みんなのGOTY

Game of the Year 2024
オレンジ色のイルカ号 さん
エースコンバット7 スカイズ・アンノウン
皆さんは、最近、空を見上げていますか? 遠くに見える空を見るのではなく、顔を上に向けて見上げるのです。 普段、何気なく見えている空ですが、ちょっと立ち止まって見上げる空は、近くに感じていたのに、航空機に乗らない限り、絶対にたどり着けない場所であると改めて感じませんか? そんな、普段、行くことのできない場所を、思いのままに飛び回れることができるのです。この作品は。 シリーズを重ねてきた今作では、空の表現がさらに強化され、雲が刻々と変化していたり、雲の突入をすると画面に水滴がついたり、機体が濡れてツヤが増したり、落雷近くを飛行すれば、ディスプレイ表示が乱れたりもします。 私は、モニターの中に、革新的な空の表現がなされていると感じました。 この作品のゲームジャンルは、フライトシューシングと呼称されています。 フライト部分は、前述のとおり美しく、壮大な空を自由に、そして、気持ちよく自由に飛行することを楽しみます。 もちろん、シューティング部分についても、手に汗を握る空戦を堪能することが可能です。 登場する航空機は、架空の航空機のほか、実在の航空機が多く収録されています。 これらは、遊んでいく中で、徐々に増えていくことになりますが、いずれも、その機体は、とてもリアルに作りこまれています。 それもそのはず、クレジットには、有名な航空機メーカーの許諾を得ているため、そのロゴが表示されていました。 これらほぼ完全に表現された航空機に搭乗し、敵航空機の後ろを取るべくドッグファイトに明け暮れることができるのです。 シューティングゲームといえば、ストーリーに関しては、あっさり目が多いイメージをお持ちの方も多いかと思います。 なんと、この作品は、そのイメージも払しょくしてくれます。 ステージの合間に挿入される美麗なムービーシーンだけでなく、ステージ開始前に開催されるブリーフィングの会話やドッグファイトの最中に交わされる仲間同士の通信が、空白を保管してくれてストーリーに深みを与えてくれています。 また、作品に流れているミュージックがとてもいいんです。 シーンに合っているというのはもちろんなのですが、プレイヤーの感情を高ぶらせたり不安にさせたり、それらは映像とともにプレイヤーにガツンと響いてくるんです。 一人で遊ぶキャンペーンモードもいいのですが、オンラインで遊ぶマルチプレイモードも短時間で遊べるので、非常にお手軽に対戦プレイが楽しめます。 そのほか、ステージを思う存分飛行することが可能です! 武装していない航空機に搭乗して、ステージの隅々まで、気になる場所をとことん接近してみることができます。 ステージそのものがとても作りこまれているので、こういった遊びも楽しいのです。 ミリタリー好きな私としては、この作品に『Your GOTY 2024』を授与したいと思います。 引き続き、空を飛び回ってきます。それでは。
Game of the Year 2024
kamekiti さん
ライブ・ア・ヒーロー!
皆さん!思い出してください!! 芯を持つギャル、お花屋のお兄さん、SD寄り等身キャラに、心をときめかせた日々を!!!!!! 見た目とは裏腹に、激重過去を持ったキャラ達を! それらのキャラクター達が、単発じゃなくて、メイン張ってる、素敵な話を見たいと思いませんか! ギャグや単発で終わらない、シリアスで極太なストーリーを、見たいと思いませんか!! 今年で4周年!!実績はお墨付きです!!!! ---- (げほんげほん、失礼しました) このゲームアプリは、本当の意味で、キャラクターを大事にしてくれます。 SD寄り等身とか、ギャルとかの濃いキャラは、よくある、チュートリアル要因ではありません。 少なくとも、イベントシナリオの主役やってます。 また、柱となるシナリオも素晴らしく、全く先が読めません。 想像も出来ないほどの、切なくも暖かいストーリーは、笑いと衝撃、大人なご褒美を用意してくれます。 SD寄り等身キャラが、深い過去を抱えたまま、ボロボロに戦う。 夜のお仕事してそうなキャラが、●●に■■する。 バナナ食べてるキャラが、実は●●■●●で、●▲■■にブチギレてるけど、ツンデレを隠しきれていない。 少し懐かしくて切ない。 でも、読む側に元気と、自由な続きを考えさせてくれる、心地よい満足感。 素敵な物語が、たくさん収録されています。 ---- 「今年の」GOTYに選んだ理由は、物語に加えて、「今年実装」のキャラクター達が、非常に個性的だった事です。 去年よりも、更にパワーアップ! まさか令和になって、見た目は大人ロボ、中身は子供とかいう、懐かしすぎるキャラに会えるとは……。
