膨大さに面食らうでしょうが、プレイに慣れていき、100万語を超えるテキストの濁流に飲み込まれる頃には、あなたもマルティネーズの人々やレヴァショールの空気の虜になっていることでしょう。 Switch版はエラー落ちが酷いのでそれ以外の機種で遊びましょう。最高のゲームです。
Game of the Year 2024
たくじ さん
Oddsparks: An Automation Adventure
工場系がだいすきマンの筆者だから一発で食いついた本作。 ピクミンも好きだからなおさら勢いよく飛びついた。 Odd Sparks(オッドスパークス)はいわゆる生産自動化ゲームで、かつピクミンライクな要素を強く取り込んでいる。 spark(以下、ピクミンと記載)といわれる不思議なお供を従えて、荒れた街を復興させる資源探しの旅に出る!というのが物語導入である。 メインビジュアルからもわかるとおり、工場というより、緑豊かな屋外の作業場である。コンベアもなく、どこが工場なのかと文句を言う向きもあるかと思うが、 「ピクミンがコンベアになるんだよ!」とばかりに、 ゲームを進めるにしたがって、まさに人海戦術コンベアによる工場の様相を呈してくる。 巨木から切り出した木材をピクミンの流れに乗せて加工場に運び、そこで木材とピクミンの素(もと)を合成してさらにピクミンを量産するという無限地獄。 物量が少ない道は一匹だけ配置してトボトボと運ばせ、資材を沢山さばきたいラインでは、道ギチギチにピクミンを放り込んで行列で運ばせる。ピクミン量でライン能力が調整できるアイデアにうなった。工場長オリマーの誕生である。 原生生物とのバトルも当然ある。 生き物を倒すと基本的にはピクミンの素が貰えるが、大型の原生生物を倒すとピクミンの素の塊に加えて、次レベルの加工施設の建設に必要なキー素材などが貰える。狩猟の嬉しさがしっかりしている。 でかい獲物を狩る感じや、ヘタを打ったときの大量死など、正しくピクミンフォロワーといえる。原生生物があっち向いた瞬間「いっけえええーーっ!」と投げ連打するやつである。血がたぎる。 ピクミンたちのバリエーションも豊富で楽しい。 戦いが得意なやつ、岩砕きが得意なやつ、資材を多く持ち運べるやつ、施設の生産効率を上げるやつ、などなど。 適材適所に活躍させるため、それら各ピクミンたちを生産するのに必要な資材ラインを日夜整備することになるのである。 アーリーアクセスということで、主目的である村の復興というところは道半ばという状態だが、ゲームプレイのサイクルは(とりわけ工場自動化とピクミンライクの融合という意味で)非常に高いレベルに完成している。 もしかしたら宮本さんがこれを見てほぞを噛んで悔しがってるんじゃないか、と思わせるほどの輝きを感じている。 steamストアページやDiscordで開発予定を見るに、あと3回くらい変身を残しているようでもあり、年明け以降も完成版へのバージョンアップが非常に楽しみな傑作の卵である。 了 ※現状Steamにてアーリーアクセス販売中。PSとXBOXにて体験版配信中
Game of the Year 2024
しょこω北乃勝 さん
ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
子供の時に友達と一緒に冒険に出たあの世界が心の中の思い出が、そのまま映像としてよみがえった作品。 あの頃とは違う仲間と冒険をしているけれど、立ってる世界は同じ世界。 毎晩、家族とあーでもないこーでもないと言いながら、冒険をしています。 ファミコンの時代は父オルテガの足跡が良くわからなかったけど、今作は父の背中が父の足跡が良くわかる作品になっていて、母や祖父とのやりとりもすごく暖かった。 グラフィックはさすがはスクエニ。思い出補正の延長のようなグラフィックで、ダンジョンの狭い道や、水の清らかさがとても印象的でした。 BGMは申し分なく、すぎやまこういち先生の音楽のごちそうを沢山いただきました。 若い人にも刺さって、次世代に残してほしいこの作品でした。
