黄金比や白銀比のような、均等の幾何学のような、数学的な美しさにも近いものを、美しいテンプレートは持っています。
さらに、テンプレートの上に乗る要素が、極上のクオリティであれば、それはもう「美」そのものです。
METAPHORの序盤を進めるうちに感じたのは、そんな様式美の美しさでした。
ペルソナの制作スタッフが手がけた完全新作、という謳い文句をこれ以上ないほどゲーム内で体感させてくれます。
ちょっとこれは、ペルソナ過ぎないか!? という展開が、様式として美しく、そして面白い。
個人的には新しい挑戦が好きです。ゲームには、新しい刺激を求めていると言ってもいいでしょう。
新規IPに求めるものと、続編に求めるものというのは、明確に差があるかとも思っています。であれば、このMETAPHORにわたしが最初求めていたものとのギャップは、ものすごいものです。
では、ペルソナのような芳醇な物語を語る上で醸成されたフォーマットを、「使わない」というのが正しい手なのか、とMETAPHORを進めていくほどに考えました。
なぜなら、それほどにこのゲームが止められず、面白いと感じてしまっていたからです。
美しいテンプレートに、新たな要素を散りばめて語られる、現代と呼応するようなハイファンタジーな世界観と、優れたゲームバランス。
やっぱり、美しい。
既視感なのだが、クリエイターは決して楽をしていない。
むしろ、覚悟しか感じられない。
上辺だけをなぞって見ていたのは、自分のほうじゃないかと恥じるほどに。
伝統芸能のように残っていくものが、ゲームの世界にあってももちろんいいんじゃないか。近代の歴史の短さを思えば、そんなことを思わせてくれる、個人的にものすごいマスターピースな一作でした。