Game of the Year 2024
齋藤 さん
ファイナルファンタジーXIV
ことりのリンクシェル通信を聞いて、こちらにお邪魔しています。 https://x.com/kotori14141414 プレイの状況 私も、もちろん最初はフリートライアルから入りましたが、やってみて分かることは「完成度の高さ」です。例えば、沢山ジョブがあるのですが、どのジョブでも特長を出しつつ「このジョブは弱すぎる」の様な差別がないのです。というか、パッチで毎回状況を見ながら微妙に調整がかかるのです。そう、「小さな世界の完成度」ではなく、「永遠にお世話を続ける場」なのですね。開発側も定期的にパッチの説明をし、どうしてそういう修正をかけるかを納得させてくれます。 私は2022年の夏にトライアルを始め、2023年初めに課金をし、この夏でプレイ歴三年になります(一日平均1Hぐらい)。本稿作成段階でプレイ時間は 1000 時間を超えていますが、まだまだ駆け出しです。先輩方は、プレイ時間 600日を超えている人もいます… まだ10年しかサービスしていないので、一日平均4Hですね… 社会の縮図 「自分と完成品のゲーム」ではなく、「自分と、開発チームと、他のプレーヤー」となるのが、MMORPG の特長です。これはもうまさに社会の縮図。海外プレーヤーとはチャットも難しいし、遊び方を知らない子供はいるし、大人でも困ったちゃんはいる。 それに、運営側もなかなか調整できない?ことの一つに、ロール比率があります。パーティを組んで戦う際は、3つの仕事があります。タンク(盾)、アタッカー(剣)、ヒーラー(薬)がセットになっています。タンクが敵の攻撃を受けているうちに、アタッカーが攻撃し、死にそうになったらヒーラーが回復してくれるという仕組みですね。アタッカー>>ヒーラー>タンクの順で人気があり、いつもタンクが足りない感じです。 これって、結構実社会でもある話。あれこれ調整し、行きたいところを決めるリーダー=タンクと、バリバリ開発を進めるメンバ=アタッカー、勤怠とかスケジュールの調整をする面倒見の良いサポーター=ヒーラーって感じ。 私は主にタンクでFF14の旅をしていますが、アタッカーやヒーラーに切り替えてプレイすることもあり、違う角度でパーティ=チームを見ることもできます。これが意外と楽しく、実世界での参考にもなります。要は自由な時間に活動できる、副業を得たような感じです。 もちろん、FF14 の開発チームは、個人事業者的な「ゲームでまで人と関わりたくない」というニーズにも対応しており、ほぼ一人で進めることもできます。実社会でも、そういう仕事の人もいますよね。この辺も、良く出来てます。 「お勉強ゲーム」 FF14 の特長として、良く言う言葉に「お勉強ゲーム」というのがあります。広いワールドに沢山の場所と敵とNPCや、果ては鉱石/植物/魚まで、様々なアイテムが存在します。しかも、時刻や天気によってつれない魚とか、取れない鉱石/植物もあります。 これらをスムーズに進めるのに必要なのは、「お勉強」となります。攻略サイトをググって探し、先人にあれこれ教えてもらうのが基本となります。ゲーム内にほぼヒントが無かったりしますので、これらは「ズル」というより「必須の勉強」となってます。 アクション RPG なので、ある程度技量も必要ですが、それはやっていれば慣れますし、難易度も選べます。大事なのは「お勉強」が好きかどうか?の方ですね。下調べが嫌いな人には、ちょっと辛いゲームかも。 まとめ FF14 のパッケージそのものは数千円ですが、夏休みや GW 前にセールがありますので、それで買うのが良いでしょう。トライアルを卒業すると、毎月の定額料金がいりますが、1,500円ぐらいです(私は「月謝」と呼んでいます)。習い事と考えれば、かなりお手頃ではないでしょうか。 まあ、まずはトライアルを始めてみるのが先ですね。そこそこの PC をお持ちの方なら、インストールするだけ。PS4,5 でもトライアルが可能なようです。もちろん、PC の場合ゲームが快適に出来る性能は必要で、ビデオカードと呼ばれる追加部品はいるかも知れませんが… 「大人の趣味」として、悪くないと思いますし、実際プレイヤーの年齢も割と高め。社会人プレーヤーのほうが多いのかも。30代が4.5割、40代が2割、20代が3割弱、男女比ほぼ半々という情報もあります。皆さん、初心者にはとても優しくしてくれますんで、ご安心を。 以下のブログから、編集投稿しましたー https://note.com/makoto0119/n/n9079a907b700
