世界初!まぶたで操作するゲーム。
このゲームは、iPhoneやPCをはじめとした「カメラがついている機器」でプレイすることを前提としている。ゲームのジャンルとしてはADVに分類されるゲームで、一人称視点のなかにあるカーソルを手で操作しつつ、カーソルを見ながら「まばたきをする」、「まばたきを耐える」という二つのアクションをプレイヤーは行うことになる。
本作のキモは、随意と不随意の組み合わせだ。何かのアクションを指示するために、まばたきをする、ということは簡単にできる。
だが、なにかを見続けるためにまばたたきを耐えなければならないのは、なかなかできない。本作では、そんな感じで「まばたきをするとシーンが終わってしまう」というシーンが定期的に挿入される。「あ、もっとみていたいのだけど、まばたきが…!」となってシーンが切り替わるということが結構ある。
この「自分の身体なのにどうにもならないことがある」というのが本作のシナリオに大きく関わってくる。
本作は、最初、死後の世界から物語が始まる。
プレイヤーは、名もなき魂の一つとして、死後の審判を受けるために三途の川の船守と一緒に川下りをしていく。
その道すがら、船乗りから「おまえはどのような人生を生きてきたのか」を聞かれ、それを思い出していくことになる。
その際に説明されるのは「思い出す時間や場所はまちまちで、まばたきをしている間に変わってしまう」ということ。何回もまばたきをさせられることもあるのだけど、基本的には、まばたきをする間に人生は切り替わっていく。
プレイヤーが思い出していく人生というのは、自分が生まれてから、育っていって、どう死ぬことになったのか。
子持ちのおじさんが見ていてしんどいのは、プレイヤーの「親」の気持ちが痛いほどわかるからだ。
ピアニストの夢を諦めて会計士になった母親、愛情深いけれど教育熱心な母親についてけない父親、そんななかでもすくすくと育って、隣の家の女の子と初恋をする自分、などなど、ちょっとずつ成長していく自分を中心とした物語の登場人物全員に共感が及んでしまう。
そして、その自分がなぜ死ぬことになったのかは、涙なくしては見れない。そんな状況を見守るためには、まばたきを耐えなければならないのだけど、涙が溢れたりしてる状況で耐えさせられるのが、かなりしんどい。
別段、まばたきを耐えたからって、シナリオの分岐はないのだけど。
けれど、それを耐えるように作っているあたりが、いい意味で「鬼畜の所業」。どうしてこんな酷い目に遭わされるのか、と思う。子供がいる方は、ほんの2〜3時間でクリアまで行けるので、ぜひともやってみてください。
一応、キーボードなどでまぶたの入力の代わりをやれる設定も存在するが、面白さが半減するのでやめておきましょう。