シリーズ最新作にして、遂に日本が舞台となり、多くのシリーズファンが待ち望んでいた作品である。前作、「アサシンクリード ミラージュ」が原的回帰を謳った作品ならば、本作はミソロジーの系譜に連なる、RPG路線の作品である。
女忍者の奈緒江と実在の人物である弥助、この2人を操作することになるゲームシステムは先行するシリーズ作品をほとんど踏襲しており、シリーズ経験者ならばすんなりと受け入れられるだろう。
シナリオもこれまで国内メーカーが作った作品とは、異なる角度、切り口から描いており、歴史好きならば楽しめる作品である。
本作の最も素晴らしい点として、国土の7割が山地、森林である日本の山中の解像度の高さをあげたい。少し登山を齧ったことがあれば、登山道だけでなく、ピークとコル、尾根、沢の描き方が素晴らしいと思うだろう。
2025年は山登りゲームが巷で話題になったが、本作も紛れもなく山登りゲームである。
また、本シリーズに興味はあるが、作品数が多すぎてどこから手をつけて良いかわからないという人こそ、本作から入ってもらいたい。これまでヨーロッパ周辺が舞台だったが、日本が舞台となったことにより、ストーリーが外伝的になっているため、シリーズの前提知識がほとんど必要とされないからだ。これまでの作品と比べても、つながりは薄くなっているので、アサクリデビューにオススメの作品である。
本作に対して、それぞれ思うところはあるだろう。各々の信条だったり、歴史観だったり、ゲームとは関係ない部分での批判かもしれない。本来であれば、「Ghost of Yōtei」という海外デベロッパーが、日本を舞台とした歴史作品を出したことにより、比較されても良い作品のはずが、無視されているとも言える状況にあることは、シリーズファンとして非常に残念である。しかし、その与えられし名の通り「シャドウ」、正に影である。