みんなのGOTY

Game of the Year 2023
ゆぐみ さん
きみのまち サンドロック
牧物系ゲームが好きな私が今1番ハマっているゲームです。 前作のきみのまちポルティアが好きで、ps5で遊べるのを楽しみにしていたゲーム。 きみのまちシリーズの良いところは、複数の恋人との同時交際ができ、浮気の自由度も驚くほど高いところ。しかし、注意が必要で、バレると好感度が急落し、こちらの話を全く聞いてくれなくなる。リアルな反応に興奮しつつ、他の恋人に気付かれないように巧妙なデートを楽しむ背徳感がクセになる。 気づけは町中穴兄弟、竿姉妹だらけになるが、その中の1人と結婚した時の反応もたまらない。 同性婚が可能で、さらに注目すべきは離婚ができる点だ。他の作品では見られないこの機能が、私の歪んだ願望を可能にしてくれる。 現実では難しい経験を味わえ、非現実的な刺激がクセになる。 デートは怒られるが、目の前でキスをしても誰も怒らないのが不思議。怒られないから、目の前で飽きるまでキスしてしまう。 もちろんグラフィックも素敵でキャラクターやシナリオがしっかりしてるからこそ、非道徳的行動を起こしたくなる。 可能であれば既婚者NPCを寝取りたい。寝取りプレイが出来れば最高なのだが、そこまで酷いプレイはさせてもらえない…悲しい… 悪あがきで既婚者を頻繁に遊びに誘い、気持ちを落ち着かせている。 今回は男の娘も頑張れば作れる!キャラメイク出来る!最高!お堅い聖職者が男の娘に弄ばれてるんだぜ!たまらないね!と思いながらプレイしてます。 進行不能バグが多い点が残念だが、イケメンの顔が崩れたりは裸にされてしまうバクは面白いので好きです。
Game of the Year 2023
Masataka(labduck)🐤 さん
Sea of Stars
ガールがたまりません。 いかにも主人公"ではない"キャラ。これがこんなに特別に輝いて描かれているんですよ。特別な環境にうまれたわけではない、力があるわけではない、頭がとてもいいわけでもない。でも好奇心に溢れ、行動力があり、お料理が得意。プレイヤーがその気になればなれる存在なわけです。それがもう大活躍。たまりませんでした。 ゲームの作りも丁寧かつ愛情に溢れていて、こういうの楽しいと思うんだよ!君はどう?感がビンビン伝わってきます。遊んでいて本当に幸せでした。 あと今年、たまたまThe Messengerを遊んだので、わりと記憶が新しい間に遊べたのもよかったです。曲でビシッと思い出すもんですね。そして懐かしの長話…これを待っていたんだ!
Game of the Year 2023
干してれすこ さん
The Last Faith
2023年も沢山のメトロイドヴァニアが出ましたね。 可愛らしいグラフィックでド派手なアクションを繰り出しまくれる『ロストエピック』。 値段に見合わぬほどの広大で膨大なマップ量はジャンル内トップクラスの『アフターイメージ』。 狂気のドット美術に超高難度のシリーズ2作目、『ブラスフェマス2』。 昨年以前のヒット作『メトロイドドレッド』、あるいは『エンダーリリィズ』。その先を切望される2D探索アクションジャンルの中で、それに応える様に次世代を感じさせる作品が幾つも発売されました。 年末も差し迫った11月にリリースされた『The Last Faith』も、そういった作品のうちのひとつです。 インディーズでの開発が中心のジャンルでもあり、各タイトル目を引くところもあれば物足りないと感じる部分があるのがメトロイドヴァニア作品の常。正直この作品をプレイするまでは、ボリュームと作り込みが尋常ではない『アフターイメージ』が個人的なトップかな、と思っていました。その目算はプレイが始まるやいなや、崩れ去る事になります。 はいゲームスタートしました。ドット描画のOPムービーが終わりまして操作が可能になります。 前進してみましょう。歩きます。後退してみましょう。おっと?ちょっと滑ってから振り向きましたね。 見紛うはずもありません、これは…アルカードの動き!回避ボタンを押せばローリングのみならずスイっとバックスライド。そうです、2D探索アクションの金字塔、『悪魔城ドラキュラX月下の夜想曲』への愛がゲーム開始直後から滲み出しているのです。