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グラパン

Game of the Year 2023
けぃし~@PCゲームソムリエ見習いの弟子 さん
グラパン
私の今年のGOTYは『グラパン(GRAPPIN)』です。 本作はPC(Steam)で今年3月24日に配信開始された作品で、フランス出身で現在日本に在住している個人開発者Ahmin Hafidi氏によって製作されました。 内容としては、謎の声に導かれた主人公が古代の遺物「グリップ」を山頂の祠まで運び、グリップと山にまつわる謎を解き明かす一人称視点のアクションアドベンチャーとなっています。 グリップにはグラップリングフックの能力があり、要所要所にフックを引っかけることが可能な壁などがあるので、そこにグリップを飛ばして、飛ばした先に自分の体を引き寄せて山を進んでいきます。 ただし体を引き寄せた後はグリップが自動で外れてしまうため、足場がある場所なら良いのですが、足場が無いような場所ではすぐに次の壁にグリップを飛ばすか、同じ壁に何度もグリップを飛ばして浮いてる状態を維持しなければならずなかなか大変です。 この作品の一番良いところは何よりもグリップで空中移動している感覚が凄く気持ちが良いことです。 一部ですがパワーアップしたグリップが使える場面もあり、見える範囲であればどんなに遠くにある壁にでも一気に飛ぶことができて爽快感がハンパないです。 また山の頂上に行くまでにエリアがいくつかに分かれており、自然豊かな森や、マグマが噴き出す洞窟、廃墟となった街など全く違う環境を楽しめます。 とはいえ本作は後半になるにつれ、どんどん道のりは険しく過酷になっていきます。 ほとんど先も見えず足場も無い所をグリップだけで進む場面などもあり、これが三人称視点の作品であれば多少周りが見えやすいのですが、一人称視点のため目の前に壁がある状態を維持しつつ、次の壁を探すという苦行をしいられたり、逆にグリップが一切使えずダッシュとジャンプアクションを駆使して細い通路を越えなければいけない場所があったり、苦行の連続で何度もトライ&エラーを繰り返すことになりますが、何度もトライしていると意外とできるようになってきて自分の上達が感じられます。 そして苦行を乗り越えた先で山の頂上に辿り着いたとき、あまり細かくは言えませんがおそらく多くの人は最後にバッドエンドとなるでしょう。 自分のその一人でした・・・ さらにこの作品は自動セーブはあるのですが、途中のセーブを残しておくことができないため、また最初からプレイするという最大の苦行を強いられます。 フフッ!とほくそ笑むフランス人の顔が思い浮かびますw でも最後まで辿り着けた人なら2週目は1週目の半分以下の時間で進めるかと思います。 そして迎える本当の最後がどんな結末になっているかは・・・どうかご自身でご確認ください。 注意点としては、一人称視点で揺れが激しい部分も多いので酔いやすい人は注意が必要です。一応揺れを抑える設定もあります。また高いところに登ったり、操作ミスで高所から真っ逆さまに落ちたりもあるので、高所恐怖症の人にも厳しいかもしれません。 当然AAA作品と比べれば、高グラフィックでも無いですし、ボリュームも少ないですが、一人称視点でのグラップリングフックの気持ちよさは唯一無二で個人開発とは思えない素晴らしい作品だと思いました。