みんなのGOTY(Game of the Year 2024)

Game of the Year 2024
月島🚑🌸🍎 さん
龍が如く8
龍が如く8は今年発売されたシリーズ最新作ということで、CMなどで何となく知っている方も多いだろう。今度の舞台はハワイで、ガチャピンやムックと島作りが出来て、新しいスジモンを集めながら新たな敵と対峙していく、というのは8がもつ魅力のひとつだろう。 しかし、私としてはそれらの魅力とはまた別に挙げたいものがある。それはエンディングノートだ。本編のもう1人の主人公である桐生さんは、とある戦いの最中で倒れ、医者に余命宣告をされてしまう。そこから、死ぬまでにやりたいこと、心残りなことと向き合うサイドストーリーとしてエンディングノートが始まるのだが、これがとにかく素晴らしかったのだ。 私が龍が如くを初めて遊んだのは19年前、その時から桐生さんの不器用だけど格好良い生き様と、その周りで同じくらい輝く人々との出会いと別れにハマり、以来ずっと追い続けていた。このエンディングノートでは、今まで関わった人達から街の片隅に残る思い出までが雄弁に、時に絞り出すように桐生さんへの感謝や受け取った思いを伝えてくる。それがファンとしての自分の心と重なって、ストーリーをひとつ読んではコントローラーを置いて涙を拭うような有様だった。シリーズを追いかけてきた分だけ感動が膨らむ作りなので皆に刺さるわけではないし、7から始めた人にとってエンディングノートはサイドストーリーのひとつであると思う。それでも、こんな体験を人生であと何度味わえるだろうと桐生さんと同じだけ年を取りながらそう思えた、私にとって今年最高のゲームでした。
Game of the Year 2024
ロン さん
ドラゴンズドグマ2
キャラクリが出来るからキャラへの愛着が半端ない。自然あふれる世界を散歩しながらゆっくり冒険するもよし、ユーザー毎に楽しみ方が違う稀有なゲームで夢中になって遊びました!
Game of the Year 2024
現(ゲン) さん
ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
長い旅の終わりと新しい冒険へのいざない このゲームの原作は実は生まれて初めて触れたゲームの一つだったりします。 幼い頃、叔父さんがゲーム機と一緒にこのゲームを持ってきてくれた。 どう動かしていいかわからないし、分かったとしてもデータが消えた。 年月が経ち、リメイクにも触れたが、就職や他の趣味でクリアしないまま過ぎていった。 今回のリメイクでやっとクリアできたのだから一つの長い旅に区切りがついたなと思っている。 ゲーム本編の良かったところは難易度調整ができており、自分のようにあの時クリアできなかったプレイヤーに向けられたもののように思えてる。 仕事の合間にのんびり遊ぶ、それを助けてくれるところがありがたい。 新職業も救済があったと思うので、そこもあの当時にクリアできない人をすくいあげてくれたように思えている。 だからこそもっと遊べるようにも思える。 キャラメイクも見た目変更が出来ているので、コスプレを嗜む自分にもいい刺激になる。 シナリオについても、よく言われる王様の本来の働き、父オルテガのたどった道筋、ラストの伏線 またあの世界を楽しむ要素でもある。 25年の1・2リメイクも楽しみになる一作でした
Game of the Year 2024
小箱 さん
ShapeHero Factory / シェイプヒーローファクトリー
