みんなのGOTY(ゲーム別)

新着順 Game of the Year 2024 ゲーム別

Hi-Fi RUSH

Game of the Year 2023
よこすか さん
Hi-Fi RUSH
カラフルでポップな世界観と心地良いBGMの中で魅力的なキャラクター達が活き活きと動き回る作品。基本は爽快感のあるスラッシュアクションですが慣れてきてリズムに乗れるようになると目と耳と指、そして脳まで気持ち良くなれる戦闘が即非常に楽しい!! ストーリーに驚くような捻りはありませんが、素晴らしい音楽の支えもあり熱い展開が待っています。全てがテキトーな印象の明るい主人公と頭脳派のサポートというチグハグな即興チームが成長していく様子やキャラクター達の軽妙なやり取りも心地良いです。 スタートからラストまでとにかく爽快で最高に気持ちの良い作品でした!! 開発チームのみなさん、本作を紹介してくれた”ゲームなんとか”のHARUさん、ありがとう!!
Game of the Year 2023
paparapa さん
Hi-Fi RUSH
昨今のゲームを評価する際に、"オリジナリティ"はあるのか、無いのかという点が争点になることが多いと個人的には感じている。今年でファミコン誕生からちょうど40年。決して短いとは言えない歴史の中で、数多のゲームが誕生し、その中には"オリジナリティ"を持った作品も数多くある。しかし、2023年という時代において、真の"オリジナリティ"は存在し得るのか。無いとはいえないだろうが、やはり先行する作品からの影響というのは大きく、プレイヤーが遊ぶ作品を選ぶ際、既存のタイトルから経験したことがあるようなものを探してしまうし、未プレイの人に説明する際、「アレに似ている」、「あの作品に近い」などとわかりやすく説明しようとすればするほど、過去の作品との比較をするものだ。しかし、既存のゲームシステムの融合により、"オリジナリティ"は生まれるものでもあるということに気付かされた年であった。私の2023年GOTYは、「Hi-Fi RUSH」である。 本作の開発は、Tango Gameworksで、販売はBethesda Softworksから、XboxとPCでの発売となった。発表と同時に発売、Day1ゲームパスということもあり、リリース時から大きな話題になったのは読者の記憶にも新しいだろう。しかし、この手法だけで話題になったのではなく、このゲームはその"オリジナリティ"こそ、注目されたのだ。既存のスラッシュアクションにリズムゲームをブレンドするという点が本作の特徴である。どのようなゲームかを説明する際、非常に雑に語るとすれば、Devil May Cry×リズム天国となり、誰もブレンドしようとしなかったゲーム性こそが、本作の持つ最大の"オリジナリティ"である。 私がゲームを評価する際の基準としている項目が、4〜5点ある。1、ゲームプレイ。2、ビジュアル。3、音響、音楽。4、"オリジナリティ"。5、ストーリーがあれば、ストーリーとなる。 まず、1点目のゲームプレイに関して、見ていこう。ゲーム画面だけを見るならば、本作は3Dアクションゲームにしか見えない。だが、画面上に存在するもの、敵や背景、その全てがリズムを刻んでおり、そのリズムと攻撃や回避を同期させることで、コンボを成立させるというゲーム性を生み出している。文章や映像からでは伝わらないが、触っていて、動かしていて気持ちいいのである。手触りが良いアクションをリズムにノリながら繰り出していく、コンボの種類も豊富で操作して楽しいゲームだった。では、本作はリズム感が無ければ、楽しめないのかというとそんなことはない。まず、私が音感、リズム感ともに無いのだが、本作を楽しんで最後までプレイ出来たのが、何よりの証左である。リズムを無視して力技で押し切ることが出来るゲーム性も持っており、単純なアクションゲームとして楽しむことも可能である。アクションゲームの本質は、動かして楽しい、何よりもこの点に尽きるのではないだろうか。本作は正にそのような作品であった。 続いて、ビジュアル面はどうかというと。以前ほど、フォトリアルな画面が持て囃される時代ではないが、やはりビジュアル面を評価される作品は写実的なものが多い。しかし、本作は一見して分かるのだか、非常にポップでキャッチーなビジュアルである。最近のゲーム画面は暗く、見難いものが多いのだが、本作は徹底してポップである。アメコミ風のデザインだけでなく、某少年漫画のパロディを取り入れるなど遊び心もふんだんにある。その匙加減が絶妙である。