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Outer Wilds

Game of the Year 2024
にしらぎ|スーパーゲームバカ🎮 さん
Outer Wilds
ループ1回目 新米宇宙飛行士の僕は焚き火の前で目が覚めた。 これから始まる長い長い旅の相棒となる宇宙船は既に整備済だ。 博物館の館長から教えてもらった発射コードを頭に叩き込み、一通り見学を済ませた頃、一際目立つ場所に展示されている彫像の眼が一瞬光るのを僕は目にした。 「今のは一体なんだったんだ…?」 疑問を抱いたまま僕は宇宙船に乗り込み、拙い操縦で近くの惑星である『脆い空洞』へ降り立った。 シグナルスコープに反応があり、あたりを探索すると謎の脱出ポッドを発見した。 救急信号が発せられているのはここで間違いないが、人の姿はない。 ポッドから伸びているコードの先を伝っていくと、我々の文明では考えられない程巨大な宇宙船の残骸を発見。 船内から地下へと続くハッチを開け、足場に気をつけながら崖を下っていく。 手元の翻訳機で壁に刻まれた文字を解読すると、以前この地に降り立った探索者(Nomai)達の言語だった。 途中、解読した文字にはこう書かれていた。 「ここは火山月による落石が多く危険な為、北の氷山を目指す。」 おそらく仲間宛に書いたメモだろうが、当然この辺りには僕ただ一人しかいない。 北の氷山には何かがある。 根拠一つない、ただの好奇心から北へ進むことを決めた。 『脆い空洞』という名前だけあって、この惑星の地面にはところどころ裂け目が開いており、今にも崩れ落ちそうだ。 隙間を覗いたその先の空間はひどく歪んでおり、中心部にはブラックホールが確認できた。 絶対に落ちてはならない。こんなところで宇宙飛行士人生が終わってたまるか。 そんなことを考えながら北の方角へ進んでいると、何やら奇妙な鉱石を見つけた。 辺り一面に点在するその鉱石は紫色にぼんやり発光していて、付近には重力場が発生している。 その重力の向きを見極めることで、壁や天井を伝って歩くことに成功した。 本当の地面がどこなのか分からなくなりつつも先に進んでいったが、ついには行き止まりにぶつかってしまった。 自分の身長と同じくらいの壁の向こうには氷山らしきものがかすかに見える。 自分の跳躍力を信じて無理やり飛び越えようとしたが、あっけなく失敗。 勢い余って奈落へ落ち、惑星の中心にあるブラックホールに飲み込まれてしまった。 走馬灯を眺める間もなく飲み込まれたその先は、見覚えのない宇宙空間だった。 幸い、宇宙服に搭載されている船外活動用のジェットパックを使うことで、手の届く衛星まで辿り着くことができた。 翻訳機によると、ここはホワイトホールステーションという名前の建造物で、自分と同じようにうっかりブラックホールに落ちてしまった愚かな探索者への救済として作られた場所らしい。 機構を動かすことで先程まで歩いていた『脆い空洞』へ難なくワープすることができた。 しかし、同じ星とはいえ元いた場所とは全く異なる場所に降り立ってしまい、宇宙船も見当たらない。 あてもなく探索しているうちに、太陽がみるみる赤くなっていく。 やがてまばゆい光とともに大爆発を起こし、一度目の探索は終了した。 これは、今後も繰り返される“22分”という太陽系消滅までのタイムループの中で起こった、たった一つのゲーム体験であり、次の瞬間、僕は再び焚き火の前で目を覚ますことになる。 次の22分間で、あなただったら何をする?
Game of the Year 2024
ヒロ@ライトゲーマー さん
Outer Wilds
Outer Wildsは2020年6月にリリースされた、オープンワールドのSFアドベンチャーです。プレイヤーはOuter Wilds Venturesの新米宇宙飛行士として、20分でタイムループする恒星系を調査する任務に採用されます。その中で先輩達の足跡を追って話を聞き、古代エイリアンであるnomaiの記録を読み解くことで、この恒星系に何が起こっているのかに迫っていく…というのがこのゲームの大まかなアウトラインです。 独創性が非常に高く、クリアに至るまで全編を通して試行錯誤、考察を繰り返すことが求められます。ですので、謎解きや考察が好きであったり、探索すること自体を楽しめる方にはぜひプレイしてもらいたい、唯一無二の体験ができるゲームです。 さて、Outer Wildsの魅力を語るにあたってまず伝えておきたいのは、このゲームが決して万人受けするゲームではないということです。 ゲームを始めたばかりのころ、操作に慣れないうちは何度も不慮の事故に遭います。無重力空間では思ったようにコントロールできないことが多く、見えている危険地帯にうっかり突っ込んだり、勢いよく地面に激突したり、はたまた探査船で飛び立ったとたん太陽にダイブしたり……ちょっとしたことで簡単にリスタートとなる設計に心が折れてしまうプレイヤーもいるでしょう。 また、特に序盤においてのガイドが十分ではない点もハードルを高くしています。おそらくOuter Wildsのことを素晴らしいゲームだと評価する人でさえも、「始めの数時間は何をすればいいのか、何を楽しめばいいのかもよくわからなかった」ということが多いのではないでしょうか。 具体的に説明していきます。 ゲームをスタートさせると、プレイヤーは焚き火の前にいます。何の説明もありませんが、とりあえずNPCとの会話で、どうやら今日は自分が宇宙飛行士として飛び立つ日らしいことがわかります。周囲を探索してなんとか探査船で飛び立つものの、探索の指針らしきものは明確に提示されていません。手近な星を調べても断片的な情報が手に入るばかり。