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ドラゴンクエストI&II

Game of the Year 2025
こわび さん
ドラゴンクエストI&II
私は、ドラゴンクエストに関してどうにもできない悔しさを一つだけ持っていた。それは、ドラゴンクエスト1、2、3の順番でプレイできなかったということだ。  人生の諸先輩方は皆、口を揃えて言う。「DQ3で〇〇〇〇〇〇(名称は一応伏せます)に行った時の感動はすごかった」と。私が初めてプレイしたドラクエはSFCの3。生まれた年にFC版の3がでており、どうやってもネタバレせず1、2、3の順でプレイすることは困難だった。年を重ねるごとに、1、2、3とプレイした人の初めての感動は凄かったんだろうなと羨ましさが募っていった。  そんな中、昨年DQ3のリメイクが発売。ロトシリーズリメイクにあたり、開発者の堀井雄二さんから、「3、1、2とプレイすることに意味がある」「クリア後に驚きがある」といった発言。こ、これは、自分がロトと改めて向き合う機会を用意してくれた!  そこからはワクワクが止まらない。昨年3をプレイし、My GOTYとなる感動を味わった。今年は満を持して1&2を購入。  3では妻と息子二人共に冒険したが、1は一人旅。初めてまず感じたことは、ストーリーがしっかり作られている!FC版等では語られなかった細かな点や、追加されたイベントシーンなどが数多く追加されている。しかしそこに無理やり感を感じることはあまりなく、加筆、肉付けをしっかり行っている印象。それでいて、橋を超えると急に強くなる敵や、「ゆうべは・・・」といった以前からの要素はしっかりと用意されており、全滅したのにニヤリとしてしまう。追加要素の多くに、昨年3をプレイしたからこそ楽しめる要素が多々あり、1をプレイしている時点で2が楽しみでたまらない状態!  りゅうおう戦を前に、兜を取り逃すアクシデントがあったが、無事装備を整えりゅうおうを討伐。エンディング迎え、2を開始。はじめは幼い勇者の末裔たちが、冒険を通じて勇者へと成長する物語がしっかりと作りこまれており、どんどんストーリーに引き込まれていく。そして今回は色々なところで「はい」「いいえ」を迫られる。しかも、どーせ「はい」を選ぶまでエンドレスで質問されるんでしょ?とは思えない内容が多く、選択の時に迷うことが多々あった。もしかしたらどちらを選んでも同じなのかもしれないが、「自分がストーリーを決めている」感をとても感じることができた。  ちなみに、リメイクの2は4人パーティで、サマルトリア王家は兄妹で参戦。名前を自分でつけることができたため、ローレシアは自分、ムーンブルクは妻、サマルトリアは長男と次男の名前でプレイ。一人性別が違うが、お調子者という点で一致している為気にしない。  3プレイ時は子供を親がサポートするスタイルでプレイしたが、今回は攻撃するしか能がない父を家族がサポートするスタイル。妻からバイキルト、次男から応援された父はもはや無敵。傷ついても長男がすぐにベホマしてくれる。家族一致団結し、妻の祖国を滅ぼしたハーゴンを倒すべく旅を進める。  そして冒険の末、無事エンディングを迎える。「クリア後の驚き」に関して詳細は伏せるが、私は泣いた。昨年プレイした3で感じた感動があったからこそ、この「クリア後の驚き」への感動は数倍に膨れ上がったといっても過言ではない。1つの壮大なドラマを見終えたような満足感だった。  このレビューをみて少しでも興味がわいた方がいれば、是非3、1、2の順でプレイし、感動を味わってほしい。そうでないと、きっと過去の自分と同じ悔しさを味わってしまうと思う。  ドラゴンクエストと出会ってから29年。私のロト3部作はようやく完結を迎えることができた。ドラゴンクエスト、本当にありがとう。来年はドラゴンクエストと出会った30周年。ドラゴンクエストは40周年を迎える。これからも、どうぞよろしくお願いします。
Game of the Year 2025
丸もち さん
ドラゴンクエストI&II
 皆さんご存知ドラゴンクエストシリーズの原点であるⅠとⅡをHD-2Dでリメイクした作品である『ドラゴンクエストI&II』。  本作の感想を語る前に私のドラクエ遍歴について簡単に述べておく。初めてドラクエに触れたのは小学校低学年の頃、普段ゲーム否定派である父が大学生時代にプレイしていたとのことで珍しく買ってくれたWii版の『ドラゴンクエストI・II・III』を兄がプレイしている横で付属していた攻略本をボロボロになるまで読み込んでいた。その後は3DS版『XI』や、昨年の『III』HD-2Dリメイクを経て、ロトシリーズの物語をすべて把握した上で本作をプレイした。その私が感じたことを述べていきたい。  まず、戦闘面について述べていく。特筆すべきは、オリジナル版にはなかった要素の追加により、戦闘の選択肢が格段に増えたことだ。特に『I』においては、原作の「1対1」から「1対複数」が基本へと変更されている。これにより、単に「たたかう」を連打するだけでは雑魚敵相手でも苦戦を強いられるようになった。しかし、これが理不尽かと言えばそうではない。ボス戦においては相手の攻撃パターンや弱点を把握し、適切な特技や呪文によるバフ・デバフを差し込むことで優位に立ち回ることができる。死んで覚え、対策を練って挑むその手触りは、まさに「JRPGソウルライク」と呼ぶにふさわしい緊張感と達成感があった。また、この戦略性の向上のおかげで、レベル上げという単純作業をそこまで強制されなかった点も、現代のゲームとして非常に快適だった。  続いて、探索面について。本作では、探索によって「呪文と特技の巻物」という新要素が入手できる。これにより「レベルアップで強くなる」だけでなく、「世界を隅々まで歩くことで強くなる」という新たな動機づけが生まれた。個人的に嬉しかったのは、昨年の『III』リメイクのクリア後要素であったような、ちいさなメダル等の収集要素がほぼ必須ではなくなった点だ。義務感や作業感の強い探索が減り、純粋に冒険としての探索を楽しめるバランスに仕上がっていた。  最後に、物語について触れたい。ここからはネタバレを含むため、未プレイの方は注意してほしい。 『I』『II』ともに、オリジナル版では語られなかった出来事への「理由付け」や補完が丁寧になされており、物語の解像度が圧倒的に上がっていた。オリジナル版の内容を熟知しているからこそ、まさかこう来るとはと驚かされる意外な展開も用意されており、懐かしくも新しい体験ができた。そして何より本作のストーリーを評価するうえで欠かせないのが、『II』の真エンディングである。これがロトシリーズの全てを総括する、見事な結末だった。あの結末を見た瞬間、小学生の頃、ドラクエに触れたことで始まったロトの勇者との私の旅が、最高の形で報われたと感じた。  過去の思い出を大切にしつつ、それを超える感動を与えてくれた本作を、私のGOTYとしたい。