雑魚敵を倒せば名前だって出ます。大事なことです。 ここからは細かなところを。まずアクション面の手触りが非常に良い。避けるべき攻撃も明瞭、動作も早すぎず遅すぎず、判断と対応がきちんと積み上げられる様な丁寧なバランス。ボス戦も攻略の手掛かりを感じやすく、理不尽感はさほどありません。接触ダメージが無いのも助かります。 育成は概ねソウルライク。集めたソウル的なものをどのステータスに注ぎ込むのか、或いは武器の強化を優先するか?レベルを上げるごとの必要経験値量のインフレも穏やかなため、時間をかけて稼いでいく事により、「レベルを上げて物理で殴る」事が可能となっています。やさしみ。 ちなみに遠距離武器として銃器も複数ありまして、ガトリングや二丁拳銃を思うさまぶち込む事も出来ます。魔法もございます。攻撃手段が充実する一方でいわゆる防具は無く、補正を得るチャーム(お守り)があるのみ。これによりリソースの注ぎ込み先が絞られており、無駄遣いを恐れ強化を使い渋る気持ちを薄めます。 探索においても全体マップ上の未解錠の扉が色違いで表示されるなど、不完全ではありますがガイドとなってくれるため、ちょうど良い感じに「迷う」ことが出来ます。鍵を拾った、これはどこだろう。空中ダッシュを手に入れたがあの崖は跳び越せるだろうか?数多く配置されたファストトラベルポイントが、適度な負荷をかけつつ探索をアシストしてくれます。 これらのプレイ感が組み合わさり、気が付けば数時間を溶かしている…という久しぶりの感覚に驚かされました。越えやすいハードルが美しく配置されており、同時にそれと気付かせない周到さもある。オマージュ元から何を取り込み何を省くかの選択が巧みです。自力で道を探していくプリミティブな楽しさと懐かしさは、アクション性やグラフィック、音楽、世界観等の各要素の調和がもたらしたものだと思います。 どうしたって高難度で不親切で理不尽になりがちなインディーズメトロイドヴァニアという世界において、この『The Last Faith』は優しさに溢れている。これもやはり、『悪魔城ドラキュラ』シリーズへの敬意というか、軸足をそこに据えようとする意志の様なものを感じて、私は好きでした。初めてこのジャンルに触れる、或いは先に述べた近年の名作タイトルの次に遊ぶのに、自信を持って薦められる一作です。 少々残念な部分としては、翻訳がほとんど直訳らしく、ダークでゴシック、重厚感のありそうな会話の数々がいささかちぐはぐになっている点。要領を得ない、という場面もしばしば。人を侵す奇病、信仰される謎の神、教会と王城それぞれでの企て。様々な謎を風景描写や展開でこういうことかな、と推察していく心持ちが必要かも知れません。精緻なドットやシックなBGMは、幾らかの助けとなってくれるはずです。 メトロイドヴァニアは難しい。そういったイメージの方は多いと思います。ですが実のところ、インディーズ中心のムーブメントである事で難易度としても、システムやアクション、グラフィック面においてもかなり幅のあるジャンルです。その中には、あなたの感性に綺麗にハマる一作がもしかすると潜んでいるかも知れません。まずはレビューサイトから名作と呼ばれるものを。好みに合いましたら、更に自ら掘り返し、探し当てる楽しみを試してみてはいかがでしょうか。
Game of the Year 2023
たんじぇーろ さん
ENDER LILIES: Quietus of the Knights
本作は2021年に発売されたいわゆるメトロイドヴァニアとカテゴライズされる横スクロール型アクションゲーム。 冒頭で主人公リリィが古ぼけた教会で目を覚まし詳しい説明がないままゲームは始まる。そうこのゲーム、簡単なプロローグらしきものはあるがこの詳しい説明がないのだ。この語る·語らないを含めてゲーム各賞で見られる『バランス』が非常に素晴らしくそのままその『バランス』がプレイフィールに直結する。 •アクションゲーム素人が何度も挑んでなんとか倒す事の出来るボスキャラの難易度調整。 •進行にあわせて語られる本筋のストーリーやダンジョンに配置されるアイテムとセットのフレーバーテキスト •主人公リリィと彼女のメインパートナーの黒騎士はもちろん、登場するどのキャラクターもがもつ儚い美しさと可愛らしさをあわせもつビジュアル どの点をとっても制作のセンスが際立つ、ゲーム『バランス』の佳作。 ストーリーをすすめると共に得られる特殊能力は、それまで攻略不能であった壁を壊し、乗り越える力となる。 ボスひとりを倒すたびに確実に自分が成長したと感じられる作りも中毒性をもち、自分のようなアクション初心者こそこの中毒性にやられてしまう。 最後までダレること無く短時間で一気に得られるプレイ体験を年末の大作疲れに陥っている合間に是非。
