工場系がだいすきマンの筆者だから一発で食いついた本作。
ピクミンも好きだからなおさら勢いよく飛びついた。

Odd Sparks(オッドスパークス)はいわゆる生産自動化ゲームで、かつピクミンライクな要素を強く取り込んでいる。
spark(以下、ピクミンと記載)といわれる不思議なお供を従えて、荒れた街を復興させる資源探しの旅に出る!というのが物語導入である。

メインビジュアルからもわかるとおり、工場というより、緑豊かな屋外の作業場である。コンベアもなく、どこが工場なのかと文句を言う向きもあるかと思うが、
「ピクミンがコンベアになるんだよ!」とばかりに、
ゲームを進めるにしたがって、まさに人海戦術コンベアによる工場の様相を呈してくる。

巨木から切り出した木材をピクミンの流れに乗せて加工場に運び、そこで木材とピクミンの素(もと)を合成してさらにピクミンを量産するという無限地獄。
物量が少ない道は一匹だけ配置してトボトボと運ばせ、資材を沢山さばきたいラインでは、道ギチギチにピクミンを放り込んで行列で運ばせる。ピクミン量でライン能力が調整できるアイデアにうなった。工場長オリマーの誕生である。

原生生物とのバトルも当然ある。
生き物を倒すと基本的にはピクミンの素が貰えるが、大型の原生生物を倒すとピクミンの素の塊に加えて、次レベルの加工施設の建設に必要なキー素材などが貰える。狩猟の嬉しさがしっかりしている。
でかい獲物を狩る感じや、ヘタを打ったときの大量死など、正しくピクミンフォロワーといえる。原生生物があっち向いた瞬間「いっけえええーーっ!」と投げ連打するやつである。血がたぎる。

ピクミンたちのバリエーションも豊富で楽しい。
戦いが得意なやつ、岩砕きが得意なやつ、資材を多く持ち運べるやつ、施設の生産効率を上げるやつ、などなど。
適材適所に活躍させるため、それら各ピクミンたちを生産するのに必要な資材ラインを日夜整備することになるのである。

アーリーアクセスということで、主目的である村の復興というところは道半ばという状態だが、ゲームプレイのサイクルは(とりわけ工場自動化とピクミンライクの融合という意味で)非常に高いレベルに完成している。
もしかしたら宮本さんがこれを見てほぞを噛んで悔しがってるんじゃないか、と思わせるほどの輝きを感じている。

steamストアページやDiscordで開発予定を見るに、あと3回くらい変身を残しているようでもあり、年明け以降も完成版へのバージョンアップが非常に楽しみな傑作の卵である。



※現状Steamにてアーリーアクセス販売中。PSとXBOXにて体験版配信中
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垂直の壁にへばりつく重厚なメカ。
平地がなく、壁にとりついて生き抜く世界観。
謎の敵生物に阻まれ、壁の頂にたどり着いた者はなく、壁の下の大地に下り立った者もいない。

プレイヤーは壁を掘削して資源を探す冒険者となり、メカを操って敵生物の攻撃をしのぎつつ、ドリルで壁に穴を開け、埋もれた遺物を回収する。
遺物によりメカをアップグレードでき、対敵生物への攻撃を強化したり、プレイヤーの掘削能力を上げたりと、探検を後押しする。
そして力及ばず志半ばで倒れたときは、また次の冒険者がメカに乗って新たな冒険に旅立つ、という基本サイクルを持つゲームである。

メカアップグレードの種類は掘削する遺物次第のランダムとなっていて、武器系/回復・補助系など、出たものでやりくりするローグライト感がある。
ローグライト・ローグライク苦手マンの筆者がそれでもこのタイトルを推すほど惹かれた点は大きくは二つある。

ひとつめは、センスの光る緻密なドット絵が素晴らしいことである。
ヌメリ感ある不気味な敵生物や、自機メカの躍動感、壁の中にきらめく遺物の光など、本作の世界観を十二分に表現しきっている。
とくにメカ。崖下方向に緊急回避するときにワイヤーウインチを繰り出しながら下降し、細かい敵を踏みつぶしながら着壁するさまや、武器の振動、エンジンの煙など、鳥山明が描くメカを彷彿とさせる魅力がある。

ふたつめは、成長要素である。死ぬとアップグレードが失われるところはまあローグライトのお約束でもあるが、探索に応じて村のメカ技術が上がるため、性能の底上げと機能の開放などは蓄積していく。
エンジン、シールドほか色々なパーツの改造をメカニックに依頼すると、工場に吊るされたパーツのビジュアルも進化するところが、とても嬉しい。

