みんなのGOTY(ゲーム別)

新着順 Game of the Year 2024 ゲーム別

ANIMAL WELL

Game of the Year 2024
かむる さん
九日ナインソール
「ラスボスはゲーム史に残る」 「今まで遊んできたゲームのラスボスでぶっちぎりの強さ」 steam版が発売された直後、ネット界隈でそんな評価・感想を結構な回数観て これは手を出してみなくては。と思い、手を出したところ 「無事に丸々1ヶ月が溶けました」 やー面白かった。 他のゲームがまったく手を付けられないほどに、また普段はゲームをやらない昼休みなどの ちょっとした時間までも手を出してしまうほど没頭。1日1時間ゲームできれば 良い方だったのに、この時は2時間3時間通しでやることも珍しくありませんでした。 噂のラスボスは何回挑んだか数えきれないほど。 このゲームの面白さは敵の攻撃を見切って弾く、パリィの気持ちよさとそこに 敵の隙をついて呪符による爆破攻撃を絡める戦闘が楽しい楽しい。 もちろん、最初から上手くできるはずもなく、初見~数回の挑戦では 「こんなん無理じゃん」と途方に暮れるをすべてのボスで経験しました。 それでも徐々に攻撃を見切りパリィできるようになって、最後は敵の大技すらも 弾いて攻撃を叩き込めるようになっていく快感。たまりません。 ・・でも、それを楽しめるのって「高難度のゲームにわざわざ手を出す特殊な人だからでしょ?」 とこの時点で興味を無くしている人も多いかと思います。 ただ、このゲームはキャラクターの魅力も半端ないので、どうしても苦手という人は難易度を下げてでも プレイしてほしいところです。 主人公、 羿を含め、登場するキャラは敵味方問わずかなり個性的で、 最初こそなんだこいつ? となることが多いのですが、物語を進めたり、交流を重ねるたびにこのキャラ達のやり取りをもっと見たい、物語の続きを見届けたいという想いが湧いてきます。 決して高難易度だけが売りではない、確かな面白さがあるので もっとたくさんの人がハマればいいと思います! ちなみに、このゲームの世界観タオパンク。まあ、中国神話風だけどサイバーパンク的なSF要素 を含んだものなのですが、ちょっとホラーっぽい描写もちらほら出てきます。特に序盤はしっかりとグロテスクな表現があるのでそういうのがどうしても苦手な人は注意が必要かもしれません。
Game of the Year 2024
ヒヨスケ さん
プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠
プリンス・オブ・ペルシャシリーズ14年ぶりの新作として今年リリースされた「プリンスオブペルシャ 失われた王冠」は、シリーズ初のサイドビュー探索型アクション、俗にいうメトロイドヴァニアとなった。 このジャンルが好きで数多く遊んできたが、本作は戦闘、探索、謎解きといったすべての要素がハイレベルに融合していて屈指の面白さだった。 長年続くシリーズに対してだけでなく、メトロイドヴァニアというジャンルに対しても新たな息吹を吹き込んだと言える本作を私のGOTYとしたい。 —- まず本作はシリーズ作品だが過去作との繋がりはないので初めての人でも問題ない。 とは言え探索アクションが苦手だからいいや、というそこのあなた。ちょっと待ってほしい。このゲームは設定項目が充実していて、かなり間口が広くなっている。 難易度は一般的なイージーやノーマルといったものに該当するプリセットの他にカスタム設定が可能で、敵のダメージやHP、環境ダメージ、パリィの難易度等々、スタバの注文より細かく設定が決められる。 例えば敵のダメージはプリセットだと最低0.5、最高2.0だが、カスタム設定すると0.1から6.0まで0.1ポイント刻みの調整ができる。最高でも物足りないというへんた……猛者は、一度死んだら終わりのパーマデスモードで絶望を味わってほしい。 他にも目的地が表示されるガイドモードに、高度なアクションが必要とされる場所をワープでショートカットするというアクションアシストなんてものもあるし、色覚異常に対応したハイコントラストモードもある。これにより様々なニーズに答えやすくなっている。 しかもこれらの設定はゲームの途中でも変更できるので、初心者でもスタバの注文のようにビビる必要はない。やりながら調整してしまえばOKだ。 ちょっと甘やかしすぎではないか?というくらいのホスピタリティだが、良くも悪くも多様性の時代。ゲーマーの多様性ってやつにうまく対応してると言えるだろう。これを作ってる ubisoft がセクハラやらアサクリやらで度々炎上して全然対応できてる感がないのは、また別の話だ。 —- ここからはやっと本編の紹介。 ストーリーを簡単に言うと、さらわれた王子を救出しよう、というものだ。謎めいた内容で悪くはなかったが惜しいという印象。最後のピースが欠けているとでも言おうか、もう一声と言いたくなる。なのであえて詳細は省くが、ケレン味のある演出はかっこよくて見ごたえがあり楽しめた。 この作品は映画で言うなら「ジョン・ウィック」だ。ストーリーもいいが、何よりも極上のアクションを堪能してほしい。