歳を重ねるに連れて忘れかけていた「RPGのシナリオをじっくりと楽しむ心」を取り戻させてくれたタイトル。
スマートフォン向けながらソロプレイだけに絞った作りといい、開発までに時間をかけたコダワリが詰まりに詰まった意欲的な作品である。
ギャグとシリアスの絶妙な塩梅、それらを含めたうえで成り立つ切ないシナリオのカタルシス、麻枝准氏、ゆーげん氏、声優陣たちのクリエイティビティが見事に噛み合った。作中の楽曲はどれも良質で、劇中の盛り上がりにも相応しい。
現在進行形でゲームそのものの体験に新しい試みを積極的に取り入れており、キャラクターを育成する楽しさやバトルの戦略性も増し続けている。
総合的な満足度は高く、”流行りモノ“ではないクラシックスタイルなRPG性と、長期連載コミックス的な、惹きつけるストーリーテリング性はここ数年のスマートフォンゲーム市場で群を抜いていると断言する。