この絵柄は、背景もリズムを刻むという本作に於いて、非常に素晴らしい役割を果たしており、ゲームプレイにも一役買っている。 本作の最大の特徴とも言えるのが、音楽である。リズムゲーム要素がふんだんに含まれる作品において、手の抜けない分野であることは間違いないのだか、オリジナル曲が素晴らしいのは勿論、採用されているライセンス曲のバラエティも素晴らしい。NINやThe Prodigy、Number Girlなど90年代オルタナティブロックファンには堪らない選曲であった。また本作では、ストリーマー向けにライセンス曲をオリジナル曲へ差し替えるモードがあるのだか、そのオリジナル曲がまた素晴らしい。原曲の特徴をよく捉えており、それぞれのバンドに対して、製作陣の愛情と敬意を感じられた。 一方でストーリーはというと、何かを考えさせられる、驚きの展開の連続というような、話の内容に軸足を置いたようなものではない。ご都合主義の連続であるのだが、主人公のその一本筋の通った真っ直ぐさで、プレイしながらプレイヤーが引っ張られていく、愛すべきバカによる王道の勧善懲悪である。変に子供っぽ過ぎず、大人びた話でもなく、全体的にさっぱりとした味付けになっており、万人が楽しめるような物語である。本作に於いて、ストーリーはゲームをプレイするための添え物であり、決して作品の核となる要素ではないので、ストーリー主体のゲームが好みな方にはオススメ出来ないだろう。 最後に"オリジナリティ"はというと、本作は"オリジナリティ"の塊である。一見、何の変哲もないスラッシュアクションにリズムゲーム要素をブレンドしたことによって体験出来るゲーム性は唯一無二なものである。既存の作品のメカニクスを組み合わせることにより、ここまで触れたこともない作品を生み出したことは感嘆せざるを得ない。各項目を分解すれば、"オリジナリティ"があるわけではないのだが、美しい足し算がこれまで体験したことのないゲームプレイを生み出している。 以上、その評価軸の全てに於いて高評価が出来る故に、2023年の私のGOTYとしたいと思う。
Game of the Year 2023
音亀HARU◆サウンドクリエイター◆ゲームと音楽とポッドキャストと さん
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
『よくこんな絶妙なゲームを作れたもんだ…』 と、プレイしながら何度思ったことか (your)GOTYに何を選ぶかは、人によっていろんな思い入れや判断基準があって選ぶだろうけれど、僕は2023年このタイトルを遊んだ時から「これは間違いなくGOTYにするだろう」という予感がしていた。 ゲーム全体のメカニクス、音楽、システム、効果音、演出、プレイボリューム、バランス、ワクワク、クリエイティビティ、などに加えて 前作からの変化、ターゲット層の広さ、あの物語、あの物量。 どれをとっても高水準。それでいて絶妙に 「やりすぎて無い」と思えるのがすごいところだと個人的には思う。 プレイしている中でほとんど「無駄」と思えるものがなく、 探索したりものを壊したり敵を倒せば何かしらアイテムが出るし、アイテムは投げてもいいし、スクラビルドで武器屋や弓の付加効果に使ってもいいし、料理に使ってもいいし、こんなに自分のクリエイティブ許容してくれる仕組みのオープンワールドがあったろうか。ある意味クラフトゲーよりクラフトゲーかもしれない。 自分の冒険の仕方によって集まったアイテムを次の冒険の中でどう使うかは自分のアイデア次第なのだ。 それに加えて、ゾナウギアという言ってみればレゴのようなパーツの組み合わせでいろんなものをクラフトできる仕組みも丸っと新規で入っている。 それを使ってくれと言わんばかりの広く探索しがいのあるフィールドもひらめきを試される祠も(人によってはうんざりしそうなほどw)ある。 任天堂の「遊びとは何か?」の全力が叩きつけられながらも、それが絶妙に押し付けがましくないのだ。気持ちいいようにこちらの好奇心を引き出されている感覚である。 惜しいところが思いつくとすればSwitchのスペック不足だけくらいしか思いつかないというのが逆に凄みである。 とはいえ現世代のゲームハードとして比較的非力なスペックのSwitchだからこそ生まれた抑制の効いた表現の数々なのかもしれない、と思わないこともない。少なくとも超大作なのに、そこまでとっつきにくくないというのは、ゼルダだけに限らないが本当に任天堂はそういう会社だなと改めて感じる。 任天堂の新たな金字塔になるであろう本作を2023年のmy GOTYとしたいと思います。