工場建築×ローグライトの異色な組み合わせ 工場をコツコツと作り上げる生産ターンと兵士を戦わせる防衛ターンに分かれたメリハリのある攻防がとても楽しい! 制限時間のある生産ターンをいかに効率よく使い切るかがなかなか難しくあとちょっと!もう少し!と悲鳴を上げることも少なくありません 防衛ターンでは自分の作り上げた兵士たちが敵に向かっていくのは見ていて飽きがこない ローグライクらしく工場を作るマップや得られるスキルがプレイごとに変わっていくため自分では試さなかったスキルなどを使っていき想像してなかった利用法を思いついたりして爽快です ほかの人のプレイを見て発想の違いに驚き、自分でも試してみようとついつい起動してしまう魅力があります 現在でも完成度は高めですがまだアーリーアクセスな為これからさらに良くなっていくというのも楽しみな点です
Game of the Year 2024
宝島のコング \コングくん!/ さん
DEATH STRANDING
私は、自分のプレイスタイルが嫌いだ。 本当に嫌いなんだ。 新しいものに、とりあえず手を出す。少し遊んでわかった気になり 次の新しいゲームに飛びつく。積みゲーと言う生ッチョロい言葉では言い表せない。見えますか?私の横に積み上がっているコレはなんだ!!!別の言葉が必要だ。なんなら叱ってほしい。 こんなんだから、一年で百本以上遊んでいるがクリアまで辿り着くタイトル数はたかが知れている。というか、見栄を張って申し訳ない。数本クリアしたみたいな書き方したが。ほぼ無いに等しいのだ。 一本のゲームをとことん遊び尽くしクリアしてから次のゲームを手に取るあなた!あなたのようなプレイスタイルに私は憧れる。本来なら私はYourGOTYなんて選べない。 私が憧れるあなたは、真のYourGAMERだ。 YourGAMERと言われても意味がわからないかもしれない。私だってわかっていないさ。 冷静になろう… ここまで卑屈ダラダラな前置きをするつもりはなかったんだ……でも、気にならないか? 私のようなプレイスタイルの人間が最後まで見届けようと決めたゲーム。 YourGOTY……いや、W(私のような)P(プレイスタイルの)N(人間が)S(最後まで)M(見届けようと)K(決めた)G(ゲーム) WPNSMKGを…それは 「デス・ストランディング」 デス・ストランディング通称デススト ゲーム内容は説明不用かもしれないが。こういう所をキチンとしておくと冒頭の茶番にも目を瞑ってもらえポイント加点していただけるかもしれませんからね。心の声がすぐ表に出るタイプの男 宝島のコング行かせていただきます!(普段静かなタイプは文章がうるせぇ) デスストは、KONAMIを退職されたゲームデザイナーの小島秀夫さん(愛称は小島監督。スナッチャーの音声収録で監督!監督!と呼ばれていたそうです。おそらく、そこが始まりでファミ通などメディアのインタビューなどから小島監督呼びが広まった……と私は勝手に推測しております)が、自身のスタジオで初めて手掛けたゲームとなります。2019年11月8日に発売され、世界中にたくさんの配達依存症を生みました。分断されたアメリカを横断し人々に荷物と希望を託されながら繋いでいく旅となります。配達を主軸に置いたゲームは今までになく斬新で、一見それは「お使いばかりで、あまりおもしろくないのでは?」と考えてしまうが。プレイをすると荷物の重さ・山登り・地面の状態・天候など他にもたくさんリアルにシミュレートされた世界が用意されており、予期せぬトラブルや困難が待っています。この谷をどう渡る?この高さならワンチャン飛び降りても大丈夫?あああー!ダメだったー!あそこの荷物どうやって拾う? 目的は荷物を送り届けるという単純ゆえにプレイヤー次第で楽しみ方が変わり、自分だけのドラマが生まれます。 この世界では、とにかく頼られます。「働いてる人、俺しかいないのか?」と思うぐらい頼られます。 困っている人を助け喜んでもらえる「しょーがねぇ、また ついでに届けるか」 人が喜び感謝してもらえることが、やっぱり嬉しいんですよね。本能に刻まれている感情か。 やるべきことは、最初から最後まで荷物を運び届けるということです。