色彩豊かで美しいドット絵が目を引く2D探索型アクション。

全体的にバランスが良く気軽に楽しめるアクションゲームである一方、ポップな見た目とは裏腹にストーリーは重く心に残るものとなっているギャップがすごい。
ひとりで7年かけて開発されたというが、その思いが詰まった傑作だと思う。

主人公は若き女性ロビン。もぐりのメカニックゆえに追われる身となったロビンが世界をめぐる争いと混沌に巻き込まれ、一見美しいこの世界の歪みが明らかになってゆく。

難易度は3つから選べるので、アクションが苦手な人から慣れてる人まで幅広く楽しめるであろう程よい設定。探索型というよりはステージクリア型に近いところもあるけど、パズル的な謎解き要素も多く飽きさせないし、宝箱を見つけるために隠し通路を探したりするのも楽しい。

キャラクターがとにかくよく動いて、ドット絵なのにしっかり演技してるのが素晴らしい。動かしてるだけでも楽しいし、私は歩くときにテコテコ音がするが可愛くてお気に入り。
背景の描き込みもすごくて、単なる背景というだけでなく、そこには物語を読み解くヒントとなる情報がふんだんに盛り込まれている。この描き込みと、キャラクターが生き生き動く様子はドット絵好きの方には是非見て欲しい。

タイトルの Iconoclasts(アイコノクラスツ) は、8世紀から9世紀の東ヨーロッパのカトリック教会において聖像崇敬が皇帝により禁止されたことに端を発する聖像破壊運動 iconoclasm(アイコノクラズム) が元となっており、聖像を破壊する者 Iconoclast(アイコノクラスト)は因習を打破する者という意味でも使われるとのこと。
そんなタイトルがついているだけあって、物語には宗教や信仰といったものが大きく関わってくる。

信仰とは大雑把にいうと魂の救済みたいなことだと思っているんだけど、そういう部分も描かれているのが魅力。登場するキャラクターたちがいろんな悩みを抱えてたり心の傷を負ってたりして、それぞれに物語があり、しっかり血が通っている感じがする。
書きながら気づいたけど、この「血が通っている」という表現にも意味があるというか、皮肉があるというか。その辺も是非プレイして感じて欲しい。

こんな紹介だとひたすら重苦しいように感じるかもしれないけど、ポップな絵柄を活かしてコミカルな動きや演出で楽しませてくれる部分も多い。

単に楽しいアクションゲームとして楽しむもよし、深みのある物語を楽しむもよし、ドット絵を見て楽しむもよし。いろんな方法で楽しんでみて欲しい。
素敵なレビューは
拍手で応援!

プロモーションビデオ等

ショップ・メーカーサイト


GOTY を選んだ後にプレイした本作。
バーバリアンとバットでバットバリアン。その微妙なネーミングセンスはさておき、GOTYに選んだ Iconoclasts に負けないくらい面白くて、これを埋もれさせるのはもったいないと思い急遽準GOTYということにしてみた。

Iconoclasts と同じくドット絵のサイドビュー2D探索型アクション。すなわち私の大好物。
バーバリアンと不思議な光るコウモリのコンビが謎の洞窟の奥深くに落ちるところからゲームは始まる。脱出をしようとする中で、この洞窟に秘められた秘密が明らかになっていく。


コメディ色が強く親しみやすいんだけど、その実なかなかの高難度。パズル要素も多いんだけど全体的に難易度は高くて、しっかりとした手応えのある仕上がり。特に終盤はきついけど、それゆえにクリアした時の達成感が気持ちいい。
人によっては投げ出したくなるような難しさだろうけど、救済策としていろんなアシスト機能がついている。攻撃力や回復力等をアップさせるとか、アイテムや経験値がたくさん手に入るとか設定項目は多め。わたしは使わなかったけど、多分全部使えばかなり難易度は落ちるので、アクション苦手な人でも頑張れるんじゃないだろうか。


バーバリアンというだけあってアクションは脳筋って感じ。
この手のゲームではお馴染みの2段ジャンプとか、ローリング等による回避とか、壁キックとか、そんなものはない。必殺技もないし、しゃがみすらない。移動、ジャンプ、攻撃。以上。
レベルアップ制だけど、基本パラーメタが上がるだけでバーバリアンが特殊能力を得ることはない。代わりにコウモリの方が特殊能力を手に入れて活躍する。これが戦闘にもパズルにもしっかり絡んでて面白い。


パズルは頭を悩ませる難しさといいうよりアクションの難しさの方が大きかった。パズルというよりアスレチックと言った方がいいかもしれない。
アイテムとエレメントの切り替え、方向を定めてアイテムを投げる、そして移動とジャンプ、これらを素早く行う必要があり忙しい。キーアサインが細かく変えれるので、パズルを解くため一時的に変えるということもあった。そこもアイデアを問われるパズルの一部って感じでわたしは面白かったけど、この操作の難しさは難点かもしれない。


隠し宝箱とかも多くて探索も楽しいし、ストーリーもちゃんとしてて楽しめる。会話の受け答えで選択肢が出てくることが多くマルチエンディングを採用してるけど、おそらくストーリー分岐に関わる選択肢は特定の僅かなイベントのみだと思うので、真面目な答えを選ぶのか、ふざけた答えを選ぶのか、自分なりのバーバリアン像を作ってロールプレイしてみるのも面白いと思う。


アクション苦手な人にはちょっと厳しいかもしれないけど、この手のゲームが好きな人には是非お勧めしたい良作。
素敵なレビューは
拍手で応援!

プロモーションビデオ等

ショップ・メーカーサイト


シェアする

その他のGOTY


あなたもGOTYを発表してみませんか?

X(旧Twitter)アカウントでログインするだけで、
簡単にGOTY発表ページが作れます!
自由に部門賞を追加することも可能!
(ログインすることで 利用規約に同意したものとみなされます)

みんなのGOTYを見る

もっと見る