Game of the Year 2023
bAnjo さん
Bomb Rush Cyberfunk
『Bomb Rush Cyberfunk』は、20年以上前にドリームキャストで発売された『ジェットセットラジオ』に影響を受けまくったゲーム、いわば令和に蘇った『ジェットセットラジオ』だ。 トゥーンレンダリング調のグラフィック、独特なキャラクターデザイン、ストリートカルチャーへの愛など『ジェットセットラジオ』の雰囲気がほぼそのままと言っていいほど再現されている。 プレイヤーは、あることをきっかけにサイバーヘッドになってしまったグラフィティライターの”レッド”を中心に、仲間とともに”ニューアムステルダム”のストリートで名声を上げ、制覇するために街中にグラフィティを描き、スケートボードやインラインスケートなどでトリックを決めていく。 ゲーム内で挿入される音楽は、日本語チルホップ(これは地味に驚いた)やフューチャーファンクなどのモダンで表情豊かな楽曲が多数収録されており、『ジェットセットラジオ』シリーズの作曲家である”長沼英樹”さんも参加している。 操作感やアニメーションは『ジェットセットラジオ』シリーズに忠実ではあるが、現代の操作感にチューンアップされており、街滑りやグラフィティアクションが爽快で楽しい。ジャンプ後にもう一度ジャンプボタンを押すと前方に少しブーストができるなど、『ジェットセットラジオ』ではできなかった痒いところに手が届いている。 また、ストリートダンスの要素が加わっており、物語を進めることでヒップホップ、ハウス、ブレイキンなどのダンス(エモート)が習得できる。これを各エリアに複数設置されている”フロア”で行うと、仲間になったヤツらがゾロゾロと集まってきてキャラクターの変更ができるのだが、キャラクター変更後も皆各々のムーヴをしており眺めていて楽しい。サイファー最高である。 個人的な不満点は、終始ノリノリな雰囲気かと思いきや意外とシリアスな物語、警察との戦闘が面倒で不親切であることだ。 総評として、『Bomb Rush Cyberfunk』は、『ジェットセットラジオ』シリーズのファンや、ストリートカルチャーに興味がある人にとっては間違いなく楽しめる作品であるが、ほぼ『ジェットセットラジオ』であるがゆえに本作だけが持つ新鮮さや斬新さはあまり感じることができない。しかし、本作のようなゲーム自体が希少な存在なだけに今後も僕のマイベストゲームに残り続けることは間違いないだろう。 プレイ時間も比較的コンパクトなので興味があればぜひプレイしてみてほしい。 最後にセガさん、”真のジェットセットラジオ”待ってます。 ※TGAでジェットセットラジオの新作開発中とアナウンスされました。現場からは以上です。
Game of the Year 2023
ゆきぼう さん
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
約束された神ゲー。 この称号を発売前に賜ったゲームは世に数あれど、正真正銘の神ゲーだったことは殆どない。発売前に高まった期待値を超えていくということはそれほどに難しいタスクなのだ。 だが、ティアキンはそれをやってのけた。しかも、前作も「歴史に残る神ゲー」であったのにも関わらず、だ。 ブレワイが出た時、ここからオープンワールドのゲームのハードルが上がると思っていたのだが、あれから6年経ってもなお、その高みに上り詰めたゲームはついぞ現れなかった。形だけ、いくつかの要素だけ、見た目だけなど、手軽に真似できる部分を踏襲したゲームは数多く現れたが、ブレワイが提示した「どこでも踏破できてしまう主人公の性能と、どこから攻略してもゲーム的にもストーリー的にも破綻をきたさないレベルデザイン」を両立させることができたのは、2023年になってリリースされたティアキンただ一つだけだった。 しかも、地上マップこそ前作にプラスアルファしたものだったが、空、そして地底と、行ける場所は格段に広がり、リンクの新しい能力も踏破性を格段に向上されるものとなっており、実装したという事実だけでも奇跡の産物に見えてしまうほど凄い。さらに今作はクラフト要素も加わって、ユーザーのクリエイテビティを、前作にも増して刺激するという、信じ難い偉業をも成し遂げている。 もちろん難点もあることはあるが、それを吹き飛ばしてしまうほどに素晴らしい出来栄えで、6年待っただけのことはある、まさに「実在した約束された神ゲー」になったゲームだといえる。