そこに、未来を繋ぎ託すストーリーが小島節で語られる。 小島さんは発売前のインタビューでずーっと私達が作っているのはインディーゲームです。と述べている その度に私は((いや小島さんそれは無理あるって この規模のゲームはAAAでしょっ!))と当時は心の中でツッコミを入れていました。 クリアした今はわかる。デスストは他に似たモノが無い、無いから比べようもない とても奇妙なゲームでもある。私の想像には及ばない様々なものから解放された小島さんが、表現したいものをとことん詰め込んだ作家性の塊みたいな作品。究極の小島ゲーム。 上からコレを作れ!と言われた訳じゃない、、、トップでありクリエイターでもある自分が創りたいものを自分がお金出して創った。それを世に放ち遊んで喜んでもらう。 この精神は紛れもなくインディーゲームだ。 デスストに起用された役者さんもKONAMI時代に繋がりを持ったノーマン・リーダス(コジプロがサイレントヒル新作を開発進めていたが開発中止になってしまった。主人公がノーマン・リーダス)小島さんの友達レフン監督やデルトロ監督他にもたくさん繋がりがある方に出てもらっている。ここでインディーゲームの紙エルを開発されたシロさんを突然例に出してしまい申し訳ないが。知らない方は是非#紙エル で検索してほしい。シロさんはポッドキャスト仲間(又は自分と繋がりがある方)をゲームにキャラクターとしてたくさん登場させている。規模は違うかもしれないが、小島さんもシロさんも しがらみ思惑など関係なく作家自身が自分のゲームにあなたを出したいんだ。という気持ちは、これ以上にないシンプルに強い理由で やはりデスストはインディーゲームだと実感した。 私は、2019年の発売日に購入しプレイしていた。50時間ほど熱中して…クリアせずやめてしまっていた。 そして5年を経て 「来年続編が出るし もう終盤まで来てるよね。すぐクリア出来るだろう」と たかを括ってプレイを再開したが、予想は外れマッドマックス怒りのデスロードばりのコッチからアッチ展開に尻込みしそうになった。再開から30時間。合計80時間で5年越しに一本のゲームをクリア。 5年の歳月は、パンデミックが起きる前であり、そして世界中が経験した事のない混乱を抜けようやく落ち着いた5年間。 私にとっては、子どもが産まれる前にプレイを始め 父親になった今クリアした5年間だった。 もし2019年にそのままクリアまでしていたら、今と全く同じ感動を味わう事は出来なかっただろう。 私にとっては、忘れられないゲームとなった。 今の私の顔見えますか?……上手くサムとBB(ルー)の関係を自分と子どもに投影させて締めれたぞ。とニヤニヤしてたんです。 だけど、ここまで一度もBB(ルー)のこと何も触れてこなかったんで……伝わってますかね? デス・ストランディング。私が繋いだものは世界でありそこに暮らす人と人だ。運んだものは荷物であり希望だ。だから続編は明るい未来でなければ…… ありがとうございました。以上です こんなに、はしゃいで長文書いたのmixi以来!
Game of the Year 2024
とめきち🚑🥐🍙🍃 さん
バニーガーデン
女の子が可愛い お酒が美味しい ギャンブル楽しい 最高な作品です リーズナブルな価格帯な作品としては 会話パターンが非常に豊富でフルボイス 丁寧な作りな良作でした
Game of the Year 2024
にしらぎ|スーパーゲームバカ🎮 さん
Outer Wilds
