私はフロムゲーが好きではありませんでした。
世間の評判を聴き、SEKIRO,エルデンリングなどプレイしましたが、苛烈な難易度と地味なゲーム性に心が折れ、10時間ほどでどちらもプレイをやめていました。
AC6も当初は購入するつもりはありませんでした。
そもそもACシリーズをプレイしたことはなく、本作の発売日がStarfield発売日の直前だったこともあり、購入するつもりは全くなかったのです。
しかし、発売数日前からのACファンの友人やSNSの異様な盛り上がりにつられてしまい、結局steamで予約購入し、エルデンリングの二の舞だなと思いつつ、発売当日にプレイを始めました。
その結果、本作は人生でプレイしたアクションゲームの中でもトップクラスに大好きな作品になりました。
■良かったところ
本作の素晴らしいところは、アクションゲームにおいて最も大事な"爽快さ"が極まっていることである。コントローラーの操作レイアウトは非常にコンパクトにまとまっており、少し慣れると高速な戦闘アクションを、意のままに、手に吸い付くような感覚で操れるのだ。自機を操作すること自体が非常に面白いのだが、それが自分で作り上げたメカなのだから、なおのこと気分を高揚させる。
また、単純な仕掛けではあるが、ボスを倒した時にスローモーションになる演出も非常に気持ちが良い。
爽快なアクションを支える要素として、秀逸なUIも良く機能している。
このゲームでは、両手の武器の弾薬数/リロード状況、両肩の武器のロックオン状況/リロード状況、敵の体幹ゲージ、などなど戦闘中に管理しないといけない要素が非常に多い。このような様々な管理要素を全てロックオンマーカーに統合して表示するようになっている。これが非常に画期的で、高速戦闘を行っているなかで、敵機から目を離さず全てのゲージ管理を行うことができるのだ。本作における1つの発明といってもよいだろう。
発売直後は武器バランスや難易度曲線が非常にいびつであり、お世辞にも褒められたゲームバランスではなかったのだが、発売2週間後ごろから、武器バランスや強すぎるボスのモーション修正が進められたことも印象深い。私も含め、初期バージョンの理不尽な難易度を乗り越えた人間は少し寂しく感じると思うが、消費者に対しての誠実さを感じる対応であった。
■残念だったところ
ストーリー全体の構成としては、非常に熱い展開も何度かあり、楽しめるものだった。だが、同じストーリーを3回周回させ、一部だけ分岐するという見せ方が適切だったのかは疑問が残る。正直同じミッションを3回もクリアするのはただただ面倒で、プレイ時間のかさましをされているようにしか感じなかった。しかも、ストーリー上でのクリアでは、クリアランクが付かないので、「オールS」の達成をしようと思うと、さらにもう1度全ミッションをクリアしないといけない。
また、全体的に説明が少なく、特に1週目でのストーリーの理解が難しい。そのため、ストーリー自体の求心力のなさから、プレイをやめてしまう人もいるだろうと感じた。個人的に2~3週目からストーリーは面白くなったし、最後のエンディングでは感動して拍手をしてしまった。
■総評
ストーリーテリングの手法や、発売直後のバランスなど、一部不満はあったものの、3Dアクションゲームとしての面白さは一品であり、傑作だと思います。
大好きなゲームです