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真・女神転生V Vengeance

Game of the Year 2024
ネッサー さん
真・女神転生V Vengeance
2021年にニンテンドースイッチで発売された、「真・女神転生V」から様々な要素を追加した決定版である。 真・女神転生と言えば、プレーヤーの選択次第で変わるLow-Neutral-Chaos別の分岐ストーリーもさることながら、やはり悪魔合体と育成! 約270体の古今東西の神、天使、悪魔、妖怪、英雄等を、会話や悪魔合体で仲魔にし、育成していく過程がたまらなく楽しい。 過去作からブラッシュアップされてきた悪魔合体は、今回「2身全書合体」が追加された事で、より便利かつ気軽に行える様になり、悪魔の組み合わせをメモして唸りながら合体チャートを組んでいた過去に比べると、格段に遊びやすくなったと感じる。 育成についても、レベル上限アップやエンドコンテンツの追加により、より長く楽しめる様になっている。 また、グラフィックも強化された事で、より悪魔に愛着が湧き、伝承を読みつつ空想に浸ったり、新コンテンツ「悪魔の裏庭」で悪魔を鑑賞するだけでニヤニヤが止まらなかった。 元の「創世の女神」から追加されたシナリオ「復讐の女神」は、ストーリー展開が薄く感じる箇所もあったが、筆者としては元来真・女神転生は想像・考察する事が面白く、申し分ないと感じた。 音楽についても、女神転生らしい独特の哀愁と高揚感が混じり独自の世界観を感じる事が出来た。 総じて真・女神転生シリーズを初めてプレイするプレーヤーも遊びやすく、古参ファンもニヤニヤ出来る要素もありおすすめ出来る作品である。 是非、悪魔が跋扈する世界へ足を踏み入れてはいかがだろうか…
Game of the Year 2024
🐉ドラゴンユズ🐉 さん
ペルソナ3 リロード
■原作への愛が生み出した偉業 P3Rは原作を非常に忠実に再現している作品だ。原作との違いを言葉で表すと「戦闘システムとグラフィックスを最新のものにしたペルソナ3」である。では、この作品の価値は戦闘システムとグラフィックなのか?と問われると、答えは”否”である。 今作が成した偉業は、原作の世界感の再解釈と、見事なアートワークへのアウトプットである。 原作より、ペルソナ3という作品のテーマは「死という生命には抗えない運命」と「命の意味」であり、これらのテーマを学園物のヤングアダルトフィクションに落とし込んだ作品である。そして、今作P3Rのリメイクチームはこの世界感を爽やかな青と再定義したのである。 P3Rは全てが青い。ロード画面やメニュー画面などのUIから、キャラクターの影に至るまで、とにかく全てが青いのだ。そして、青を基調とした美しいアートワークが、プレイヤーを儚くも爽やかな世界観に浸らせるのである。PS2版も青ベースのUI構成ではあったが、ここまで圧倒され印象に残るようなものではなかった。 他のゲームでは見たこともない挑戦的な試みであり、原作への深い理解と愛情が感じられる素晴らしい世界のリメイクだ。 ■メニュー画面に於ける革命 今まで数々のゲームをプレイしてきたが、”メニュー画面を動かすのが楽しい”という経験は初めてだ、これはもう革命でしょうが。今後他のメーカーは間違いなく参考にするであろう秀逸なデザインである。ゲーム業界に新たなマイルストーンが置かれる瞬間を感じ、感動を覚えた。 ■快適なゲームプレイへの探求 P3Rをプレイする前は「戦闘システムはペルソナ5準拠」となぜか思い込んでいたのだが、本作の戦闘システムはペルソナ5をベースにさらに進化している。特に素晴らしいのがワンボタンでの弱点スキルの呼び出しである。アナライズ済みの敵への有効打を持っている場合、(RB)を押すだけでWEAK攻撃を呼び出すことができるのだが、ペルソナシリーズは「弱点を突いて総攻撃」が戦闘の基本であり、このショートカットが追加されただけで、戦闘のテンポが大幅に改善されている。 今作から追加された、“テウルギア”(ゲージを溜めて打つ必殺技)も素晴らしい。属性相性が悪く、有効打が無いような局面でも、耐性無視で大ダメージを与えられるため、戦闘がぐだぐだと長引くことがない。 しかし、戦闘に関しては残念な部分も残している。これは原作を忠実に再現したが故の、原作から地続きの問題点であるが、先ず敵のデザインが序盤から最終盤まで変わらず退屈だ。数種類のデザインの敵が色違い(なんなら色すら変わらない者もいる……)で永遠に最後まで使いまわされる。見た目がほぼ同じなのに出てくる度に弱点属性が変わっているのもどうにも納得感がない。 また、タルタロスと呼ばれるダンジョンの探索も単調だ。ダンジョン内では特にストーリーなどはなく、替わり映えのしないマップを上を目指してひたすら歩くだけなので、単調に感じる。終盤は敵をかわしながら、階段にダッシュするだけのゲームになってしまった。 ■原作から変わらず素晴らしいストーリー ストーリーについては原作を忠実になぞっているが、刷新されたグラフィックスとペルソナチームが作り出す素晴らしい映像表現により、原作よりさらに没入度の高い体験ができる。特にエンディングムービーの美しさは圧巻だ。 終盤に向けて加速度をつけて走り出す残酷なストーリーはプレイヤーの心に強烈な傷跡を残す内容になっている。少年少女達、命を持たない戦闘兵器、そして勇敢なわんこが、死という運命にどのように立ち向かい、命にどのよう答えを見出すのか、是非とも多くの人にプレイしていただきたい傑作だ。