いつからか、何もするにも
「早く答えが欲しい」
と思うようになった。

コンテンツを見るにも、
体験に時間を割く価値があるのかどうかを
レビューを確認して判断し、

ご飯を探すなら食べログを開き、
ゲームは少しでも詰まれば
攻略サイトを見るようになった。

情報が増えすぎてしまい、
「答えを得る事が容易」
になったそんな最近に、
私はこのゲームに出会った。

ループもの、宇宙ものというフレーズに惹かれ、
ゲーム好きな友達に
「なんかおもろいゲームあるからやろうよ」
と声をかけて集まり、
酒を飲んでわいわいしながらゲームスタート。

始まって30分、皆無言になっていた。
あまりにも導線がない、
何をすればいいか分からない、
誰も何も教えてくれない。
ついにはそっと電源を切り、
失敗だったねなんて言いながら
その日は飲み食いに集中した。

解散後、どんなストーリーなのかだけでも見ておくか……とゲームのレビューを調べてみると、出てくるサイトはどれも

「自分でやることに意味がある!」

と言っていた。


クリアした先輩方は皆

「最初は耐えろ」
「くまなく調べろ」
「メモを取れ」

と熱弁し、
最後はみな、口を揃えて

「攻略を見るな、自分でやれ」

と言っていた。


この情報社会では、意図的に遮断しないと答えが勝手にやってくる。
このゲームも、少し調べればゴールへの道筋を簡単に得ることができる。

だが、このゲームは、
情報を見ることで全てが台無しになる。

何よりも、

「自分で見つける」

事に価値があるのだ。

インターネットを閉じ、
Twitterをミュートし、
完全に情報を遮断し、
メモをとり、
隅々まで歩き、
自分でとことん考える。

このゲームの本当の良さは、
それでしか味わえないのだ。

しかし、私は既にこの情報社会に侵されてしまっていた。
体験に価値があることを知ってもなお、
私はすぐにギブアップして、
攻略サイトを見てしまった。

そして、結末を知り、
本気で後悔した。

自分で見つけなかったから、
前代未聞の感動も無くなってしまった。

YouTubeで実況を見ると、
みな自分で答えを見つけ、
私が得られなかった感動を得ていた。

それがとにかく悔しかった。

情報に価値があるこのゲームは
やらなかった頃には戻れない。
体験と情報は、不可逆なのだ。

ただ、このゲームに出会い、私は
「自分で見つけた時の感動」
を思い出した。

小さい頃、
友達と、どこにたどり着くか分からないまま真っ直ぐ進んだあの日のワクワク。
裏路地で何かを見つけた時の感動。
大人になって失ったあの心は
奪われたのでは無く、
自分が捨てていたのだ。


相変わらず、私はご飯に行く時は食べログを開いている。
しかし、たまにだけれど、
携帯を閉じて歩くようになった。

ただの散歩に終わってもいい。
入った店がまずくてもいい。
「自分で探す、自分で見つける」
それでしか味わえない感動があることを、
このゲームが教えてくれたからだ。

他のどんなゲームにも無い、
自分を省みて価値観を揺るがせる
そんな体験をさせてくれたこのゲームが、

私の今年のYour GOTYだ。
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こっちは攻略サイトを見ずにがんばりました。
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猫が可愛い。
ただひたすらそれに尽きるんだけど

機械と生き物の交流ってのが結構性癖で、
アイアンマンとかタイタンフォールとか
結構好きなんだけど、

本作は
「AIと猫」(語弊あり)
の交流が見られる。

データが発する哀愁を、
聞いてるのか聞いてないのか分からない猫が
横で佇んでいる。

案外真面目に聞いてない方が、
悩みは緩和されるのかな、
とか思ったりしました。

アニマルセラピー。
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始まった瞬間に「あ、好き」となりました。

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