仕事が辛い時、色々あった時、疲れた時、
普段の自分だったら…楽しめるはずのビデオゲーム。
そんな時に
"重たくないものを…"そう考えていた。
まるで待ち合わせをしていたかのように出会った。
内容よりもスクリーンショットが印象的であり、
まるで"ジャケ買い"をするような形から
コントローラーを握った。
まるで美術館に飛び込んだような…
静寂で美しい世界がそこには広がっていた。
"テキストがない"
しかし言葉や文章がないこの世界に、
私は《物語としてのメッセージ》が垣間見えた。
場面場面で、
「きっと、こんな想いだろう」
「たぶん、こう感じている」
主人公の《たぶんの想い》と、
プレイヤーの《きっとの考察》が、
共に感じてるようになっているから不思議だ。
主人公がプレイヤーに…いや、
私が彼女に憑依しているような感覚。
「これはゲームをプレイしているのか…!?」
不思議な体験だった。
ゲームではない、1つの芸術品のような作品だった。
結末を迎え、
コントローラーをそっと置き、スーッと涙が流れた。
現実世界に戻った時、
心が軽くなり、GRISに救われた私がいた。