みんなのGOTY(ゲーム別)

新着順 Game of the Year 2024 ゲーム別

サイレントヒル2

Game of the Year 2024
HAN さん
龍が如く8
今作を一言で語るとしたら どうしようもなく春日一番でした!すみません!です。 今作は、前主人公、桐生一馬と新主人公春日一番のダブル主人公ということもあり新旧龍の生き様をこれでもかどういうぐらい堪能出来た一本です。 性格などいろいろ違うことの多い新旧主人公ですが、 真面目な時も不真面目な時も全力で挑む姿がかっこいいです。 ゲームシステムは、全体的に前作をパワーしより快適になっていました。 シリーズ恒例のミニゲームもいろんな意味で、パワーアップしておりただ遊ぶだけでない楽しみを与えてくれると思います。 ストーリーは、全作遊んだ人でも、今作から遊んだ人からでもそれぞれの視点にあった意見を述べてくれるキャラがいるのが見ていてよく考えているなぁと感心してしまいました。 どのキャラも個性がよく出ていてきっと好きになるキャラが出てくると思います。 特に難易度も高くないゲームですので、ちょっとハワイ遊びに行きたい方は、ぜひ遊んでいただきたいです。
Game of the Year 2024
cojicoji さん
S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl
..
Game of the Year 2024
音亀HARU◆サウンドクリエイター◆ゲームと音楽とポッドキャストと さん
ユニコーンオーバーロード
色んな作品が入り乱れ、メジャーとインディー作品の垣根がほぼなくなりつつある2024年。 自分が遊んだ作品の中でも、昨年のティアキンほど総合力で飛び抜けた作品はなく、それぞれの個性的な部分が記憶に残る2024年だった。 その中で僕がGOTYに選んだのは、「今年自分の気持ちが一番前のめりになった作品」 言い換えれば「遊ばされてる感じ」が一番少なかったゲーム 「ユニコーンオーバーロード」 正直言えば発売前は、そこまで期待していなかった。むしろ苦手かもしれないと思っていたジャンルだったので、若干不安を持つくらいだったので、そんなに期待していなかったのもあり(とはいえヴァニラの過去遊んだものがハズレ無かったので安心もしていたが)リリース日後になって体験版を遊んでみた。 そのプレイ前の気持ちとは裏腹に、結果勢いよく体験版を前のめりに遊びきり、そのまま一片の躊躇なく本編購入、クリアにまで至ったゲームで、こんなパターンは自分の中でも珍しいように思う。 見た目は美麗とは言えど2Dだし、ジャンルとしては、戦略シミュレーションっぽいし、特別な何かを見た目から感じるのは難しいかもしれない。 ストーリーもめちゃくちゃ飛び抜けたわけでもない(とはいえしっかり導いてくれるものではある)。 では何が良いかというと、「最適な戦略をプログラミングをするような戦闘のシステム」が一番なのだと僕は強く思う。 戦闘は基本的にターン制でオートで進む。 ただ戦闘時はオートなのだが、そのオート部分の内容は自分で事前に細かく指定しておけるのだ。 各キャラには戦闘中に行える個性的な幾つかの行動があるのだが、その行動に優先順位をつけて指示しておく。 例えば「ライフが25%切っている仲間がいる場合は回復をする」→「敵が4人以上いた場合は範囲攻撃をする」→「騎兵の敵がいたら騎兵特効の攻撃をする」→「どれにも当てはまらない場合は一番残り体力が少ない敵にスタンダードな攻撃をする」といったような命令を各キャラに指示しておくのだ。 1部隊大体3~5人、それぞれの兵種に、攻撃・特効・回復・バフ,デバフ…などなど色々な行動があり、その上に兵種自体にも弱点関係があったりする。 それらを加味した上で、色々な戦略を考えることが楽しい。 