Game of the Year 2023
kumada ken さん
ファイナルファンタジーXVI
圧倒的なグラフィック!アクションが苦手な人でもエンディングまで到達できる絶妙な難度設定。誰でもエンディングまで絶対に行ける!そして、そうまでしてでも作り手が見せたいと思った物語。 クライブの物語、人生をぜひ見届けてほしい。 エンディングまで見たら、米津玄師の「月を見ていた」のMVもぜひ。いろいろな思い出が湧き上がってきます。
Game of the Year 2023
ゆきぼう さん
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
約束された神ゲー。 この称号を発売前に賜ったゲームは世に数あれど、正真正銘の神ゲーだったことは殆どない。発売前に高まった期待値を超えていくということはそれほどに難しいタスクなのだ。 だが、ティアキンはそれをやってのけた。しかも、前作も「歴史に残る神ゲー」であったのにも関わらず、だ。 ブレワイが出た時、ここからオープンワールドのゲームのハードルが上がると思っていたのだが、あれから6年経ってもなお、その高みに上り詰めたゲームはついぞ現れなかった。形だけ、いくつかの要素だけ、見た目だけなど、手軽に真似できる部分を踏襲したゲームは数多く現れたが、ブレワイが提示した「どこでも踏破できてしまう主人公の性能と、どこから攻略してもゲーム的にもストーリー的にも破綻をきたさないレベルデザイン」を両立させることができたのは、2023年になってリリースされたティアキンただ一つだけだった。 しかも、地上マップこそ前作にプラスアルファしたものだったが、空、そして地底と、行ける場所は格段に広がり、リンクの新しい能力も踏破性を格段に向上されるものとなっており、実装したという事実だけでも奇跡の産物に見えてしまうほど凄い。さらに今作はクラフト要素も加わって、ユーザーのクリエイテビティを、前作にも増して刺激するという、信じ難い偉業をも成し遂げている。 もちろん難点もあることはあるが、それを吹き飛ばしてしまうほどに素晴らしい出来栄えで、6年待っただけのことはある、まさに「実在した約束された神ゲー」になったゲームだといえる。
Game of the Year 2023
🐉ドラゴンユズ🐉 さん
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
私はフロムゲーが好きではありませんでした。 世間の評判を聴き、SEKIRO,エルデンリングなどプレイしましたが、苛烈な難易度と地味なゲーム性に心が折れ、10時間ほどでどちらもプレイをやめていました。 AC6も当初は購入するつもりはありませんでした。 そもそもACシリーズをプレイしたことはなく、本作の発売日がStarfield発売日の直前だったこともあり、購入するつもりは全くなかったのです。 しかし、発売数日前からのACファンの友人やSNSの異様な盛り上がりにつられてしまい、結局steamで予約購入し、エルデンリングの二の舞だなと思いつつ、発売当日にプレイを始めました。 その結果、本作は人生でプレイしたアクションゲームの中でもトップクラスに大好きな作品になりました。 ■良かったところ 本作の素晴らしいところは、アクションゲームにおいて最も大事な"爽快さ"が極まっていることである。コントローラーの操作レイアウトは非常にコンパクトにまとまっており、少し慣れると高速な戦闘アクションを、意のままに、手に吸い付くような感覚で操れるのだ。自機を操作すること自体が非常に面白いのだが、それが自分で作り上げたメカなのだから、なおのこと気分を高揚させる。 また、単純な仕掛けではあるが、ボスを倒した時にスローモーションになる演出も非常に気持ちが良い。 