【○】
--なぜエルデンリングは面白いのか?ダークソウルと何が違うのか?
まず長い前置き。
SEKIROが10日で200万本、ダークソウル3が4年をかけて累計販売本数1000万本を達成に対してエルデンリングはSteamの初週売上だけで1000万本というローンチ記録を作っている(今後トータルでどういう数字が出てくるか楽しみ)youtubeでも多くの配信者がプレイしていたり、店頭ではソフトが消えているような状況でプレイしていない人にもその盛り上がりが目についていたと思う。

ここで、多くの人が興味を持つであろうポイントはおそらく「ダークソウル(今まで)と何が違うの?」という点。

評価の結論は、点数を見ればわかる通り大絶賛!エルデンリングは現在進行形で遊んでいるのだが、睡眠時間は大幅に減少し、新しいゲームに手がつかないし、他全ての予定をめちゃくちゃに破壊しており、この状態を過去に例えるならオンラインゲームを人生で初めて体験んしたファンタシースターオンラインやファイナルファンタジー11の時、初めてオープンワールドに夢中になったオブリビオンやフォールアウト3に夢中になった時を彷彿とするくらいのハマり方をしている。ゲームを数千本遊んで来たおっさんがこんなに夢中になってしまうのだ。

そんな大絶賛な自分でも「ダークソウル(今までのフロムゲー)と何が違うの?」という点を唐突に聞かれると、「えーと初のオープンワールドで~…でも基本はダークソウルなんだよね、えーと…」とエルデンリングの魅力についてパッとわかりやすい一言が出てこなかったりする。個人的にオープンワールド近年の傑作と言えばブレスオブザワイルドが思い浮かぶのだが、こちらはゼルダが初のオープンワールド化になっただけではなく、ゲームの歴史においてオープンワールドゲームの既成概念を壊したターニングポイント的作品…とかぱっと強みが一言で浮かんでくるのだがエルデンリングはその一言が難しい。

そこで、エルデンリングがなぜ面白いのか?理由を整理するために自分なりに考えてみた。

素晴らしいオープンワールドゲームとは何か?
フロムゲーの面白さとは何か?

これは共通項が多い事に気づいた。
・次の行き先を支持されて遊ぶのではなく、自分で自由に行き先を決めて冒険する。
・地図を開いて未開の土地を冒険し、発見の驚きと刺激がテンポよく濃密な体験が実現している。ボリュームとバリエーション。
・自分がこういう風に生きたいという選択肢が多い。物語の分岐や育成の幅、装備の数など。

特徴を言葉にしづらかったのは、このゲームの魅力が新しさや斬新さではないから、どんな変わったゲームを作ろうか?ではなく、元々フロムが培ったノウハウを全て詰め込み圧倒的ボリュームでオープンワールドゲームを作ったらそれは神ゲーでしょう…というのを信じて作り切ったのがエルデンリングではないかと思う。彼らはいずれこういうものを作るために今まで積み上げてきたくらいしっくり来ていた。実際遊んでいると、ダークソウル歴代シリーズ、デモンズソウル、SEKIRO、ブラッドボーン様々な遺伝子が感じられファンにとってはドリームチームのようなタイトルに感じるはず。ゆえにフロムゲーを好きじゃない人にはその苦味もしっかりと感じられるゲームと言えるのでエルデンリングなら大丈夫、別物とはなりづらいかもしれない。

新しい挑戦をするためには0から作る事による完成度の甘さが出るし、元々良かった部分と相性が悪く捨てるリスクがあるものだが、今回の新規要素のほとんどは足される部分が多く、さらに邪魔になっていない印象。新しい挑戦というほど大胆な変化を必要としておらず、培った強みをより強くする方向に向かっていたイメージ。彼らの全てと、オープンワールドゲームに最も必要とする事は親和性が高く、どのオープンワールドゲームよりも濃密に刺激的に恐ろしいボリュームを詰め込んでやるぞ!という熱意の元、実現した作品がエルデンリングではないかと思う。

