みんなのGOTY

Game of the Year 2024
mam0ru さん
FALLOUT 76
今年公開になったFalloutのドラマのキャンペーンで無料配布されていたのをきっかけにプレイしました プレイを始めて約8か月ですが気が付けばこれまでの数年間でSteamでもっともプレイしたタイトルに迫るプレイ時間(700時間超)になっていました MORPGながら他プレイヤーとのやり取りは基本的にエモートくらいでその絶妙な距離感がとても心地よいです 他プレイヤーとがっつり絡むスタイルが好きな人もいると思いますが 気楽にプレイするにはこのくらいがちょうどいい この絶妙な距離感でみんなでやるクエストがとても楽しい クエスト準備中 みんなを こっちおいで のエモートであつめバフアイテムを使ったり 倒れた自分を助けてくれた相手に ハート のエモートを送ったり クエストクリアしたらみんなでサムズアップしたり そんなやりとりが楽しいです またビジュアルもとても綺麗で様々なロケーションがありますがどこを切り取っても絵になります ハマれば一生(サービスが続く限り)遊べるタイトルです
Game of the Year 2024
ティガレックス さん
ペルソナ3 リロード
ペルソナ5のUIをより向上した状態で。かつ、ペルソナ3のストーリーをそのまま移植した作品。 原作で不評だったシステムやシーンは添削 or 作り直しされ、ストレスも特に感じず。 幾度もリメイクを重ねている作品のおかげか、ATRUSの最高到達点を遊んでいる感覚さえありました。 クリア後は何とも言えぬ喪失感と充足感が満ちて、買ってよかったなぁとしみじみ。 他候補としてはメタファーやサガ2やSF6、エルデンDLCなどよぎりましたが、やはりP3Rがぶっちぎりでハマりました。
Game of the Year 2024
あしかわあしか さん
Inverted Angel
【ゲーム全体について】 Inverted Angel(以下、本作)は、噛み砕いて言えば、「知らん女が俺くんの彼女だと名乗ってインターホンを押してきたので、ドア越しに会話しながら相手の正体を探るゲーム」です。骨組みとしては、推理アドベンチャーのカテゴリに属します。  このゲームの最も大きな独自性の一つとして、ゲームの説明文にもある「あなたが入力した推理が"だいたいのニュアンス"で判定される」という点が挙げられます。 これは何かというと、例えば、先行作品のように、選択式ではなく、推理のターンに入ると入力窓が出現して、そこに推理を文章として自由入力でき、自然言語処理AIが文意を判定してくれる、というものです。 解答が選択式のゲームでは、本当に行き詰まったときはセーブ&ロードを駆使して総当たりすることも可能でした。(実際自分も何度かお世話になった) 一方で本作は、自由入力のため、自分でちゃんと答えにたどり着かないと先に進むことができない。 こう聞くとむずかしそうですが、自分の言葉で、自分の意思をゲームに介入させる、というプレイ感自体がとても面白いものですし、 およそ10〜12時間ほどでクリア可能なボリュームと、1000円しない価格からも、もし興味を持たれたら、あまり構えずに気軽にプレイしてみてほしい一作です。 【キャラクター】 本作で立ち絵があるキャラクターは、パッケージにもいる自称彼女の女の子(通称:彼女ちゃん)のみです。 「ゆめかわ系」のような服装で、勝手に彼女だと名乗っている点からも、いわゆる「ヤンデレ」か?と初めは思います。 しかし、会話を続けていくと、その印象は大きく覆るはずです。 『君は、自立と綺麗な対幻想とを両立しようとは思わないんだね』 彼女ちゃんは、哲学的な、難しい問いを幾度となくこちらへ投げかけてきます。 正直、この辺りは人を選ぶポイントではあると思いますが、一度ハマってしまえば、彼女ちゃんとの会話はとても面白い! 最初はもしかしたらくじけそうになるかもしれませんが、ぜひ彼女ちゃんの言葉に辛抱強く耳を傾けてみてください。 彼女ちゃん自身は、あくまで主人公(プレイヤー)との会話を楽しむために、あえてそうした難しい問いかけをしてきています。 こちらも楽しむつもりで挑んでみると、意外と面白いはずです。 【音楽・サウンド】 本作の音楽・BGM等は、全て作者の方が手掛けたものです。 本作は、「夜に、知らない女の人とインターホン越しに会話をする」という場面からほとんど動かないのですが、 それにも関わらず、BGMのおかげで、緊張感が高まったり、緩んだり、あるいはコミカルな雰囲気になったり… まるで場面がコロコロと変わるようで、とにかく飽きさせてくれません。 