爽快なアクションを支える要素として、秀逸なUIも良く機能している。 このゲームでは、両手の武器の弾薬数/リロード状況、両肩の武器のロックオン状況/リロード状況、敵の体幹ゲージ、などなど戦闘中に管理しないといけない要素が非常に多い。このような様々な管理要素を全てロックオンマーカーに統合して表示するようになっている。これが非常に画期的で、高速戦闘を行っているなかで、敵機から目を離さず全てのゲージ管理を行うことができるのだ。本作における1つの発明といってもよいだろう。 発売直後は武器バランスや難易度曲線が非常にいびつであり、お世辞にも褒められたゲームバランスではなかったのだが、発売2週間後ごろから、武器バランスや強すぎるボスのモーション修正が進められたことも印象深い。私も含め、初期バージョンの理不尽な難易度を乗り越えた人間は少し寂しく感じると思うが、消費者に対しての誠実さを感じる対応であった。 ■残念だったところ ストーリー全体の構成としては、非常に熱い展開も何度かあり、楽しめるものだった。だが、同じストーリーを3回周回させ、一部だけ分岐するという見せ方が適切だったのかは疑問が残る。正直同じミッションを3回もクリアするのはただただ面倒で、プレイ時間のかさましをされているようにしか感じなかった。しかも、ストーリー上でのクリアでは、クリアランクが付かないので、「オールS」の達成をしようと思うと、さらにもう1度全ミッションをクリアしないといけない。 また、全体的に説明が少なく、特に1週目でのストーリーの理解が難しい。そのため、ストーリー自体の求心力のなさから、プレイをやめてしまう人もいるだろうと感じた。個人的に2~3週目からストーリーは面白くなったし、最後のエンディングでは感動して拍手をしてしまった。 ■総評 ストーリーテリングの手法や、発売直後のバランスなど、一部不満はあったものの、3Dアクションゲームとしての面白さは一品であり、傑作だと思います。 大好きなゲームです
Game of the Year 2023
さや さん
ポケットモンスター スカーレット
本作は1年前に発売された大人気ポケットモンスターのナンバリング最新作です。 シリーズ初となる完全オープンワールドが採用されたことにより、自由で心躍る冒険を堪能できます。 可愛く、格好良いポケモンたちは冒険に華を添えてくれる貴方の大切なパートナー。新登場のポケモンはもちろん、かつて出会ったあのポケモンのまさかの姿に驚くこともあるかもしれません。 3本立てのストーリーは子供たちとポケモンの成長や絆にフォーカスを当てた熱さとハートフルをいっぱいに詰め込んだもので、どこか青春映画を感じさせます。 また、快適な育成と新システム『テラスタル』を絡めた多彩なバトルも醍醐味の一つ。 歯応えあると噂の追加シナリオDLC後編も12月に配信です。作中の謎がついに明かされる……かも? ポケモンが初めての方も、以前遊んでいた方も始めるなら正に今!! きっとこのパルデアの地であなただけの宝物を見つけられるでしょう。 …………と、ここまでが表向きのレビューです。 ここからは恥ずかしながら少し自分語りを混ぜ込ませていただきます。 幼い頃に両親から初めて買って貰い、プレイしたゲームはポケットモンスター緑。 あれから20数年。ナンバリングを遊んできた私にとって、ポケモンはまさにゲーム人生の原点かつ総てといっても過言ではありません。 ドットから3D。白黒からカラー。そしてオープンワールドへ。ポケモンを通してゲーム技術の発展を肌で感じることが出来ました。 また、若干yourGOTYの趣旨からは外れてしまいますが、今年はポケモン全体にとって、とても大きな出来事があった年です。 …………そう、アニメポケットモンスターの主人公サトシの卒業です。 私にとってのサトシは時にお兄さんで、ある時は同い年の友達で、またある時は年の離れた後輩でした。 子供の頃からポケモンのゲームやサトシとずっと一緒に育ってきて、その一区切りが訪れた今年。このスカーレットのエンディングを見たときに、ポケモンというタイトルとここまで共に歩んで来れて良かったと改めて思いました。 この思いすべてを纏めて、今年のGOTYに捧げます。というか最早Yearを超えてLifeです! では、みんなもポケモンゲットだぜーッ!
