みんなのGOTY(ゲーム別)

新着順 Game of the Year 2024 ゲーム別

Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

Game of the Year 2024
イギー@GAME垢 さん
Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord
∞∞∞∞∞∞『ダンジョンに潜る』∞∞∞∞∞∞ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 狭くて暗い、地下へと続く階段をゆっくりと、一歩一歩確かめるように降りてゆく・・・ じめっとした通路の奥の方からは、鼻をつくようなカビの臭いと、何者か判別のつかないうめき声の様な音が聞こえてくる。 床の隅の方に松明の明かりを照らすと、何かの骨の様なものが落ちているが、近くへ行って調べてみる気にはならない。 少しづつ奥へ進むと、朽ちてはいるがどっしりとした扉が目の前に現れた。 恐る恐る、しかし、力を込めて、ゆっくりと重たい扉を開けてみると・・・ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ゲーム好き、特にRPGが好きな方であれば恐らく聞いたことがあるでしょう。 冒頭で記した『ダンジョンに潜る』というキーワードを。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ ※ここから長い前置きがあります。 僕はファミコン時代からRPGをプレイしていて、いわゆる誰もが一度は見た事があるであろう「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」などの、日本では王道的なRPGを夢中になって楽しんで遊んできた。 しかし、大人になるにつれて、ゲームは何となく続けて遊んではいるが、いつしか昔ながらの『ターン制RPG』という物はプレイしなくなり、アクションアドベンチャーやFPS、RPGでもアクション要素の入った最先端のゲームを好んで遊ぶようになっていた。 そんな僕が2024年YourGOTYで紹介したいというか、『ダンジョンRPG』ってこんなにも没入感があって想像力を掻き立てられ、ワクワクする冒険心を感じられるゲームなんだと、びっくりさせられたゲームがこの『ウィザードリィ』であった。 なぜ急にウィザードリィをプレイしてみようと思ったのか? それは、昨年からの僕のゲームのプレイ歴から、このウィザードリィへと導かれる導線が徐々に構築されていったのだと感じている。 昨年のこの場でも紹介したが、「ディアブロ4」を現在でも継続してプレイしていて、RPGの「キャラを育てる」という部分の楽しみを再認識した。 そして、極めつけは昨年末頃に日本語版がリリースされた「バルダーズゲート3」だ。 このゲームの事を語り出すと終わらなくなるので割愛するが、RPGの起源とも呼ばれるTRPGのゲームをコンピューターRPGでこれでもかと表現し尽くした、現状最高峰のゲームと言っても過言では無いだろう。これをプレイした時に感じたのは、「途方もない物を創りましたな」という圧倒感と、これぞロールプレイだという素晴らしい没入感だった。 他にも「ペルソナ3リロード」や「ユニコーンオーバーロード」、「ドラゴンズドグマ2」などなど・・・ RPGという枠の中のゲームを触りながら過ごしてきた。 そして遂に今年の初夏に『ウィザードリィ』がコンソール版でリリースされるとなって、日本におけるRPGの始祖とも呼べるゲームに興味を持ったというのが長い長い前置きです。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 今作はナンバリング続編や外伝などの新規タイトルではなく、第1作目のリメイク版でオリジナルからゲーム性やストーリーなどは基本的には変化しておらず、昔ながらのターン制のRPGが楽しめる。 