死に戻るゲームはちょっと苦手ではあるのだが、余りある魅力に引っ張られてぐいぐいと挑戦を繰り返すことができた。
舞台が垂直であるがゆえ、投射物が崖下方向に落ちていくなどのアイデアも、世界設定を活かしたきらっと光る独自性になっていた。

コンパクトなゲームサイズと価格もありがたい佳作。



※Steam、PS、XBOXで販売中
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和風っぽい世界観、鮮やかな色使いとおどろおどろしい妖怪、巫女の舞いでそれら妖怪を祓いながらの行軍。

ステージを昼/夜と数日かけて行軍するのだが、昼はリソース回収と村人救出・進軍を行い、夜は歩みを止めて妖怪ウェーブを討伐と、はっきりと集中すべきゲームの切り替えがわかりやすいし、なにより「妖怪は夜襲ってくるもの」という、舞台設定との合致も美しい。

救出した村人を力士にしたり鉄砲兵にしたり部隊に組み込みつつ妖怪ウェーブに対抗するわけだが、プレイヤー自身も一番大きい戦力として戦えるので、村人隊に後方を任せて自分は前線バトル、などと、防衛スタイルを村人兵種の設定から自由に組み立てられるのが懐深い。

一番嬉しいのは難易度が低め/普通くらいがベースになっていることで、心折れずに集中できた事。途中、ソウルライクを意識してるなー?というボスが出て、村人サポートなしの強制タイマンバトルにイヤな予感がしたものの(筆者はフロムゲー挫折6本、クリアなし)、必殺技だよりでどうにか撃破。他のステージ、ボスなどは基本的に村人兵と共闘できるので、よくよく準備を整えて着実なクリアを目指すことができた。

ステージのバリエーションとしては、目標の鳥居まで行軍するもののほか、一箇所に留まって防衛するパターンや足場が限られる船上戦、プレイヤーキャラが戦えず村人オンリーで守り切る、など、ステージ状況に合わせたギミックが色々あり、シンプルながら遊びの幅もよく練られていることにとても感心した。それぞれがプレイヤーと村人の作戦分担の工夫のし甲斐がある。

少し安い価格設定とコンパクトなゲームボリュームなので、超リッチな絵作りではない。
しかしそこは流石カプコン、力の入れどころは心得ていて、色鮮やかなエフェクトや衣装で見栄え見ごたえを出しながらも、顔の表情があるのは世代(よしろ)だけ、ほかは主人公や各職業の仲間もすべて仮面をかぶっている設定にするなど、メリハリがしっかりしている。
世代については、ステージ幕間にてゲーム的に効果はない「和菓子を食べる」というモーションをじっくり鑑賞する場も作り込まれている。
和菓子の種類も沢山ありどれも美味しそう。と思ったらちゃんと実在の和菓子店コラボであった。機能はないのに。

で、和菓子を食べるとなると何らかのバフがかかって然るべきでは?と思うのがゲーマーのサガではあるし、開発陣だって当然考えたと思うのだが、そういった機能はない。全体を通して「複雑にしすぎない」「分かりやすくまとめる」という美学を感じる、スキッと爽快なプレイフィールだった。

カプコンのような大手も、こういった小ぶりな新規作品をどんどん開発していってほしいな、という期待も込めて、今年のベスト参道賞を贈ります
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ステージギミックと楽しい演出の宝石箱やぁ!!
と叫びそうになる筆者を尻目に小4の娘が見事にクリア。
普段マインクラフトやロブロックス、タブレットのハイパーカジュアルを遊んでいる子なので、クリアまでやり切るという体験は初だったかもしれない。

舞台としては、主人公アストロちゃんが事故で散逸していた宇宙船PS5号のパーツや仲間ボットたちを収集していくというもの。ボットたちはPSファミリーのさまざまなキャラに扮していて、ゲームおじさんとしても非常に懐かしいものばかり。キャラが出るたびに仕草や紹介文を非常に楽しく堪能できた。
しかして娘はどうかといえば、それらほとんどすべてを知らないはずである。なのにクリアまでぐいぐい進めてしまったということは、ひとえにゲームの骨格自体が面白く完成している、ということにほかならないだろう。

難易度も基本的には高くなく、一部チャレンジステージだけ若干難しい程度。ヌルゲーマーの筆者にとっても娘にとっても丁度いい塩梅であったことよ。
ぎっしりと色々な遊びに満ち満ちたタイトル、アストロボットとASOBI team には
2024ベストアソビ賞を授与します。

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