『オクトパストラベラーII』のGOTY・レビュー一覧

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Game of the Year 2023
JAM_PAN さん
オクトパストラベラーII
皆さんは”RPG”が好きですか? どんな”RPG”が好きですか? もし私がそう聞かれたら 「結局一番好きなのは、J-RPGかな・・」 などと自信なさげに言うのでは無いかと思います。 最近、改めて「J-RPG」という言葉を聞くことが多くなりました。 「J-RPG」とはいったい・・など話し出すと大変なことになるので控えますが 『オクトパストラベラー』はまさに J-RPGの王道 かつての”スクウェアのRPG” を現代に進化させたタイトルだと思います。 前作「オクトパストラベラー」も夢中になって遊んだのですが 正直、気になる点・不満点も多く 手放しで絶賛できるタイトルではありませんでした。 ・8人の主人公、それぞれの物語やキャラクターの関係性 ・強大でやりごたえのあるラスボス ネタバレになるので詳しく書けませんが 大きくこの2点が「期待していたのと違った」ポイントでした (実は前作のラスボス、結局倒せなかった) その他、物足りなさや不親切に感じていたポイントが ほぼ改善・・というか、そうだよ!これがやりたかった!という 大満足ポイントになって帰ってきたのが 「オクトパストラベラー2」です。 セールスポイントは沢山ありますが 個人的に”ここが好き!”ポイントを書いていきます。 ・キャッチーで耳に残る素晴らしいBGM ・8人全員魅力的な主人公キャラクター ・同時進行する8人の物語、からの・・(自粛) ・戦略的かつ爽快感のあるコマンドバトル ・全体的にサクサクとストレスの無い操作感 ・スキルやジョブを組み合わせる、パーティ編成の面白さ 強大なラスボスには何度も全滅しつつ どうしても勝ちたい!と挑み続ける事ができ 今回はついに撃破できました(そしてトロコン!) 個人的にグラフィック(HD-2D技術を使った美麗なドット絵)は 好きでも嫌いでもないので、上げておりません (どちらかと言うと、描き込まれた2Dグラフィックの方が好き) ランダムエンカウントや、コマンドバトルなどは 好みが分かれると思いますし 8人並行するストーリーには無理(矛盾)も多かったりと 最近のリアルなゲームに慣れていると首をひねる部分もあると思います。 しかし かつて、あのスーファミの時代 キャラ育成や味わい深いストーリー あの「スクウェア」RPGにときめいた、あなた。 あなたはやるべきです。まじで。 そして”進化”に驚嘆してほしいです。 私達の好きなあの”RPG”、まだ進化しています。 さて、大切な補足を入れておきます。 前作「1」を先にやるべきか? 自分は2からやっても良いと思います。 ストーリー、キャラは一新。 舞台は同じ世界ですが、時代も場所も違います(たぶん) 信仰されている神様の名前が一緒だったりはします。 前作やっていた人だけが”ニヤリ”とできる的な要素も「ほぼ」ありません。 ただし「前作も気になる、いつかやるかも・・」という方は 2のあとに1をやるとしんどいかもしれません。 システムやゲームのクオリティ的に。 あと繋がりの部分で「ほぼ」無いと言ったものの ”開発者いい加減にしろ!”と言いたくなる類の要素はありました。 が、無視しても問題ないと思います。 ぜひ楽しんでください。 そして 「オクトパストラベラー3」 きっと作っていると信じています。 楽しみで仕方ありません! 一番好きなキャラは、食いしんぼうの「オーシュット」です。 多分みんな好きになると思います。
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忘れないであげて賞
ヒヨスケ さん
オクトパストラベラーII
今年2月に発売されたRPG。面白いんだけど、その後傑作が連発したため、すっかり影が薄くなった印象がある。「そういえば今年だったか…」と思った人もいるかもしれない。今年だ。 確かにGOTYに選ぶとなるとちょっと違うなという気はしている。それでも放っておくのは勿体無い良作なので取り上げておきたい。 === 本作は2018年に発売された「OCTOPATH TRAVELER」の続編ではあるが、前作から世界設定が一新されているため本作から始めてもまったく問題ない。 見ず知らずの8人が共に旅をすることになるという物語なのだが、他の一般的なRPGと違うのは8人がひとつの目的のために集うわけではなく、それぞれには別の目的があり、描かれるのはあくまで個人個人の物語であるというところ。 その物語が非常に魅力的である一方、たまたま出会った8人がたまたま一緒に旅をしているという感じで、この8人が集うのに合理的理由はなく、はっきり言って設定が雑だ。わたしはこの雑さこそが本作の魅力だと思っている。 例えばピーチ姫が毎回当たり前のようにクッパにさらわれるような、コナンが毎回事件に遭遇しその度に小五郎が眠らされるような、男塾で死んだやつが当たり前のように再登場するような、ジャイアント馬場が足を出しているところに若手レスラーが突っ込んで行って自ら16文キックを喰らうような。