Game of the Year 2024
ぱんたん@笹黒白 さん
ユニコーンオーバーロード
暫し私の戯言に付き合ってほしい ユニコーンオーバーロード 王道ストーリー・・・。 美麗な映像・・・。 ヴァニラ飯・・・。 世に溢れる賛辞 これだけでも間違いなく今年を代表するゲームソフトの一本であるのは間違いない ゲームの実績を確認できるハードで遊んだプレイヤーの多くがプラチナトロフィーに到達しているのも ユニコーンオーバーロードを隅々まで楽しまれている事の裏付けだろう ところで ユニコーンオーバーロードを起動し タイトル画面のLibraryからArchiveに進んでもらえるだろうか? そこで421/436を確認して頂きたい 「421」を明らかにされている方は如何程か? ここからが戯言の本番だ 「421」の謎を解けていない方はユニコーンオーバーロードの真相に辿り着けていない 暴言を承知で敢えて言わせてもらえば プラチナトロフィーは道半ばなのである ユニコーンオーバーロードの陽の面のみを味わい楽しんだのであろう 勿体ない事この上ない シミュレーションRPGというややハードルの高いゲームをストレスなく遊べる工夫 魅力的なキャラクター達を際立たせるグラフィックと個々のストーリー ヴァニラ飯 ヴァニラウェアファンにはこれだけでも堪らないゲームであり 陽の面だけを楽しんだとしてもこのゲームが素晴らしいことは間違いない だがしかし ヴァニラウェアファンなら知っているはずだ ヴァニラウェア作品のストーリーが一筋縄で行くはずがない事を・・・。 物語の核心に触れてしまうため詳しい事は伏せざるを得ないが 「421」の真相に近づくためには自分自身の意思によって行動を起こさねばならない 真相に触れるためには相応の努力と時間を要すだろう その結果をどう受け止めるかはプレイヤー次第としか今は言えない・・・。 「421」の真相を知った時 私は膝から崩れ落ちた 闇を味わい闇に染まった しかしそれを望んだのは自分のほんの少しの探求心からだった 自分の選択を呪った・・・。 I walk slowly, but I never walk backward. 私の歩みは遅いが、歩んだ道を引き返すことはない エイブラハム・リンカーンの名言だ 自らが選んだ道を一歩づつ確実に進む 物語は紆余曲折を経て終末に向かっていくが 選んだ道の王太子一行はその世界線でのみ生きていくのである このゲームでは王太子アレインの行動によりゲーム内の終末の迎え方が変化する 違う世界線の出来事はプレイヤーである自分のみが知る事である アレインはプレイヤーである己なのか否か 遊び方は千差万別あれど主人公への感情移入度が高ければ高い程 どの終末にも心が動かされるだろう 私は全ての終末を体験し「421」の真相を知った 其々の世界線のアレインの感情は如何許りであっただろうか 愉快な仲間達との楽しい旅程であったのか 二度と味わいたくない程の苦難の道であったのか その上で私は確固たる誓いを立て もう一度ユニコーンオーバーロードとなったのである アレイン達に幸せになって欲しかったから・・・。 この物語には光と闇がある しかし光が正義であり闇が悪なのか? ヴァニラウェアの紡ぐ物語はそんな単純明快な物ではないのである 陰陽が織りなす複雑な絡みが己の善悪二元論に警鐘をならした 十三機兵防衛圏プロローグをお持ちの方は特典映像を確認して頂きたい ユニコーンオーバーロードは10年かけて作られた ヴァニラウェア魂の一作である事が知れるだろう 毎回魂が込められすぎて些か心配になるのだが 極上のヴァニラ飯を味わい尽くすのがファンとしてのあるべき姿と個人的に思っている もはやこれは愛である 私はユニコーンオーバーロードに向けてGOTYを閉ざすドアは持っていない
Game of the Year 2024
つきいち さん
It Takes Two