そして明確な指針もないまま他の星々の探索を続けますが、なかなか目的や全体像が把握できません。 このように、本作では「どこへ行って何をするか」が終始プレイヤーの手に委ねられています。非常に自由度が高い一方、ある程度進行するまでその魅力を理解しにくくなっています。 私も始めの4時間ぐらいはこのゲームの本質的な面白さを全く理解できないで「無重力空間での動作が妙にリアリティあるな!難しいけど動かしてて楽しいぞ!」ぐらいしか考えていませんでした。 しかし、これらのとっつきにくさは本作の『主人公=プレイヤー』という仕様と自由なプレイングを重視した結果、遊びやすさとトレードオフとなって現れてしまったものだと思います。 本作においてプレイヤーは新米飛行士として宇宙を調査する任務に採用されています。当然探査船の操作にはまだ不慣れで、宇宙はまだまだわからないことだらけ。Outer Wilds Venturesの先輩たちも伝えるべき情報はわずかしか持っていません。 これでは「まずあそこに行ってこれをしましょう」といった指示は出しようがないわけで、プレイヤーが自分で立てた指針に沿って探索を行うことになります。つまり、あの星はどんなところで何があるんだろう、この恒星系に何が起こったんだろう、という好奇心や探究心がゲームプレイの原動力になるわけです。 もちろん、ゲーム的に丁寧なガイドを作ることは可能でしょう。しかしそれは不自然さを感じさせ、ゲーム特有のご都合主義を浮き彫りにしてしまいます。 そう考えると、操作が難しいこともガイドが不親切なことも、新米飛行士の置かれた状況をリアリティをもって描くためにあえてそのように作られたのだ、と個人的にはそう感じました。 一方で、中盤あたりからの探索と発見、そして気付きから次の探索へと連鎖する途切れることない濃密なプレイ体験は、やめ時を見失って睡眠時間を圧迫すること請け合いです。 本作は探索がプレイの中心でありながらインベントリの概念がありません。持ち物はフラッシュライトと音を探知するシグナルスコープ、そしてnomaiの翻訳機だけです。何かを持ち運ぶことはありますが、アイテムとして手に入れることはありません。 では探索して得られるのは何か?それは「情報」です。 何度もループ繰り返しながらプレイヤー自身がこの宇宙に関する知識を積み増していきます。主人公は何も考えても思いついてもくれません。考えるのはプレイヤーの仕事です。様々な星の遺跡、墜落したシャトル、Outer Wilds Venturesのメンバーから得られる細切れの情報。それらを組み合わせることで、過去に起こったことを推察し、現地へ赴いて確認、あるいは実証し、そして新たな情報を知り、別の気づきが起こる。このようなサイクルが、先述した「好奇心がプレイの原動力である」という点と強く噛み合って、加速度的にプレイヤーを作品世界にのめり込ませていきます。 こうして20分という短いループから辞めるタイミングを見失った多くのプレイヤーの睡眠時間を圧迫しながら、物語は予想もしなかった結末にたどり着きます。 さて、ここでもう一つ、本作で一貫して描かれている重要なことに触れておきたいと思います。 それは宇宙を含む自然に対して人ができることはごく限られたことに過ぎないということです。 本作に登場する星々は非常に特徴的で、それぞれが主人公の属する種族にとってもnomaiにとっても過酷な自然環境を備えています。巨大な竜巻に探査船が巻き込まれて宇宙空間に放り出されたり、隕石で地表が崩れたり、砂に埋もれて押しつぶされることもあります。このような自然現象に対して主人公ができることはありません。ただただ翻弄されるのみです。いうまでもなく太陽の熱や強大な重力、ブラックホールにはなす術もありません。 そこには自然や宇宙への畏敬の念が表れていて、これもまた本作に通底するテーマだといえるでしょう。 この過酷な宇宙で、主人公にできることはわずかしかありません。それでも何度もループしながら宇宙の謎に挑み続けたその姿勢、そしてついにたどり着いた結末は、届くはずもないと諦めずに手を伸ばし続けることで得られるものがあると教えてくれるのではないでしょうか。 繰り返しますが、本作は誰にでもオススメできるゲームではありません。発売から時間も経っており、新作ゲームに比べればグラフィックが非常に美麗とも言えません。また、強い信念に貫かれたゲームデザインによって非常に尖った作品になっています。しかし、だからこそ他のゲームにはないプレイ体験をもたらしてくれる。そんな唯一無二のゲームがOuter Wildsである。そう思います。 もし、このレビューを読むことで興味を持っていただけたなら、(少し覚悟を持って)一度プレイしてもらえれば嬉しく思います。
Game of the Year 2022
Ochi-napo@54歳でゲームと模型 さん
Outer Wilds
とにかく、ネタバレ厳禁のゲームなんです! ゲームの核心部分が分かった状態であればゲームスタートからクリアまでRTAしたら30分位しかかからんはず。 ですので、おいそれとゲームの中身のレビューなんて怖くて書けません。 そうは言っても、ここでレビューを終了させる訳にもいきませんのでゲームプレイ中に流れる音楽の話をしましょう。 このゲームの音楽がどれくらい素晴らしかったかと言うと、 ①妻と私夫婦はこのゲームのサントラを毎晩聞きながら眠りにつく習慣が出来ました ②作曲者のアンドリュープラーローさんのTwitterアカウントをフォローしました ③同じくアンドリュープラーローさんのFacebookアカウントにフレンド申請しました(リアクションなし) ④メインテーマ曲をアコギでコピーしました それくらいの気持ちにさせます。 はっきり言って凄いです。 レビュー終わり!!
