物語はマジシャンが"消失した"事件から始まる…。 雇われ探偵のジャックが事件を追い、証拠を集め、汚職警官やマフィアと戦い、様々な思惑の交錯する陰謀を明らかにしていく。 ゲームジャンルは一人用アクションFPS。 モノクロな画面で描かれるハードボイルドなストーリーと場面を盛り上げるジャズがマッチし、1940年代のノワール映画に浸るような体験を味わえます。 ただし、キャラクターデザインはディズニー風。 世界観はカートゥーン。 インクが飛び散り、チーズに酔う、過激な調査を始めよう! 見かけで「一発ネタのバカゲーか…」と侮ってはいけません。プレイすると完成度の高さに唸らされる作品でした。 謎を徐々に明かして盛り上げるストーリー展開が秀逸で 、アクション部分もストーリーを邪魔しない程度に抑えつつ、手強い難易度と凝ったギミックが光る内容になっています。 そして特に素晴らしいのが、細部までこだわり抜かれたアートデザインです。 マップは手書き風の3Dカートゥーン調で、小物が細やかに散りばめられ確かな生活感が漂っています。キャラクターは2Dですがアニメーションが豊富かつ滑らかで、3D世界の中で生き生きとした動きになっており、戦闘ではアニメのワンシーンに入り込んだような感覚になります。 声優や効果音など他の部分も隙がなく、これらによって形作られた空気感はカートゥーンらしいジョーク表現とハードボイルドの諧謔(かいぎゃく)が合わさり、「バカバカしいけどカッコいい」という無二の楽しさを生み出しています。 私がプレイした理由は「テーマ曲に好きなアーティストが参加してる」という程度だったので低かった期待値を大きく超えた驚きもありましたが、それ以上に開発陣のデザインへの妥協のなさに驚愕させられました。 最初から最後まで素晴らしい世界観を楽しませてくれるゲームでした。