フロムゲーの世界観やゲームデザインが大好きかつ限りなく自由で密度の濃いオープンワールドゲームが大好きな人にとって究極のゲームと言える。

細かな要素については以下に。


--膨大な未知の冒険
冒険する楽しさに必要なものは未知の発見に挑み挑戦し工夫し、乗り越え達成する事。
エルデンリング最大の魅力は広大なマップとそこに配置されているロケーションの数、さらにそれらの密度の濃さ。

オープンワールドRPGにおいて個人的にとても重要なポイントは「未知を冒険する」楽しさが重視されている事。

具体的には親切にシステマチックに表現しないという事なのだが、
メインクエストはここです、この道に沿って行って下さい。推奨レベルはいくつです。
現地についたら、アイコンが表示されこのアイコンはミニゲームです。ああ、あれかと機能がわかってしまう。
迷わないための遊びやすさを追求した結果なのでこれも一つの正解だと思っているので好みの問題だが、
行く前や現着した瞬間に情報がある程度把握できてしまうというのは自分で発見、理解する楽しさが失われていてちょっと冷めてしまう部分がある。スカイリムやウィッチャーなど行先を教えつつも、着いてからは未知の驚きを与えてくれるゲームもあるのでそういうのは好き。

エルデンリングは真っ白な地図を開いて自分で歩いてロケーションを埋めていく楽しさがずば抜けている。
地図を見て怪しい建物の絵を見て何かあるのでは?と見に行ったら怪しい宗教団体が人をつるし上げて燃やしていたり、
あてもなく馬で走っていると巨人が引っ張り馬車を引っ張り、異形の集団が周りを固める大名行列にぶち当たったりと、
目にするまで想像できないような驚くべき発見からの挑戦、そして苦難を乗り越える達成感、そしてまた発見…これがとんでもない密度で実現している。
100時間近く遊んでも飽きを感じる事なくワクワクさせ続けるゲームというのは滅多にあるものではない。

エルデンリングは祝福というソウルでいう篝火のような休憩所が点々とあり次の祝福の場所の方向だけ導く事でざっくり行き先を教えているが、ゲーム開始からその通りに進むと恐ろしい強さのボスに打ちのめされ、まだ自分が挑戦するべき場所じゃないのかも?と考える事になる。ここで意地でも腕で乗り越えるまでやる強行突破も一つの選択だが、別の場所を探検してみよう…と頭を切り替え膨大な寄り道でしっかり力を付けて、そろそろ行けるかもしれない…と自分で具合を決めて挑戦していくのが正しい遊び方だと思う。

この感覚は、キングスフィールドからも潰えずフロムゲーが過去作でずっとやってきた事なのでソウルシリーズを遊んで来た人にとっては、迂回路の選択肢が恐ろしく増えたという感覚に近い。これを不親切という人にはこの手のゲームは向いていないのかもしれないが、個人的には順路や挑戦レベル、ロケーションで何が起こるのかが曖昧な方がプレイヤーが自分で考え旅をする楽しさが際立つと思っている。

洞窟を発見しドキドキしながら中に入り思わぬ強敵に苦戦し、思わぬ罠に苦しめられ、思わぬ宝を手に入れる。こんな冒険が楽しめるダンジョンが物語すらなく何気ないものとしてとんでもない数オープンワールドの中に詰め込まれている。

散々遊びの部分を書いたが、この冒険の楽しさを感動レベルまで押し上げている大部分としてアートワークと世界観も欠かせない。
ゲーム・オブ・スローンズの原作で有名なジョージ・R・R・マーティンが神話を作り上げ、フロムが得意とするダークファンタジーワールドは最高傑作というほどの出来栄えで美しく絶望的でゲームのシビアさと世界観が調和がしており最高の世界になっている。