ぼくは最近結婚した。 妻は情に深く素晴らしい方なのだが、 結婚するにあたり1つ心配事があった。 それは 「結婚したら自分の時間が無くなる問題」 である。 休みの日を映画ゲーム書籍等のコンテンツ摂取に捧げていた僕にとって、 それが出来なくなる事は死に等しい。 だからと言って、せっかく2人で住んでいるのに「今日はこの映画!」「今日はこのゲーム!」と1人で部屋に篭ってるのがよろしくないのは考えずとも分かる。 というかまぁ、普通に 結婚したからには妻との時間も楽しみたい。 相反する欲求を抱えた葛藤の末出た結論は、 妻をこっち側に引きずり込んでしまおう! というものだった。 「面白いゲームを紹介して妻をゲーマーにしちゃうぞ計画」の始まりである。 (声高々に発表した時、妻は何言ってんだこいつという顔をしていた) 妻にゲーム歴を聞いてみたところ 妻はこれまでの生涯ゲームというものに全く触れたことが無かったらしい。 試しにマリオを触ってもらったところ 「Aでジャンプだよ」と言われてボタンを探している間に、クリボーがゆっくりとマリオを轢いていった。 その時自分は、 妻に楽しんでもらうためには難しいゲームはご法度、と考えた。 難しくて進めなかったら、そりゃ楽しくないに決まってる。 そう思って、いわゆる初心者(子供)向けのゲームをいくつか探してきて見せてみたところ、 「これなら出来そう」という意見と同時に、 「でも、2人で楽しむのだから、あなたがそこまで興味も無い簡単なゲームを無理して一緒にするのは違うのでは?」とも言われた。 うーん確かに。 でも、ゲーム歴がそこそこ長い自分と、全くの初心者の妻が 同じレベルでやれるゲームなんてあるのか……? 悩みながらYoutubeでゲーム紹介を見ていたところに流れてきたのがこの「It takes two」というゲームだった。 コミカルなキャラクタ、 次々と移り変わる華やかなゲーム画面。 それらが妻の琴線に触れたようで、 「これはやってみたいかも」 と、初めて妻から能動的な返事を貰えた。 自分は実は既にこのゲームを知っていて、面白そうだなとも思っていたのだが、あえて妻に提案はしていなかった。 理由は、初心者には難しそうだったから。 「夫婦でプレイ!みたいな空気出してるけど普通に難しい」 「熟練度に差がある2人だと微妙かも」 という意見も散見されていたので、 初めから選択肢から外していた。 でも初めて妻の方から提案してくれたし、 まぁやってみて無理なら止めたらいいか……と思い、結局購入。 プレイしてみたら、やっぱり難易度が高かった。 そりゃあ、普通に普段ゲームしてる人からすればなんて事ないかもしれないけど、 動く床を飛び移るとか、 カメラ動かしながら戦闘とかみたいなのが 普通にガンガン出てくる。 プレイヤーの片方が不慣れなケースも多いことは予測出来ただろうに、何を普通に歯ごたえあるゲーム作ってんねん、と思った。 案の定、妻の操作するキャラクタはひたすら崖に向かって走り、転落死を繰り返していた。 レビューは本当だったなぁと思って、きっとうんざりしているであろう妻の方を見ると…… 自分の予想に反して、妻はとっても楽しんでいた。 ただ走って崖から落ちているだけなのに 「もう1回」「もう1回」と、コントローラーを握る手を離さなかった。 コーヒーを淹れながら妻の転落死を眺めること15分、 恐らく30回ほどのリトライ(小休止あり)の末、ついに向こう岸にたどり着いていた。 やった!!!と喜ぶ妻を見て、 自分はゲームの根幹の面白さを思い出した。 自分が初めてコントローラーを握った時。 泣きながら電源を切ってそれでも戻ってきた時。 その原動力は「難しくなかったから」だっただろうか? そんな訳が無い。 「ゲームが面白かったから」だ。 ボスを倒したかったから かっこいいアイテムが欲しかったから 世界が平和になるのを見たかったから 自分は勝てない相手に挑み、 難しいパズルに悩んだのだ。 妻に紹介すべきゲームは、 簡単なゲームじゃなくて、面白いゲームだったのだ。 結局妻と自分は、何かに引っかかってはトライアンドエラーを繰り返し、たまに諦めておやつタイムを挟みながら 恐らく通常の三倍ほどの時間をかけてクリアした。 ただただ楽しかった。 10分後には変わるゲーム性、 その一つ一つの完成度。 美しい景色とコミカルなキャラクタ、 2人専用と謳うに相応しい協力性。 そして特に大きかったのは、 リスポーンの速さと潔さ! 何をやらかしてもフワッと消えてちょっと戻るだけの仕様は、 「なにくそもう1回」を容易にしていた。 製作者はこの2人プレイ専用ゲームを作る時 「簡単なゲーム」ではなく「チャレンジしたくなるゲーム」を目指したのだろうか。 トライアンドエラーというゲームの根幹的な面白さを2人で共有させてくれる、これは 「2人プレイ専用の、“面白い”ゲーム」なのだ。 -- このゲームをプレイして以来、僕たちは夕飯後にコーヒーを飲みながら色んなゲームをするようになった。 「面白いゲームを紹介して妻をゲーマーにしちゃうぞ計画」は大成功である。 1人のゲーマーと楽しい夜を生み出してくれたこのゲームが、今年の私のYour GOTYだ。
