今年はここ数年を振り返ってみても、とても多くのゲームと触れ合うことが出来た。
その中でも、最も心に痕跡を残したのがこの作品。

旬は過ぎたと言えるし、すでに多くのゲーマーから高評価を得ているので、今更プレイするのも…と躊躇していたが、PSのゲームカタログに追加されたことを機にプレイ。
開始数時間で、これはアタリだと思い知る。

【アドベンチャーパート】
序盤から続きが気になりすぎる展開の連続で、コントローラーを置くタイミングを見失うことがしばしば。
次の展開を予想する度に裏切られ、また別の可能性が提示されたあげく、それらが同時にやってくる始末。
複雑に絡み合う少年少女の物語に、すっかり魅せられてしまった。
登場人物はそれぞれの視点で出来事を捉えているため、プレイヤーに提示される情報が必ずしも芯を食っているとは限らないのも面白いところ。

個人的に最もシビれたのは、この子たちがなぜ機兵で戦い、機兵を強化し、あの戦闘パートとなっているのか、きちんと理由が語られていること。
もちろん理由が語られるだけでは名作たりえないが、世界観とうまくマッチさせつつも納得させるだけの解法を導き出したのは、「そういうゲームだから」という言葉だけでは済まさないという気概を感じた。

逆に少し残念に感じたのは、ストーリー後半がやや駆け足になったところ。
特に、数人は機兵に乗ることを決定づけた描写が欠けていると感じた。

【戦闘パート】
いわゆる、シミュレーションやストラテジー的なシステムで、馴染みがない人にとっては少し取っつきにくいかもしれない。
伝わらない人の方が多いだろうが、ガンパレード・マーチの戦闘パートを思い出した。
とはいえ難易度はそこまで高くなく、設定をハードにしても特に詰まることがなく進めることができた。
リトライや撤退にデメリットが何もなく、苦手な人は難易度を下げることもできるし、いわゆるレベル稼ぎもできるので、印象に反してカジュアルに作られている。

ただし、特殊な兵装の挙動に詳細な説明がなかったり、ブリーフィングの時点では射程範囲が不明だったりと、若干不親切に感じる部分もある。
無理やり擁護するなら、実戦で戸惑いながらも成長するこの子達と共に、プレイヤー自身も場慣れする必要があるともいえる。

【総評】
ジャンル的には人を選ぶと言わざるを得ないが、ゲーマーなのであれば文句なしにおススメできるといえる。
ゲーマーで非ずとも、ストーリーが気になる方や、考察が好きな方であれば是非ともプレイしてみて欲しい。
冒頭で述べた通り、ゲームカタログで配信中なので、PSNのExtraに加入しているなら追加料金もかからない。

参考までに、私のプレイ時間はクリアで30時間程度で、トロフィーコンプまでやっても40時間はかかっていない。

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大作の合間の息抜きのために、このゲームをプレイ。
荷解きして片付けるだけの、パズルと呼べるかすら怪しいシンプルなゲーム。
しかし、プレイ前には想像もできなかったことだが、見事に私の心象風景に爪痕を残した。
とはいえ、珍しく妻と共にプレイしたため、その点も評価に加点してしまっているかもしれない。

このゲームは基本的に何も説明をしてくれない。
段ボールが山積みにされた部屋に案内されて、ただひたすらに荷ほどきをして、家具を部屋に配置する。
目の前の段ボールの処理が終わると、完成した部屋の写真がアルバムに飾られて、部屋の主から一言のコメントが添えられる。
プレイヤーに対しての語り掛けはこのコメント程度で、部屋の主の個人情報や、生活している時代、諸々の経緯などは提示されない。
そのため、そこにストーリーはなく、淡々と荷ほどきを続けるだけなのだと考えていた。
途中までは。

ステージをクリアすると、画面には新しい部屋とさらに増えた段ボールの山が表示される。
部屋の主はまた引っ越したらしく、どのぐらいの期間かは不明なものの、当然ながら時間が経過していることを読み取れる。
荷ほどきと家具の配置しかできることがないため、それらを処理する。
完了するとまた次の引っ越し先へ。
これを何度か繰り返すと、晴れてエンディングとなるわけだが、その途中で語られずとも見えてくることがある、ということがわかってきた。

最初の部屋だけでも、ある程度予想がつく情報はある。
例えば、主は絵が好きであるということ。
そこから成長に応じて、どういう人間で、どのように成長していくのかが見え始める。
例えば、お気に入りの家具は劣化しようとも引っ越し先に持っていくため、主は物持ちがよいこと。
これ以上は多くを語れないが、それらに気が付いた時はなんだか無性に嬉しくなったり、強く共感してしまった。

最初にストーリーはないと言ったが、それはプレイヤーに対して説明されていないだけだった。
この部屋の主は確かに生きているし、この主の中にはストーリーが存在していた。
そこに気付かされてからは、息抜きとは言えないほど夢中になって荷ほどきを繰り返し、部屋の主のことを想ってしまっていた。

【良かった点】
上記の通り、テキストがほぼないにも関わらず、ストーリーを感じることができる点が最大の魅力。
引越しの度に変わる家具、部屋の情報、配置だけで部屋の主をここまで想像することになるとは、予想だにしなかった。
特に、あるステージで特殊な配置を強いられる家具があるのだが、その見せ方には舌を巻いてしまった。