そして何より、本作の主題歌である『Inverted Angel』は必聴。 よくよく聴くと、実はゲーム中の効果音が曲の中に使われていたりします。ゲームクリア後に、じっくり聴いてみてください。 【シナリオ】 いわゆるマルチエンディング方式であり、ルートや選択によって、彼女ちゃんと主人公の関係性も大きく変わります。 推理ゲームなので、あまり深くは話せませんが、 ・彼女は何者なのか? ・彼女はなぜ、哲学的な問いをこちらへ投げかけてくるのか? これらを考えながら読み進めてみてください。 その方が、彼女との対話の夜も、楽しくなるはずですし、全てを終えたあとに迎える朝焼けは、きっと綺麗なはずです。
Game of the Year 2024
礻モネモ さん
In Stars And Time
「ミスをしたくない、もしもあの時やり直せたら、あの時のあの発言は不愉快だったろうか。そんな思いを少しでも抱いたことがある貴方へ」 舞台は魔王との決戦前夜。苦難を共に乗り越えた仲間たちとも決意を固め、ついに最終決戦が始まる......かと思いきや、自分だけがタイムリープをひたすら繰り返してしまう! 終わらない2日間を繰り返しながら世界を救う活路を見出すコマンドRPG。 この作品で特に衝撃を受けたのは、ゲームだからこそプレイヤーが直に味わえるタイムリープの苦しみです。ジャンケンを属性にした独自の戦略性を持つ戦闘システムはただの単純作業と化し、感動や笑い満ちた仲間との思い出は退屈な茶番劇へと色褪せてしまいます。楽しい冒険劇がどんどんと擦り減っていく苦痛が、タイムリープで疲弊していく主人公シフランの感情とリンクすることで、唯一無二のゲーム体験を得られるタイムループものの大傑作です。 前述した戦闘や仲間とのイベントは十分に面白いものなのですが、恐らくこの作品の核となるのは、それが記憶の中で風化していく悲哀と苦痛を抱えたシフランの巧みな心理描写の素晴らしさにあるのでしょう。そのまま出すだけで十二分に面白いゲーム体験をわざわざ繰り返させ、プレイヤーとシフラン双方にとって絶望のループに満ちた体験に変容させてしまう大胆さは、製作陣のこの作品に対する本気度を感じさせます。 作業と化したバトル、茶番と化した友情劇、苦痛にまみれたループを脱した先には、他では味わえない感動があること間違い無し。 自分はもともとコマンドRPGの作業感が好きな方ですが、今作に限ってはその作業感が苦手でRPGを敬遠しがちな人ほど逆に遊んでほしいかもしれません。 快適さを重視したユーザーフレンドリーなコンテンツが好まれる現代ですが、その逆を行くことで、これほどまでに苦難を乗り越える達成感を与えてくれる作品が生まれることに衝撃を受けました。 このゲームは決してテンポよく進みません。 ですが、他では味わえないゲーム体験を、ストーリーテリングを、必ず味わうことができます。 人に薦めるには少し迷う、それでもどうしても薦めてしまう、そんな作品です。
Game of the Year 2024
メガヌ さん
DROVA
小さめのオープンワールドを旅するアクションRPG。 斬新な何かがあるわけではないが作り込みは正義。とにかくどこを取っても出来がいい。 右クリックで注視が出来、これによって見えなかった足跡や隠し扉を発見することが出来る。 単純だがこのひと手間が能動的な満足感に繋がっている。探索が捗る捗る。 クエストにマーカー等は一切なく、注視やマップデザインによって自然に誘導されるように作られている。 クエスト自体の出来もよく、選択肢が豊富でそれによる結果の変化も多い。 長いものに巻かれながら要所要所で裏切って生き残る三下ムーブが捗ったが、これが出来るゲームは意外と少ない。 主人公は滅茶苦茶弱い。そこら辺のモンスターに囲まれるとボコボコにされる。 そのためトラップを駆使したりモンスター同士で争っている横から漁夫の利を得たりとずるい戦法が活きて楽しい。 全体的に素晴らしい作品だが、ドイツの学生数人で開発されている。 自分が学生の頃を思い出すと悲しくなってくる。
Game of the Year 2024
おやすみ さん
潮汐少女:現象
