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アサシン クリード ミラージュ

Game of the Year 2023
かづまるΛ المخفية さん
アサシン クリード ミラージュ
【ライトに遊べるシリーズ最新作】 元々が前作(ASSASSIN'S CREED Valhalla)のDLCとして発売される予定だったものをブラッシュアップし、より過去のアサシンクリードシリーズに近い要素を盛り込んだの今作。 ストーリー、サブクエスト、エリアそれぞれがコンパクトに収まっており、メインストーリーだけなら10時間程度でクリアできます。 ですが、自分は発売から約2ヶ月経って遠にストーリーをクリアしているにも関わらずまだ遊び続けており、現在トータルプレイ時間は65時間程度。まだ終わっていません! 『終わらせたくないっ!』という気持ちも多少はあるのですが、それ以上にただその街並みを見ながら(スリをしながら)練り歩くのが楽しいのです(そう、スリをしながら…)。 舞台は9世紀のバグダッド。『アラビアン・ナイト』や『アラジンと魔法のランプ』の舞台にもなった時代と土地を歴史的建造物や人々の生活、移動中に聞こえてくる会話や音楽、色鮮やかな雑貨の数々、昼夜で雰囲気を変える風景、そのどれもが見聞きしていて飽きることがなく、時間を忘れてアサシンが誕生するであろう世界観に浸ることが出来ます。 自分はもうこの要素だけで大満足でした。 勿論、本作はシリーズの原点回帰を唱っている事もあり、戦闘面はステルスメインの仕様となっており、背後・頭上・物陰から相手を一撃で始末するアサクリお馴染みのスタイルを楽しむことが出来ます。 また、複数の敵と対峙した時はパリィや煙幕などの小道具を駆使し相手を翻弄しつつ上手く切り抜ける事をオススメします(まともに複数人を相手にしようとすると簡単に倒されてしまうのでご注意下さい)。 自分は設定やアサシン感を重視していた為、煙幕と投げナイフ以外の小道具やスキルは使用せずに縛りプレイで遊んでいましたが、よりスタイリッシュに複数の敵を仕留める方法が用意されていますので、初めて遊ばれる方でも安心してカッコいいアサシンを体感する事ができると思います。 物語についてはネタバレになりそうなのであまり語らいでおこうと思いますが、概要をお話すると…前作に登場していたバシムと言うキャクターが本作の主人公となっており、彼がアサシンの主力メンバーになるまでの前日譚が今作で語られますので今作から遊ばれる方が遊んでも問題はありません。まだ遊ばれてない方にも是非手にとっていただきたいです。 グラフィック、音楽、環境音、メイン・サブの物語、風景や装飾品、時代背景や設定資料の解説などのテキスト、どの要素もこの世界に没入するために欠かせない要素であり、時間を忘れて浸る事の出来るプレイが今回のアサシンクリードで久々に体験できたと僕は感じています。 今作のコンパクトさに物足りなさを感じている方もおられた様ですが、僕個人としてはクエスト進行以外のところにも沢山楽しめる要素が散りばめられていてかなり満足度の高い一本でした。 少しでも気になっておられる方がいらっしゃれば是非一度遊んでみていただきたいです🎶 最後に過去作の言葉を借りて…… 『ようこそ、アサシンクリードの世界へ ここでは歴史が、あなたの遊び場です。』 それでは、アッサラーム・アライクム🌌
Game of the Year 2023
paparapa さん
Hi-Fi RUSH
昨今のゲームを評価する際に、"オリジナリティ"はあるのか、無いのかという点が争点になることが多いと個人的には感じている。今年でファミコン誕生からちょうど40年。決して短いとは言えない歴史の中で、数多のゲームが誕生し、その中には"オリジナリティ"を持った作品も数多くある。しかし、2023年という時代において、真の"オリジナリティ"は存在し得るのか。無いとはいえないだろうが、やはり先行する作品からの影響というのは大きく、プレイヤーが遊ぶ作品を選ぶ際、既存のタイトルから経験したことがあるようなものを探してしまうし、未プレイの人に説明する際、「アレに似ている」、「あの作品に近い」などとわかりやすく説明しようとすればするほど、過去の作品との比較をするものだ。しかし、既存のゲームシステムの融合により、"オリジナリティ"は生まれるものでもあるということに気付かされた年であった。私の2023年GOTYは、「Hi-Fi RUSH」である。 