Game of the Year 2024
Yuki (ゆーき) さん
スプラトゥーン3 エキスパンション・パス サイド・オーダー
【スプラの世界を拡張する、その名の通りのエキスパンション・パス】 ヒメセンパイに会いたい! いつからか、まるでイイダのように、そう思っていた。 スプラトゥーン3が発売された2022年9月9日。ウキウキで始めたスプラ3。 待ちに待った新要素がてんこ盛り。 3か月ごとに追加される新ブキや新ステージに気持ちは高鳴った。 でもどこか、僕の知っているスプラと違う。何か足りないものがある。 そうだ、ヒメがいないんだ。 いつものあの元気なヒメが、「ガンガン攻めたらヨユウっしょ!」とか言ってくれない。 知ってるんだ、ワールドツアーに行っていることも。 ビジー・バケーション feat. テンタクルズの「ゼンゲン・テッカイ」は最高にイカす。 だけど、何か遠い存在に感じてしまう。 いつもハイカラスクエアにいて、スタジオからファンサしてくれていた頃が懐かしい。 スプラを2から始めた僕にとっては、テンタクルズの二人が夜空にきらめく一番星だった。 あの二人は? その答えが、サイド・オーダーだった。 真っ白な世界に残されたハチ。 目の前にあるのは秩序の塔。 この世界はどうなっちゃったの? そう思った矢先 「私はヒメ!お前のダチのヒメだ!」 聞き覚えのある声と、見慣れないドローンの姿。 急げ急げと塔へとせかす。 とりま、一緒にイイダを探しに行くそうだ。 なんだか騒がしい。 姿は違うけれど、いつもの騒がしさだ。 色々事情があるらしい。 でもいいじゃないか。 またヒメ達と冒険ができる。 フロアを登って、てっぺんを目指す。 各フロアでカラーチップを集めていき、武器やインクの性能、そしてインクの色が変わっていくそうだ。 前作で混沌を選んだヒメが、 真っ白な秩序の世界を、 ドローンとなって飛び回る。 僕は自分で作った色で応戦する。 敵が迫ってくれば、ヒメがワーワーわめいてくれる。 たぶん「後ろだ!」とか「あぶねえぞハチ!」とか言ってくれているんだろうな。 ディスクを集めたら、いつもの音波攻撃で敵を一掃だ。 世界に少しずつ、いろどりが戻ってくる。 「寝てる場合じゃないよな、ビート寄こせDJ!」 イイダのトラックが、ミズタのDJが、ハチのグルーブが、ヒメの歌声が。 秩序の世界にも、僕の心の奥底にも響く。 色のない世界なんてまっぴらごめんだ。 「フルスロットル・テンタクル」を聴きながら、最強のブキでボスを倒す。 圧倒的な力でボスにとどめをさす。 画面に並ぶ8888888の文字。 ぜったい負ける気しねー! いつの間にか、ヒメのような気持になっていた。 僕の心にも、いつも見た光景が戻ってくる。 ハイカラスクエア 戻ってきたんだ、原点に。 ワールドツアーを終えて帰ってきたテンタクルズ。 いつものスタジオで、いつものファンサ。 でも確実にビッグになって戻ってきている。 5年経って26歳になったホウズキ・ヒメ。 グランドフェスへとつながっていく、これまでの空白を埋める物語。 追加コンテンツだと思って敬遠せずにプレイしてほしい。 バディのヒメと、最強のブキで戦える気持ちよさは、このサイド・オーダーでしか味わえないものだから。
Game of the Year 2024
銀麦 さん
メタファー:リファンタジオ
『ゲーマー』の美徳を持つ、すべての人に捧げる傑作RPG。 ペルソナでおなじみのATLASが、ファンタジー作品を作るらしいと、知ったときからワクワクが止まらなかった。 魔法により奏でられる、荘厳なBGMの数々。 色鮮やかなアートで彩られる世界の隅々。 そして、そんな世界で出会うかけがえのない仲間たち。 旅の中で出会う仲間たちは、皆何か悩みを抱えている。 その悩みと寄り添うことで、仲間との絆が次第に大きくなっていく。 結局のところ、RPGの楽しさとは仲間と過ごす旅の楽しさなのだと思う。 冒険小説のような旅路を大切な仲間と進む道程は、私に旅の楽しさを再認識させてくれた。 どうかあなたにも、この作品を手に取り、空想の世界へ旅立ってもらいたい。 あなたが『ゲーマー』の美徳を宿しているのなら。