今年遊んだゲームの中で最も「推したい」ゲーム、それは「潮汐少女:現象」です。 個人的に、2024年は海外のインディーゲームが日本語訳されることに関心を寄せた一年でした。 「潮汐少女:現象」はそんな中で出会った、ビジュアルノベル作品です。 この作品はもともと英語、中国語(簡体字)のみで配信された作品でした。 リリースされてからわずか1ヶ月後、nicolith氏による翻訳がなされ、日本語版が遊べるようになりました。 物語の舞台は1,000年後の世界。 遠い未来の、少女達の学園生活が描かれています。 約1時間のプレイの中に、少女達の抱える不安定さ、巨大企業によって歪められた未来、現在と地続きのありふれた学園生活、物語の展開とともに疾走するオルタナティブ・ロック、日本のアニメへのリスペクトたっぷりなアートスタイル…と、これでもかと惹かれる要素が詰まっています。 特に印象的なのは、主人公の心理描写です。 「肉体は宙に浮いてる」「意識は声に沈んでる」…。 心に闇を抱えた彼女が、他人との交わりの中で何を感じ、考えて、どんな結末を迎えるのか、目が離せません。 日本語訳も物語のスピードに寄り添うような、直感的で、切れ味の鋭い素晴らしいものでした。 遊ぶにあたってのハードルが低いのも魅力です。 steamにて350円で販売、PCの要求スペックも高くありません。 ビジュアルノベルなので難しい操作も必要ありません。 このレビューをきっかけとして、沢山のプレイヤーに遊んでもらえたらいいなと思います。
Game of the Year 2024
ニス さん
アストロボット
私とアストロ君との出会いはそう、2016年まで遡る… まだアストロという名前さえ付いていなかったその頃、PSVRの無料ゲーム『プレイルームVR』で遊べるゲームの中の一つに『ロボットレスキュー』というものがあった。恐らくそれがアストロ君のデビュー作だ。 その時もVRの可能性に心躍ったものだが、私の心を完全に撃ち抜いたのは2018年にPSVR専用で発売された『アストロボット:レスキューミッション』だった。 生まれて初めてゲームを遊んだ時や、マリオ64を初めて触った時のあの驚きとワクワク。 そんな子供の頃の原体験を再び味わう事の出来る本当に素晴らしいゲームだった。 すまない。前置きが長くなってしまった。 アストロ君との再会は2020年、PS5を発売日に入手したその時だった。 そう、これまた無料のプリインストールゲーム『アストロズプレイルーム』だ。 「VR空間ではないけどまさかまた会えるなんて」と、思わず泣きそうになった。 これも無料のゲームとは思えないほどのクオリティで、もちろんトロコンするまで遊んだ。 しまった。まだ前置きだった。 今作は、アストロシリーズとして1作目ではないのにも関わらずタイトル名が『アストロボット』だけというサブタイトル無しの珍しいパターンだ。 逆に、満を持して感すらある。 初めてアストロ君を触る人にも持ってこいのタイトルだ。 さて、ここまで語ってきたわけだが私は今回このゲームの内容や面白さのレビューはもはや省略させていただく。 私が『アストロボット』を改めてすごいと思ったのはたった一つの理由からである。 それは、ゲームにまっっっっっったくと言っていいほど興味の無い私の妻が、 「このゲームは素晴らしい。なにこれ可愛い。ずっと見てても飽きない。よくこんなの思いつくな。アイデアがすごい。これは素晴らしい。過去イチだ。可愛すぎる。早く続きを見せろ」などと言ってきたのである。 私は心底驚いた。今まで私がどんなゲームを遊んでいても一切見向きもせず、「どれもみんな同じに見える」と言っていたあの妻が、しきりに素晴らしい素晴らしいと言っている。 私が愛してやまないアストロボットが8年の時を経てやっと『ゲームに興味のない妻』に認められたのだ。 もちろん自分が作ったわけじゃないけど、こんなに嬉しくて誇らしいことってあるだろうか? だってTeam ASOBIが『アソビ』を追求した結果、思わぬところからファンを生み出してしまったのだから。 更にすごいのは、アストロボットが【PlayStation30周年をお祝いするゲーム】だという側面は『ゲームに興味のない妻』に対して何のフックにもなっていないという事だ。その上での絶賛である。(ちなみに私にはフックが引っかかりすぎた。刺さりすぎた) Team ASOBIには本当にありがとうと伝えたい。 そして今、これを書いていて分かった事がある。 『ゲームに興味のない妻』が絶賛した時点で、『アストロボット』がTGA 2024でGOTYを受賞する事はきっと必然だったのだ。 アストロ君、我が家のGOTYも君に決めた!(とっくに決まってた!) PSVR2への凱旋いつまでも待ってるよ!
