全ての創作をする人たちへ贈る―
『ОU(オーユー)』
やあ、きみか。
このお話はね、記憶喪失の少年が尻尾に炎の着いたオポッサムと出会うところから始まるんだ。
彼に導かれ、少年は自分の正体とこの世界の真実を知ることになるのさ。
基本は左に進んでいく横スクロールアクションだ。
アクションとはいえ出来ることといえば、いろいろな効果がある“付箋”を投げて物に貼り付けるだけだよ。
付箋の効果で謎を解いていくんだ。
付箋には詩的で抽象的な文章が浮かび上がる。その内容は人によっては特別な印象を持つかもね。
登場キャラクターもそれぞれ何かを象徴したものになっているんだ。
それは物語を進めるにつれて徐々に明らかになっていくよ。
世界はそれほど広いわけではなくて、同じところにも何度か訪れることになるけれど、訪れるたびに違った意味を持っていたりするんだ。
緻密に描かれた背景とキャラクターのアニメーションにきっと心奪われるよ。
たまにドキッとすることもあるかもね。
BGМのギターの音色がとてもクリアに聴こえて、この世界の情緒を物語っているよ。
この世界は不思議で、可愛くて寂しげで、もの悲しくて、薄ら恐ろしくもある。
そして最後に待ち受ける真実を、きみは受け止めることになる。
きっときみの中でいつまでも残り続けるものになるだろう。
サウダージゴーストがその思い出を忘却の果てに送ろうとも、きっとまたいつかふとした瞬間に思い出す。
そんな作品だと思うんだ。
これ以上この作品については語れないな。
だから最後にもう一度いっておくよ、
この作品を全ての創作をする人たちへ贈りたい―