”あの頃の夢中が帰ってきた”
風来のシレンシリーズと言えば、最新作の”6”が目新しいが、
綺羅びやかな最新作とは違い、私にとっての”丁度良いシレン”はこの作品だ。
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とある出来事があの頃プレイした本作に帰ってくる切っ掛けとなった。
自宅にあった64本体にカセットを差し、起動をする。
この非日常の行為も、あの頃は当たり前だった。
「ただただ懐かしい」
その”懐かしさ”が画面にも広がっている。
本作は、
ランダムに生成されるダンジョンを探索するローグライクと呼ばれるジャンル。
ストーリーはざっくり言うと、「鬼退治」だ。
物語は正直、それ程深くはない。
だけれども、敵に値する”鬼”には村を襲う理由があり、
良い鬼も悪い鬼もいて、それぞれの心情が描かれている。
キャラクターも多数登場し、個性豊かだ。
ダンジョン攻略に心強い仲間もいて、助けてくれる。
正に”鬼退治に向かう桃太郎”のようだ。
「鬼は本当に悪いのか?」
そんなことを思いながらも、結局は退治してしまうが・・・
少年時代にプレイした本作は、
大人になった今、鬼という存在の感覚がまた違って、味わい深く感じた。
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武器と武器を合成し、より強い武器にする。
識別されていない道具をいかに読み解くのか?
特性のあるモンスターを効率よく倒す。
などと…頭をフル回転させる。
エナジードリンクを傍に置きながらプレイしたくなる。
そんな達成感と考察と緊張感とを常に味わえる。
一度の失敗が仇となる。
だがそれが実に楽しい。
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本体とソフトがないと出来ない。
などと現在のプレイ環境への敷居は高い本作だが、
すぎやまこういち氏の音楽
丁度良い難易度
温かみのあるグラフィック
数十年経った今でも沢山の”色褪せない”は此処にある。
気付いたら朝、それほど夢中に・・・童心に帰る本作に対し、
発売から24年経った今、改めて感謝を伝えたい。
またきっと・・・いや絶対に、ふとダンジョンに潜る日がやって来るだろう