ループ1回目 新米宇宙飛行士の僕は焚き火の前で目が覚めた。 これから始まる長い長い旅の相棒となる宇宙船は既に整備済だ。 博物館の館長から教えてもらった発射コードを頭に叩き込み、一通り見学を済ませた頃、一際目立つ場所に展示されている彫像の眼が一瞬光るのを僕は目にした。 「今のは一体なんだったんだ…?」 疑問を抱いたまま僕は宇宙船に乗り込み、拙い操縦で近くの惑星である『脆い空洞』へ降り立った。 シグナルスコープに反応があり、あたりを探索すると謎の脱出ポッドを発見した。 救急信号が発せられているのはここで間違いないが、人の姿はない。 ポッドから伸びているコードの先を伝っていくと、我々の文明では考えられない程巨大な宇宙船の残骸を発見。 船内から地下へと続くハッチを開け、足場に気をつけながら崖を下っていく。 手元の翻訳機で壁に刻まれた文字を解読すると、以前この地に降り立った探索者(Nomai)達の言語だった。 途中、解読した文字にはこう書かれていた。 「ここは火山月による落石が多く危険な為、北の氷山を目指す。」 おそらく仲間宛に書いたメモだろうが、当然この辺りには僕ただ一人しかいない。 北の氷山には何かがある。 根拠一つない、ただの好奇心から北へ進むことを決めた。 『脆い空洞』という名前だけあって、この惑星の地面にはところどころ裂け目が開いており、今にも崩れ落ちそうだ。 隙間を覗いたその先の空間はひどく歪んでおり、中心部にはブラックホールが確認できた。 絶対に落ちてはならない。こんなところで宇宙飛行士人生が終わってたまるか。 そんなことを考えながら北の方角へ進んでいると、何やら奇妙な鉱石を見つけた。 辺り一面に点在するその鉱石は紫色にぼんやり発光していて、付近には重力場が発生している。 その重力の向きを見極めることで、壁や天井を伝って歩くことに成功した。 本当の地面がどこなのか分からなくなりつつも先に進んでいったが、ついには行き止まりにぶつかってしまった。 自分の身長と同じくらいの壁の向こうには氷山らしきものがかすかに見える。 自分の跳躍力を信じて無理やり飛び越えようとしたが、あっけなく失敗。 勢い余って奈落へ落ち、惑星の中心にあるブラックホールに飲み込まれてしまった。 走馬灯を眺める間もなく飲み込まれたその先は、見覚えのない宇宙空間だった。 幸い、宇宙服に搭載されている船外活動用のジェットパックを使うことで、手の届く衛星まで辿り着くことができた。 翻訳機によると、ここはホワイトホールステーションという名前の建造物で、自分と同じようにうっかりブラックホールに落ちてしまった愚かな探索者への救済として作られた場所らしい。 機構を動かすことで先程まで歩いていた『脆い空洞』へ難なくワープすることができた。 しかし、同じ星とはいえ元いた場所とは全く異なる場所に降り立ってしまい、宇宙船も見当たらない。 あてもなく探索しているうちに、太陽がみるみる赤くなっていく。 やがてまばゆい光とともに大爆発を起こし、一度目の探索は終了した。 これは、今後も繰り返される“22分”という太陽系消滅までのタイムループの中で起こった、たった一つのゲーム体験であり、次の瞬間、僕は再び焚き火の前で目を覚ますことになる。 次の22分間で、あなただったら何をする?
Game of the Year 2024
DaemonDaisy さん
MechWarrior 5: Mercenaries
🤖🤖🤖長い長いプロローグ:邂逅と別離🤖🤖🤖 「これはメックウォーリアというんだ」 中学校の視聴覚室のパソコンに私物のゲームを勝手にインストールした挙げ句、掃除の時間に生徒に見せびらかすという悪事の数え役満のような不良英語教師”トム”の言葉が、私にとっての天啓となった。 箒を放りだして、クラスメイトのヒロキくんと私は画面にかぶりついた。 数日後、裕福であったヒロキくんは件のゲーム「メックウォーリア2:傭兵部隊」を購入し、プレイ体験をマシンガンのように私に浴びせた。裕福ではなかった私はハチの巣になりながら這々の体で帰宅し、枕を殴り噛みしめ涙で濡らした。私に出来たのは、ヒロキくんのお気に入り機体「TimberWolf」と「Summoner」を英和辞書で調べながら妄想にふけることだけだった。 