これは「かっこよくて気持ちいい」ゲームだ。 —- メトロイドヴァニアは“探索アクション”であり、戦闘アクションに関しては割とシンプルなことが多い。しかし本作は多彩な攻撃パターンが用意されていて、爽快でスピード感ある戦闘が楽しめる。 攻撃パターンは多いがシンプルなキーの組み合わせだけで簡単にいろんな技が出せる。ポイントはそれをどう繋げるか。そこに加わるエフェクトがまた絶妙でかっこいい。ここまで戦闘が気持ちいいメトロイドヴァニアは初めてだ。 敵の攻撃パターンも様々で、通常の攻撃以外に特殊なものが主に2種類ある。 敵の目が赤く光ったときの攻撃は防御不可。そして黄色く光ったときの攻撃は受け流し(パリィ)をすることで強力な反撃を喰らわすことができる。その際には敵の種類ごとに個別の演出が用意されていて、これがまたかっこいい。 ボス等の強敵ではカメラアングルが切り替わり、ザコシショウばりに誇張したダイナミックな演出はケレン味の極み。私が小学生だったら「くらえー!」と叫んでるに違いない。 演出は小気味よく差し込まれるので、全体のテンポが乱されること無く邪魔に感じることもなかった。 —- 2段ジャンプや空中ダッシュなどといった探索系の能力も当然いろいろと用意されているが、本作が素晴らしいのはこれらの能力が戦闘や謎解きにもしっかり活用されているところ。 1番面白かったのが途中から使えるようになるワープのような能力。これが秀逸で見事だった。最初はパッとしない能力だなと思ったが、ゲームを進めていくうちに、なるほどそういう活用法があるか、という場面が何度もあって思わず唸った。 これらの多彩なアクションを活用すれば、「こんなの避けるの無理だろ」という強力なボスの攻撃も必ず凌げる。その抜け道を見つけ出しすべてを避け切った時は、気持ちよくておもわず奇声が漏れる。 探索や謎解きもやりごたえ抜群で、特にアップデートで追加された「神の試練」というチャレンジコンテンツは、その名に恥じない高難度。何度トゲに刺さって死んだことか。 それでも何度も挑戦してしまうのは、やはり抜群の操作感とアクションの気持ちよさが大きいと思う。 —- とにかくプレイヤーの操作に対しての反応の良さが感度最高で素晴らしい。しかも動きがいちいちアクロバティックでかっこいいので、キャラクターを動かしてるだけでワクワクしてしまう。プールでやたら回転したり飛び跳ねてる子供がいたら、プリンスオブペルシャをやってるか、スパイダーマンを見た後か、どちらかだろう。 そもそも主人公のサルゴンがかっこいいので見ていて爽快だ。 全盛期の藤岡弘を思わせる濃い男前。上半身ほぼ裸みたいな軽装で、立ち姿は顔が右を向いてるのに体は左に捻っていて「この胸筋を見よ!」とでも言いたげだ。現代人だったらピチピチのタンクトップを好んで着るタイプに違いない。 衣装を変更することもできるが、中にはふんどし一丁みたいな格好もあり特定の需要を満たしてくれるであろう。 登場人物の名前もかっこいい。 サルゴン、ガッサン、アルタバン、アナヒータ、メラノイアス。 ペルシャではポピュラーな名前だったんだろうか。わからないがとりあえず独特の響きが私のツボに刺さりまくって、声に出して言いたくなる。 メラノイアス!  週1くらいなら「おはようございます」の代わりに言ってもバレないんじゃないだろうか。ぜひ皆さんも試してみてほしい。 —- 最後に、本作には探索に関して面白い機能が搭載されている。 メトロイドヴァニアといえば、様々な能力を手に入れ行ける場所が増えていくという基本の流れがある。慣れたプレーヤーは、今はあそこのアイテム取れないけど2段ジャンプがあれば取れるようになるな、なんてことを考えながらプレイするわけだ。 そんなときのためにマップにマーカーをつけるという機能が定番としてあるのだが、マーカーをつけたものの、なんのマーカーだったか覚えてない、なんてことが割と発生しがちだ。 じゃぁ忘れないようにスクショ撮っとこうなんてこともするのだが、確認作業がめちゃくちゃめんどくさいし、どれがどこのスクショだったか忘れたりする。 策士策に溺れるというより、猿が猿知恵に翻弄されてるだけで、なんともやりきれない。 しかし本作はゲーム内の機能としてスクショが撮れて、それをマップに記録しておける。これだ!これがやりたかったのだ!こんなの初めて!こんな快感があったなんて! ということでこの機能を、これがやりたかったオブザイヤーに認定したい。 —- ここまで絶賛したが、不満点がないわけではない。 ファストトラベルの拠点が少なく、一発で拠点に戻ることもできないのがちょっと不便だった。先述のようにキャラクターが軽快に動いてくれるので、クリアするだけならそれほど苦ではないが、探索をやり込もうとすると流石に面倒くさく感じることもあった。 でもまぁそれくらいだ。 1番不満に感じてたバグもアップデートで直ってたし、何よりも時間が経って心に残ってるのは圧倒的なゲームプレイの面白さだ。その他の微細な気になった点も多少あるが、この際「済んだことだ、気にするな」とだけ言っておこう。 本作は私のゲームオブザイヤーと、これがやりたかったオブザイヤーの2冠にふさわしい名作である。