Game of the Year 2024
ゆぐみ さん
Core Keeper
きっかけは些細なことでした。今年の9月、ドラクエの発売日まで時間をつぶせるゲームを探していたところ、PS Storeで見つけたのが『コアキーパー』その価格の手頃さと、2D視点で画面酔いしなさそうという理由から「繋ぎのゲームにちょうど良さそうだ」と軽い気持ちで始めたのが運命の分かれ道でした。 ゲームが始まると、いきなり真っ暗な空間に放り出される。チュートリアルなんてものは一切なし。ただひたすら掘り進めるしかない。暗闇の中、掘り進めた先で突然開ける空間を見つけ「やっと出口か!」と飛び出すと、どこからともなく現れたモンスターに即座にやられてしまう。そして最初の暗闇に逆戻り。最初はその理不尽さに「なんだこれは!」と思ったものの、不思議と手が止まりらない。 気づけば夢中で掘り進め、整地を繰り返す自分がいました。まずは拠点を作り、近くにいる牛や羊を連れ帰り畜産を始め、作物を育てるための土地を整地。そして拠点を広げるための整地。新しい素材が欲しい!新しいエリアに行きたい。そのためにまた整地。整地、整地、整地……気づけばこのループに完全に取り込まれてしまっていました。 あるとき「自分の拠点をもっと良くしたい」と思い、他のプレイヤーの作った拠点を参考にしたくなり、今まで敬遠していたDiscordに初挑戦。海外プレイヤーの拠点アイデアを知りたくて、片言の英語で質問したり、翻訳機能を駆使しながら情報交換をしたり。そうしてまた、整地に戻る日々。 コアキーパーは掘る・作る・育てるというループが中毒的な楽しさを生むゲームです。一見すると単純な2Dマイクラ風のゲームかと思いきや、暗闇からの探索や未知のエリアへの冒険が、整地が、想像以上に奥深い体験を提供してくれます。そして何より、整地の魅力に取り憑かれる危険性があります。一度始めると、その平坦な土地に何を作るかを考え続け、気づけばまたひたすら掘り続ける……整地楽しい。 ドラクエの発売日までの「つなぎ」として始めたこのゲームが、まさかここまでハマるとは思いませんでした。整地好きならきっと楽しめる。いや、気づけば整地が好きになっている。そんな一本です。
Game of the Year 2024
あだかとう さん
TO:NORTH
北へ―――。 とっても 短い作品ながらも、心動かされる素敵な作品でした。
Game of the Year 2024
ムナチャン さん
ポケモンスリープ
みなさんよく眠れていますか?そして、寝起きは良いですか? そしてゲーマーなら1度は考えたことはないでしょうか?24時間ゲームをすることを。 やってできないことはないでしょう。でも身体が辛い、明日仕事がある、そして、寝たい。 様々な理由でそれはキツいですよね。 そんな良い睡眠をとること、24時間ゲームをするということ。この2つのゲーマーの憧れを1度にかなえてくれるのがこのゲームです。 このゲームでやることはたった3つです 1 カビゴンにご飯をあげる 2 ポケモンを育てる 3 寝る←ここ重要! この3つです。1つ1つ説明していきますね。 1 カビゴンにご飯をあげる このゲームは1週間のサイクルがあります。毎週月曜日に新しいカビゴンと出会います。そのカビゴンに朝昼晩3食のご飯をあげます。ポケモンたちが集めてくれる食材で料理を作ってカビゴンに食べさせてあげると、どんどんカビゴンのエナジーが増えていきます。このカビゴンのエナジーとこのあと説明する睡眠スコアを掛けた数値によって多くのポケモンたちと出会えたり、レアな寝顔を見ることができます。そして、この料理はポケモンに関連したものとなっていてポケモン好きならクスッとしてしまうものばかりです。 2 ポケモンを育てる ポケモンたちはプレイヤーをおてつだいしてくれます。おてつだいでポケモンはきのみと食材の2つを集めてくれます。きのみはカビゴンのエナジーを直接上げてくれます。ポケモンのレベルが上がれば上がるほど1個当たりの上り幅が増えていきます。食材は1で出た料理の食材です。レベルが上がれば1回に集められる量や種類が増えていきます。そしてレベルが上がれば上がるほどそれらにかかる時間が少なくなっていきます。