「逃げないこと」「向き合うこと」
子どもの頃、スーパーファミコンでRPGに出会い「行き止まりを漏らさずチェックし、隠し通路を丹念に探す」楽しみを知りました。学業でゲームから離れ、再び戻ってきたのはWiiや3DS。
そしてPCへと至り、これぞ探索好きの私が求めていたものだ!とメトロイドヴァニアを買い漁ることに。
その代表格の『Hollow Knight』も、難易度にめげそうになりながら探索したさにプレイ。ちびっと攻撃しては逃げるピンポンダッシュ……もとい「ヒットアンドアウェイ」を覚えました。
そんな私のGOTYは、年始にクリアした『九日 ナインソール』です。
敵の攻撃をタイミングよく打ち返して反撃する「パリィ」を駆使して戦う、高難易度のメトロイドヴァニア。
プレステ文化を通っていない私にとって「パリィ」は知識は得たものの避け続けていた、できないアクションの筆頭です。
ストーリーモード(イージーモード)ならボタン連打で勝てるというレビューを見かけましたが、それはそれで気分が盛り下がります。しかし、良作メトロイドヴァニアと聞けば、「やりたい」気持ちが勝ちました。
ノーマルモードでスタート。最初の雑魚敵にやられました。
……無理だ。
早々に諦めてストーリーモードに変更し、そこで気づきました。
……ボタン連打でも無理だ。
難易度を下げたところで「やられるまでの時間が延びる」だけで、「パリィ」ができなければ倒せないのです。
もはや向き合うしか道はなく。
腹を据えて練習し、気づけばボス戦以外はカキィィン!という弾き返す音を楽しめるようになっていました。
年を重ねて減っていた「反復練習によってできるようになる」喜びを、久しぶりに味わうことができました。
また、このゲームには味わい深いストーリーがあります。
デベロッパーの過去作である『返校』『還願』は心霊ホラーで、史実や現実に根ざした重いテーマを扱っています。私は関心がありつつもその重さに耐えられず。
対して今作は、猫のようなキャラクターを主人公にしたアジア風サイバーパンク。寓話的に語られている分、マイルドで物語に入りやすくなっています。しかし、表現したい芯の部分は、変わっていないように感じました。
ややネタバレになりますが、このゲームには取り返しのつかない罪や後悔を背負ったキャラクターが多数登場します。
そのため「逃げないこと」「向き合うこと」が、静かに問われ続けるのです。
ゲームの終盤。主人公、そしてとあるキャラクターの変化が「ヒットアンドアウェイからパリィスタイルへと変わった私自身のプレイ体験」とが重なったときに感動が生まれ、ノーマルモードでクリアできずとも私なりに十分このゲームを味わうことができたのだと思えました。
そういうわけで、年始にこのゲームで「逃げずに向き合うこと」を学んだ私は、(年末の今『Hollow Knight: Silksong』でヒットアンドアウェイに勤しんでいる自分に矛盾を感じつつ)、いわゆる見る専を卒業したいと勇気を出してこの投稿をさせていただいた次第です。