Game of the Year 2024
16uk さん
The Plucky Squire 〜ジョットと不思議なカラクリ絵本〜
『The Plucky Squire (ジョットと不思議なカラクリ絵本)』は、気軽に短時間で遊べるゲームを探していたときにプレイしたタイトルです! このゲームの魅力は、絵本をベースにしたストーリーだけでなく、戦闘やフィールド移動までもが絵本の中で展開されるところ。 さらに、絵本の中だけでなく現実の世界も登場し、メタ的な要素が加わっていてとても面白いです。 プレイヤーがストレスなく進めるように、難易度は調整されており、ミニゲームのスキップ機能もあるため、気軽に楽しめるところもGood! 3人の変なダンス?もなんか分からないけどニヤッとします笑 パズル要素も難しすぎず、程よく楽しめるギミックがあって満足感があります。見た目は子供向けに見えるかもしれませんが、大人でも童心に帰れるような温かみのあるゲームでしたね。 現実世界の操作で、昆虫が少しリアルで不気味な動きをしていたのは、慣れるまで気持ち悪かった笑 独創的で他にはない体験ができるので、ぜひ一度プレイしてみてほしいと思い、YOUR GOTYに選びました。
Game of the Year 2024
ラム(八朔八郎太) さん
SIGNALIS
【弐瓶勉風近未来サイバーパンクmeetsバイオハザードwithクトゥルフ神話】 プレイヤーはレプリカ(量産型のアンドロイド)のエルスターとなって、未知の感染症によって荒廃した施設シェルピンスキーを探索し、捜し人であるゲシュタルト(人間)のアリーナ・ソウの行方を追う。 シェルピンスキーでは感染症によって死から蘇ったレプリカが徘徊しており、パズルや鍵付き扉といった仕掛けで行く道が塞がれている。 プレイヤーは銃器、治療キットといったアイテムを駆使しながらこれらの障害を排除あるいは回避し、ゲームを進めていく。(wiki引用) 見下ろし型の3Dとも2Dドットとも言えないけれどどこか懐かしいグラフィックデザイン。 バイオハザードを踏襲したアイテム所持制限や弾薬数制限により常に焦燥と恐怖が混在するホラー要素。 物語は謎に包まれ、時折現れるメッセージにはこの世に存在しない筈の奇書の引用が散りばめられる。 不可解が不可解を呼び、物語が先へ進めば進むほどその難解さは増していく。 フレーバーテキストと割り切れば意味を理解する事なく、謎を謎のままクリア出来てしまう物語ではあるが、ひとたび物語を理解しようと足を踏み込めばその深さにゾッとする作りになっているのがこの作品SIGNALISだ。 考察含めどっぷりハマらせて頂いた傑作アクションホラーADV。 毎日画面のスクリーンショットからこの文章ってなんの文章だ?アンブローズ・ピアスのカルコサの住人か、とかラブクラフトのネクロノミコンの引用か、とか。 ヨハネの黙示録とか、ロバートWチャンバースの黄衣の王とか。 わからなければネットで探す、見つける、買って読む。 進むにつれてどんどん読む本が増えていく。 そして様々な本を読み進めれば進めるほど物語を深く理解できている気がして。 より深く探れる様に、より深く潜れるように、新たに得た知識を酸素に深海に潜って宝を探す様な、それは新しいゲーム体験だった。 ゲームの進め方(敵を何体殺したか?銃を何発撃ったか?扉を何枚開けたか?何分そこに留まったか?など、プレイスタイル)によってエンディングが変わるというのも、条件を聞くまで全くわからず聞いてから大分困惑したが。 知りたいよぉ、わかりたいよぉ、これなんなんだよぉという言葉がプレイしながら、メモを取りながら何度口をついた事か。 