「冒険は、どこまでだって続いていく」
2年半ほど前に作中で力強く叫ばれたこの言葉を、このゲームは証明し続けてくれています。

2021年12月7日。2013年8月27日から8年以上続いてきた壮大な物語に終止符が打たれました。この物語そのものが、買い切り型のゲームでは実現し得ないレベルに長大で、忘れえぬ感動を与えてくれるものです。それはプレイ期間が長いほど、サブクエストを含めた寄り道を楽しむほど、大きくなったことでしょう。このゲームに出会えてよかった。このゲームで遊んできてよかった。そのような声をたくさん聞いてきました。

そしてそれ以上に素敵なのが、盛大なエンディングを迎えてなお、新たな物語が、冒険が、我々に提供され続けているということです。
作中最終盤にてプレイヤーである我々は、ある人物から宿題とも受け取れる言葉を受け取ります。海に沈んだ海底遺跡。流氷に覆われた地を越えた先にある島。今や人の行き来すらない南方大陸の今の姿。他にもいくつかありますが、これらを見ておけと。
ファイナルファンタジーXIVは、作中で名前の出た地域の9割以上に、実際に行くことができます。直接歩いて行くことができない場所でも、その地を題材にしたコンテンツが存在するのです。
ならば! 先に挙げられた見ておくべき場所にも、いつかたどり着けるのではないか!?
これを成してきた事実と、実装し物語に落とし込んできた開発スタッフの手腕に、期待が持てるというものです。
そして暁月のフィナーレとしての最初の大型アップデートで実装されたのは、このうちの一つでした。その後も何度か大型アップデートを挟み、冒険は今もなお続いているのです。

ゲームとは、どれだけ楽しくあろうとも、終わりの時間を迎えることが約束されたものでもあります。オフラインのゲームであればエンディングが。オンラインゲームであれば、サービスの終了が。
ファイナルファンタジーXIVも、いつかその時を迎えることになるでしょう。ですが、それは今ではない。冒険は続いていくと示してくれたこのゲームを、私のGOTYとして選出します。
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リメイクとはかくあるべしというお手本のような作品。
オリジナル版発売時と比べると、ゲームに求められる要素も多岐に渡るようになりました。グラフィックや音楽はより高品質を求められるようになり、挙動には滑らかさを、操作性には快適さを。主要キャラクターの音声も、今の世では有って当たり前です。
そうした現代の基準として要求される要素を、見事に満たして蘇った傑作リメイクと言えるでしょう。
特に音声、もっと言うなら選ばれた声優陣の顔ぶれ。豪華さもさることながら、声優ファンならばかつて思っただろう「このキャラに声をあてるなら」という夢が実現したような面々が揃っています。

リメイク作品に求められるブラッシュアップを万全にこなし、かつては小学館とのコラボで行っていた「夢の競演」という特徴を、妥協のない声優選出により再現した、見事なゲームだと言えましょう。
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