ひゅうま(ゲームの滝壺)のGOTY
GAME OF THE YEAR
スペルトナエル
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スペルトナエル
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送信先「YourGOTY 2025 レビュー投稿キャンペーン」
…じゃあやりますか
ノスタルジアメール

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『謎解き×高難易度デッキ構築×50音表ローグライトのインフレ弾幕アクション!』
と聞いてどのようなゲームか分かる人はどれくらいいるだろうか?

これは公式紹介文の引用ではあるが、おそらく、このジャンル説明で本作がどのようなゲームなのかを理解できる人は一握りもいないであろう。
昨今乱立する数多のローグライク作品の中であっても、本作が放つのはひときわの異彩である。

本作の魅力も難解な紹介文同様に、プレイをするまではなかなか理解されないものであるが、ひとたびプレイをしたのならば、きっとあなたもその魅力に憑りつかれるに違いない。

あなたは一刻も早く本作を購入し、主人公「ツー」と一緒にスペルをトナエルべきではあるが、どこの馬の骨かもわからない私の言葉に信用がないことは重々承知している。
まだ心が動いていないそんなあなたに、切り口を変えたとびきりの情報がある。

本作は「桜井政博氏」や「トビー・フォックス氏」らゲーム業界を代表するトップクリエイターが、そのゲームデザインや革新性を極めて高く評価した作品であるということだ。

日本ゲーム大賞2025において、ゲームデザイナーズ大賞という部門の最終選考にまで残り、審査員長の桜井政博氏にタイトルを読み上げられたという出来事は記憶に新しい。

本作の面白さが広くに知れ渡ってほしい私にとって、格別な思いであったことは言うまでもないが、レビューを書き連ねている今、正直これ以上の謳い文句を持ち合わせていないことの歯がゆさも同時に感じている。

それでもなお、これから本作の魅力について私なりにお伝えしたい。
非常に多くの要素が絶妙なバランスで成り立っているゲームであるという特性上、その魅力の全てについて端的に語ることは難しく、今回は要素を限定させていただくことを前もってご理解いただきたい。



【ゲームシステム】
本作は全20ステージ(1日目~20日目)からなるステージ攻略型のゲームで、制限時間内に敵キャラクターを倒すことによって次に進むことができるというのが基本の流れである。

ステージ中では、50音表上をハート型の自機がかけまわり、唱えたいスペルの文字を順番に拾い、名前の全てを拾い切った段階でスペルが発動しその効果が表れるという仕様なのだが、このゲームシステムが今までになく非常に新鮮な体験をもたらしている。

スペルの種類は自身を強化するものや敵にダメージを与えるもの、その他特殊な効果を発揮するものに分類され、ステージクリアに必要なステータス等を確保するために制限時間いっぱいにスペルを唱え続け、自身を強化することが基本形となる。

一方で、ただただスペルを唱え続ければ良いかと言うとそうではない。
制限時間を残してステージをクリアすることによって、得られる資金が増えるといったようなメリットもあるほか、画面の右側からやってくる敵の攻撃をシューティングゲームさながらに避ける必要があるため、プレイヤーが気にするポイントは多岐にわたる。

ハート型の自機が敵の攻撃を避けるゲームというと、多くの人は「UNDERTALE」を想像するかもしれないが、本作の戦闘の根幹はどのスペルを、どのように、どれだけ唱えるかを判断し楽しむゲームであり、敵の攻撃を避けることを主眼に置いた「UNDERTALE」のそれとは似て非なるものである。

ステージとステージの間にはスペルを購入するパートが挟まれ、怪しげな魔法店でのショッピングを楽しむことになる。
このとき購入可能なスペルは、自身の持つ資金額に影響をうけたランダム選出となっており、繰り返しプレイしても新鮮なプレイ体験を与えてくれるのである。



そんな本作の魅力は大きく分けて以下の3つだ。
■数字のインフレ
■豊富なプレイスタイルを許容する懐の深さ
■謎の多いストーリー


【数字のインフレ】
ステージ1の敵キャラクターである「無抵抗のスライム」の体力と攻撃力はともに「1」、少し進んだステージ4の「花粉症のオハナ」の体力は「15」で攻撃力は「5」だが、もう少しだけ進んだステージ10の「大御所のドラゴン」の体力は「40000」で攻撃力は「2400」。
とんでもないインフレ、とんでもない成長曲線である。
※なお、大きな数字を見るだけでワクワクできるあなたのために、ステージ20のラスボスの体力は「9999999999」攻撃力は「99999999」であることもここに補足しておく

主人公「ツー」も、これらの敵キャラクターのステータス上昇に追いつくべく成長の機会が与えられる。
ゲームクリアのために必要な最低限のステータス確保を目指すのが効率的だが、なんとくなく京(1兆の1万倍)のステータスを目指したって良い。
だって大きな数字は楽しいから。

