『SIGNALIS』のGOTY・レビュー一覧

新着順 Game of the Year 2025 ゲーム別
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Game of the Year 2024
ラム(八朔八郎太) さん
SIGNALIS
【弐瓶勉風近未来サイバーパンクmeetsバイオハザードwithクトゥルフ神話】 プレイヤーはレプリカ(量産型のアンドロイド)のエルスターとなって、未知の感染症によって荒廃した施設シェルピンスキーを探索し、捜し人であるゲシュタルト(人間)のアリーナ・ソウの行方を追う。 シェルピンスキーでは感染症によって死から蘇ったレプリカが徘徊しており、パズルや鍵付き扉といった仕掛けで行く道が塞がれている。 プレイヤーは銃器、治療キットといったアイテムを駆使しながらこれらの障害を排除あるいは回避し、ゲームを進めていく。(wiki引用) 見下ろし型の3Dとも2Dドットとも言えないけれどどこか懐かしいグラフィックデザイン。 バイオハザードを踏襲したアイテム所持制限や弾薬数制限により常に焦燥と恐怖が混在するホラー要素。 物語は謎に包まれ、時折現れるメッセージにはこの世に存在しない筈の奇書の引用が散りばめられる。 不可解が不可解を呼び、物語が先へ進めば進むほどその難解さは増していく。 フレーバーテキストと割り切れば意味を理解する事なく、謎を謎のままクリア出来てしまう物語ではあるが、ひとたび物語を理解しようと足を踏み込めばその深さにゾッとする作りになっているのがこの作品SIGNALISだ。 考察含めどっぷりハマらせて頂いた傑作アクションホラーADV。 毎日画面のスクリーンショットからこの文章ってなんの文章だ?アンブローズ・ピアスのカルコサの住人か、とかラブクラフトのネクロノミコンの引用か、とか。 ヨハネの黙示録とか、ロバートWチャンバースの黄衣の王とか。 わからなければネットで探す、見つける、買って読む。 進むにつれてどんどん読む本が増えていく。 そして様々な本を読み進めれば進めるほど物語を深く理解できている気がして。 より深く探れる様に、より深く潜れるように、新たに得た知識を酸素に深海に潜って宝を探す様な、それは新しいゲーム体験だった。 ゲームの進め方(敵を何体殺したか?銃を何発撃ったか?扉を何枚開けたか?何分そこに留まったか?など、プレイスタイル)によってエンディングが変わるというのも、条件を聞くまで全くわからず聞いてから大分困惑したが。 知りたいよぉ、わかりたいよぉ、これなんなんだよぉという言葉がプレイしながら、メモを取りながら何度口をついた事か。 見た事実と調べた事実だけをゲーム後に紙に書き出していく。 物語を想像する。 この時間が自分がゲームをしてる理由なのかな、と感じさせてくれる。 このゲームの持つ魅力は沢山あるけれど、語られきらない謎と想像の余地を残したストーリーライン、登場人物の関係性、時間軸。 その全てを読み解きたいと願うプレイヤーの知的好奇心と想像力が、作者の意図しない新しい物語を生むのではないか、という期待感。 それがこのゲームの強みで、他を寄せ付けない魅力になっている様に思う。 この作品は日本からは本当に少ないが、海外から多くのファンアートが流れてくる。 その多くがそれぞれが考えたオリジナルレプリカの新しい物語だ。 こうやってプレイヤーが作者の想像を超えていく。 そういう余地を本当に素晴らしく思う。 ラブクラフトが作ったクトゥルフ神話をロバートEハワードら多くの作家が様々な新しい物語で肉付けした様に、多くの想像力がSIGNALISの新しい物語を今産み続けている。 自分もこの物語の全てに納得したいと感じたプレイヤーの1人としてこの謎に満ちた世界を楽しませて頂いた事に深く感謝申し上げたい。
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モダンクラシック賞
じぇしか さん
SIGNALIS
バイオハザードとサイレントヒルにコズミックホラーを混ぜたプレステ初代ホラーを凝縮させたようなタイトル。グラフィックも当時っぽくレトロな雰囲気。 gamepassで配信されたことをきっかけにプレイ。(タイトルの美少女に惹かれたのは内緒) 閉鎖された空間。謎解き。鍵のかかった部屋。 異形の敵。限られた弾薬。限られた回復。限られた所持品スペース。 そして、俯瞰視点……あとアイテムボックス。 と、まさしく「あの頃」のゲームである。だが、それだけに留まらないのがこのゲームの魅力。 「あの頃」のゲームを懐かしくなってプレイする時があるが、やはり見知った展開であり懐かしさは感じるものの当然新鮮さは感じなかった……そんな折に現れたのがこのタイトルだった。 プレイしてみればわかるが、本作はユーザーに不親切だ。最近のゲームに慣れた人であれば最低限あってもいいような機能はだいたい無いものと考えていい。 またプレーヤーの操作する主人公はある程度頑丈ではあるものの、移動はやや遅めだし武器を構えながら動けないし、敵に触れるとダメージを受けるしで、どこぞのゴリラのように体術で敵を粉砕という手段も使えないわけだ。 であればサバイバルホラーの定番であるお馴染みハンドガン、ショットガン等の重火器を駆使して戦うことになる。が、この戦闘の癖がとにかく強い。慣れるまでは狙った位置や狙った敵に弾を当てることすら困難で、これを敵が迫ってくる中行うため接敵した場合には緊張感を持って挑むことになる。 そしてこうした銃火器は強力ではあるが弾の数は限られている。更に敵は倒してもある方法以外ではある程度の時間で復活してしまうため、部屋の探索や謎解きで詰まったりしてるとジリ貧になりがちである。 この世界観に沿った謎解きも昨今のように主人公がプレーヤーに何かヒントのようなものを教えてくれるわけでなく、プレーヤーは部屋のオブジェクトやアイテム、ログやテキストから情報を得て自力で解いてくしかない。 世界観は退廃的でどこか艶やかでしっとりしてる、ストーリーは難解。更にサイケデリック。まさに令和に誕生してるのが冗談と思うくらいにはプレーヤーに歩み寄ってこないゲームだが、本作の「あの頃」感と独特の陰惨で艶美な雰囲気は間違いなく人を選ぶものの、どうしてかプレーヤーからにじり寄らせるような謎の魔力を感じずにはいられない。