もちろん、グラフィックやUIなどは現代風にリッチになっているし、音楽も素晴らしい!! あと、面白いのはオリジナル版のあの線で描かれたダンジョンやバトルシーンが、隅の方にリアルタイムで確認出来る様になっている。 オリジナル版を遊んできた方は嬉しい要素かと思うし、初めての方もきっと興味深く見られるのではないかと思う。 正直『ダンジョンRPG』というジャンルは初めて遊ぶので、最初は心配というか、そのジャンルお決まりの『掟』みたいなものが受け入れられるか、不安と楽しみが入り交じった感情でプレイを始めた。 ①死のリスクと緊張感のあるダンジョン探索 キャラメイクからパーティ編成を考えながら冒険を一緒にする仲間を招集して、装備もそこそこに早速未踏のダンジョンへと足を踏み入れる。 最近のゲームでは最初はチュートリアル的な難易度で、特に考える必要なくサクサクと敵を倒して先へ進める物が多いが、このゲームは初めはとにかく慎重に進まないと、即全滅しかねない。 地下1階のフロアから入り口付近で、ザコ敵と数回バトルして、街に戻って宿屋で回復、レベルアップしてまたダンジョンへ行き、少し進んで1つドアを開け、小さい部屋を調べて街へ戻り宿屋で・・・ といった具合に死なないようにコツコツとダンジョンを探索していく。 なぜこんなにも慎重にしなければならないのかと言うと、死ぬとリスクがあるからだ。 街に戻って寺院で復活させて貰えるのだが、確率で灰となり、失敗すると完全に復活不能になってしまう。 つまりせっかく手塩にかけて育て上げたキャラが完全ロストするかもしれないというリスクがあるのだ。 ダンジョン内に仕掛けられている理不尽とも感じられる数々の罠と、階層が深くなる毎に強くなるモンスター共の攻撃を受けながら、仲間を死なせてはならないという責任感と恐怖心を強く感じ、潜るたびに緊張感のある探索が味わえる。 ②キャラメイクとロールプレイ そんな緊張感のあるダンジョン攻略と合わせて大事なもう1つの要素がキャラメイクとロールプレイだ。 世界観的にはゴリゴリのハイファンタジーなので、ドワーフやエルフ、ノームなどの人間以外の種族も選べるし、戦士、僧侶、魔法使い、盗賊などの数種類の職業も組み合わせて、自分の好きなようにパーティを編成して冒険ができる。 職業の役割(ロール)はバトルや探索において大事な攻略要素になるわけだが、それと同じくらいに大切になるのが、このキャラメイクでの名前や種族を決める事。 いわゆる『ロールプレイ』というものを自分でしっかり設定をしてキャラをメイクしておく事で、長く苦しいダンジョン探索が、いつしか思い出深いものへと変化していく。 このあたりが苦手だという方もあるだろうが、とにかく好きなアニメキャラや職場の同僚やクラスの同級生、家族なんかの名前を適当につけておくと良いでしょう。 自分が想像しやすい設定をしておくことをオススメします!! そうすることで、はじめは何とも感じずに、ただただダンジョンを1階1階降りていき、攻略を進めているだけだったのに、ラスボス付近の終盤になるにつれて、ここまで様々な困難を一緒に乗り越えてきたメンバー達がいつの間にか、かけがえのない愛おしい仲間となっていること請け合いです!! ③いきなりまとめ 他にもダンジョンそのものの魅力や、マップを作っていく感覚、クリア後の装備掘り掘りハクスラ要素などの楽しみも、魅力的な要素だけど、もうちょっと長くなりすぎたので、ここら辺にしてまとめに入ります。 ここまで紹介してきたような、ぶっちゃけ面倒くさそうな要素こそが、最終的にはえも言われぬ達成感とエモさを感じさせてくれるものとなり、ダンジョンと街の行き来を何回も繰り返すうちに『ダンジョンに潜る』という独特な感覚と没入感のある冒険を体験させてくれるゲームになっているのかなと思う。 上の方でもお伝えしましたが、リメイクとはいえRPGの原点とも言えるようなゲームなので、ゲーム性自体は古くさい感じがして、人によっては退屈だと思うかもしれない。 けれども、個人的には当時からこの様に素晴らしい没入体験が出来るゲームが存在していた事に本当にびっくりして、感動し、RPGの面白さを再確認させて貰ったというわけで、僕の今年のGOTYとして紹介致しました。 大変長文乱文になってしまいましたが、少しでもこの『ダンジョンRPG』という物に興味が湧いた方は一度手に取ってみては如何でしょうか。 というか、ここまで読んで頂いた方は、もう既にこの『迷宮』に足を踏み入れているのかもしれませんねww 『おおっと!!』