Game of the Year 2024
ねんじ さん
ファイナルファンタジーVII リバース
FF7リメイクシリーズの第二弾。 本作ではミッドガル脱出後のクラウドたちの活躍を描く物語であり、宿敵セフィロスを追いかけながら世界を股にかけて冒険していきます。 ストーリーとしては原作ファンであればオリジナルと比較して、より詳細に描かれるエピソードや、オリジナルとは異なる展開を見せるストーリーに一喜一憂できるでしょう。 また、オリジナルを知らずとも十分楽しめる内容となっていると思います。 1作目のリメイクをプレイしていなくても、総集編として映像で補完できるので前作未プレイでも大丈夫です。 ゲームシステムとしては、広大なフィールドマップにおける探索、様々なミニゲーム、コマンドとアクションを合わせた独特な戦闘システム、サブクエスト、どれをとっても前作リメイクから大幅に進化、スケールアップしています。 中でも今作のサブクエストと戦闘はよかったです。 オープンワールドのサブクエストはとかくおつかいになりがちであり、数をこなしていくうちに作業感が出てしまう。 その点、本作ではサブクエストにおいて、必ずメインキャラクターの誰かがバディとして関わり、そのバディに関連付けてサブクエストが進んできます。 サブクエスト自体がメインキャラの掘り下げにつながり、これまでは知りえなかったエピソードに触れることができます。知らず知らずのうちに各キャラクターへの愛着が湧いていくような気がします。 キャラクターが本当に生き生きとしています。キャラの言動が古い、やり過ぎとの評判もありますが、むしろそこがいいと思います。だってゲームですから。 グラフィックがリアルになるにつれ、キャラクターの動きも人間ぽくあっさりとしていく中、ゲーム的なあざとい仕草、オーバーリアクションをやってのけるのは最近では珍しいのではないかと思います。 個人的にはその部分にはゲームっぽさと、懐かしさがあり好きだなと感じました。 そしてコマンドとアクションを組み合わせた独自の戦闘システム。 戦闘においては有効的な攻撃をしないとその辺の雑魚に簡単に全滅させられます。ボスなら尚更です。 そこで重要になるのがFF7の根幹となるマテリアシステムと、仲間をどう動かすかという戦略性でした。かなりの強敵も一度戦い方を理解し、装備や戦略を組み立てていけば意外とあっさり勝てたりします。 うまく勝てたときの爽快さはかなりのものでした。 …と、まだまだ紹介したりないですが、長くなるのでやめます。 ミニゲームもメインやそれ以外のキャラのこともストーリーについても紹介したい!けどやめます。 2025年1月23日にPC版も発売されます。 これを期にもっと多くの人にFF7リバースの世界を体験していただきたい。 広大な世界で宿敵を追いかけ、仲間との信頼を深め、時にはなにしてんだこいつらと脱線したりしながらクラウド達の冒険を体験していただきたい!