先に述べさせていただいた24時間ゲームできるというのがここなんです。アプリを閉じている時もリアルタイムでポケモンたちはおてつだいをしてくれています。それがまた良いんですよ。アプリを開き、ポケモンをタップすると、カワイイ顔でそれを渡してくれるんです。それが「ボク、がんばったよー」みたいに聞こえてきて、ポケモンたちへの愛が深まっていきます。 3 寝る ポケモンスリープというアプリ名からわかる通りこれが1番の肝です。この寝るということがこのアプリだと2つの役割があります。 1つ目はポケモンたちを休ませてあげることです。 ポケモンたちは24時間おてつだいをしてくれます。でも、おてつだいしているとポケモンたちは疲れてしまいます。そんなときは寝ましょう。アプリをつけて眠るとポケモンたちも一緒に眠ります。そうすることで疲れを癒してまた明日もポケモンたちはいっぱいおてつだいをしてくれます。 2つ目は新たなポケモンたちとの出会いです。 アプリを開き睡眠すると100点までの点数がつけられます。たくさんの時間に良質な睡眠をするほど高い点数がもらえます。その睡眠の点数と先ほどのカビゴンのエナジーを掛けたものが多ければ多いほど、1回の睡眠から起きたときに出会えるポケモンの数やレアリティが高くなります。ポケモンのカワイイ寝顔を毎日見ることができます。寝顔にもレアリティがあってスコアが高くないと見れないものものもあります。いっぱい寝て沢山のポケモンたちと出会ってください。 私はこのアプリと出会って毎日の睡眠が楽しみになりました。夜寝る前にアプリで睡眠をするを押して眠る。朝はピカチュウの鳴き声で起こしてもらいます。そして、「どんなポケモンが来てくれたかな~」「どんなカワイイ寝顔なんだろうな~」とチェックします。それが終わったら寝ている間にポケモンたちが集めてくれたきのみと食材でカビゴンにご飯をあげて仕事に行く、これが私の朝のルーティーンです。仕事のお昼休憩にカビゴンに昼ご飯をあげて、家に帰るとカビゴンに夕ご飯をあげて、そして寝るが1日のサイクルです。朝からカワイイポケモンたちを見るとテンション上がりますよぉ。 実はあえてここで紹介していないこのアプリのシステムが沢山あります。なぜなら、是非このアプリを楽しんで自分で体験してもらいたいからです。ただの寝るだけのアプリだと思っていませんでしたか?あなたの睡眠を楽しいものにしてくれるポケモンスリープやってみてください。 では、よい睡眠を
Game of the Year 2024
ゆきぼう さん
Balatro
ゲームの重要な要素そして目的の一つとして、現実の遊びを落とし込む、というものがある。 歴史上最古のコンピュータゲームと呼ばれるものは、諸説あるが、1962年のスペースウォーといわれている。が、その前の1958年には「Tennis for Two」と今では呼ばれているテニスゲームが開発されている。しかも「PONG」のようなバーでボールを跳ね返すのではなく、この時点ですでに放物線を描いて落下するゲーム性を備えていた。 その後、コンピュータゲームはチェスやテニスの再現だけでなく、この世のあらゆる事象をも再現可能になった。SFの世界のような、没入型のゲーム世界に飛び込むことができる日もそう遠くはないだろう。 しかし、ゲームはやはりゲームである。そして、ルールが単純で、尚且つ奥が深ければ深いほど人はゲームにのめり込む。プリミティブな体験に勝てる要素は全宇宙を探してもそうそうあるものではないのだ。 そして、Balatroである。ポーカーをコンピュータ上に再現し、そこに一味加えただけのように見えるこの至ってシンプルなゲームが、しかし恐ろしいほどの中毒性を備えていた。 ルールは簡単。ポーカーの役を揃えて規定のチップ数を稼ぐことができれば敵(当ゲームではブラインドと呼ぶ)を倒し、次へと進むことができる。とはいえ、敵の姿が見えるわけではなく、なんなら敵とポーカーで戦うわけでもない。プレイヤーは役を揃えるだけで良い。そして、画面上部に並ぶジョーカーがこのゲームに最大の華を添える。それが、ジョーカーの持つ特殊能力の発動と、他のジョーカーや役のレベル、そして追加効果を生む別の要素、タロットカードと惑星カード、バウチャーとのシナジー効果である。 ジョーカーにはそれぞれ固有の能力があり、特定の役を揃えたり、揃え方を工夫したりする事でその力を発揮する。そして、ジョーカーによっては役のポイントを何倍にも、いや、うまくいけば何百倍にもして相手にぶつけることができる。