旅の終わりがこんなに寂しいと思うゲームは久しぶり。


--成長と収集のボリューム
RPGにとって重要なポイントの一つだが、今回は武器、魔法、戦技のボリュームが凄まじくビルドの幅は歴代最高クラスになっていると思う。

アクション面も変化があり、ひたすら渋い剣劇アクションばかりという感じではなく、ソウルシリーズの武器固有についていたド派手な戦技がもっとポピュラーになって派手な必殺技バトルになっていたり、魔法も画面いっぱいの広範囲、スナイパーのような遠距離、仲間を強化する補助バフ、自爆や嫌がらせのネタなど選択肢が恐ろしく増えている。剣劇が弱体したというわけでもなくSEKIROから体幹を削るような遊び心地も感じられ粗削りな部分は多いがそれを差し引いても余りあるほどにいろいろな遊び心地が詰め込まれていて楽しい。これによって周回プレイで長く楽しむ事も出来る。

利便性も向上しており1周回が長いゲームなのでカスタム面が寛容的になっている。戦灰というダークソウルで言う戦技をいつでも好きな武器に自由に切り替えることが可能になったり、強化アイテムが後半は店で買えるようになるし、ステータス降り直しアイテムも潤沢に手に入るので、途中いい武器やスキルを手に入れたら気軽にビルドを切り替える事が出来る。


--様々なプレイスタイルが可能
孤高のソロプレイでクリアを目指すもよし、ソロだけどちょっと楽したい人は遺灰というNPCを召喚する事で一緒に戦ってもらう事で難易度の緩和も可能。遺灰はバリエーション豊かで育成でパラメーターだけではなく、AIも向上する。近距離遠距離ネタ含めてすさまじい種類がいる。

マルチプレイでは今回サインだまりという仕組みが入った事でFF14のコンテンツファインダーのように全く別の場所にいても助っ人を呼ぶ事が出来るようになったので過疎エリアという概念が減り、マルチが楽になった。赤霊(プレイヤーが操作するPK)が乱入してきてそれを退けながら刺激的な冒険も楽しめる。

遊び方次第でガラッと印象を変えるゲームなので、様々な遊び方を楽しむ自由度もある。


--快適性
オープンワールドゲーム最大のストレスは移動だと思うが、全く問題ない。敵がいない場所ではダッシュがし放題かつ、馬は呼んだらまたがった状態でスタートする。中継地点も大量においてあり、クリア後ダンジョンは内部からでもファストトラベル可能。



【×】
--致命的なバグと初期のクソスキル
ソロで遊んでいる人には関係ないのだが、赤霊(他プレイヤーの侵入)でバグを利用した理不尽なハメ技(近づくだけで相手が死ぬ)でゲームプレイを阻害されてしまう。※3週間くらい経ってパッチ修正済み


--ダークソウルが苦手な人にはオススメしづらい
上記でも触れたが、エルデンリングは今まで通りのフロムゲー。万人向けのゲームではない。いろいろなスキルや助っ人モンスター召喚など要素が増えたことで正面から斬り合う以外の遊び方にかなり幅できたので、これを機にチャレンジしてみて欲しいという気持ちはあってオススメしたいのだが、根本のゲームデザインやレベルデザインの思想(遊びや難易度)はソウルシリーズそのものなので、もともとシリーズが好きな人にオススメな反面、ダークソウル系が苦手だったり、行き先や育て方などを自分で考えたりするのが面倒で気楽に遊びたい人にはあまり変わらない感想だと思う。


--NPCイベントのわかりづらさ
「いつも通りじゃん」と言えばそうだし、これを探すのもゲーム性みたいな所があるのだが、体験出来ないのはシンプルに世界観や物語を楽しむ部分が減ってしまって勿体ない。ソウルと違ってやり直すにしても1ゲームが長いので、もう少しわかりやすくしてもいいかなと思う。開発も発売後のパッチで祝福位置に名前が表示するように変更したのだが、オープンワールドになって行先が増えた事で想定以上にNPCイベントが気づきづらいという認識っぽい。プレイヤーが取り逃した事を後悔するよりも、イベントを楽しんで自分の選択を後悔する方がいいかなと思う。例えばイベントのヒントをくれる占いババみたいなNPCがいて使っても使わなくてもいいよという感じでも救済になるかもしれない。


--インベントリ
簡素で非常に良い部分もあるのだが、インベントリの管理は少々わかりづらい。必要最低限という感じ。


--ボリュームの分だけ使いまわしを感じる部分
相当バリエーションがあるのだが、またこいつかというような部分はある。

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