メックウォーリア3との出会いは高校生の頃だった。今や廃刊となった某PCゲーム雑誌に収録されていた体験版は、今やnVidiaに駆逐された某社製グラボを搭載した父のPCでは動作しなかった。私に出来たのは、同誌の記事で強敵として紹介されていた機体「Thor」を辞書で引きながらチベットスナギツネの顔真似をすることだけだった。 メックウォーリア4との出会いは大学生の頃だった。インターネットが当然のインフラと見なされつつあった時代だった。製品版を買う余裕がなかった私は、体験版を大いにやり込んだ。 数年後、無料版なるものが公開された。私は歓喜すると同時に一抹の不安を感じていた。無料配布など異常事態である。ライセンス関係で何かのっぴきならない事態が発生したのではないか。当時は今のような優れた翻訳AIは存在せず、当時も今のように私の英語力はゴミカスだった。配布サイトの記事を理解できなかった私には事情を知る術はなかった。 そして長い沈黙が訪れた。10年以上にわたり、メックウォーリアの新作の名を聞くことはなかった。私に出来たことは、ファンサイトを漁って私の最推し「MadCat」がヒロキくんの最推し「TimberWolf」の別名であることと、強敵「Thor」がヒロキくんの推し「Summoner」の別名であることを突き止めることだけだった。過去と現在が繋がり――そして途絶えた。 🤖🤖🤖再会🤖🤖🤖 長い月日の後にPCゲーマーとなっていた私に、再び唐突に天啓が下った。半ば無意識に、私はSteamストアに件の聖句「MechWarrior」を打ち込んだ。 MechWarrior5。 “5”。存在するはずのないナンバリングが私の目に突き刺さった。何度も目をこすり頬をつねった後、私は自分が奇跡を目にしていることを理解した。前作メックウォーリア4の発売から実に20年目のことであった。 自分の中にいる中学生の自分が目を輝かせ、高校生の自分が拳を突き上げ、新米社会人の自分が涙を拭い、現在の自分はレモンサワー混じりのよだれを垂らした。 気がつくと私はゲームだけでなく、数年間購入を自粛し続けていたグラボまでもポチっていた。 🤖🤖🤖アクションというよりシミュレータ🤖🤖🤖 ロボットゲームというジャンルについて、このような考察がある: <引用> (略)ロボットゲームは単に「キャラクターがロボットというだけの爽快感重視系アクションゲーム」か、あるいはリアルさを追求しすぎ「操作は複雑でアクション性に乏しい、地味でマニアックなシミュレーター」という印象の作品が多く(略) </引用> (wikipedia 日本語版 “電脳戦機バーチャロン” より) 本作は明確に後者寄りだ。プレイヤーが搭乗するロボット(「メック」と呼ばれる)の動きは鈍重で、アクションゲームと呼ぶにはペースが遅く、一方で操作は煩雑で「走る・曲がる・止まる」すらボタン一つというわけにはいかない。工事現場のユンボで殴り合いをしようとしたらこんな具合だろう。「折角なんだから思い切りガチャガチャしたい」「戦争映画ならハイスピードなドッグファイトより頭脳戦みたいな潜水艦戦が好き」というプレイヤーにお勧めだ。 一方で、自分の身体すらうまく扱えない私のような不器っちょのために、FPS式の操作に変更するオプションや、強力なエイムアシストを有効化するオプションもある。さすが20年弱の時を経て令和の世に復活したタイトル、下手くs、もとい多様性への配慮もある。 🤖🤖🤖アメリカンなデザインとロマンあふれるカスタム🤖🤖🤖 本作で私にとって最重要なのは機体デザインだ。ジャパニメーション的な「ツヤツヤテカテカ8頭身」とは対照的な「なんか大きくてブサいやつ」である。新幹線より蒸気機関車、スマートウォッチより機械式時計、スポーツカーよりバケットホイールエクスカベーター、クラタスよりメガボッツ(ロボ好きの嗜みですよね?)