ゆきぼうのGOTY
GAME OF THE YEAR
カオスゼロナイトメア
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カオスゼロナイトメア

GAME OF THE YEAR
カオスゼロナイトメア
2017年に早期アクセスが開始され、2019年に正式リリースされたデッキ構築ローグライクカードゲームの傑作、Slay the Spireは元を辿れば1995年リリースのボードゲームの金字塔「カタン」の系譜を継ぐ(直接的には「ドミニオン」でもある)ものである。そして、この「カオスゼロナイトメア」は、そんなSlay the Spireをベースに、よくあるソーシャルゲームの要素を付け加えたゲームである。

と、「なんだソシャゲか」と侮ることなかれ。ベース部分はSlay the Spireだが、キャッチーなキャラクターデザイン、カードイラスト、ホヨバース作品とほぼ同じガチャシステム、そしてクトゥルフ神話ライクな世界観をないまぜにしてまさにカオス化した結果、類稀なる傑作に仕上がっているのだ。

まずこのゲームの褒められるべき点として、キャラクターの行動ソースであるカードを厳選するためのステージである「カオス」の周回を、スタミナの概念なしでできるようにしたことが挙げられる。

少しわかりやすく説明しよう。

このゲームには多くのキャラクターが存在し、ストーリーで獲得できる一部の星4キャラクター以外はガチャを回して獲得することになる。キャラクターはそれぞれ固有のスキルを使えるカードを持っており、強いカードもあれば使いにくいカードもある。これらを取捨選択してデッキを最適化するためのステージが「カオス」という場所なのだ。このカオスに入り、Slay the Spireと同じようにマスを進むごとにカードを増やしたり削除したり、ロマンシングサガのようにヒラメキを経てカードが強化されたりを繰り返して、最終的にその状態を「セーブデータ」に格納し、各種エンドコンテンツに挑むために活用する。こういったセーブデータ作成がメインコンテンツであるゲームは多く存在し、同時期にリリースされたヨースターの「ステラソラ」も同じような仕様ではあるが、デッキ構築の過程は本作の方が直感的でわかりやすい。さらにレアリティが高いキャラクターが絶対的にわかりやすく強いわけでもなく、カードのシナジーがうまく組み合わさった時には星4キャラクターでも十分に強いし、なんなら星5にも引けを取らないどころか恐ろしいほどの火力を発揮するパーティーも構築できてしまうこともある。これがまた楽しい。

世界観にクトゥルフ神話要素があると先に述べたが、シナリオがおどろおどろしいだけではなく、きちんとゲームサイクルに組み込まれているのも面白かった。いわゆるSAN値のようなものが貯まるとキャラクターは精神崩壊してしまうのだが、パーティ全員(3人)が崩壊してしまうといくらHPが残っていようが全滅扱いとなってしまう。とはいえ、全員崩壊しても行動は出来るので、その後にとどめを食らう前に敵を倒し切ってしまえば戦闘に勝利することは可能だ。ただ、その状態でカオスを踏破するのは極めて困難であり、要はキャラクターをいかに精神崩壊させずに立ち回るか、あるいは崩壊してしまったら、全滅する前にいかに個々のキャラクターを回復させるかが重要になる。不幸にも全滅してしまったり、一定条件を満たしてしまうと無事にクリアしたとしてもキャラクターには入院が必要なほどの後遺症が残る。そして、プレーヤーはそのキャラクターたちを限られたリソース(コミュニケーションパスという)を使ってカウンセリングするか、あるいはお金を払って記憶を消去して何も起きなかったことにするかの二択を迫られるのだ。なんと冒涜的で名状しがたいゲームなのだろう。

長々と語ってしまったが、このゲームの魅力はこんな文章では到底伝えきれない。確かに画面を見るとSlay the Spireじゃないかと言いたくなってしまうのだが、色々な要素を組み合わせたことと、クトゥルフ神話の終末的なスパイスが混じり合い、奇跡的な輝きを見せているのが本作なのだ。

もう一度言おう。ソシャゲだからと侮ることなかれ。

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ゲーム概要

全ての絶望(カオス)を、ゼロに。
Smilegateの新作『カオスゼロナイトメア』、グローバル正式サービス開始!
今すぐナイトメア号に乗船してください!


カオス。
ある日、突如として襲いかかってきた宇宙規模の厄災。
黒い霧が惑星を覆い、環境と生態系に急激な変化をもたらす災い——「カオス」。
すべての物語の始まり、あるいは終わり。
..
人類の故郷、地球に位置するカオス【…
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