『Opus Magnum』のGOTY・レビュー一覧

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Opus Magnumのゲーム画像
苦手意識を打ち砕いてくれたで賞・人とのつながりを作ってくれたで賞
DaemonDaisy さん
Opus Magnum
■■■ パズル嫌いの私とOpus Magnum ■■■ 私はいわゆるパズルゲームが苦手だ。苦手という言葉はこの文章が不特定多数に読まれるからオブラートに包んだ表現であって、本音はお察し頂きたい。 必死で考えて答えにたどり着いても、それはパズル制作者のお膳立てした想定解を見つけ出したに過ぎない。手のひらで踊らされている。撒かれた貝を拾うだけのニセ潮干狩りのようだ。 わざとらしい誘導やメタい手がかりで正解にたどり着くのも屈辱的である。「不自然なこの障害物!ヒントに違いない!出題者親切!」親切というのはオブラート(中略) 多くの場合唯一解であるため、解答を公開することは単純にスポイラーである。「おれさまの素晴らしい回答を見よ!」と見せびらかしたくてもみんな同じ答えだし単に迷惑だ。 そう言わずに素直に楽しめばいいのに、と言われそうだし自分でもそう思う。それでもどうしても気になってしまう、そんなクソ面倒くさい人間が私なのだ。 しかし一方で――これらを全て解消してくれた異色のパズルゲームが本作である。 ■■■ みんな違ってみんな良い、サンドボックス的パズル ■■■ ゲームの内容を掻い摘んで言えば「指定された物質を作り出す装置を組み上げよ」というものである。詳しくは公式説明文を見てほしい。 私にとって本作の最大の特徴は「解が無数に存在すること」だ。指定された物質を規定の数だけ納品できれば、どれだけ不細工でもクリア判定。 装置の各部品にはコストが設定されているのでコスト削減を競っても良い…のだが、別にどれだけ高くついても構わない。(金欠っぽいストーリー展開だけど別に怒られない) 納品完了までの工程数が計測される…のだが、別にどれだけ時間をかけても構わない。(時間的に余裕なさそうなストーリー展開だけど別に怒られない) 装置の占有面積が計測され表示される…のだが、別にどれだけ空間を無駄遣いしても構わない。(アジトは狭そうなストーリー(中略)) あるいはこれらコスト・時間・面積の総合力を競っても良いし、あるいは全部無視して見た目に面白い動きを追求してもいい。 つまりはサンドボックス的性質を持ったパズルなのだ。作問者の想定解を追い求めなくて良い。手のひらの上を超えて好きなところで踊って良い。 ■■■ パズルなのに解答を見せびらかしていい ■■■ 多くのパズルゲームにおいて、解答を公開することは推理小説の犯人の名をバラすのに等しい大罪だ。しかし本作では解答は人それぞれだし、解の良し悪しの基準もみな違う。解答を公開しても殴られないし絶交もされないのだ。 「君はそう解いたのか、悪くないね。だが私の美的感覚ではこっちだ。」「そういう解決策があるのか、パk…参考にさせて頂こう」「俺の最速解を越えただと…ギギギギ!!(歯ぎしり)」 こんな具合に他人の解答を見て楽しむことができる。(奥歯がだいぶすり減る) 嬉しいことに、動作する装置のGIFアニメーションを出力することができ、SNSで共有しやすくなっている。(ぜひ #opusmagnum でtwitterを検索してみてほしい。ピタゴラ装置のように動くアニメーションに心ときめいたなら、あなたも錬金術師デビューしよう) ■■■ 私に仲間をもたらしてくれたゲーム ■■■ 私がどうしてもこのゲームについて書きたかった理由はこの「SNSとの相性の良さ」だ。SNSに投稿しやすい仕組みに乗っかることで、それまでインターネットの海に呪詛を垂れ流すだけだった私のアカウントにフォロワーさんが現れたのだ。 数は多くないものの、クセの強い本作を愛好するだけあってゲームの好みが似ている方が多く、身の回りにゲーム仲間のいなかった私のゲームライフは劇的に充実した。私のフォロワーさんのうち本作で繋がった方はけっこうな割合に上る。本作とフォロワーさん各位には感謝してもしきれない。 ■■■ 2Dグラフィックのインターフェースから生み出される不思議な没入感 ■■■ グラが良い効果音が良いストーリーが良い操作性が良い。どうせあらゆるゲームレビューで同じことが書かれるだろうからまとめさせて頂いた。(我ながら性格が悪い) ただ私にとって印象的だったのは、「設定」画面にさえサイドストーリーが用意されている点だ。第4の壁のこちら側にあるはずの設定画面をゲーム内に引き込もうとするこの演出は、名作「undertale」でゲーム内のキャラクターがボタンを破壊してくる演出を彷彿とさせた。世界観や没入感に対するこだわりが垣間見える演出だと感じた。 ■■■ 開発元について ■■■ 泣く子も黙る有名タイトル「Minecraft」の前身と言われる「Inifiniminer」というゲームがある。実はこの Infiniminer の開発元が、本作開発元の Zachtronics である。良いゲームを作るセンスを持ったスタジオであるといえるのではないだろうか。 惜しむらくは先日Zachtronicsは新作の開発を停止する旨を発表した。恩義を感じる開発元だけに、大変残念だ。せめてもの感謝のしるしとして、こうしてレビューを書かせて頂くことにした。 キモいレビューでごめんなさい、そして本当にありがとう。