、という人には刺さると思う。逆関節とかダチョウ脚とか呼ばれる蠱惑的な脚部構造を持つ機体も多いのでフェチにはお勧めだ。 重量、スペース、排熱処理等の制限の中でカスタマイズも可能だ。特徴的なのは装甲の厚さやヒートシンクの量まで弄れることだ。私のお気に入りの武装はPPC(「荷電粒子砲」的なモノ)。超長射程と高ダメージを併せ持ちつつ弾数制限がない夢の武器だが、代償として非常識な熱を発生する。これを装備できる機体は限られており、また2門以上を同時発射したときに発生する爆熱を適切に処理しきれる機体はほとんどない。故に私はよく戦場の真ん中で熱暴走し、自らの機体から開戦の狼煙を上げている。 良いのだ。ロマンは全てに優先する。 🤖🤖🤖TRPG由来の「ごっこ遊び」向きタイトル🤖🤖🤖 一般受けしやすいゲームと対象的に面倒くさい要素が多い本シリーズだが、それはもともとBattleTechというTRPGに起源を持っていることに起因すると思われる。TRPGについては私も詳しくないので多くは語れないが、秀逸だと思った比喩は「目標とルールのあるごっこ遊び」というものだ。 ゲームのテンポがゆったりしていたり、部位破壊とか熱暴走とか弾薬切れといった細かなイベントが頻発し続けるのは、複数人による対話を前提とした「ごっこ遊び」と相性の良い仕様だと思う。 「敵影、捕捉しました!」「何ッ!実弾じゃなくエネルギー武装だと!?」「くッ、右腕をやられた!」など、ロールプレイをしようと思えば喋るネタが尽きないしその時間的猶予もある。配信者さんのコラボ企画に良いのではなかろうか。 私はお一人様専門なので、あらゆる難易度設定を甘々にした上で、愛機たちが玉砕したり爆散したり荒野の砂利に鼻先を突っ込んだりするのを見て妄想を膨らましている。大人のお人形遊び、いわゆる「ブンドド」の電子版として優秀だ。格好良い撃破シーンをもっと見られたら良いのだが。 🤖🤖🤖忠実さ故の制約、そして新たな出会い🤖🤖🤖 BattleTechの既存の世界観に忠実に基づいているため、ストーリーでは世界の歴史を変えてしまうような大イベントは発生しない。キャンペーンモードにおいてプレーヤーが演じるのは、殺された父の仇討ちを誓う、BattleTech世界の歴史の教科書には登場しないような名もなき戦士である。 登場するメックもBattleTechの歴史と矛盾しないものに限られる。私の最推しメックであるMadCatは、本作の舞台となる時代にはまだ存在しておらず、故にいとしいしととの20年越しの再会は叶わなかった。しかし、ヤケ酒しながら燻る私を本作は放っておかなかった。 父の遺した謎の機体があると告げられ、とある惑星の隠された格納庫の前に立つ。扉が開いてゆく。 あーはいはい。どうせこれもMadCatじゃないんだ。この時代にMadCatはいない。どうせクソ重装甲の火力おばk ファッッッ!?!?!? 美しい左右対称形。被弾面積を抑える低い機影。十分な可動域を確保しつつもコンパクトな腕部。そして艶めかしく輝く逆関節の両脚。 おい破廉恥だ隠せモザイクを入れろCEROもZにしとけああもうレビューなんか書いてる場合じゃねぇぞ 🤖🤖🤖エピローグ:継承🤖🤖🤖 そういうわけで、中坊時代に出逢って以降、人生で最も長期間続編を待ち望んだタイトルである本作が、私にとってのGOTYである。いや待ち望んだというのは嘘だ。あまりのブランクの長さに、続編はもう出ないのではないかと疑った。セリヌンティウス、私を殴れ。ちから一杯に頬を殴れ。 私とヒロキくんにメックウォーリアを教えてくれた英語教師”トム”は、ただの邪智暴虐の不良教師ではなかった。ゲーム内の父が私に妖艶なるメック「NightStar」を遺したように、トムは私達にメックウォーリアを遺してくれたのだ。 今、私は視聴覚室で若人にメックウォーリアを布教するような立場にはない。しかし令和の世に生きる私には出来ることがある――ここYourGOTYで。 ここまで駄文を読んで頂いた奇特なゲーマー諸賢へ。 「これはメックウォーリアというんだ」