Game of the Year 2024
こっけん(こっけんまる不在🐶) さん
ステラ―ブレイド
ハードSFの世界観をベースにネイティブという脅威に立ち向かう主人公イヴ。 物語は正直既視感は多少あれど、わかりやすい物語と魅力的なキャラクター達は好感触。 死にゲーとまではいかずともそれでも難しいアクションは、苦手な人でもリングによるウィークポイント表示でかっこいい技も繰り出せる爽快感。 NIKKE制作のシフトアップだけに露骨な描写も多々あるが、ニーアやベヨネッタのようなエロカッコよさを求める人にはとにかく推しです。 又、フォトモードやボスバトルの追加など、アプデも怠らずとにかく飽きさせない作りで、次世代機でプレイしたくなるゲームの一本だと思います。
Game of the Year 2024
たけお🎙️軽量級ゲーマーラジオ さん
ペルソナ3 リロード
幾度、この物語の結末を見たことだろう。 ペルソナ3は2006年にPS2オリジナル版が発売され、以降PSPリマスター版やマンガ、舞台、映画などといったメディアミックスが多く展開されている。シリーズのファンである私はその大多数に触れてきた。そのため、ストーリーのエンディングとそれに至るまでの経緯までを、かなり明確に覚えている。 にも関わらず、オリジナル版のリメイク作品であるペルソナ3リロードをプレイした一番の感想は、ストーリーが最高であったことだ。本当に良かった。そう感じるのは、この作品の映像表現や演出がとても素晴らしかったからだ。 映像表現として特筆するのは、ムービーのクオリティの高さである。ムービーには、テレビアニメのような2Dアニメーションと、ゲーム中で操作するキャラクターモデルが躍動する3Dアニメーションがある。要所にこれらが差し込まれることで、物語はより豊かに彩られていく。 特に良かった点は、これらのムービー間でキャラクターの表情差がほとんどないことだ。オリジナル版では、ゲームハードの性能上、2Dアニメと3Dアニメのキャラクター間で表情がどうしても異なるように見えていた。レトロゲームになじみのあるプレイヤーなら、パッケージや説明書のイラストをもとにキャラクターの表情を補完することは、当然の慣れ親しんだ行為かもしれない。ただ本作では、イベント中にムービーが切り替わっても、確かに同じ面立ちのキャラクターたちが物語を織りなしているのだ。 補完に割いていた頭のリソースは解放され、私がよく知り得たストーリーにも、さらにどっぷりと浸れた要因であった。 演出面では、本作から追加された仲間とのエピソードが、物語への没入感を加速させている。ペルソナ3以降のシリーズには、コミュシステムと呼ばれるものがある。主人公は物語に登場する様々な人たちと関係を築くことができ、交流を深める対象には仲間キャラクターも含まれている。 オリジナル版では、主人公と異性の仲間キャラクターと交流することができた。一方で、主人公と同性の仲間キャラクターはこのシステムの対象ではなかった。彼らとの交流はメインストーリーで語られるのみだったのだ。 そういった背景から、ペルソナ3は仲間同士の関係性が薄いストーリー、というのが語り草になっていた、と私は感じている。そんな評価を払拭するように、本作では仲間全員、一人一人に対して、特別なエピソードが追加されている。 この追加エピソードによって、物語の結末へ至る過程には仲間たちと過ごす日常が確かにあったこと、それがより鮮明に、色濃く演出されている。非日常を駆けるのが主体だからこそ、この演出は本当に良いスパイスだったと感じている。 また、エピソードの内容によっては、展開済のペルソナ3派生作品とリンクしているものもあり、シリーズ間の整合性やつながりを感じるものとなっていた。ファンであればクスッとほくそ笑むようなものも含まれており、非常に満足できる追加要素であった。 令和の時代に再装填された本作のストーリーは、最新ハードの性能を十二分に生かした映像表現と演出を引っ提げて、18年前の平成の時代に生まれた作品をより細部まで、鮮やかに語るものとなった。往年のペルソナシリーズファンはもちろん、普段RPGを好んでプレイする方、少年少女の青春や葛藤を描くジュブナイルストーリーに目がない方には一押しのタイトルだ。 魅力的なキャラクターたちが紡ぐストーリーの結末は、ぜひあなたの目で確かめてみてほしい。 ところで、私はこのゲーム、ひいてはこのペルソナシリーズの音楽が、とても好みである。 ライブイベントがあれば欠かさずチケットを購入するぐらいには、とてもとても好みである。 その音楽の良さについても語りたい。 が、楽曲の良さを形容する語彙や文章表現を、私は持ち得ていない。 それらをしまう引き出しが壊れている。 いやむしろ、引き出しなんて最初からなかったのかもしれない。 ゆえに、是非、是非に検索して視聴してほしい。 Spotifyで「アトラスサウンドチーム」と検索すれば、とても幸せな空間があなたを待っている。 これを最後に力強く推させていただきたい。