Game of the Year 2022
槻市灯代(つきいちひよ)🪐 さん
Outer Wilds
いつからか、何もするにも 「早く答えが欲しい」 と思うようになった。 コンテンツを見るにも、 体験に時間を割く価値があるのかどうかを レビューを確認して判断し、 ご飯を探すなら食べログを開き、 ゲームは少しでも詰まれば 攻略サイトを見るようになった。 情報が増えすぎてしまい、 「答えを得る事が容易」 になったそんな最近に、 私はこのゲームに出会った。 ループもの、宇宙ものというフレーズに惹かれ、 ゲーム好きな友達に 「なんかおもろいゲームあるからやろうよ」 と声をかけて集まり、 酒を飲んでわいわいしながらゲームスタート。 始まって30分、皆無言になっていた。 あまりにも導線がない、 何をすればいいか分からない、 誰も何も教えてくれない。 ついにはそっと電源を切り、 失敗だったねなんて言いながら その日は飲み食いに集中した。 解散後、どんなストーリーなのかだけでも見ておくか……とゲームのレビューを調べてみると、出てくるサイトはどれも 「自分でやることに意味がある!」 と言っていた。 クリアした先輩方は皆 「最初は耐えろ」 「くまなく調べろ」 「メモを取れ」 と熱弁し、 最後はみな、口を揃えて 「攻略を見るな、自分でやれ」 と言っていた。 この情報社会では、意図的に遮断しないと答えが勝手にやってくる。 このゲームも、少し調べればゴールへの道筋を簡単に得ることができる。 だが、このゲームは、 情報を見ることで全てが台無しになる。 何よりも、 「自分で見つける」 事に価値があるのだ。 インターネットを閉じ、 Twitterをミュートし、 完全に情報を遮断し、 メモをとり、 隅々まで歩き、 自分でとことん考える。 このゲームの本当の良さは、 それでしか味わえないのだ。 しかし、私は既にこの情報社会に侵されてしまっていた。 体験に価値があることを知ってもなお、 私はすぐにギブアップして、 攻略サイトを見てしまった。 そして、結末を知り、 本気で後悔した。 自分で見つけなかったから、 前代未聞の感動も無くなってしまった。 YouTubeで実況を見ると、 みな自分で答えを見つけ、 私が得られなかった感動を得ていた。 それがとにかく悔しかった。 情報に価値があるこのゲームは やらなかった頃には戻れない。 体験と情報は、不可逆なのだ。 ただ、このゲームに出会い、私は 「自分で見つけた時の感動」 を思い出した。 小さい頃、 友達と、どこにたどり着くか分からないまま真っ直ぐ進んだあの日のワクワク。 裏路地で何かを見つけた時の感動。 大人になって失ったあの心は 奪われたのでは無く、 自分が捨てていたのだ。 相変わらず、私はご飯に行く時は食べログを開いている。 しかし、たまにだけれど、 携帯を閉じて歩くようになった。 ただの散歩に終わってもいい。 入った店がまずくてもいい。 「自分で探す、自分で見つける」 それでしか味わえない感動があることを、 このゲームが教えてくれたからだ。 他のどんなゲームにも無い、 自分を省みて価値観を揺るがせる そんな体験をさせてくれたこのゲームが、 私の今年のYour GOTYだ。
Game of the Year 2021
町田カプセル@1月5日より営業再開! さん
INSCRYPTION
一見するとホラー風Slay the Spireといった風情だが、その実態はビデオゲーム史に名を残すであろう革新的かつ意欲的な怪作であった。 既に多方で散々いわれている事だが、本当に、一切情報を入れずにプレイして欲しい。 2000円弱で体験できるエンターテインメントとして年間を通じて最上のものであったため、個人的GOTYとした。
Game of the Year 2021
こへい|流行りモノ通信簿・ゲームなんとか さん
バイオハザードヴィレッジ
詳細はゲームなんとか本編にて。 https://open.spotify.com/episode/0nGsYlGCDJkIYaNT3HLY5r?si=BQoVzE0VRt2ovdzj3Gy1pA