「素早さが速いキャラが最初に行動できた場合は、仲間の行動速度を早める効果のある術を仲間にかけて、有利に戦闘を進める」とか、 「”この攻撃によって敵にトドメを刺した場合もう一回行動できる攻撃”を活かすために他のキャラで敵のライフを削っておいて、お膳立てしておく」とか ここでは書ききれないほど、おそらく人によってほぼ無限にありとあらゆる戦略があるだろう。 「キャラ」というデッキ構築の上で「各キャラの技」というデッキ構築の上で、それを素材に「オートメーション化」を自分でするわけだ。そりゃ無限大だわ! しかもそれがプレイしてて「複雑すぎてわけがわからなくなる」ということもない。簡単なところから徐々に複雑なところへ、それでいて面白みの部分がわかるように一歩づつ上がっていくので、複雑すぎて飲み込めないということは少ないように思う。なんなら新しい戦略を思いついた時の「ひらめいちゃった」感。たまりませぬ。 ロジカルに物事を進めたい人には間違いなく刺さる、刺さりすぎる一本に思う。 ただそれは触ってみないと伝えるのが本当に困難で…だからこそ騙されたと思って体験版を触ってほしいのだ。 もちろん合わない人もいるだろうが、合う人は僕と同じようになってほしいと思う。 部隊を組む上で、能力的なシナジーを見出して部隊を組むのも良いだろう。 シナリオに沿ったキャラ同士の関係性を思って部隊を組むのも良いだろう。 完璧に思える部隊ができても、いいところで新しい要素が追加されてきたり、過信していると思いも寄らないところであっさり全滅したりもする。慎重になりすぎたら1ミッションのタイムリミットにぶつかることもあるだろう。 そこへのトライアンドエラーを繰り返しながら、一歩ずつ高みを目指して成長していく感じがとても良い。 ここまでシステムを激推ししてきたが、キャラもしっかり個性や立ち位置を持っていて、しかも作り手が全てのキャラに愛を持って作っている感じも感じられる。全てのキャラが誰かにとって長い時間を過ごした愛着のあるキャラになっている可能性をちゃんと考えられてると思う。好き。 他、全部隊の「士気」をゲームに落とし込んだであろうブレイブシステムも良いし、 カットできてほしい演出とかは基本カットできるし、システム的に「こうできてほしい」と思うようなところは最初から丁寧に作り込まれていた。 又ヴァニラウェアのゲーム音楽を毎回作っているベイシスケイプの曲も今作も良い。力強い。好き。 それにしてもこのご時世にストーリーに寄りかからないゲーム作りをここまで徹底できたもんだ… 僕はそんな「僕のためのゲーム」と思えるゲームを創ってくれたことを嬉しく思っている。
Game of the Year 2024
ライチ さん
サイレントヒル2
面影と異質の混在する町。いつかあの場所につけた『傷跡』を見つけて…帰郷 サイレントヒル2はリメイクまで23年が経っていた。思い出にあるサイレントヒルは臆病な自分を父に力強く頼もしい手で引っ張ってもらいながら巡った町であった。 やだやだと後ろに隠れようとする自分を笑いながら色んな所に連れ回す父であったが、周りの安全が確認できると自分でも歩いてみるよう促してくることがあった。そのような時は自分から一歩踏み出すことすら非常に心細く、治ることのない耳鳴りのような残響すら感じる圧迫感を幼いながらも敏感に感じ取って怯えてしまい、すぐに父に助けを求めていた。 しかし、長い時間そこにいたせいか、次第にそんな恐怖の対象であった町に対してどこか惹かれる部分も感じるようになったのであった。果たしてそれは何もかもを飲み込んでいくこの町に漂う霧の妖しさに魅入られてしまったのか、よくわからないながらもその思いは確実に幼き日の記憶の一画に居座るようになっていた。 そして時が経ち、大人になったがふとあの町が脳裏をよぎる度に当時とは全く違う感情が湧き上がるようになっていた。 あの町が恋しいのだ。 恐怖でしかなかったあの町が、恋しいのだ。 おそらくあの幻想的な雰囲気が好みに合っていたのだと考え、町のことを調べたり映像を探してはその思い出に何度も浸かり直していた。その思いはおそらく「郷愁」と呼んで差し支えないもので、父の背中越しに眺めていた景色の映像を今度はじっくりと眺めては恋しさを鎮めていたのだった。 