Game of the Year 2023
ケンケンまる さん
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
間違いなく今年、私が遊んだゲームの中でNo.1! 2023年5月12日の発売日から半年間、毎日遊んでます! 発売日に空島からハイラルの大地に降り立った時の感動は今まで味わった事がないものでした。 スカイダイビング中に目に入る懐かしの風景!それはかつて「ブレス・オブ・ザ・ワイルド」で隅々まで走り回っていた「よく知る場所」…リアルで昔住んでいたよく知る場所へ帰ってきたような感動でした。 再びこの地で遊ぶ事ができるワクワク感と空だけでなくて地底にも広がるあまりにも広大なオープンワールドの世界。 マップを全て歩き、コログを全て発見し、クリア率100%達成を一区切りにこのゲームから離れようと考えた時、ふと思い出したのです…「そうだ、まだカバンダの看板、全部立てていなかった」と。 カバンダの看板はコログのようなお面でのヒントもなく、クリア率のような「あとどれくらい残っているのか?」の目安もありません。文字通り「終わりの見えない旅路」です。 ここまでの総プレイ時間は550時間を軽く超えてます。でもカバンダさんは今日も過酷な地でエノキダ社長の看板を必死で支えているんです! 「よし!行くか!」 愛社精神熱い漢(おとこ)の生き様に応えるべく、今日も私はハイラルの大地をかけまわります。
Game of the Year 2023
ヒロ@ライトゲーマー さん
リデンプションリーパーズ
リデンプションリーパーズは2023年2月22日にBinary Haze Interactiveから発売された、中世西洋風世界を舞台にしたSRPGです。 突如として現れたモースと呼ばれるモンスターの攻勢に抵抗する人類、その中で『灰鷹旅団』の生き様を描く、世界観はいわゆるダークファンタジーに属するものです。 エンダーリリーズをリリースした同社からの待望の2作目ということで発売前からかなり期待しており、発売日に即購入しました。 端的に言うと、その期待は裏切られることなく、個人的にかなり満足のいく作品となっていました。主人公たち旅団メンバーへの感情移入度が非常に高く、そのためラストシーンは強く胸を打つものがありました。 続編あるいはBinary Haze Interactiveの次回作もぜひ購入したいと思ってます。 まずは全体的な評価から グラフィックは全編通して暗めながら、世界観や重厚なシナリオにマッチしていて、豪華な声優陣の演技力との相乗効果で非常に没入感が高くなっています。(Switch版ではムービーシーンの一部に映像の乱れがありました) BGMは比較的おとなしめな曲が多いですが飽きのこない良曲揃いです。章が進むとステージ間のインターミッションで流れる曲が変化して戦況の厳しさを演出するなど、細かなところでも楽しませてくれます。 また、発売当時に話題になった高い難易度についてはアップデートによるバランス調整で、入手できる資金やアイテムが増えてかなり緩和されました。イージーモードの追加もあってSRPGをあまりプレイしたことがなくても楽しめるようになっていると思います。(これについてはあとで触れますが、自分としてはアップデート前のバランスの方が良かったと思っています) 戦闘面では同一ターン内での複数回行動ができるシステムと連携攻撃の組み合わせで、悩みごたえのあるものになっています。例えば「移動→攻撃→移動→他の仲間の連携攻撃に参加」といった動きも可能です。これを駆使して敵グループを殲滅できたときの達成感や爽快感は、本作の大きな魅力のひとつです。 さらに発売後に行われた大型アップデートによって、より多くのプレイヤーが楽しめるようになっています。大きな変更としてはイージーモードの追加、リソース管理の面でのバランス調整が挙げられます。これによってSRPGは苦手だけどストーリーを楽しみたい方にもオススメできるようになりました。 