見た事実と調べた事実だけをゲーム後に紙に書き出していく。 物語を想像する。 この時間が自分がゲームをしてる理由なのかな、と感じさせてくれる。 このゲームの持つ魅力は沢山あるけれど、語られきらない謎と想像の余地を残したストーリーライン、登場人物の関係性、時間軸。 その全てを読み解きたいと願うプレイヤーの知的好奇心と想像力が、作者の意図しない新しい物語を生むのではないか、という期待感。 それがこのゲームの強みで、他を寄せ付けない魅力になっている様に思う。 この作品は日本からは本当に少ないが、海外から多くのファンアートが流れてくる。 その多くがそれぞれが考えたオリジナルレプリカの新しい物語だ。 こうやってプレイヤーが作者の想像を超えていく。 そういう余地を本当に素晴らしく思う。 ラブクラフトが作ったクトゥルフ神話をロバートEハワードら多くの作家が様々な新しい物語で肉付けした様に、多くの想像力がSIGNALISの新しい物語を今産み続けている。 自分もこの物語の全てに納得したいと感じたプレイヤーの1人としてこの謎に満ちた世界を楽しませて頂いた事に深く感謝申し上げたい。
Game of the Year 2024
Shadowm_@ゲーム制作とボイロ動画 さん
Vertigo2
一人のクリエイターが執念で作り上げた 超 絶 極 大 規 模のVR専用SFアドベンチャーシューティング SFな異世界に飛ばされてしまった主人公となり、 様々な場所、敵、武器を巡り、元の世界を目指すゲームです このゲーム特に凄いのは、とにかく、 もうとにっっっかくシチュエーションが多いということ 研究施設から始まり、ロボット製造所を抜け地下発電所に かと思えば地下鉄、自然あふれる巨大な森、 カルト教団vs共産主義のロボット戦争に巻き込まれたりと… とにかく先の読めない展開がどんどん繰り広げられます (あれ…?これあのゲームのネタなんじゃね…?)みたいな小ネタまでも満載です。 また、そんな冒険を共にする、武器の種類とその手触り感も最高で ポンプアクションショットガンはちゃんとカシャッコンッ!と手を動かす必要があり、 マシンガンは古いマガジンを外し、新しいマガジンを差し込むなどの動作が必要、 銃に限らず剣から弓、更には"指"から弾を発射したり様々な銃が存在し、 武器の扱い方もよく、マガジンを投げて銃で拾ってリロードのような魅せプレイも可能です。 こういった細かい作り込みがロールプレイにも一役買ってくれます VRゲームの難点というと、短い、または似たシチュエーションが続いてマンネリ化する…というものが多いのですが このゲームは真逆で、AAAタイトルにも並ぶ莫大ボリュームを持ち、さらには隠された武器や小ネタなどのイースターエッグも恐ろしい数存在し、 1周だけではとても味わえきれないボリュームな上… さらにはプレイアブルキャラを変えてゲーム性を変更するという"味変"まで可能という隙のなさ そして何よりも恐ろしいのが、このVertigo2、 声優など一部は違うのですが 企画からプログラミング、モデリングに至るまで一人で作り上げてしまったという狂気の産物 未だに我が目を疑っております 別件でこのゲームの紹介動画を作っておりましたのでこちらに添付させていただきます。よかったら… https://youtu.be/gAkBESa3E7E?si=_k44zyvBsQI-OsLN
Game of the Year 2024
パグもち㌠♊ さん
ELIN
平成にネサフしていた人間なら知らない人はいない、あのElonaの正統続編。 シレン風の見下ろしRPGなのに何でもできる自由度は変わらず、とっつきやすさが格段に向上していた。 対人ゲームにどっぷり使っていた日々から一転、幼少期に一人でじっくりソロゲーをやり込んだあの頃に戻った気分でプレイ。 まだアーリーアクセスなので、将来メインストーリーがどのように展開していくか楽しみ。