当然、それは思い出の中にある町のままであったはずだが、心のどこかでなんとなくその町との間に面会室のガラス窓のような透明な壁があるように感じた。 今回、このリメイクをきっかけにサイレントヒルをもう一度訪れる機会に恵まれた。「あぁ、あの町がまた呼んでいる…」などと頭のどこかが呟きつつ、ぼんやりとした期待を抱きながら町に再び降り立った自分を迎え入れてくれたのは、知らない顔でこちらを見つめてくるサイレントヒルだった。 それはまるで父と見た目は同じなのに明らかに別人が自分を迎えに来たようであり、本能がしきりに異質を訴え続けていた。 意を決して、当時のあの空気、あの街並みの懐かしさを頼りに歩みを進めようとするもそれをこの街は許さない。知らない道や建物に幾度となく導かれることで次第に自分の足取りは重くなり、一歩踏み出すことにすら強い嫌悪を覚えるようになっていった。 23年も経てばこの町も変わる…あえてそんな呑気な言葉で自分を落ち着かせようとするものの、尽きる事なく知らない顔を見せてくるサイレントヒルの中で、気がつくと自分はあの頃の臆病な自分に戻っていた… しかし、もう頼っていたあの父の手は今はもうなく、自分で歩みを進める他ないのだ。またあの耳鳴りが生々しい圧を持って鳴り響く。それは思い出のガラス窓越しではなく、振動すら感じかねない直に感じられる音。そして、隙を見せれば狩りの如く恐怖が獰猛に飛びかかってくる。それに対して、負けるものかとなけなしの虚勢を必死にぶつけた。それも、幾度となく、幾度となくぶつけ続けた。 しばらくの間はこうして半ばがむしゃらになりながら必死に彷徨い続けていたが、ある時、ふと自分の周りのノイズが晴れたことに気づいた。あたりを見渡すと「あそこは知ってる」「ここは何度も通った」ということに気がつき、すなわち、いつのまにかそこは新しい自分のテリトリーになっていたのだった。 心にゆとりが生まれ、落ち着いて周りを改めて眺め直すうちに、胸の奥から静かにとある感覚が湧き上がってきたのだった。 「なぜだろう…達成感がすごい…。これほどの大きな達成感は凄く久しぶりな気がする…」 その後も先々で同じ経験をするうちにあることに気がついた。 自分はあの時、後悔していたのだと。 惹かれていたと思っていたのは好意ではなく、自分の殻を破れなかった心残りによる未練であったと。 幼い自分は負ってしまった心の傷を忘れるために好意的な感情にすり替えていたのだった。 しかし、この町に再訪した自分は普段ならすぐにでも逃げ出したくなる恐怖に立ち向かい、あの空間に自分の場所を確立できたのだ。あの日の心の傷跡に向き合い、乗り越えられた。それがかけがえのない達成感に変わったのだった。 それは当然、すでにわかりきっていた町であれば決して得られない体験であり、そもそもこの心の傷跡を思い出すことすらなかっただろう。 しかし、サイレントヒルはあの日感じた不気味さは同じまま、全く異なる顔を見せることで再びこの傷を眼前に突きつけたのだった。あの日をもう一度提供するために「変えることなく、変わった」のだった。 決して懐かしさに飾り立てられた上部だけの「昔のまま」ではない。昔訪れた人々を懐かしさで歓迎するのではない。 時の流れを受け止め、変容し、あの日あの場所にいた自分と同じ気持ちにさせるため大きく作り直されたサイレントヒルがあったのだ。あの達成感という勲章を今一度届けるために、そして、サイレントヒルを忘れるなと言わんばかりに… もはやこれをレビューと呼んでいい代物なのかすらわからない…だが確かにこう感じたのだ。誰に届けるでもないが、念のためこの帰郷譚はここに書き残しておく。 あの町でしばらく行動を共にしていたジェイムスも、きっと忘れていた何かを見つけたことだろう。 そして、昔サイレントヒルを訪れたことがある人もまた、きっと記憶の底に沈んでいた当時と変わらない感情に出会えるだろう、と。 サイレントヒルはリメイクされながらも  あなた  を待っている。