また、音には強いこだわりを感じた。
インタラクションのSEが配置場所と家具の組み合わせにより細かく設定されていて、この作り込みには驚かされた。
例えば、同じ食器でも、木の机に置くと、トンッ。
金属性の机やシンクに置くと、カチャッ。
その他にも、塩の容器や水が入った瓶を持った状態でコントローラーを振ると、サラサラやタプタプと音がする。

【悪い点】
海外が舞台ということもあるが、何の家具なのか見当がつかないものがある。
特に小物は小さく表示されるため、凝視しても判断が難しかった。
ふさわしくないものを置くとクリアできない仕様なので、プレイヤーが推察しつつ家具の配置を楽しんで欲しいというメッセージでもあると思うが…。
結局のところ収納してしまえば問題ない小物も多いため、知らずに調味料を洗面台に収納していた可能性もある。
家具の名前を表示してしまうと台無しになってしまうのはわからなくもないが、クリアしても謎のままの家具があったのは少し残念だった。

【総評】
決して万人に受け入れられるゲームではないが、この感想を見て興味を持った人はおそらくプレイして後悔が少ないと言える。
これまたPSNのExtraに加入しているならば、追加料金はかからない。
細かくは覚えていないが、プレイ時間は10時間未満だったはず。

なお、クリアするだけではなく、特殊な組み合わせや操作をすることで実績を解除する(トロフィー要素)という遊びも用意されている。
例えば、バスタブに電化製品を…。

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ローグレガシー1がとてもよくできていたので、満を持してのプレイ。
その時点で期待度は高かったが、結果的には期待以上といえるデキだったと思う。
なお、1に比べると格段にボリュームアップしているが、難易度も劇的にアップしていると思う。
1はトロフィーコンプまでやったが、そこまで難しく感じなかったものの、2は十分に歯ごたえを感じることができた。

ジャンルはいわゆるローグライクアクションと呼ばれるもので、ミスすると道中で拾ったアイテムなどは失われ、セーフエリアからやり直しとなる。
再びダンジョンに入ると、マップや敵は再配置され、スタート地点から攻略し直しとなる。
これだけ聞くととんでもなく険しい道のりに聞こえるが、道中で入手したお金や開通したショートカットは失われない。
そのため、周回を重ねる度にプレイヤーは経験を蓄積させ、操作キャラは強化要素によりじんわりと強くなっていく。

私が考えるこのゲームの最もユニークな点は、操作キャラ達だ。
前述した通り、道中で力尽きることを前提として作られているが、次にプレイする際はその子孫にあたるキャラを操作してダンジョンに挑むことになる。
志半ばで散った勇士がどうやって子孫を残しているのかは疑問に残るが…。
これまたローグライクらしく、ランダムで生成された性能を持った子孫たちを3人から選択できるのだが、とんでもないバリエーションに富んでいる。
まずはクラスだが、例として挙げると、戦士、魔法使い、ときて何故かシェフが混じっていたりする。
そして、各キャラには特性という設定が付与されているのだが、クラスに輪をかけてヘンテコなのである。
少し長くなるので例を下記する。

・高身長(キャラが巨大になる。攻撃判定も当たり判定もサイズアップ)
・ビーガン(お肉を食べるとダメージを負う。引き換えにボーナスとして取得するお金が増える)
・ガス症候群(キャラが定期的に放屁する。何の意味もない)

これぞ、多様性。

ココだけを切り取ると悪ノリが過ぎると思われるかもしれないが、ゲーム性自体は非常に硬派。
アクション慣れしていない人からすれば、少々敷居が高いかもしれない。
しかし、徐々に強化を重ねていくことで、少しずつだが全体の難易度は下がっていくため、いずれはクリアできるようになるように出来ている。
どのゲームにも共通することだが、苦労してボスを倒した際の達成感は中々のものがある。
なお、どうしてもクリアできない場合、公式のチートコードを導入するという最終手段まで用意されている。

【良かった点】
タイトル通り、レトロゲーをリスペクトしているため、シンプルゆえにプレイしやすい。
ゲーム自体は新しいため、操作感も良好。
また、画面自体もドット絵風味かつコミカルなので、嫌みが少ない。
横からたまに見ている妻からも好評だった。

なお、操作キャラの強化はセーフポイントでしかできない。
ミスしたくないが、ミスしないと強化が出来ないというジレンマは、ミスして振り出しに戻された際のストレスを軽減する要素としてうまく機能していると感じた。

【悪い点】
とにかく周回要素と収集要素が面倒くさく、難解。
やり込みについてはそれでも一向に構わないが、各層のパターン違いのボス全員と戦うには追加で何度も全クリする必要があり、この点は非常にもったいなく感じた。
また、ストーリーは断片的かつ曖昧で、愚物の私にはあまり理解ができず。
その他、これは個人的にはそこまで気にならないが、一部翻訳されていないテキストが表示されていた。

【総評】
ローグライクは極端に好みが分かれるジャンルだが、可愛らしい見た目とは裏腹にしっかりとしたアクションが楽しめ、難易度も高すぎず低すぎず。
アクションが好きなのであればおススメ。
じっくりプレイしたのもあって、プレイ時間は35時間ほどだったと思う。
1は15時間前後だったので、約3倍にボリュームアップと考えていいだろう。
三度目になるが、PSNのExtraに加入しているなら追加料金は(略

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