またどうやっても擁護できないと感じていた「護衛対象のNPCが全力で前線に突撃して孤立する」という残念すぎる点も改善されるなど、不満点も解消されています。 本作はレビューサイトなどでいまいち伸びきらない微妙な点数をつけられているのをよく見かけましたが、最初からこのクオリティであれば世間の評価もまた違っていたのに…と思わざるをえません。 さて、もうすでに話が長くなってきてますがもう少々お付き合いください。 ここからは私が最も強く感じた本作の魅力について語りたいと思います。 一言で言うと それはエンディングです。 「そらそうやろ、当たり前やん」と思われるでしょう。なのでもう少し正確言うと「エンディングをより強く心に刻むべく、ゲーム中のあらゆる要素が灰鷹旅団の5人に感情移入させることに特化している」ことです。 詳しく説明していきます。 まず作品内の俯瞰的な世界情勢についてかなり限定的な描写しかありません。とにかく「モースがあらゆる国で暴れて滅ぼされたようなところもある」ぐらいしかわかりません。具体的な話はほぼ出てきません。よくわからないけれどとにかく目の前の状況をなんとかするために戦い続けます。 マップ攻略中に手に入れられる手紙や日記などのアーカイブもごく個人的な記述ばかりで、やはり大きく世界情勢がわかるものはありません。 世界全体を描かないことでひたすら5人の物語にだけフォーカスし続けます。旅団関係以外はニュアンスだけ伝わればいいやぐらいのスタンスに見えます。 また、資金や武器等が常に不足し、強い武器は使用回数が少ないため弱いものを修理しながら使うというタイトなバランスも、追い詰められた中でなんとか状況を打破していこうとする旅団メンバーの状況にマッチしています。(この点はアップデート前の方がよりよく表現できていたと思います) プレイヤーは頭を悩ませてステージをクリアするたびに、彼らと共に死地をくぐり抜けたような感覚を強くしていくでしょう。 さらに、キャラクターたちが非常に個性的で、しかもその特性がゲームプレイと強くリンクしている点も思い入れを強くしてくれます。 ひとつ例をあげると、あるステージ間の会話において、皮肉屋で他メンバーとの衝突が多いルグが「仲間のことをどうでもいい、なんて言いながら、みんなをカバーするように動いてる」と指摘されるシーンがあります。そこではたと気づくのです。実際に彼は隣接する味方のダメージを軽減するスキルを持っていることに。その見た目と乱暴な物言いでツンデレかよ!?カワイイな、おい! そして次のステージからはめんどくさそうな顔をしながら要所要所で的確に仲間をカバーしていくルグが見えます。見えました。 それ以外にも、リーダー的なポジションであるグレンは味方が隣接しているとバフがかかるスキルを持つ準タンク兼アタッカー。旅団の過去の行いに強い後悔を抱いているサラは、手数が多く回避は高めだが紙装甲で自分の命を軽く見ている、ように感じられる設計になっています。 ちなみにインパクト的には、玄田哲章さんが声をあてている禿頭で眼帯して顔に傷があってツノ付きの肩パッドに毛皮をまとった半裸の巨漢が、メンバー内で1番バランス感覚のある理性的な発言をする立ち位置なのが最高でした。これはもう萌えキャラと言っても過言ではないですね。萌え萌えキュンです。 こうして本来ならあってしかるべき情報やリソースをギリギリまで削り、逆にあらゆる点で旅団メンバーの内面を描くことに心を尽くした構成でがっつり感情移入させられます。その上で叩きつけられるエンディングに心を動かされないわけがありません。ラストシーンで旅団メンバーが空を見上げた時、プレイヤーもまた涙を堪えるように天を仰ぐことでしょう。 長々と語っておいてなんですが、おそらく好き嫌いの分かれるゲームだとも思います。壮大なストーリーではありません。ひとつの傭兵団の、さらにその中のたった5人の物語です。しかし、それゆえに深く深く心に突き刺さるものを持っていると思います。 それなりの頻度でセールもやっていますので、興味を持っていただけたならぜひ一度プレイしてみてください。