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Hollow Knight

Game of the Year 2024
ハムしま さん
Hollow Knight
私はアクションゲームが苦手である。 少しでも難易度が高いといわれるものは、そもそも手を出さないか、遊び始めても途中で投げ出してしまうことが多かった。 メトロイドヴァニアは好きである。そして、退廃的で薄暗い世界観はもっと大好物である。 「メトロイドヴァニアの傑作」 「高難易度ソウルライクアクション」 「物悲しく、退廃的な世界観」 ホロウナイトのレビューを見ると、こういった言葉たちが並んでいた。 私は悩んだ。どう考えても自分に向いてない。 でも、それ以外は好きな要素が詰まりに詰まっている…ビジュアルも綺麗で、何よりキャラクターであるムシたちがすごくかわいい…かわいいもの大好き…。 悩んで悩んで、詰むのを覚悟の上で買ってしまった。 さっそくウキウキで始めた。 絵が綺麗〜!主人公ちまっこくてかわいい〜!とかニコニコと進む私に、ホロウナイトは初っ端から最高のお出迎えをしてくれた。 マリオでいうなら1-1。 だいたいゲームの序盤というものは、チュートリアルも兼ねて、ゆるい難易度から始まっていくし、まあ高難度ゲーとはいえ、なんぼなんでもはじめの方なら全然余裕っしょ〜〜と舐め腐った考えで最初のエリアにやって来た。 ホロウナイトさんはそんな甘いもんではなかった。なんせ1-1から殺意が高すぎる。 ジャンプする。足場に着地する。上から私を狙いすましてトゲが落ちてくる。当たる。死ぬ。何度も何度も。 まだ始まったばっかりだよ!!!!!!悪意あるトラップやめてくれよ!!!! 軽く絶望した。エンディングまで行ける気がしない。 それでも、何度も何度も死にながら、ちょっとずつ進んでいくことができた。 そこには確かに、死に覚えゲーといわれるこのゲームの楽しさが詰まっていた。 ヒィヒィ言いながらも、ちょっとずつ自分のプレイが上手くなっていることがわかる。 すっかりホロウナイトのさみしくも美しい世界観と、アクションの手触りが大好きになった。 でも、あるボスが、どう頑張っても倒せない。ソウルの師という、中盤の難敵だ。 見た目はなんかかわいくてちょっと愛嬌のあるおじちゃんムシである。声もかわいい。 まずもう動きが速い。追尾弾がどうしても避けられない。 繰り返し、戻し作業をしようにも、セーブポイントからボス部屋に行くまでのそのへんの雑魚がそもそも強い。 戻し作業だけでもつらいのに、ようやくたどり着いたボスには毎回瞬殺されるのである。 心がバキバキ折れていく。諦めようかと何度も思った。 でも、どうしても、まだホロウナイトの世界にいたかった。 これからもまだこの世界で戦って、物語の終わりまで自分の手でたどり着きたかった。 ホロウナイトというゲームが見せてくれる世界が好きだからだ。 いろいろな動画を見てイメトレした。夜な夜な、ソウルの師のもとに通った。 寝る前にソウルゲーとかやるもんではない。悔しくて眠れなくなる。体にはよくない。 …勝てない。無理だ。 何十回やり直したか、わからない。ゲームでこんなに苦戦したのは本当に初めてだった。 半分くらい意地になりながら… 動きを覚え、追尾弾を華麗に避け、コントローラーを手汗でべちょべちょにしながら、 倒せた!!ついに!!!!!!!! でっかい声でた!!!!(ほんとにでました) その瞬間、ホロウナイトは私の人生の中で忘れがたいゲームになった。 勝った瞬間のあの嬉しさを、たぶん私は一生忘れないと思う。 そうして旅を続けて、なんとかエンディングまでたどり着いたときには、途中苦しんだ分だけ、感慨深さもひとしおだった。美しい物語だった。 ホロウナイトは名作です!メトロイドヴァニアと退廃的な世界観が好きな人には絶対おすすめ!!と、声を大にして言いたい。 今でも、私はアクションゲームが苦手だ。 でも、これから好きなゲームジャンルを誰かに聞かれたら、ドヤ顔にならないように気をつけつつ、こう答えようと思う。 「アクションは苦手なんです。…あ、でも、ホロウナイトはクリアしました!」 頑張れば、苦手なものも、ひょっとしたらできるようになるのかもしれない。 大きな困難に出会っても諦めない心があればそれに打ち勝つことができる!ということを、このゲームから教えてもらった。 …本編クリア後の高難度DLC? できるわけないだろ!!! あんな難しいの!!!!!!!!!!!!