本作の開発は、Tango Gameworksで、販売はBethesda Softworksから、XboxとPCでの発売となった。発表と同時に発売、Day1ゲームパスということもあり、リリース時から大きな話題になったのは読者の記憶にも新しいだろう。しかし、この手法だけで話題になったのではなく、このゲームはその"オリジナリティ"こそ、注目されたのだ。既存のスラッシュアクションにリズムゲームをブレンドするという点が本作の特徴である。どのようなゲームかを説明する際、非常に雑に語るとすれば、Devil May Cry×リズム天国となり、誰もブレンドしようとしなかったゲーム性こそが、本作の持つ最大の"オリジナリティ"である。 私がゲームを評価する際の基準としている項目が、4〜5点ある。1、ゲームプレイ。2、ビジュアル。3、音響、音楽。4、"オリジナリティ"。5、ストーリーがあれば、ストーリーとなる。 まず、1点目のゲームプレイに関して、見ていこう。ゲーム画面だけを見るならば、本作は3Dアクションゲームにしか見えない。だが、画面上に存在するもの、敵や背景、その全てがリズムを刻んでおり、そのリズムと攻撃や回避を同期させることで、コンボを成立させるというゲーム性を生み出している。文章や映像からでは伝わらないが、触っていて、動かしていて気持ちいいのである。手触りが良いアクションをリズムにノリながら繰り出していく、コンボの種類も豊富で操作して楽しいゲームだった。では、本作はリズム感が無ければ、楽しめないのかというとそんなことはない。まず、私が音感、リズム感ともに無いのだが、本作を楽しんで最後までプレイ出来たのが、何よりの証左である。リズムを無視して力技で押し切ることが出来るゲーム性も持っており、単純なアクションゲームとして楽しむことも可能である。アクションゲームの本質は、動かして楽しい、何よりもこの点に尽きるのではないだろうか。本作は正にそのような作品であった。 続いて、ビジュアル面はどうかというと。以前ほど、フォトリアルな画面が持て囃される時代ではないが、やはりビジュアル面を評価される作品は写実的なものが多い。しかし、本作は一見して分かるのだか、非常にポップでキャッチーなビジュアルである。最近のゲーム画面は暗く、見難いものが多いのだが、本作は徹底してポップである。アメコミ風のデザインだけでなく、某少年漫画のパロディを取り入れるなど遊び心もふんだんにある。その匙加減が絶妙である。この絵柄は、背景もリズムを刻むという本作に於いて、非常に素晴らしい役割を果たしており、ゲームプレイにも一役買っている。 本作の最大の特徴とも言えるのが、音楽である。リズムゲーム要素がふんだんに含まれる作品において、手の抜けない分野であることは間違いないのだか、オリジナル曲が素晴らしいのは勿論、採用されているライセンス曲のバラエティも素晴らしい。NINやThe Prodigy、Number Girlなど90年代オルタナティブロックファンには堪らない選曲であった。また本作では、ストリーマー向けにライセンス曲をオリジナル曲へ差し替えるモードがあるのだか、そのオリジナル曲がまた素晴らしい。原曲の特徴をよく捉えており、それぞれのバンドに対して、製作陣の愛情と敬意を感じられた。 一方でストーリーはというと、何かを考えさせられる、驚きの展開の連続というような、話の内容に軸足を置いたようなものではない。ご都合主義の連続であるのだが、主人公のその一本筋の通った真っ直ぐさで、プレイしながらプレイヤーが引っ張られていく、愛すべきバカによる王道の勧善懲悪である。変に子供っぽ過ぎず、大人びた話でもなく、全体的にさっぱりとした味付けになっており、万人が楽しめるような物語である。本作に於いて、ストーリーはゲームをプレイするための添え物であり、決して作品の核となる要素ではないので、ストーリー主体のゲームが好みな方にはオススメ出来ないだろう。 最後に"オリジナリティ"はというと、本作は"オリジナリティ"の塊である。一見、何の変哲もないスラッシュアクションにリズムゲーム要素をブレンドしたことによって体験出来るゲーム性は唯一無二なものである。既存の作品のメカニクスを組み合わせることにより、ここまで触れたこともない作品を生み出したことは感嘆せざるを得ない。各項目を分解すれば、"オリジナリティ"があるわけではないのだが、美しい足し算がこれまで体験したことのないゲームプレイを生み出している。 以上、その評価軸の全てに於いて高評価が出来る故に、2023年の私のGOTYとしたいと思う。