この時のジョーカーのアニメーション、サウンド、視覚効果が絶妙に素晴らしく、小気味いい音とともに膨れ上がっていくポイントを見ているだけで、もう脳汁がドバドバ状態になること請け合いである。 そもそものポーカーのルールを知らない人向けに、いつでも見ることの出来る役の表やガイドが備わっていて、我が家の9歳の娘でも簡単にルールを理解することが出来た。ゲームとはかくあるべし。 ゲーム業界は、莫大な予算と膨大な人員を投じて作られるAAAゲームが支えていると信じる人々がいる。だが、わたしはこういう、アイデア一つで無限の面白さを作り上げることが出来る事こそがゲームの真髄だと信じている。Balatroも決して突然変異種ではない。これまでゲームが作り上げて来たジャンルや文化がないまぜになって、ここ十年単位でのインディーゲームの台頭があって、さらにデッキ構築ローグライトの先駆けであったSlay the Spireのような先達があったからこそ生まれたものなのだ。
Game of the Year 2024
むらしゅん a.k.a サブカルク〇野郎 さん
Minds Beneath US
Minds Beneath USは台湾のBearBone Studioが制作した、SFミステリーアドベンチャーゲームです。配信プラットフォームは2024年11月時点でSteamのみ。日本ではまだマイナーなこの台湾発インディーゲームが私のGOTY2024となりました。 ■世界観と舞台設定 世界観は近未来のサイバーパンクで、場所は台北や上海あたりを想像するとしっくりきそうです。この都市の交通はすべて国のAIによって自動化されていて、そのAIは演算力によって駆動しています。演算力が足りなくなると交通がマヒし、渋滞が起こるという具合です。 そして恐ろしいことに、この世界ではその演算力を人間の脳から抽出します。人間の労働コストよりもコンピュータの価値の方が高いため、人間から直接演算力を得るのが最も安価な方法なのです。そんなディストピアな世界で、貧しい人々は自らの身体を演算力の原資として企業に提供し、その対価を受け取ってなんとか日々を暮らしています。そして、この世界でAIが管理しているのは交通機関だけではありません。人々の個人情報や行動履歴はすべてAIに監視され、企業の入社試験ですらAIまかせです。あらゆる物事が記録・統制され、極限まで自動化された監視社会都市。それがこの物語の舞台です。 そんな世界でプレイヤーは主人公の「ジェイ」を操作し、その演算力を生産する工場でスタッフとして働きながら、組織が抱える様々な構造的な問題に立ち向かうことになります。 ■「選別組」と「操作組」の対立 工場には「選別組」と「操作組」と呼ばれる2つの対立する部署が存在します。 「選別組」は演算力のために身体を提供する人々(供給者)の選別と採用を行います。演算力供給はスラム街で暮らす貧しい人々にとっては破格の報酬を得られる仕事なので、選別組はたくさんの希望者の中から適性のある人材を見極めて採用します。逆に言えば、本当に生活に困っている人でも適性のない人は心を鬼にして不採用にしなければなりません。選別組のスタッフはそのようなストレスに常に向き合いながら仕事をしています。 「操作組」ではその供給者から演算力を抽出する作業を行います。その作業は高度な機材と専門的な技術を必要とする上、事故が起きれば供給者の命を奪いかねないシビアな仕事です。また、操作組は老朽化する設備のメンテナンスも担当していますが、上層部に修繕予算を要求してもなかなか許可がおりません。そのため結果的に設備の老朽化による事故は増え続け、事故によって命を落とす供給者も増え続けることになります。操作組の多くのスタッフはこのようなアンモラルな状況にうんざりしながら、日々の仕事をこなしています。 操作組はいわゆる技術職で業務もシビアなので、その給与は選別組に比べて高く設定されています。しかし、選別組は操作組の具体的な業務内容を把握していないため、操作組の給料が自分たちより高いことに不満を持っています。対して、操作組は選別組が質の悪い供給者を採用する事や、自分たちより楽な仕事をしながら給料について文句を言っている事に不満を持っています。 この構図を見て、会社勤めをしている方なら「組織あるある」だと感じるのではないでしょうか。このようないわゆる総合職と技術職による対立構造は現実の組織でもよく見られる現象です。 ■問題だらけの工場と愛すべき同僚たち このように工場では供給者の死亡事故が多発しており、ついにはその遺族による報復テロ事件が発生してしまいます。