そんな雑さを楽しむのもまたエンターテイメントなんだと思う。 本作にはそんな雑な余白が随所にあるが、それは時に味わいのある行間となる。 進撃の巨人やワンピースを見て伏線がすごいと楽しむのもいいが、あまりに伏線伏線言いすぎて伏線さえ回収されればOKみたいになるのは味気ない。伏線なんて所詮おまけだ。シャンクスが海王類に腕食われても別にいいじゃないか。ベアクローを両手につけて2倍のジャンプして3倍の回転すれば1200万パワーになるんだよ。そんな雑さも愛してやってほしい。 === せっかくなのでもう少し具体的な話もしていきたい。良かった点とそうでない点、両方あるが、まず良かった点から。 OCTOPATH TRAVELER の代表的な特徴といえば、やはりHD-2Dというビジュアル表現だと思う。3Dの背景にドット絵を融合させ、懐かしさと新しさが混在するこの表現はまさに発明だった。本作ではカメラワークによる演出でより魅力的な表現に進化している。 昼と夜という時間の概念が追加されたのも良かった。 まずは単純に光の変化により、変わりゆく景色を楽しめるという点。そしてもうひとつは昼夜で町民などNPCの言う事などが変わり情報量が増えてる点。 本作には主人公たち8人がNPCに対してアクションを起こせるフィールドコマンドというものがある。例えば踊り子が誘惑して町民を仲間に引き入れるとか、王子が賄賂で買収して情報を引き出すとか、学者が突然襲いかかって持ち物を強奪するとか。雑である。 それらの行動によりNPCひとりひとりから多くの情報を引き出せるのだが、情報量が増えたことで主人公たちだけでなくNPCのバックボーンもより深く描かれている。 ハゲ頭のNPCを仲間にしたら、フラッシュという目潰し攻撃の特技を持っていたというコミカルなものもあれば、一見穏やかな婦人の持ち物を確認したら物騒なナイフを隠し持ってたというゾッとするものまで、いろんな背景が描かれている。 そういった行間を読んでいけば、本作をより深く楽しめると思う。 個人的に好きだったのは、とある寂れた漁村に暮らす老夫婦と孫娘。 特にイベントが発生するわけではなく、ストーリーにはまったく関係ない。ただのNPCの情報でしかない。でも3人から引き出すことができる情報には愛が詰まっていた。ネタバレになるので詳細は避けるが、私は少し泣いてしまった。 このゲームには、クリアだけを目指すのであれば見過ごしてしまうよな人たちの物語がたくさん詰まっている。 === いきなり脇役の方にばかり言及したが、主人公たち8人の物語もちゃんと強化されている。 前作と同様、本作は8人の主人公の物語をどの順番で進めても良い。それぞれはいわゆるJRPGらしい一本道であるものの、好きな順番で進めれることで擬似オープンワールド的な自由度を味わえるのも面白い。 さらに今回は新たにクロスストーリーというイベントが導入され、8人のうちの2人を主人公とした物語も展開していく。これにより仲間感が強まってるのがいい。 まぁそれも多少強引で雑なんだが、それがいい。それでいい。 === 戦闘システムも新要素がうまく機能してて前作から良い進化をしてると思う。 前作同様に基本はターン制のコマンドバトルで、行動順はキャラクターの速度に準ずる。当然攻撃が当たるかどうかといった運要素もあるが、特定のアクションで行動を遅らせたり、敵の弱点をついてブレイクさせると弱体化させ行動不能にできたりと戦略性が高い。 さらにターンごとに1ポイント貯まるブーストポイント(BP)を消費することで一度に複数回攻撃したり攻撃を強化することができるシステムも、より戦略性を高めている。 本作からは底力という、いわゆる必殺技的なシステムも新たに導入されている。これが雑魚戦で敵を一層するのにも便利に使えたりして、戦略だけでなく余計な戦闘のストレス軽減に貢献してるのも良い。 他にも細かい改善点はあり、前作から大きな変化はないものの、前作ですでに面白かった戦闘がより洗礼されたという印象で非常に楽しめた。 === 最後にわたしがいただけないと思った点も書いておきたい。 本作ではイベントシーンがフルボイス化されている。それが良かったという人もいると思うけど、私はいらないと思う。 小さなドット絵で描かれたキャラクターが生き生きとして見えるのは、当然作り手の表現力もあるが、何よりもプレイヤーの想像力の賜物だ。声を入れてしまうと、それが削がれる側面がある。 漫画が喋ったり動いたりしたら面白いだろうなって、確かにそうかもしれないがそれはもうアニメであって漫画ではない。アニメもいいが、漫画には漫画の良さがある。情報量を減らすことで解像度が上がるということもある。 ボイスの全てを否定するわけではないけど、少なくともこのゲームにおいて声を入れる必要はないと感じた。 前作ではポイントとなるワードだけ喋るというパートボイスが採用されていた。これが中途半端だと不評だったようだが、私は声を入れるならこれぐらいがちょうどいいと思っていたので、今回のフルボイス化はちょっと残念だった。 === それ以外にも細かい部分でさらに改善してほしいなと感じる部分はあったものの、概ね満足の傑作だと思う。発売が今年じゃないければもうちょっともてはやされてた気はする。 埋もれてしまった作品たちのこと、時々でいいから、思い出してください……。