時は1986年のアメリカ。
主人公のメレディス・ワイスは今でいうIT企業に勤める40代の独身女性。
都会で忙しい日々を送っていた彼女でしたが、ひょんなことから郵便局員の父親の代役を務めるため、数十年ぶりに故郷に帰ることになります。
故郷のプロビデンス・オークスは美しい湖のほとりに佇むこじんまりとした田舎町。
ゲームタイトルの「Lake」はその湖にちなんで名づけられています。
彼女はその町で郵便局員として手紙や小包を配達しながら、様々な人々との再会や新たな出会いを経験することになります。
久しぶりに会った旧友は、今では結婚して2人の子持ち。
家事に仕事に奮闘しながら趣味の音楽もあきらめず、忙しい日々を送っています。
町のメイン通りに最近できたらしいレンタルビデオ店、そこは少し変わりモノのサブカルお姉さんが経営していて、、、などなど。
メレディスは配達先で世間話をして、たまに旧交を温めたり、食事に誘われたり、休日に猫や子供の世話を頼まれたりします。
このゲームでは特に劇的なことはほとんど何も起こりません。
一応ロマンス要素もありますが、酸いも甘いもそれなりに経験した中年らしいささやかなものです。
でもそれが良いのです。
そこに美しい湖があるだけで、そこに住むすべての人の営みがとても愛しいものに感じてくるのだから不思議なものです。
もちろん、住民はすべてがいい人ばかりではありません。
せっかく荷物を届けてあげたのに、邪険に扱われてムッとすることもあります。
嫌味の一つも言いたくなりますが、そこはおおらかな心で受け止めてあげましょう。田舎町に暮らすというのはそういうことです。
そんなリアリティもこの作品の好ましいところです。
そしてゲームの終盤では、あなたはこの街に残るのか、都会に帰るのか、選択を迫られることになります。
都会に戻れば1980年代のIT企業です。復帰すれば後にGAFAMと呼ばれるような大会社のお偉いさんくらいにはなれるかもしれません。
さあ、あなたはどちらを選ぶのか、、、
都会の仕事に疲れて「ああ、田舎に移住してのんびり暮らしたいなあ」なんて思っている方にはぴったりの作品です。
このゲームはある意味とても退屈な作品です。そして、田舎暮らしとは基本的に退屈なものです。
はたしてあなたは退屈を楽しめるのか?そういう意味でも、あなたが人生の岐路に迷ったとき、ヒントをもらえる作品かもしれません。