主人公の活躍もありテロリストは確保されその場はいったん収まりましたが、今後また同じようなことが起こる可能性は十分にあります。 さあ、プレイヤーはこれらの問題にどう向き合うのか。選別組と操作組どちらか片方の部署に肩入れするか、双方を立てながらバランスをとるか、または問題をガン無視して静観することも(たぶん)できます。どれが正解という選択肢はありません。このゲームはプレイヤーに選択を求め、「異常に作りこまれた選択分岐」によって、あなたの選択に答えてくれます。 この「異常に作りこまれた選択分岐」は、あらゆる登場人物との会話でも同様です。工場に勤務する同僚たちは、会話の中であなたの選択に応じて実に多彩な反応を返してくれます。愛すべき彼らはとても人間らしく、その個性は「異常に作りこまれた選択分岐」によって有機的に立ち上がり、まるで本当に生きている人間と会話をしているような感覚にさせてくれます。 ■リニアでスリリングなストーリー展開 ストーリーの前半ではこのような演算力工場でのすったもんだが描かれますが、後半は国家や政治や特殊部隊が介入し、よりスケールの大きいスリリングな話になっていきます。前半が「組織あるある」だとしたら、後半は「政治あるある」というような、シリアスでグロテスクな展開がプレイヤーを待っています。(このレビューを読んだ人にはぜひこのゲームをプレイして欲しいので、後半部分には一切触れずにおきますね。うふふ!!) さて、このように書くとまるでこのゲームが「デトロイト・ビカム・ヒューマン」のようなマルチストーリー・マルチエンディングのようなゲームに思えてくるかもしれませんが、実はけっこう違います。一応最後は簡易的なマルチエンディングになっていますが、ストーリー自体はかなりシンプルでほぼ一本道です。そういう意味ではジャンル的にアドベンチャーと言うよりビジュアルノベルやナラティブに近い作品です。このゲームの良さは前述したとおり「異常に作りこまれた選択分岐」にありますが、それはあくまでも登場人物との会話であったり、限られたシークエンスで限定的に機能するものです。そこだけ、誤解の無いように断っておきます。 ■欠点も多いがそれ以上の良さがあるゲーム このゲームは低予算のインディー作品なので、大掛かりな仕掛けはほとんどありません。当然ボイスも無いし、キャラクターの顔に至っては全員のっぺらぼうです。正直ストーリーの突っ込みどころも少なくないし、若干のご都合主義も垣間見えます。そういう意味ではそれなりに欠点の多いゲームとも言えますが、その欠点を補って余りある良さと新しさがこの作品にはあります。 選別組と操作組の対立構造に代表されるように、この作品は終始一貫して「絶対的な正義や普遍的な正しい価値観は存在せず、時代や立ち位置によって常に変わるのだ」というメッセージを訴えかけてきます。そして繰り返しプレイヤーに選択をさせ、その結果を繊細にフィードバックさせることで物語への没入を促し、プレイヤー自身は否応なく自らの選択の重さとその結果に向き合わされることになります。すべての人が満足する選択肢はほぼなく、誰かが得をすれば誰かが損をする、そんなリアルなシビアさも気に入りました。この作品は小説でも映画でもない、ビデオゲームだからこそ表現できる手法をしっかりと提示してくれます。そしてそれは、ビデオゲームというジャンルにおける大きな達成であると私は感じます。低予算ながらこれだけ奥深い独自の魅力を放つビデオゲーム作品を私は他に知りません。 ・・・・・・ こんなクソ長いレビューを最後まで読んでいただきありがとうございます。 この作品の良さはまだ書ききれませんが、これ以上長いと誰も読んでくれなそうなので、これくらいにしておきます。 最後にもうひとつだけダメ押しすると、私はこのレビューの冒頭に「プレイヤーは主人公のジェイを操作し~」と書きましたが、これは意図的にそのように表現しました。実は本レビューではこのゲームのもう一つの大きなフックについて敢えて触れていません。このゲームではプレイヤーは主人公のジェイではなく、「ジェイを操作する謎の存在」として関わることになります。 「え?どういうこと??」と気になる人はSteam Storeで「圧倒的好評」のこの作品をぜひプレイしてみてくださいね。うふふ!! 【Steam store】 https://store.steampowered.com/app/1610440/Minds_Beneath_Us/