こんな大きな数字が登場する本作ではあるが、決して大味なゲームではない。
作者である「おまど氏」の理念に基づく緻密な計算と、いくつかの偶然のめぐり合わせによって生み出された絶妙なバランスは、容易にクリアにはたどり着かせてくれないながらも、プレイの度に着実に成長を感じさせ、確かな満足感を与えてくれるのである。


【豊富なプレイスタイルを許容する懐の深さ】
自身の攻撃力を強化して、全てを一撃で倒してしまっても良い。
自身の移動速度を強化して、色々なスペルを唱えまくっても良い。
ギャンブル要素に身を任せて、ステータスを上げずにクリアを目指しても良い。
精霊や動物たちに働かせて、自身はそれを眺めているだけでも良い。

上記は一部極端な例ではあるが、本作にはさまざまなプレイスタイルを許容する懐の深さがある。
その深さを演出しているのがたくさん用意されているスペルである。

スペルの中には、シンプルかつ明らかに有用そうなものから、不穏な説明文が添えられたものまでさまざまだが、プレイヤーにはその組み合わせによる相乗効果について検討する自由が与えられる。

このスペルのデメリットはこのスペルで打ち消すことができる
このスペルの効果は控えめだが、このスペルとの文字配列の相性が非常に良い
など、プレイヤーの気付きの数だけプレイの幅が広がり、そこにはえも言われぬ快感が伴うのである。

効果の高いスペルには注意しよう。
画面が上下左右反転してしまうから。


【謎の多いストーリー】
ステージを進めるごとに届くメールを読み、この世界についての理解を深めていくというのが本作の基本路線であるが、2日目の段階で『20日目に「ツー」が死んでしまう』という極めてショッキングな事実が告げられる。
なぜそのようなことになるのか、全くわからないままプレイヤーはストーリーを進めることとなる。

ローグライク(ローグライト)作品は本来ストーリー物と相性が悪い。
基本的に一からのやり直しを要求され、その展開のバリエーションが面白いローグライクと、展開が次に進むことに面白さがあるストーリー物とでは楽しむポイントが相反するからである。

ストーリー物として成立させることでさえ難しいのに、謎解き要素があるとはなんぞや?どうせチープなハリボテでしょう?と思うなかれ。
本作はゲームジャンルとしての相性の悪さを抱えながらも、きちんと両軸を成立させている。

しかも、なんとこのゲーム、マルチエンディングである。
5つのエンディング分岐の条件はさまざまで、ここに謎解きの要素が含まれている。

画面に表示される情報全てに気を配ってほしい。
答えはいろいろなところにちりばめられているから。
バージョンアップを経て追加ヒントも手厚くなっているから、謎解き部分に不安がある人もきっと大丈夫。

作中の一部要素については、作者である「おまど氏」が遊んだことのある作品の影響を多分に受けているとのことなので、どこからの影響なのかに気づけると非常に面白い。


5つ全てのエンディングを見たときあなたはどのような感情になるだろうか。
良かったと安堵するだろうか、それとも何か他の感情を抱くだろうか。

あなたがこの世界の真実にたどり着くことを祈っている。








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ここまで読んでくれてありがとう!
長すぎるレビューにびっくりしましたか?

ここまで読んでくれたあなたに、すごく魅力的な情報と人によっては魅力的な情報をあげようかな。


すごく魅力的な情報というのは、本作が『定価320円』ってこと。

むちゃくちゃ安いよね。
3本買っても千円でおつりがくるよ。
Steamで買って友達に送り付けてくれたらうれしいな。

しかもセールの時は160円のこともあるんだって。
作者のおまどさんが、さすがに安すぎるから定価で買ってくれって言ってたよ。
本当にその通りだよね。

既プレイのあなたも、本作が二人プレイもできるって知ってた?
そっちも遊んでみたらきっと楽しいと思うよ。
二人で遊んだら実質80円?それは違うか。


もうひとつの人によっては魅力的な情報っていうのは、作者のおまどさんがファミレスの「ジョナサン」を好きってこと。
「ジョナサン」で食事をしてみたら、「スペルトナエル」みたいな面白いゲームが作れるようになるのかもね。
今度私も行ってみようかな。

なんでそんなこと知ってるかって?
それは実際に作者に聞いてみたからだよ。

ゲーム系ポッドキャスト「ゲームの滝壺」の第61回『スペルトナエル開発者とタノシイハナシ(ゲスト:おまどさん)』で作者のおまどさんにインタビューをしているよ。
プレイ後の方が良いかもしれないけど、良かったら聴いてみてね。

いきなりの宣伝ごめんね。
それじゃあ、バイバイ。


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ゲーム概要

引きこもりの少女ツーと共に20日間の冒険へ!50音表を駆け回り呪文を詠唱する新感覚システムで、400種類以上の魔法を駆使して世界を壊そう!謎解き×高難易度デッキ構築×50音表ローグライトのインフレ弾幕アクション!
from Steam

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