垂直の壁にへばりつく重厚なメカ。
平地がなく、壁にとりついて生き抜く世界観。
謎の敵生物に阻まれ、壁の頂にたどり着いた者はなく、壁の下の大地に下り立った者もいない。
プレイヤーは壁を掘削して資源を探す冒険者となり、メカを操って敵生物の攻撃をしのぎつつ、ドリルで壁に穴を開け、埋もれた遺物を回収する。
遺物によりメカをアップグレードでき、対敵生物への攻撃を強化したり、プレイヤーの掘削能力を上げたりと、探検を後押しする。
そして力及ばず志半ばで倒れたときは、また次の冒険者がメカに乗って新たな冒険に旅立つ、という基本サイクルを持つゲームである。
メカアップグレードの種類は掘削する遺物次第のランダムとなっていて、武器系/回復・補助系など、出たものでやりくりするローグライト感がある。
ローグライト・ローグライク苦手マンの筆者がそれでもこのタイトルを推すほど惹かれた点は大きくは二つある。
ひとつめは、センスの光る緻密なドット絵が素晴らしいことである。
ヌメリ感ある不気味な敵生物や、自機メカの躍動感、壁の中にきらめく遺物の光など、本作の世界観を十二分に表現しきっている。
とくにメカ。崖下方向に緊急回避するときにワイヤーウインチを繰り出しながら下降し、細かい敵を踏みつぶしながら着壁するさまや、武器の振動、エンジンの煙など、鳥山明が描くメカを彷彿とさせる魅力がある。
ふたつめは、成長要素である。死ぬとアップグレードが失われるところはまあローグライトのお約束でもあるが、探索に応じて村のメカ技術が上がるため、性能の底上げと機能の開放などは蓄積していく。
エンジン、シールドほか色々なパーツの改造をメカニックに依頼すると、工場に吊るされたパーツのビジュアルも進化するところが、とても嬉しい。
死に戻るゲームはちょっと苦手ではあるのだが、余りある魅力に引っ張られてぐいぐいと挑戦を繰り返すことができた。
舞台が垂直であるがゆえ、投射物が崖下方向に落ちていくなどのアイデアも、世界設定を活かしたきらっと光る独自性になっていた。
コンパクトなゲームサイズと価格もありがたい佳作。
了
※Steam、PS、XBOXで販売中