Game of the Year 2024
ぱんたん@笹黒白 さん
ユニコーンオーバーロード
暫し私の戯言に付き合ってほしい ユニコーンオーバーロード 王道ストーリー・・・。 美麗な映像・・・。 ヴァニラ飯・・・。 世に溢れる賛辞 これだけでも間違いなく今年を代表するゲームソフトの一本であるのは間違いない ゲームの実績を確認できるハードで遊んだプレイヤーの多くがプラチナトロフィーに到達しているのも ユニコーンオーバーロードを隅々まで楽しまれている事の裏付けだろう ところで ユニコーンオーバーロードを起動し タイトル画面のLibraryからArchiveに進んでもらえるだろうか? そこで421/436を確認して頂きたい 「421」を明らかにされている方は如何程か? ここからが戯言の本番だ 「421」の謎を解けていない方はユニコーンオーバーロードの真相に辿り着けていない 暴言を承知で敢えて言わせてもらえば プラチナトロフィーは道半ばなのである ユニコーンオーバーロードの陽の面のみを味わい楽しんだのであろう 勿体ない事この上ない シミュレーションRPGというややハードルの高いゲームをストレスなく遊べる工夫 魅力的なキャラクター達を際立たせるグラフィックと個々のストーリー ヴァニラ飯 ヴァニラウェアファンにはこれだけでも堪らないゲームであり 陽の面だけを楽しんだとしてもこのゲームが素晴らしいことは間違いない だがしかし ヴァニラウェアファンなら知っているはずだ ヴァニラウェア作品のストーリーが一筋縄で行くはずがない事を・・・。 物語の核心に触れてしまうため詳しい事は伏せざるを得ないが 「421」の真相に近づくためには自分自身の意思によって行動を起こさねばならない 真相に触れるためには相応の努力と時間を要すだろう その結果をどう受け止めるかはプレイヤー次第としか今は言えない・・・。 「421」の真相を知った時 私は膝から崩れ落ちた 闇を味わい闇に染まった しかしそれを望んだのは自分のほんの少しの探求心からだった 自分の選択を呪った・・・。 I walk slowly, but I never walk backward. 私の歩みは遅いが、歩んだ道を引き返すことはない エイブラハム・リンカーンの名言だ 自らが選んだ道を一歩づつ確実に進む 物語は紆余曲折を経て終末に向かっていくが 選んだ道の王太子一行はその世界線でのみ生きていくのである このゲームでは王太子アレインの行動によりゲーム内の終末の迎え方が変化する 違う世界線の出来事はプレイヤーである自分のみが知る事である アレインはプレイヤーである己なのか否か 遊び方は千差万別あれど主人公への感情移入度が高ければ高い程 どの終末にも心が動かされるだろう 私は全ての終末を体験し「421」の真相を知った 其々の世界線のアレインの感情は如何許りであっただろうか 愉快な仲間達との楽しい旅程であったのか 二度と味わいたくない程の苦難の道であったのか その上で私は確固たる誓いを立て もう一度ユニコーンオーバーロードとなったのである アレイン達に幸せになって欲しかったから・・・。 この物語には光と闇がある しかし光が正義であり闇が悪なのか? ヴァニラウェアの紡ぐ物語はそんな単純明快な物ではないのである 陰陽が織りなす複雑な絡みが己の善悪二元論に警鐘をならした 十三機兵防衛圏プロローグをお持ちの方は特典映像を確認して頂きたい ユニコーンオーバーロードは10年かけて作られた ヴァニラウェア魂の一作である事が知れるだろう 毎回魂が込められすぎて些か心配になるのだが 極上のヴァニラ飯を味わい尽くすのがファンとしてのあるべき姿と個人的に思っている もはやこれは愛である 私はユニコーンオーバーロードに向けてGOTYを閉ざすドアは持っていない