丸もちのGOTY
GAME OF THE YEAR
ドラゴンクエストI&II
丸もちのGOTY
GAME OF THE YEAR
ドラゴンクエストI&II

GAME OF THE YEAR
ドラゴンクエストI&II
 皆さんご存知ドラゴンクエストシリーズの原点であるⅠとⅡをHD-2Dでリメイクした作品である『ドラゴンクエストI&II』。

 本作の感想を語る前に私のドラクエ遍歴について簡単に述べておく。初めてドラクエに触れたのは小学校低学年の頃、普段ゲーム否定派である父が大学生時代にプレイしていたとのことで珍しく買ってくれたWii版の『ドラゴンクエストI・II・III』を兄がプレイしている横で付属していた攻略本をボロボロになるまで読み込んでいた。その後は3DS版『XI』や、昨年の『III』HD-2Dリメイクを経て、ロトシリーズの物語をすべて把握した上で本作をプレイした。その私が感じたことを述べていきたい。

 まず、戦闘面について述べていく。特筆すべきは、オリジナル版にはなかった要素の追加により、戦闘の選択肢が格段に増えたことだ。特に『I』においては、原作の「1対1」から「1対複数」が基本へと変更されている。これにより、単に「たたかう」を連打するだけでは雑魚敵相手でも苦戦を強いられるようになった。しかし、これが理不尽かと言えばそうではない。ボス戦においては相手の攻撃パターンや弱点を把握し、適切な特技や呪文によるバフ・デバフを差し込むことで優位に立ち回ることができる。死んで覚え、対策を練って挑むその手触りは、まさに「JRPGソウルライク」と呼ぶにふさわしい緊張感と達成感があった。また、この戦略性の向上のおかげで、レベル上げという単純作業をそこまで強制されなかった点も、現代のゲームとして非常に快適だった。
 続いて、探索面について。本作では、探索によって「呪文と特技の巻物」という新要素が入手できる。これにより「レベルアップで強くなる」だけでなく、「世界を隅々まで歩くことで強くなる」という新たな動機づけが生まれた。個人的に嬉しかったのは、昨年の『III』リメイクのクリア後要素であったような、ちいさなメダル等の収集要素がほぼ必須ではなくなった点だ。義務感や作業感の強い探索が減り、純粋に冒険としての探索を楽しめるバランスに仕上がっていた。
 最後に、物語について触れたい。ここからはネタバレを含むため、未プレイの方は注意してほしい。










『I』『II』ともに、オリジナル版では語られなかった出来事への「理由付け」や補完が丁寧になされており、物語の解像度が圧倒的に上がっていた。オリジナル版の内容を熟知しているからこそ、まさかこう来るとはと驚かされる意外な展開も用意されており、懐かしくも新しい体験ができた。そして何より本作のストーリーを評価するうえで欠かせないのが、『II』の真エンディングである。これがロトシリーズの全てを総括する、見事な結末だった。あの結末を見た瞬間、小学生の頃、ドラクエに触れたことで始まったロトの勇者との私の旅が、最高の形で報われたと感じた。

 過去の思い出を大切にしつつ、それを超える感動を与えてくれた本作を、私のGOTYとしたい。
 
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ゲーム概要

継がれゆく、ロトの意志。
from Steam

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