これは最愛の人達を守るために、表舞台で生きることを禁じられた男の物語である。

龍が如く7で主役は「桐生一馬」から「春日一番」に明確に引き継がれた。
だが、春日達が活躍する裏で進められる、極道の世界を大きく揺るがすある計画。
この渦中で桐生が何をしていたのか。それがこのゲームのストーリーだ。

ゲームシステムはコマンドバトルだった7から、今までのアクションバトルに戻った。
7発売前は散々批判されていたが、龍が如くとコマンドバトルの食い合わせが意外にも良かったので、久々のアクションバトルに少々面食らったが、やり出すとすぐに違和感は払拭された。

桐生ちゃんには、やっぱりアクションバトルがよく似合う。
アクションが苦手な人がプレイしても、必ずエンディングまで辿り着ける難易度なので安心して楽しんでもらえる。

また、最新ハードの恩恵によって、今作は完全に「4K・60fps」となった。
製作者のXでのコメントによると、過去作では、プレイ中は4K対応でもムービーシーンになるとフルHDになるという逆転とも取れる状況があったそうだが、今作からは美麗なムービーが堪能できるわけだ。
その恩恵を最も受けたのが「キャバクラ」である。
今作のキャバクラは「実写」なのだ。
美女達のいくつものムービーが、実写で迫り来る。
嫁子供が寝静まった後の自室で、ハイボール片手にプレイしている「ゲーミングお父さん」には、自分が今何をしているのか、どこにいるのかもわからなくなる始末である。
「画質向上により増大したムービー容量の約77%がキャバクラデータだった」という製作者のコメントを読んで、RGGスタジオへの熱い信頼を改めて感じたのは言うまでもない。

物語は相変わらず秀逸で、期待を裏切らず、最後にしっかり泣かせてくれた。
しかし、今作は「7の外伝」であり、完全に『一見さんお断り』ではあると思う。
残念ではあるが、そういう立ち位置の作品なので、これは致し方ない。

先行情報通りならば、次回作8で「桐生一馬」の物語に幕が降りるのだろう。
「龍が如く」の大看板は「桐生一馬」だ。
「ヤクザっていうのは、顔と看板で商売してんだ」と言った人がいたが、世代交代したとはいえ、やはり彼こそがこのシリーズの「顔」だと思う。
シリーズを楽しんできた人が思わずニヤリとする懐かしのあの場所や、彼が今までに出会った、あんな人やこんな人にもこのゲームで再開することができた。
ここに至るまでの彼とプレイヤーとの軌跡が、そこかしこに散らばっていた。

先日公開された8のトレーラームービーでは、過去作の縁深い人々が次々と登場しており、桐生との掛け合いに目頭が熱くなったものだ。
ゲームのキャラクターが引退するにあたり、ここまで丁寧に引退試合を用意してくれる作品が、今までにあっただろうか。

今作7外伝は「桐生一馬」を美味しく味わい尽くすため、来年1月のメインディッシュに向けた言わば前菜なのだ。
先行情報を含め、これだけもてなされたのなら美味しく食べないわけにはいかない。

まだ8発売まで若干の猶予がある。
メインストーリーだけなら15時間程度でクリア出来るし、みんな大好きGAME PASSで遊ぶことも出来る。
是非多くの方にプレイしてもらいたい。

2005年の初作から同じだけ歳をとってきた僕たちが、次回作でどのように「桐生一馬」という生き方に別れを告げるのか。

寂しくも待ち遠しい次回作への期待も含め、『龍が如く7外伝』を今年の僕のGOTYとしたい。
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皆さんの大絶賛を受けて購入はしたものの、まだまだゼルダ姫と洞窟を散策しているところで止まっています。

リンク様
来年こそは必ずや!
必ずやプレイしますので、今しばらく姫とのひと時をお楽しみください。

まだまだ世界は平和でしょうから。
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