Game of the Year 2024
夏川🥊🐯 さん
未解決事件は終わらせないといけないから
未解決事件、と聞いてどう思いますか? 得体が知れない? 真実を知りたい? むしろ自分で解き明かしたい? そんな未解決事件に迫るこの作品が、わたしのYour GOTY2024です。 #あらすじ 12年前、とある事件の捜査を担当した清崎蒼元警部のもとに、一人の警官が訪ねてきます。 彼女の目的はその事件を終わらせること。 『犀華(せいか)ちゃん行方不明事件』 一人の少女が行方不明となり、その後未解決事件として幕を降ろした事件です。 果たして事件の真相とは? なぜ未解決事件になったのか? そして事件を終わらせるとは? #手触り感のある事件捜査 まず証言の文中からハッシュタグを探します。 ハッシュタグをクリックすると新しい証言を開放できます。特に重要な証言は、開示済みの証言をもとに推理をしないと開放されないこともあります。 証言はすべて清崎元警部の記憶がもとになっているため、話者と時系列があやふやです。 それを正しく整理することで捜査を進めていきます。 見た目はSNSのタイムラインのようですが、操作感は、まるでボードに貼った付箋をああでもないこうでもないと貼り変えるようでした。 今まで遊んだどのゲームでも体験したことがなく、とても新鮮でした。 悩んだ結果証言同士が繋がった瞬間は、「やっぱりな!」と納得したり「なんでこうなった?」と困惑しました。 #見える真相、感じる人間のあたたかさ そうして捜査を進めていくうちに、最初に立てていた仮説との違和感に気づきます。 なぜなら、この事件の関係者は全員「嘘」をついているからです。 そう聞くとすべての証言が疑わしく見えますが、嘘によってどこかで矛盾が生まれるのも事実。 ほかの証言と照らし合わせながら丁寧に紐解いていけば、何が嘘なのか、なぜ嘘をついたのかが見えてくるはずです。 詳しくは伏せますが、これだけは言えます。 この事件では、誰しもが悩みもがいていた。 そして事件の全容を知り、エンディングを見届けたときは、登場人物全員の幸せを願うほかありませんでした。 すでにプレイ済みの方のなかには、これで何が解決するんだよと思う人もいるかもしれません。 しかし、人との関わり方でいつも正解を出せるとは限らないでしょう。 それでも人に寄り添おうとする姿勢が尊いのだ、それがこのゲームのエンディングに込められた思いだと受け取りました。 思えば、誰かを思っての行動で上手くいったりいかなかったり、そのどちらかもわからないような経験がたくさんありました。 なかなか帰ってこない妹が心配で、頻繁に電話をかけすぎて怒られたとか。 汽車で落し物をしたおばあちゃんをダッシュで追いかけたとか。 ライブで取れすぎた銀テープを近くの見ず知らずのおじさんに譲ったとか。 まったく英会話できないのに、旅先で道を聞いてきた外国人に身振り手振りを駆使してなんとか道を教えたとか。 プレイ時間たった2時間あまり、しかし人の優しさ・あたたかさとは何なのか思い返させられる2時間でした。 こんな体験をしたゲームは、後にも先にもこれだけかもしれません。 わたしが見た未解決事件の真相とは何だったのか、誰かの配信やネタバレを見る前に、ぜひあなたの目で確かめてください。
Game of the Year 2024
望月英🌕 さん
Rise of the Ronin
今年リリースしたプレイ済ゲームの中で、 ・歴史のif的ロマン ・バディ的存在との因縁的ロマン ・沢山の武器戦闘的ロマン ・恋愛要素的ロマン 等、一粒で一番沢山の 「オタク君(というか望月君)ってこういうのグッとくるでしょ?」 を叶えてくれたゲーム。